CPUクーラーとは|必要性を解説
CPUクーラーとは、パソコンのCPUが熱を持った際にそれを冷却するための部品のことです。
そもそもCPUは、データの読み込みをはじめ、さまざまなパソコン操作で性能を発揮するために必要なパーツです。性能をフルに発揮させると熱がこもり、データ処理を効率的に行うことができなくなります。そのため、CPUクーラーを設置し、外気を送って冷却させることが大切なのです。
CPUクーラーの冷却タイプ
CPUクーラー選びで大切なのが、冷却タイプの種類を知ることです。種類は大きく分けると、サイドフロー空冷式、トップフロー空冷式、水冷式の3つに分けられます。
どの冷却タイプにもメリットとデメリットがあるため、それぞれの特徴を理解して、パソコンの種類や使用用途、頻度などに合っているタイプを選ぶようにしましょう。
空冷式:サイドフロー
空冷式のひとつであるサイドフロー型。効率よくCPUを冷却したいという人におすすめの冷却方法です。ヒートシンクに横から風をあてて冷やす構造なので、PCケース内の空気の流れを邪魔せず、全体をスムーズに冷却できるのが特徴です。また、CPUまわりにスペースの余裕ができるので、メンテナンスをしやすいというメリットもあります。
注意点として、設置するにはPCケースの幅が必要となるため、スリムケースなどでは設置できないこともあります。必ず購入前にスペースの寸法を測っておきましょう。
空冷式:トップフロー
もうひとつの空冷式はトップフロー型です。ファンがヒートシンク上部についており、上から下に風を吹きつけるタイプです。マザーボードに向かって風を送るため、周辺のパーツも同時に冷却できるというメリットがあります。また、サイドフロー型にくらべて高さが低い製品が多いため、小さめのPCケース内にも取りつけることが可能です。
デメリットとしては、サイドフロー型とくらべて排気性能が控えめであることや、空気の流れを整えにくいことが挙げられます。
水冷式
冷却効果が非常に高く、負荷が高い作業や高性能なプロセッサーを使用している人におすすめの冷却タイプ。CPUクーラー内に冷却水が内蔵されており、熱を冷却水が吸収し、チューブ、ラジエーターファンに移動し放熱、冷やされた冷却水が再びCPUクーラー内に戻るという仕組みです。
空冷式にくらべて高価なので、予算と相談が必要でしょう。
(★)ポイント:メンテナンス性も考慮して選定しよう!
ゲーミングPCなどCPUを高負荷で運用するPCの場合、エアフローの量も多くなって、短期間でクーラー内部にほこりが詰まると、どんなに高価なクーラーでも冷却効率が悪くなってしまいます。CPUクーラーを選ぶ際には、清掃時のファン着脱がスムーズにできるなど、メンテナンス性も考慮しておく必要があります。
CPUクーラーの選び方
PCパーツのなかでも発熱量が多いCPUの、冷却を行なうための重要なパーツ「CPUクーラー」。高い電力が集中するCPUを冷やす役目を果たすアイテムです。
この記事では、CPUクーラーの選び方をご紹介します。自分のPCにぴったりのCPUクーラーを見つけて、快適な環境を作ってくださいね。
ポイントは下記。
【1】固定方法をチェック
【2】ケースのサイズをチェック
【3】スペックの数値をチェック
上記のポイントを押さえることで、より欲しい商品をみつけることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】固定方法をチェック
CPUクーラーはマザーボードに固定する必要があります。固定方法には、「バックプレート式」「プッシュピン式」「クリップレバー式」などさまざまな種類がありますが、マザーボードによって対応する固定方法が異なります。
自分のPCがどの固定方法に対応するのか、対応ソケットの種類を事前に確認するようにしましょう。そして、スペックや好み、手軽さなどを考慮し、自分にぴったりのタイプを選んでください。
なお、CPUにはリテールクーラーが付属しているタイプと付属していないタイプがありますので、初心者は扱いやすいリテールクーラーが付属しているタイプを選びましょう。
「バックプレート式」
「バックプレート式」は、マザーボードをCPUクーラーとプレートの2つで挟んで設置するタイプです。
工具が必要となるため、時間と手間が掛かりますが、ガッチリと固定することができます。
