ミドルタワーPCケースとは
パソコン部品を格納するPCケースは、搭載するマザーボードのサイズに準じて、大型のフルタワー、中型のミドルタワー、小型のミニタワーやスリム、キューブに分類されます。拡張性にすぐれたATXマザーボードはミドルタワーやフルタワーに搭載可能ですが、小型のPCケースには入りません。
ミドルタワーは一般的なPCケースで製品数も多く、拡張性も充分で設置スペースもあまりとらないため、PC自作ユーザーにも人気です。
ミドルタワーPCケースの選び方①:パーツに合わせて選ぶ
拡張性も高いミドルタワーPCケースは、多くのメーカーからさまざまなスペックのものが販売されているので、自身に必要なスペックを整理し、選ぶことが重要です。
また、ミドルタワーPCケースは多様なパーツを取りつけることが可能です。商品によって利用できるパーツの種類やサイズが異なるため、ケースの選定においては注意しましょう。
ここでは主要なPCパーツ別にミドルタワーPCケースの性能をご紹介します。
水冷ラジエーターで冷却性能を高める
高性能なCPUを搭載したい場合は、水冷式ラジエーターを搭載すると空冷式よりCPUを効率的に冷却することができます。
しかし、水冷式ラジエーターは空冷式のものに比べて設置スペースを必要とするため、どの程度のサイズのものまで搭載可能か確認が必須です。冷却能力が不足すると、高性能なCPUを購入しても取りつけられないという場合も。
搭載ドライブ・ストレージに合わせたベイの種類
HDDやSSDを複数搭載する予定なら3.5インチや2.5インチベイの数を確認しましょう。DVDドライブを搭載するなら、5.25インチベイの空きを確認しましょう。
動画編集やゲーム関連の仕事などでは、大量のストレージを使用する場合が多いです。グラフィックボードなどとの兼ね合いも含めて、必要なベイの種類と数を確保できるかを確認しましょう。
GPUを搭載する際にはカードサイズをチェック
グラフィック系の編集やゲーミングパソコンとして使うためにハイスペックのGPUを搭載したい人は、GPUのカードサイズを基準にケースを選びましょう。
HDDやSDDを搭載する3.5インチや2.5インチベイを取り外して、GPU対応サイズを拡張できるミドルタワーPCケースもあります。
ミドルタワーPCケースの選び方②:自作のパソコンに合わせて選ぶ
静かなパソコンをはじめ、高い冷却性能、高いデザイン性など、さまざまな機能が搭載されているミドルタワーPCケース。
まずは自身が作成したいパソコンの特徴に合わせて、どのような機能が必要か整理して選びましょう。
冷却性能が必要ならメッシュ加工のものを
もちろん、ケース内のファンをどれだけ搭載できるかは冷却の重要なポイントです。それに加えて、ケースの通気性を高めて排熱がスムーズになるよう、ケースの筐体にメッシュ加工を施したものが販売されています。
欠点としてほこりなどが入る可能性が高くなることですが、メッシュカバーなどでクリーンに保つ工夫などが施されています。
デザイン性重要ならLED搭載や中身が見えるものを
最近のPCケースは性能面だけではなく、デザイン性も重視した設計となっています。透明のアクリルや強化ガラスを筐体の側面や前面に採用してケース内部を見せたり、LEDファンやLEDストリップを搭載したものなどが販売されています。
こうしたオシャレな機能のPCケースでオリジナリティを出すこともできます。
静音性を兼ね備えたければ遮音材・吸音材を使用
パソコンの動作音はなにかと気になるもの。ケース内部に遮音材や吸音材がついているケースは、静音性を高めることができます。
さらに静かなパソコンを作りたい方は、メッシュ素材のケースではなく音が漏れにくい密閉性の高いケースを選びましょう。
ミドルタワーPCケースの選び方③:利便性で選ぶ
よく使うUSBなど端子の位置が前面にあるなどの使い勝手や、メンテナンスの際に工具が不要などといった手間なく作業できる利便性を考えておくことも重要です。
ここではミドルタワーPCケースの利便性についてご紹介します。
必要な端子はフロントパネルに搭載しているものが便利
背面パネルに搭載されているUSBは利用しにくいので、フロントパネルにUSB3.0や2.0が複数搭載されているケースが好ましいです。
外づけストレージを頻繁に利用する方は、USBポートの数がふだんよく使う機器の数に足りているかもチェックしましょう。
メンテナンスがかんたんなものを見極める
ストレージなどの取りつけに工具が不要な商品を選択しておくと、メンテナンスがかんたんに。
また、裏配線に対応しているミドルタワーPCケースなら背面にケーブルを回すことができるので、ケース内部をスッキリさせることができ掃除などもしやすくなります。
ケース選びでは筐体の剛性にも留意が必要 ITサポートエンジニアからのアドバイス
九州インターワークス代表者/IT環境保守リペアラー
ケース選びで重要な点は筐体の剛性の高さです。最近では板厚が薄く軽いケースでも設計のよさで非常に剛性が高いものがあります。
剛性が低いケースではたくさんのストレージを搭載したり、さまざまなパーツを組み込んだ際、筐体にひずみが出たり、共振や振動が激しくなるものがあります。そのようなケースを使用するとHDDのトラブルを招いたり、パーツに無理な力がかかったりして故障の原因にもなります。
ミドルタワーPCケースおすすめ11選 ベイ数・冷却性・静音性もチェック!
ここまではミドルタワーPCケースの選び方をご紹介してきました。ここからはミドルタワーPCケースのおすすめ11選をスペックや特徴とともにご紹介します。参考にしてください。
九州インターワークス代表者/IT環境保守リペアラー
Cooler Master『MASTERBOX CM694』は、圧倒的なストレージ収納性を有し、ローカルストレージを大量に使う方にピッタリのケースです。冷却拡張性も、大口径ファンを複数搭載可能で申し分ありません。冷却ファンメーカーならではのエアフロー設計です。
Fractal Design『Define R5』は、ケースの素材や設計のよさで定評があるフラクタルデザインのケースです。ストレージ収納力も充分。そのうえ防音性にすぐれているため複数のHDD収納時でも騒音を低減できます。事業所用としても最適です。
SilverStone『PS13』は、従来のケース構成を踏襲しているため、過去に自作した経験がある方ならとても組み込みやすいケースです。光学ドライブベイ、3.5インチベイのフェースに直接アクセス可能で、レガシーデバイスを有効利用したい場合などにも適しています。

