小型PCケースの選び方
小型PCケースを選ぶときのポイントについてご紹介します。
マザーボードの規格を選ぶ 「Micro-ATX」「Mini-DTX」「Mini-ITX」
PCを自作するとき、置く場所の余裕があまりないならば、小型PCケースを使ってコンパクトに仕上げるのがおすすめです。
まずもっとも重要なCPUを決定したら、CPUを設置するマザーボードを選択します。主流はATX(305×244mm)ですが、小型PCではよりサイズが小さいMicro-ATXかMini-ITXを選びましょう。
Micro-ATXは、ATXよりやや小さい244×244mmの正方形で、メモリースロットは2~4つ、拡張スロットは最大4つまで搭載できます。Mini-ITXは、Micro-ATXよりさらに小型で、拡張スロット1本。小さいPCができますが、それだけ作業も難しくなります。
Micro-ATX 244×244mm
244×244mmでATXを少し小型化。PCIスロット数、メモリスロット数×4程度。
Mini-DTX 170×203mm
170×203mmで、Micro-ATXより小型。PCIスロット数、メモリスロット数×2程度。
Mini-ITX 170×170mm
170×170mmでMini-DTXよりもさらに小型。PCIスロット数は1程度、メモリスロット数×2。
スタイルに合わせてケースのタイプを決めよう ケースのタイプでおしゃれさが変わる!
小型PCケースの素材として、スチールは価格が手頃で丈夫ですが、重量があります。アルミは軽いものの、歪みや振動が起きやすくなります。
また、形にもタイプがあります。定番のミニタワー型は価格が安く、内部スペースに余裕があるため、初心者におすすめです。細長いスリム型は狭い場所に置けますが、パーツにサイズの制限が出てきます。拡張性も高くないため、ハイスペックは必要としない人向きです。
一方、サイコロのような形をしたキューブ型は、横幅や奥行きがあるので作業がしやすく拡張性もあります。ただし、パーツの厚さに注意が必要です。できれば、PCの顔となる前面パネルのデザインやカラーなどにも気を配ってみましょう。
ミニタワー型 王道タイプで初心者向け
INWIN/インウィン PCケース IW-BK623/300-H E Black MicroATX対応ミニタワーケース (H323xW140xD300mm) BLACK / 300W電源搭載
小型PCケースの定番タイプで、初心者にもおすすめなのが「ミニタワー型」です。デスクにコンパクトに収まり、また、比較的安価に購入できます。デザインもクリアタイプやアルミタイプなど種類が豊富です。
拡張スロットが少なく、メモリの増設が難しいなど、できることも限られます。そのためオリジナリティのあるカスタムをしたい方には不向きですが、オーソドックスな機能が揃っているので初級編としてはピッタリです。
スリムタワー型 デスクスペースを省略したい方向け
ミニタワー型よりも、さらに細く、スペースを省略できるのが「スリムタワー型」です。置き方は縦・横どちらにも対応でき、また、ミニタワー型と同じように組み立てられます。
しかし、スリムな分、装填できるパーツも限られてくるので、どのPC性能が欲しくて、そのためにどのパーツを選ぶかなどの取捨選択が必要になるので注意しましょう。
キューブ型 オリジナルで機能を拡張したい方向け
正方形に近い形をしているのが「キューブ型」です。コンパクトなPCケースの中でも一番大きく、パーツ装填ができるスペースがあるため、欲しい機能を好きなようにカスタマイズできます。もちろん、後からの拡張も行いやすいです。
しかし、比較的高価になりやすく、また、設置スペースも大きめなため、デスクのスペースに十分余裕を持った状態の方がよいでしょう。
ケース内部のスペースに合わせて各パーツを選ぶ ドライブベイ・冷却ファン・端子・スイッチの位置など
小型PCケースは内部空間が限られているぶん、制限も多くなります。大前提はマザーボードをはじめ必要なパーツが全部収められることですが、無理やり詰め込んで配線すれば、不具合や故障の原因になります。
まずは光学ドライブや、グラフィックカードなどの拡張カードがどのくらい搭載できるか、ドライブベイ(コンピュータ筐体内に設けられた専用の空間)の数と大きさをチェック。電源の場所、ファンなどの排熱方法、さらにUSBポートの数や音声入出力端子が付いている位置も使いやすさに関わります。
小型PCでは拡張性の余裕を求めるよりも、必要最小限のパーツを厳選することが大切。どのようなPCがほしいのか、最初にイメージをしっかり固めておきましょう。
