アコースティックギターの弦の選び方 張り替えるなら素材や種類に注目!

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さまざまなタイプのアコースティックギター弦のなかから選ぶ前に、専門家の選び方を読んで参考にしましょう。
音楽ライターの田澤 仁さんに、アコースティックギター弦を選ぶときのポイントを教えてもらいました。
弦の太さ(ゲージ)で選ぶ
アコースティックギターの弦は、ゲージ、つまり弦の太さによって、出せる音色や演奏のしやすさが違ってきます。
エクストラライトゲージ:繊細な音色とやわらかさが魅力
「エクストラライトゲージ」は、カスタムライトやスーパーライトとも呼ばれる細い弦です。張りが弱いのであまり力を入れずに押さえられますが、音量はあまり出せず、繊細なプレイ向きといえるでしょう。指の力に自信がない方はこちらがおすすめです。
ライトゲージ:バランスのよさが魅力で初心者におすすめ
市販のギターにも標準装備されている太さの弦が「ライトゲージ」です。ジャンルやギターのタイプを問わず使えます。ギターにはったときのテンション具合と、音色のバランスがちょうどよいのが特徴。初心者やこれからはじようと思っている方が、弦選びに迷ったらまずライトゲージを選んでおけば間違いないでしょう。
ミディアムゲージ:低音の力強い音色が魅力
現在よく使われている弦の中でもっとも太いのが「ミディアムゲージ」です。張りは強くなりますが、とくに低音の音量が出るので、ロックバンドで使う場合や、コードストローク中心の人に向いています。
弦の素材で選ぶ
1974年から生産がはじまったフォスファーブロンズ弦で、今なおプロやアマチュアを問わず愛用されています。豊富なラインナップが用意されているのも、長らく愛されている理由のひとつです。
弦の素材は、おおまかに分けて2種類あるのですが、ほかにもコーディング加工されているものなどもあり、それぞれ特徴が異なるので紹介します。
80/20ブロンズ弦:中低音がよくコードストロークにおすすめ
「80/20ブロンズ弦」は、単に「ブロンズ」と呼ばれることもあるのが80/20ブロンズで、銅とスズを80対20で混ぜたものです。中低音がよく出るやわらかいサウンドが特徴です。強いていうなら80/20ブロンズはコードストロークに向いているといえるでしょう。
フォスファーブロンズ弦:高音が特徴でアルペジオにおすすめ
「フォスファーブロンズ」は、銅にリンを少し混ぜたもので、耐久性が若干高められています。ブロンズ弦に比べて高音が出るため明るい音色で、アタックが明瞭になります。フォスファーブロンズはアルペジオに向いているといえますが、ブロンズと音の違いはそれほど大きくないので、両方を試してみて好みのものを選ぶとよいでしょう。
コーティング弦:耐久性にすぐれ張り替え頻度を減らしたい人におすすめ
アコースティックギターの弦は、湿気や汗でさびやすいものですが、特殊なコーティングをすることでさびにくくした「コーティング弦」と呼ばれるものもあります。以前のコーティング弦は、音の輪郭が不明瞭になるものもありましたが、最近はほとんど気にならないレベルになっているので、弦の耐久性が気になる人は使ってみるとよいでしょう。
なお、80/20ブロンズ弦、フォスファーブロンズ弦どちらも対応しています。
コンパウンド弦:指が痛くなってしまったら
ほかにも、巻き弦の芯にシルクを使ったコンパウンド弦というのもあります。やわらかいので押さえる力があまり必要ないのですが、音の伸びはあまりなく、控えめな音色になるので、通常の演奏にはあまり向いていません。
普通の弦ではどうしても指が痛くて押さえられないという人は、試してみてもよいかもしれません。
アコースティックギターの弦はセットがおすすめ
アコースティックギターの弦は1本単位でばら売りしているものから、1~6弦までの6本セットになったもの、1つの弦が複数入っているセットものなどさまざまです。
はじめは6本セットになったものがぶなんでおすすめです。ただ、チューニング中やストローク中に切れやすいのは細い5弦や6弦です。そのためこのあたりが複数入っているものをストックしておくのもおすすめです。
アコースティックギターの弦おすすめ10選 人気のダダリオやマーチン、エリクサーなど!
ここまでに紹介したアコースティックギター弦の選び方のポイントをふまえて、音楽ライターの田澤 仁さんと編集部が選んだおすすめ商品を紹介します。



初心者向けエントリーモデルの定番
ヤマハから販売されている初心者向けエントリーモデルの定番で長年愛されています。ライトゲージのほかに、スーパーライトゲージとコンパウンドゲージも用意されており、コスパ重視で弦選びに迷ったら、この商品がおすすめです。
音色と低価格のバランスがとれた柔らかい弦
ハイクオリティな弦を低価格で提供するコスパ重視のエクストラライト弦です。6角芯を採用したアコースティックギター弦で、素材は高音が特徴のフォスファーブロンズ。弦じたいも柔らかいため、女性や初心者におすすめです。
日本のギターブランドS.Yairiの弦
SY-1000シリーズはハイコストパフォーマンスなアコースティックギター弦です。値段が手ごろなのも魅力で、練習用や予備の弦としても重宝します。弦はすべて酸化防止の個包装タイプで、お得な3本ずつのセットもあります。
初心者でも弾きやすいマーチンのアコギ弦
人気メーカーのマーチンが展開するスタンダードなエクストラライト弦です。扱いやすい80/20ブロンズの弦で弾きやすい弦を求めている初心者の方におすすめです。もちろん、エクストラライト以外のゲージもラインナップされているので、好みに応じて違いを楽しむのもおすすめです。



「アコースティックギター弦」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする アコースティックギター弦の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場でのアコースティックギター弦の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
アコースティックギターの弦に関するQ&A
弦の寿命や張り替え時期の目安は?

ブロンズ・フォスワーは1か月、コーティング弦は2~3か月といわれています。もちろん使用頻度によっても変わってきますが、交換時期の目安とするとよいでしょう。
エレアコでエレキの弦は使用できますか?

使用できますがおすすめはしません。もし、ゲージが細いものを探しているなら、エクストラライトの弦はエレキ弦とさほど太さは変わらないので、こちらをおすすめします。
アコースティックギターのおすすめはこちら マーチン、テイラー、モーリスなど
弦はこまめに新しいものに替えるようにしましょう
ギターの弦の寿命は意外と短いものです。弾いていなくても湿気などで劣化し、張りがなく伸びない音になってしまいます。コーティング弦は比較的長寿命ですが、それでも時間がたてば確実に劣化します。弦は消耗品であると割り切って、こまめに新しいものに替えるようにしましょう。
また、弦を交換する際、毎回違ったタイプの弦を使ってみるのもよいでしょう。とくにはじめのうちは、ひとつのタイプにこだわらず、いろいろな弦を使って、自分にぴったりの弦を探してみることをおすすめします。
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90年代にプロドラマーとして活動、その後、音楽ライターとして書籍、雑誌などの執筆を行なっている。 DTM、PCオーディオ関連の著書、DTMソフト、シンセサイザーの日本語マニュアル制作など多数。 Webでは2007年~2009年までサイトAll Aboutで「ロック」のガイドを務めたほか、音楽情報サイトBARKSでは国内外の数多くの有名アーティストのインタビュー、ライブ取材などを行なっている。 得意分野はAOR、ハードロック、フュージョン、80年代。