Cooler Master『MASTERBOX CM694』














出典:Amazon
冷却性 | トップ:120mm×3・140mm×2、フロント:120mm×2~3・140mm×2、リア:120mm×1 |
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水冷ラジエター搭載 | 最大360mm |
ベイの種類と数 | 外部5.25インチ×2、内部3.5/2.5インチ共用×6、内部2.5インチ×2 |
拡張カードサイズ | 最大410mm |
デザイン性 | カーブ状メッシュパネル |
静音性 | - |
フロントパネル搭載端子 | USB 3.0×2、USB 3.1(Gen 2)Type-C×1、4極ヘッドセットジャック |

Fractal Design『Define R5』


















































































出典:Amazon
冷却性 | フロント:120/140mm×2、リア:120/140mm×1、サイド:120/140mm×1、ほか |
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水冷ラジエター搭載 | 取付可能 |
ベイの種類と数 | 外部5.25インチ×2、内部3.5/2.5インチ共用×8 |
拡張カードサイズ | 最大440mm |
デザイン性 | ModuVentデザイン |
静音性 | 吸音材、ModuVentデザイン |
フロントパネル搭載端子 | USB 3.0×2、USB 2.0×2、Audio in/out |

SilverStone『PS13』












出典:Amazon
冷却性 | フロント:120mm×2、リア:120mm×1、サイド:120mm×2、ほか |
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水冷ラジエター搭載 | フロント:120mm×1、リア:120mm×1 |
ベイの種類と数 | 外部5.25インチ×2、外部3.5インチ×1、内部3.5/2.5インチ共用×2、内部3.5インチ×1 |
拡張カードサイズ | 最大347mm |
デザイン性 | メッシュフロントパネル |
静音性 | - |
フロントパネル搭載端子 | USB 3.0×2、Audio×1、MIC×1 |
Owltech『FSP ATX/MicroATX対応ミドルタワー PCケース』






出典:楽天市場
冷却性 | トップ:120/140mm×2、フロント:120/140mm×3、リア:120/140mm×1 |
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水冷ラジエター搭載 | 280mm×2 |
ベイの種類と数 | 外部5.25インチ×2、内部3.5インチ×2、内部2.5インチ×2 |
拡張カードサイズ | 最大373mm |
デザイン性 | サイドアクリルパネル、フロントLEDバー |
静音性 | - |
フロントパネル搭載端子 | USB 3.0×2、USB 2.0×2、Audio in/out |
NZXT『コンパクトミドルタワーATX PCケース』






出典:楽天市場
冷却性 | トップ:120/140mm×1、フロント:120/140mm×2、リア:120mm×1 |
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水冷ラジエター搭載 | フロント:120/140mm×2、リア:120mm×1 |
ベイの種類と数 | 内蔵3.5インチ×2+1、内蔵2.5インチ×2+1 |
拡張カードサイズ | 最大381mm |
デザイン性 | フラットデザイン、強化ガラスのサイドパネル |
静音性 | - |
フロントパネル搭載端子 | USB3.1Gen1 TypeA×1、USB3.1Gen2 TypeC×1、Audio/Mic×1 |
MSI『MAG FORGE 100M』