必要なドライブベイを確認
ドライブベイとは、周辺機器を取り付けるためのコンピューター内のスペースのこと。PCケースのサイズが小さくなればなるほど、このドライブベイは小さくなります。
基本的なサイズでは、起動ディスクの2.5インチSSD、データ保存用の3.5インチHDDを設置できるスペースは確保されていますが、それ以外を装填し、拡張していくことができないものもあります。そのため、光学ドライブやその他の機器など、搭載したいパーツ、及び今後拡張していくためのスペースも考え、ドライブベイの大きさを選びましょう。
ケースに冷却ファンは搭載できるか
PCを起動、そして負荷がかかると、やはりPCケース内は発熱します。そのため、冷却ファンが設置できるスペースは必ず確保しましょう。もちろん、ファンの音の大きさや設置可能数なども考慮しましょう。
特に、冷却ファンの設置位置を自由に変えられるタイプなどもありますので、機器の発熱を予想し、どこに設置するべきかも考え、小型PCケースを選びましょう。
理想の端子・スイッチの位置を考える
PCを起動する際や、光学ドライブを使用する際など、端子やスイッチを押す必要があります。そのため、デスクのPCケースの置き場所、それに対応する端子・スイッチの押しやすさも、自分の理想となるような製品を選びましょう。端子・スイッチは、PCを操作する際の根源となる部分です。使いやすさにも関わるので、デスクのイメージもしておきましょう。
小型PCケースおすすめ10選
ここまで紹介した小型PCケースの選び方のポイントをふまえて、厳選したおすすめ商品を紹介します。裏配線をすっきりとまとめられるものや、縦置き、横置き可能なものなど、さまざまな小型PCがあるので、ぜひ参考にしてください。
フロントにRGBライトがありおしゃれなデザイン
すぐれた冷却性が特徴のミドルタワー型PCケース。全高180mmのCPUクーラーやフロントには最大280mmの水冷ラジエーターを取り付け可能です。フロントパネルの縁とロゴ部分にRGBライトを搭載しており、コントロールスイッチで19種類のライティングモードを楽しめます。
強化ガラスのスイングドアパネルは片開きタイプなので、メンテナンスしやすいのが特徴です。
メンテがやりやすくコスパも高い人気PCケース
台湾のメーカー、Thermaltake社のミニタワー型PCケース。フロントパネルはブラッシュアルミニウム仕上げでとてもシンプル。
対応マザーボードはMicro-ATX、Mini-ITX。最大350mmの拡張カードが搭載でき、ドライブ搭載スペースはすべてマザーボードベース部の裏側に配置。側面パネルが大きく取り外しできるなど、メンテもやりやすくなっています。独自の電源カバーによって、ケース内のケーブル類がまとめられるのが便利です。パーツをよく入れ替える、という人は、このケースがおすすめです。
冷却ファンを最大5つまで搭載可能で、最大280mmの水冷ラジエータも取り付けできます。サイズは205(W)×390(H)×380(D)mm、重量約4.5kgです。
上下に部屋が分離したチャンバーデザインを採用
Thermaltake 創立20周年記念モデルのケースです。トップ、フロント、両サイドの4面が4mm厚の強化ガラスパネルを搭載しています。組み込んだドレスアップパーツがより映えるデザインです。
mixroATX、Mini-ITXマザーボードに対応しているほか、350mmの拡張カード搭載スペースもあります。ケースファンは最大で9基まで取り付けることが可能です。
コンパクトかつ充実装備のキューブ型PCケース
スウェーデンのFractal Design社のCoreシリーズで初となるCube型PCケース。前面パネルはなめらかな手触りの艶消しアルミニウムを採用しています。デザイン性が高いので、部屋のインテリアともマッチします。
対応マザーボードはMini-ITX。5.25インチ×1、3.5インチ×3、2.5インチ×3と充実したドライブベイ。最大310mmの拡張カードが設置でき、ケース上部にUSB 3.0ポート×2、ヘッドフォン出力、マイク入力を装備。
長寿命で低騒音のSilent Series R3ファンを標準搭載し、ケース上部にファンや水冷ラジエータが追加できるなど冷却対策も万全です。サイズは250(W)×213(H)×380(D)mm、重量4.4kgです。
冷却機能が充実したミドルタワー型PCケース
さまざまな構成での組みやすさを追求し、コスパにすぐれたミドルタワー型PCケース。フルサイズのアクリルサイドパネルによって、組み込んだパーツがより映えるデザインが特徴です。
