CPUグリスとは?
CPUグリスとは、パソコンにあるCPUクーラーとCPUが繋がっている部分に塗るものになります。CPUクーラーは使用していると熱くなるパソコン本体を冷却する役割があります。
CPCグリスを使用することで、パソコンの冷却を効率よく行うことができるので、作業がさらに快適になります。CPUグリスにもPCスペックによって、対応するか確認が必要になります。
性能や素材など様々なタイプがあります。長年パソコンを使っている人やパソコンが急に熱くなってきたと感じている人には、CPUグリスを使用することをおすすめします。
CPUグリスの選び方のコツとは
IT&家電ライターの秋葉けんたさんに、CPUグリスを選ぶときのポイントを教えてもらいました。
種類をチェック
CPUグリスには大きく分けて、シリコングリス、シルバーグリス、ダイヤモンドグリスの3種類に分けられます。それぞれの種類によって、熱伝導率も変わってくるので自分のパソコンにスペックに合わせて選ぶと良いでしょう。
シリコングリス
CPUグリスの中でも、シリコングリスは一般的なものになります。日常的に調べ物などとして使っているパソコンであれば、シリコングリスで十分に効果を実感してお使いいただけます。
価格も手が出しやすい製品が多いので、気軽に購入することができます。一方で対象のパソコンの使用度が高く、仕事でも毎日使う物だと不向きです。
シルバーグリス
シルバーグリスは、【銀】が含まれているのでシリコングリスよりも熱を安定して伝えることができるので、冷却性もより優れています。
使用頻度としても、長時間パソコンを作業する人やデータも少し駆使して編集などをする人におすすめです。標準的なスペックのPCからミドルスペックのパソコンに最適です。
ダイヤモンドグリス
ダイヤモンドグリスは、素材に高品質なダイヤモンドを使用しているのでCPUグリスの中でも最も高い熱伝導性を持っていることが特徴です。固まりにくく、長期間保存ができます。
冷却性の効果も高いので、ハイスペックなパソコンにおすすめです。動画編集やパソコンに負荷がかかる作業を日常的にする人はダイヤモンドグリスをお使いください。
グリスの使い勝手を左右する塗りやすさ
PCにはCPUで発生した熱を冷却するヒートシンク(CPUクーラー)があり、そのCPUとの隙間を埋めて熱を効率的に放出させるのがCPUグリスです。自作派には欠かせないアイテムと言えます。
素材は高粘度の液体で、CPUの上に数滴垂らして伸ばすため、グリスの粘度が塗りやすさを左右します。粘度が低い(柔らかい)製品は塗りやすいので初心者の人におすすめ。粘度が高いと塗りにくくなりますが、密着度が高く、乾きにくいため長持ちします。
CPUグリスは時間が経つと固まったり乾燥して性能が落ちます。1回塗って終わりではなく、定期的に塗り直すことが大事です。それだけに自分で塗りやすい製品を選びましょう。
自分のPCのスペックに合わせて選ぼう
CPUグリスはCPUのパフォーマンスを上げ、故障を防ぐ役目があります。しかし、どれも同じではなく性能の差があるため、自分のPCのスペックに合ったCPUグリスを選択することが大事になります。
SNSやインターネット、事務作業ぐらいではCPUはさほど高温になりません。そのため一般的なグリスで十分です。CPUに負担がかかる動画編集やゲームなどでは、熱伝導率が高いシルバータイプなどがおすすめめです。さらにオーバークロック(CPUのクロック周波数を上げる)したり、ゲーミングPCとしてフルに楽しむ場合は高性能なヒートシンクが必要であり、CPUグリスもダイヤモンド入りなど高性能タイプを選びましょう。
不慣れな人は絶縁性の高いグリスがおすすめ
効率的に熱を伝えるためには、CPUグリスをCPUとヒートシンクの間に均一に塗ることが大事です。その際、薄さだけでなく、CPUの周囲にはみ出さないことがもっとも重要です。
CPUグリスには絶縁性が高い(電気を通しにくい)製品と低い(電気を通しやすい)製品があります。絶縁性が低い製品では、万が一、CPUグリスがCPU付近のパーツに触れた場合、電気が通ってショートし、CPUが故障してしまう可能性があるとも言われます。最初ははみ出していなくても、時間が経つとグリスが流れてしまうケースもあります。塗り方に慣れていない人は、はじめから絶縁性の高い製品を使っておくと安心です。
グリスの性能に一番関わる熱伝導率をチェック
CPUグリスの性能を決定する大きなポイントが熱伝導率です。熱伝導率とは、ある材料における熱の移動のしやすさを数値化したもので、単位はW/mK(ワット毎メートル毎ケルビン)。
たとえば石英ガラスは1.4W/mK、シリコン168W/mK、銀428W/mK、ダイヤモンド1000~2000W/mKと、金属は高くなります。伝導率が高く(熱抵抗が低く)なるほどヒートシンクへ熱が伝わりやすく、CPUをスムーズに冷やすことができます。
そのためベースのグリスに熱伝導性の高い金属の粒子を混ぜた製品もあります。性能の高いCPUを使っている人は、素材も含めて熱伝導率が高いCPUグリスを選ぶようにしましょう。
使いたい量・コスパで選ぶ
CPUグリスには、一度開封したら使い切るタイプや保存してから数回に分けて使うタイプなど様々です。使いたい量を考えて、一番コスパよく使える製品を選んでみることも。
数回に分けて使用できる製品も便利ですが、使った後の保存方法が分からずに困ってしまう人も。記事の後半では保管方法も書いているのでぜひ参考にしてくださいね。
CPUグリスおすすめ10選 使いやすさと対応するスペックで
うえで紹介したCPUグリスの選び方のポイントをふまえて、秋葉けんたさんに選んでもらったおすすめ商品を紹介します。

