モーリスのアコギを選ぶときのポイントは? 音楽ライターに聞いた!
音楽ライターの田澤仁さんに、モーリスのアコギを選ぶときのポイントを3つ教えてもらいました。
低価格から最高級まで、3つのグレードから選ぶ! ポイント1
音楽/DTM/PCオーディオ 専門ライター
モーリスのアコギのラインナップには、3つのグレードがあります。
まず、もっとも低価格なのがPerformers Editionです。中国工場で生産されるギターですが、国内で日本の気候に馴染むまで一定期間寝かせ、検品、調整したうえで出荷されるので、品質に不安はありません。とてもコストパフォーマンスがよく、初心者にもおすすめです。
Hand Made Premiumは、国内工場で職人が手作りでていねいに仕上げるシリーズです。価格は10万円以上になりますが、材質も作りも高級なので、ちょっといいギターが欲しいという人はこのグレードを狙いましょう。
このほか最高級の1本が欲しい人向けに、ルシアーと呼ばれる匠が全工程に携わるセミオーダーメイドのLuthier Made Premiumもあります。ただしこれは基本的に受注生産なので、通常は店頭には並びません。
「ドレッドノートのM」か「フォークのF」で選ぶ! ポイント2
音楽/DTM/PCオーディオ 専門ライター
型番の最初にあるアルファベットで示されているのが、ボディの形状。
おもなものとしてMとFがあります。Mシリーズはドレッドノートと呼ばれるボディ形状で、サイズは大きめでボディのくびれが浅く、低音が豊かに響き、音量も大きく鳴らせます。オールラウンドに使えるのがドレッドノートタイプなので、迷ったらMシリーズを選ぶとよいでしょう。
Fシリーズは、ボディに深いくびれがあるフォークタイプで、繊細な音色が持ち味です。ドレッドノートよりボディが少し小ぶりで弾きやすいフォークタイプは、初心者や、小柄な人に向いています。
「指弾き」なのか「エレアコ」なのかで選ぶ! ポイント3
音楽/DTM/PCオーディオ 専門ライター
クラシックギターのような指弾きのスタイルで演奏する人には、Sシリーズがおすすめです。指先で微妙なニュアンスを表現できるように、ボディのトップ板やその裏側の補強材も専用の構造を採用しており、弦の振動に対する反応がよく、高音から低音までバランスよく鳴らせるようになっています。ピックガードがないためトップ板の振動が妨げられないのも、指弾き用ならではの特徴です。
また、エレクトリック・アコースティック・ギター(エレアコ)のラインナップも豊富に用意されています。Performer Editionの『G-401』やHand Made Premiumの『R-14』のほか、Sシリーズでもエレアコモデルを選ぶことができます。初心者でも、将来的にライブをやりたいと思っているなら、最初からエレアコモデルを選ぶとよいでしょう。
モーリスのアコギおすすめ8選! 音楽ライターが厳選!
ここまで紹介した選び方のポイントをふまえて、音楽ライターの田澤仁さんに選んでもらったおすすめのモーリスアコギを紹介します。

Morris『F-351』

出典:楽天市場
グレード | Performer Edition |
---|---|
シリーズ | F |
ボディ形状 | フォーク |
材質 | トップ:スプルース、サイド:サペリ、バック:サペリ(トップのみ単板) |
ピックアップ | × |
カラー | 5色 |

Morris『MB-501』

出典:Yahoo!ショッピング
グレード | Performer Edition |
---|---|
シリーズ | M |
ボディ形状 | ドレッドノート |
材質 | トップ:スプルース、サイド:ローズウッド、バック:ローズウッド(トップのみ単板) |
ピックアップ | × |
カラー | 1色 |
単板トップのエントリー向け12弦モデル
初めての12弦ギターとしておすすめのモデルです。Performer Editionなので低価格ですが、トップには鳴りのよいスプルース材質の単板を使用。また、ほかの低価格な12弦ギターはバックとサイドにマホガニーやサペリなどの材質を使ったものが多いのですが、このモデルは少し豪華なローズウッドです。音にも張りがありますし、サスティン(弾いた時の音の伸びや残響)もよく伸びて、とても低価格モデルとは思えないバランスのよい音を鳴らせます。12弦ギターはネックにかかるテンションが強くなりますが、モーリスのギターは、ネックとボディが密着度の高い方式で接合されているので、“ネック起き”の心配がないのもうれしいところです。