「プッシュピン式」
「プッシュピン式」は、インテルCPUに採用されているタイプです。CPUクーラーにもともと搭載されているピンを押し込んで取りつけます。工具は必要なくかんたんに設置できるため、時間も掛からず手軽です。初心者におすすめです。
しかし、ピンが壊れてしまう恐れがあるといったデメリットがあります。
「クリップレバー式」
「クリップレバー式」は、AMDが採用している方式で、クリップレバーを閉じて固定します。こちらも工具は必要ないです。こちらも「プッシュピン式」と同じく、かんたんに設置できるため、初心者におすすめです。
以前は、レバーが固かったりしましたが、今はかなり改善されているようです。
【2】ケースのサイズをチェック
サイドフロー型のように高さがあるものは、小さいPCケースには収めることができません。CPUクーラーを購入する前に、使用するPCケースのサイズを確認しましょう。また、CPUクーラーは高性能なものほど大きくなる傾向もあるため、注意が必要です。
【3】ほしい性能に合わせてスペックの数値をチェック
CPUクーラー選びでは、冷却性能の高さや静音性、故障するまでの時間の目安などもチェックしておきたい項目です。それぞれのスペックについて詳しくご紹介していきます。
▼冷却性能を見るときはCFMの数値
CFM(Cubic Feet per Minute)とは、1分間にどれだけの風をヒートシンクにあてられるかをあらわす数値です。数値が高いほど多くの風をあてられるため、冷却性能がすぐれているといえます。
▼静音性を決めるファン回転数とノイズレベル
静かなCPUクーラーがほしいときは、ファン回転数とノイズレベルを確認しましょう。ファン回転数は毎分何回転するかを示す「rpm」、ノイズレベルは「dB」で表記されています。
回転数が多いほうが冷却性能は高くなりますが、音がうるさいので注意が必要です。ノイズレベルが20~30dB程度であればあまり気にならないでしょう。
▼製品寿命の目安になるMTTF
MTTFとは「平均故障間隔」のこと。CPUクーラーを使いはじめてから故障するまでの時間の目安です。長く使いたい場合には、MTTFの長いCPUクーラーを選びましょう。
ただし、全商品に記載されているわけではないので、注意が必要です。また、冷却方法で比較すると水冷式より空冷式のほうがMTTF時間が長い傾向にあります。
CPUクーラーのおすすめ商品をご紹介
上記で解説した選び方のポイントをふまえ、おすすめのCPUクーラーをご紹介します。CPUクーラーは「サイドフロー空冷式」「トップフロー空冷式」「水冷式」がありますので、それぞれのおすすめ商品を紹介していきます。
おすすめ6選|サイドフロー空冷式
まずはサイドフロー空冷式です。ぜひ参考にしてください。
エアフローを生み出すオリジナル設計
メーカーオリジナル設計のモデル。大型ヒートスプレッダを搭載したメモリとの干渉をさけるように配慮されたデザインが特徴的です。
ヒートシンクには、ナロータイプフィン構造と2枚の異なる形状のフィンを組み合わせた、多重エアフロー透過構造を採用。ファンの風を効率よく吸い込むフィン設計なので、PCケース内に空気の流れを生み出します。
熱伝導率が高く、美しい色で光る
丸みをおびたかわいらしいデザインが特徴的なサイドフロー型。上部金網設計のデュアルファン仕様による高い放熱性能が特徴です。負荷の高い作業時にもしっかりとCPUを冷やしてくれます。
また、2つのLEDリングが色鮮やかに光り、視覚効果がよくなっています。PCケース内をおしゃれにできる、性能とデザイン性を両立した商品です。
ファン、トップカバーのRGBライトをカスタマイズ
精密なヒートシンクが内蔵された、サイドフローの空冷式モデル。すぐれた放熱性をもつCDC2.0技術のヒートパイプを6本採用し、台座表面に露出するヒートパイプを増やすことで熱伝導率を大幅にアップしています。
搭載されたデュアルファンにより、ヒートシンクの熱を素早く逃がします。高い冷却性能を求める人でも満足できるでしょう。
高寿命で静音性の高いサイドフロー型
AMDの『Ryzen』にも対応している『無限五 リビジョンB』。高寿命で静音性が高いPWMファン「KAZE FLEX」を搭載したサイドフロー型CPUクーラーです。『虎徹』よりも大型ですが、その分の表面積を生かしてCPUの熱をより効率よく冷やしてくれます。