フロントとリアには120mmファンを1基ずつ標準装備。トップとフロントに最大360mmの水冷ラジエーターのほか、最大7基のケースファンを取り付けできるためすぐれた冷却機能が魅力です。
ショーケースのようなミニタワー型PCケース
トップと両サイドが強化ガラスパネルでできており、ショーケースのようなデザインのミニタワー型PCケース。シャーシのこまかい部分まで分解可能で、パーツの組み込みやケーブルの配線、メンテナンスに非常に便利なつくりです。
コンパクトですが最大330mmの拡張カードを搭載でき、拡張性にすぐれています。また、上面や背面からの排熱や側面のエアインテークの機能によって、効率よくエアフローを構築可能です。
拡張性が自慢のロングセラー・ミニタワーケース
台湾のIn Win社によるミニタワーケース。縦置き・横置きの両用が可能なロングセラー人気モデルです。とりあえず、小型PCを作りたいという場合には、このケースを選択するといいでしょう。
対応マザーボードはMicro-ATX。5インチベイ×1、3.5インチベイ×1(内蔵ベイ最大2)、フルハイトの拡張PCIスロット×4と、高い拡張性が魅力です。I/OポートはフロントにUSB3.0×2、USB2.0×2、HD Audioを配置。
80PLUS BRONZEを取得して安全かつ高効率な300W電源を搭載。CPU取り付け部のパーテーションプレートによってエアフロー効率を高めており、セカンドファンは必要ありません。サイズは323(W)×140(D)×322(H)mm、重量4.85Kgです。
取付位置を変更できるモジュラー型I/Oパネル装備
縦置き・横置きに両対応するコンパクトなミニタワー型ケースです。
サイドに搭載しているI/Oパネルは上下の縁に移動できるほか、ケースの右サイドに取り付けることもできます。6カ所の中から好きな位置に取り付けることが可能です。
幾何学模様のマグネット式ダストフィルターを装備しています。ファンは最大で上面2つ、前面2つ、背面1つ、底面つと搭載可能です。
湿度センサーによるファン回転速度自動制御あり
コンパクトなTFX規格の電源ユニットに対応したメンテンナンス性に優れたスリムPCケースです。湿度によってファンの回転速度を自動的に制御する機能を搭載しています。
ロープロファイルCPUクーラーは高さ65mmまで対応し、4つのロープロファイル拡張スロットと200mmの拡張スペースがあります。
安定性を高めるために縦置きスタンドもついています。
ドライブベイリーフを搭載したスリムケース
300W電源を内蔵したスリムケースです。スリムタイプなため置く場所も省スペースで十分です。
前型KT-MB103と基本的な構造は変えずにドライブベイリーフを搭載しています。
フロントパネルにはヘアライン加工を施した光沢ブラックパネルを搭載しているため高級感満載です。
おすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 小型PCケースの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの小型PCケースの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
小型PCケースに関するそのほかの商品情報 【関連記事】
パーツをいかに効率的に設置できるかがポイント 家電ライターからのアドバイス
小型PCケースは内部が狭いので、パーツをいかに効率的にレイアウトできるか、いかに作業しやすいかがポイントになります。とくに端子やスイッチの位置が決められている場合が多いので、自分が使いやすいかどうか確認しておきましょう。
また、内部が狭いぶん、熱もこもりやすくなります。静音性を多少犠牲にしても冷却ファンをできるだけ増やしたり、高性能なCPUクーラーが搭載できる製品を選びたいところです。さらに、空気や熱の効率がいい流れを考えてレイアウトや配線をおこなうことが重要です。最近はパネルをメッシュ仕様にしたり、エアースリットを多く取り入れた製品も増えており、デザイン性も高いのでおすすめです。
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「家電・オーディオ」「パソコン・スマホ」「カメラ・ビデオカメラ」カテゴリーを担当する30代編集者。モノを極力持ちたくないミニマリストで、趣味は断捨離。とはいえ、最新ガジェットには興味津々で、多機能な家電に目がない。