出典:Amazon
冷却性 | トップ:120/140mm×2、フロント:120mm×3/140mm×2、リア:120mm×1 |
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水冷ラジエター搭載 | トップ:~240mm、フロント:~240mm、リア:~120mm |
ベイの種類と数 | 3.5インチ×2、2.5インチ×3 |
拡張カードサイズ | 最大330mm |
デザイン性 | フロントにRGB LEDファンを2基搭載 |
静音性 | - |
フロントパネル搭載端子 | USB 3.2 Gen1 Type-A×2、HD Audio×1、Mic×1 |
Thermaltake『View 31 TG RGB』


















































出典:Amazon
冷却性 | トップ:120/140mm×3/200mm×2、フロント:120mm×3/140mm×2/200mm×1、ほか |
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水冷ラジエター搭載 | トップ:280/360mm×1、フロント:280/360mm×1、リア:120/140mm×1、ほか |
ベイの種類と数 | 内部3.5/2.5インチ共用×3 |
拡張カードサイズ | 最大420mm |
デザイン性 | LEDファンを標準搭載、両サイド強化ガラスパネル |
静音性 | - |
フロントパネル搭載端子 | USB 3.0×2, USB 2.0×2, HD Audio×1 |
Corsair『Carbide Carbite 100Rサイレントエディションミッドタワーケース』

出典:楽天市場
冷却性 | フロント:120mm×2、リア:120mm×1 |
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水冷ラジエター搭載 | 120mm |
ベイの種類と数 | 5.25インチ×2、3.5/2.5インチ共用×4 |
拡張カードサイズ | 最大414mm |
デザイン性 | メッシュフロントパネル |
静音性 | 消音サイドパネル、調整可能冷却ファン |
フロントパネル搭載端子 | USB 3.0×2、Audio in/out |
DEEPCOOL『MATREXX 55 V3 ADD-RGB』


















出典:Amazon
冷却性 | トップ:120/140mm×2、フロント:120/140mm×3、リア:120mm×1 |
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水冷ラジエター搭載 | トップ:120/140/240mm、フロント:120/140/240/280/360mm、リア:120mm |
ベイの種類と数 | 3.5/2.5インチ共用×2、2.5インチ×2+2 |
拡張カードサイズ | 最大370mm |
デザイン性 | フロント・サイド強化ガラス、拡張可能なRGB照明システム |
静音性 | - |
フロントパネル搭載端子 | USB3.0×1、USB2.0×2、Audio×1、Mic×1 |
Antec『DP501 White』


















出典:Amazon
冷却性 | トップ:120mm×3/140mm×2、フロント:120/140mm×2、リア:120mm×1 |
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水冷ラジエター搭載 | トップ:280mm、フロント:360mm、リア:120mm |
ベイの種類と数 | 内蔵3.5インチ×2、内蔵2.5インチ×4 |
拡張カードサイズ | 最大360mm |
デザイン性 | ARGB搭載、強化ガラス仕様 |
静音性 | - |
フロントパネル搭載端子 | USB 3.0×2、Audio in/out |
SAMA『黒鴉 kurogarasu』












出典:Amazon
冷却性 | トップ:120/140mm×2、フロント:120mm×3、リア:120mm×1 |
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水冷ラジエター搭載 | - |
ベイの種類と数 | 内部3.5/2.5インチ共用×2、内蔵2.5インチ×4 |
拡張カードサイズ | 最大325mm |
デザイン性 | 左サイド強化ガラス |
静音性 | - |
フロントパネル搭載端子 | USB3.0×1、USB2.0×2、Audio in/out |
「ミドルタワーPCケース」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする ミドルタワーPCケースの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのミドルタワーPCケースの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
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まとめ
ミドルタワーPCケースのおすすめ11選をご紹介しました。
作りたいパソコンの特徴やパーツの構成によって選ぶべき商品も変わってくるので、購入前にその部分をクリアにしてから購入しましょう。あなたがほしいミドルタワーPCケースを選んでみてくださいね。
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※マイナビおすすめナビでは常に情報の更新に努めておりますが、記事は掲載・更新時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。修正の必要に気付かれた場合は、ぜひ、記事の下「お問い合わせはこちら」からお知らせください。(掲載:マイナビおすすめナビ編集部)
※2020/06/17 コンテンツ追加のため記事を更新しました。(マイナビおすすめナビ編集部 名原広雄)
中小企業庁 ミラサポ専門家派遣 登録専門家。 ITサポートエンジニアとして2002年に創業しこれまでに数多くのサポート実績があります。 オーダーPCの製作をはじめ、コンピューター端末・周辺機器などのハードウェア、IT環境保守が専門です。 個人、事業所問わず提案型技術アドバイザーとしてIT環境のリプレース、リペアを数多く成功させています。 メディアへの記事監修協力、IT記事寄稿なども行っています。