また、互換性も高く、多くのパソコンケースで使用することが可能です。取りつけが容易におこなえるのもポイントです。
対応ソケットの互換性の高さが売り
PWM対応の120mm静音ファン、ハイドロリックベアリング方式を採用。これにより、高い冷却性能と静音性を実現しています。また、ヒートパイプを直接CPUに触れさせることで熱伝導率を高めるダイレクトヒートパイプ方式を採用し、冷却効率を高めています。
AMDの『AM4』ほか従来のソケットに対応するなど幅広い互換性を有しています。取りつけがかんたんなのもうれしいポイントです。
おすすめ1選|トップフロー空冷式
続いては、トップフロー空冷式です。こちらもぜひ参考にしてください。

おすすめ4選|水冷式
最後は、水冷式のCPUクーラーをご紹介します。

コルセア『Hydro Series H100i RGB PLATINUM SE 240mm 水冷式 CPU クーラー(CW-9060042-WW)』
高い静音性と冷却性能
パソコンにかかる負荷が高い人におすすめの水冷式。ノイズレベルが約28dBという高い静音性と水冷による冷却性能が特徴のモデルです。PWM制御により、ファン回転数を600~1700rpmまで自動で調節してくれます。
120mmの高密度ラジエーターを搭載していることも魅力のひとつ。高い放熱性により、ハイエンドCPUの熱もしっかりと放出できます。
高速インペラとLEDで魅せるCPUクーラー
デザイン性が高いスタイリッシュな水冷式です。高速回転するインペラを見ることができる透明なポンプカバーに加え、カラフルなLEDを搭載。なかが見える透明なPCケースを使っている方におすすめのおしゃれなCPUクーラーです。
サイレントドライバー搭載の3フェーズモーターを採用しており、静音性が高いのもうれしいポイント。
独自のソフトウェアで直観的に操作が可能!
メーカー独自開発の制御ソフトウェア「CAM」を搭載した水冷式のモデル。CPU温度の確認やLED照明の操作が可能で、パソコンだけでなくスマートフォンにも対応しています。いつでもPCの状態をチェックできるので、こまかく温度管理をしたい本格派におすすめです。
新型ラジエーターファンを搭載し、効率的な送風を実現。流体ダイナミックベアリングにより静音性と耐久性にもすぐれています。
おすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする CPUクーラーの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのCPUクーラーの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
CPUクーラーの取りつけにはCPUグリスも欠かせない
CPUクーラーを取りつけるには、「CPUグリス」が必要です。CPUに塗布することで、CPUクーラーのヒートシンクに熱を伝えてくれる大事な役割を果たしています。「シリコン」「セラミック」「シルバー」「ダイヤモンド」など、さまざまな製品が発売されています。
安定した冷却効果を得たい場合には、パソコンのスペックに合ったCPUグリスを選ぶといいでしょう。
PCを組み立てたい方にぴったりのアイテム
まとめ
本記事では、CPUクーラーのおすすめ商品をご紹介しました。いかがでしたか?
CPUクーラーは求める冷却効果や設置スペースなどを参考に、PCに合っているタイプを選びましょう。購入前には、必ず使用するパソコンに対応しているかのチェックが大切。高さやマザーボードによっては、対応していないモデルもあるので注意が必要です。
ご紹介した選び方や商品を参考に、自分のPCに合うCPUクーラーを探してみてくださいね。
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令和3年度 中小企業庁 「中小企業119」登録専門家。 ITサポートエンジニアとして2002年に創業しこれまでに数多くのサポート実績があります。 オーダーPCの製作をはじめ、コンピューター端末・周辺機器などのハードウェア、IT環境保守が専門です。 個人、事業所問わず提案型技術アドバイザーとしてIT環境のリプレース、リペアを数多く成功させています。 メディアへの記事監修協力、IT記事寄稿なども行っています。