Morris『MG-101III』

出典:楽天市場
グレード | Hand Made Premium |
---|---|
シリーズ | M |
ボディ形状 | オリジナル・ドレッドノート |
材質 | トップ:スプルース、サイド:ローズウッド、バック:ローズウッド(すべて単板) |
ピックアップ | B-BAND A1M&UST-29R搭載 |
カラー | 1色 |
ピック弾き向け、豪華仕様のエレアコ
ピックで豪快にかき鳴らしたい人におすすめのエレアコです。ブレーシング(内部の補強)はピック弾きに適した形状に加工され、傷つきにくく極薄でボディの鳴りをいかせるシルクフラット塗装が施されるなど、とくにピックでのコードストロークを気持ちよく鳴らせる仕様になっています。その他の素材にも妥協がないのが上位グレードらしいところで、トップのスプルース、サイドとバックのローズウッドはすべて単板、指板とブリッジは希少材とされるエボニー、さらにナットやサドル、ブリッジピンは象牙に近い音を出せる人工素材のTUSQという仕様で、艶やかで伸びのよい音で演奏できます。ボディのバインディング、とがったデザインのヘッド、ヘッド部や指板のインレイ、ゴールド仕様のペグ、複雑な形状のピックガードなど、いたるところにゴージャスな装飾が施されているのも特徴です。

Morris『M-112ST 谷村新司 Signature Model』

出典:Amazon
グレード | Hand Made Premium |
---|---|
シリーズ | M |
ボディ形状 | ドレッドノート |
材質 | トップ:スプルース、サイド:マホガニー、バック:マホガニー(すべて単板) |
ピックアップ | × |
カラー | -- |
アリスファンは要チェックの谷村新司モデル
モーリスは、有名プロのシグネチャーモデルも数多く出していて、そのひとつがアリスの谷村新司モデル。ドレッドノートタイプのボディは、スプルースとマホガニーのオール単板で構成され、アリスのようにコードストロークを力強くかき鳴らす曲にぴったりです。ヘッドにはアリスのキャラクターである3頭のペガサスが輝いているほか、ポジションマークやサウンドホール周りにも美しいインレイが施されていて、高級感のある仕上がりも魅力です。アリスのシグネチャーモデルとしては、同じくオール単板を採用したセミジャンボスタイルの『MJ-112TH 堀内孝雄 Signature Model』も用意されています。
Morris 『S-101III』


















出典:Amazon
グレード | HAND MADE PREMIUM |
---|---|
シリーズ | S |
ボディ形状 | グランド・オーディトリゥム |
材質 | トップ:スプルース、サイド:ローズウッド、バック:ローズウッド単板ラウンドバック |
ピックアップ | B.BAND A-1M&UST-29R搭載 |
カラー | 1色 |
Morris 『G-021』






出典:Amazon
グレード | PERFORMERS EDITION |
---|---|
シリーズ | G |
ボディ形状 | モーリス・ウェスタン |
材質 | トップ: スプルース、サイド:フレイム・マホガニー、バック:フレイム・マホガニー |
ピックアップ | なし |
カラー | 5色 |
Morris 『R-011』












出典:Amazon
グレード | PERFORMERS EDITION |
---|---|
シリーズ | R |
ボディ形状 | グランド・オーディトリウム |
材質 | トップ:スプルース、サイド:サペリ、バック: サペリ |
ピックアップ | Morris MP-4搭載 |
カラー | 6色 |
Morris 『SA-021E』

出典:Amazon
グレード | PERFORMERS EDITION |
---|---|
シリーズ | SA |
ボディ形状 | - |
材質 | トップ:スプルース、サイド:サペリ、バック: サペリ |
ピックアップ | Morris/MP-4 MG-30搭載 |
カラー | 1色 |
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さまざまな位置から音を試奏してみましょう!
音楽/DTM/PCオーディオ 専門ライター
アコースティックギターを購入する場合は、できれば一度は店頭などで試奏してから選ぶことをおすすめします。試奏するときは、自分で弾いてみるのはもちろんですが、友人やショップの店員さんに弾いてもらい、正面のほか左右に角度を変えるなど、さまざまな位置から音を聴いてみましょう。アコギはサウンドホールから前に向かって音が出るため、自分が弾いている位置と、演奏を聴く位置では音が違うことがあります。自分が弾いているときの音と、それを聴いたときの音を知っておけば、自分に合った1本を選びやすくなるでしょう。
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※2021/01/19 商品情報更新のため、記事を更新しました。(マイナビおすすめナビ編集部 渡辺裕美)
90年代にプロドラマーとして活動、その後、音楽ライターとして書籍、雑誌などの執筆を行なっている。 DTM、PCオーディオ関連の著書、DTMソフト、シンセサイザーの日本語マニュアル制作など多数。 Webでは2007年~2009年までサイトAll Aboutで「ロック」のガイドを務めたほか、音楽情報サイトBARKSでは国内外の数多くの有名アーティストのインタビュー、ライブ取材などを行なっている。 得意分野はAOR、ハードロック、フュージョン、80年代。