SANWA SUPPLY(サンワサプライ)『TK-P3S』

出典:Amazon
サイズ | W20×D20×H80mm |
---|---|
内容量 | 2g |
粘度 | - |
熱伝導率 | 6.5W/mK |
配合成分 | 銀 |
使用温度 | - |

AINEX(アイネックス)『JP-DX1』

出典:Amazon
サイズ | - |
---|---|
内容量 | 3g |
粘度 | - |
熱伝導率 | 16W/m・K |
配合成分 | ナノダイヤモンド、シリコン |
使用温度 | -50~250℃ |

ARCTIC(アークティック)『MX4』








出典:Amazon
サイズ | - |
---|---|
内容量 | 4g |
粘度 | 870poise |
熱伝導率 | 8.5W/mK |
配合成分 | - |
使用温度 | - |

Thermal Grizzly(サーマルグリズリー)『GS-08』








出典:Amazon
サイズ | - |
---|---|
内容量 | 1g |
粘度 | 130~170Pas |
熱伝導率 | 12.5W/m・K |
配合成分 | ナノアルミニウム、酸化亜鉛 |
使用温度 | -200~350℃ |
オーバークロック向けの高性能熱伝導グリス
Thermal Grizzly(サーマルグリズリー)社はドイツの放熱グリス専門メーカー。このGS-08はオーバークロック向けに開発された高性能熱伝導グリスで、ゲーミングPCにおすすめ。水冷や空冷にも適しています。
グリスにナノアルミニウムと酸化亜鉛を配合。熱伝導率は12.5W/mK、熱抵抗値は0.0032K/Wと優れた熱伝達を実現しています。使用温度は−200~350℃。安定性が高く、80℃でも乾燥が進まない特殊な構造をしています。非導電性。粘度は130〜170Pasと少々粘り気があります。
扱いやすい注射器タイプで、グリスを広げるのに便利なヘラも付いています。内容量は1g。

SANWA SUPPLY(サンワサプライ)『TK-P3D』

出典:Amazon
サイズ | W23×D13×H120mm |
---|---|
内容量 | 2.8g |
粘度 | - |
熱伝導率 | 8.3W/mK |
配合成分 | ナノダイヤモンドパウダー |
使用温度 | - |
MoneyQiu『シルバー入りシリコングリス』










出典:Amazon
サイズ | - |
---|---|
内容量 | 2〜25g |
粘度 | - |
熱伝導率 | 6.5W/mK |
配合成分 | 純度99.9%超微粒子の純銀 |
使用温度 | - |
AINEX(アイネックス)『シルバーグリス(AS-05)』
![AINEXシルバーグリス[AS-05]](https://m.media-amazon.com/images/I/414vQbiPmaL.jpg)
![AINEXシルバーグリス[AS-05]](https://m.media-amazon.com/images/I/41jAYQ4LFkL.jpg)
![AINEXシルバーグリス[AS-05]](https://m.media-amazon.com/images/I/51DL21WJNqL.jpg)
![AINEXシルバーグリス[AS-05]](https://m.media-amazon.com/images/I/414vQbiPmaL.jpg)
![AINEXシルバーグリス[AS-05]](https://m.media-amazon.com/images/I/41jAYQ4LFkL.jpg)
![AINEXシルバーグリス[AS-05]](https://m.media-amazon.com/images/I/51DL21WJNqL.jpg)
出典:Amazon
サイズ | - |
---|---|
内容量 | 3.5g |
粘度 | - |
熱伝導率 | 9.0W/mK |
配合成分 | 純度99.9%超微粒子の純銀 |
使用温度 | 瞬間最大許容温度:180℃、通常許容温度:–50〜130℃ |
親和産業『シミオシ OC Master(SMZ-01R-01)』






出典:Amazon
サイズ | - |
---|---|
内容量 | 1g |
粘度 | 90〜100pas |
熱伝導率 | 13.2W/mK |
配合成分 | - |
使用温度 | –50〜250℃ |
AINEX(アイネックス)『熱伝導グリス(TC-200)』






出典:Amazon
サイズ | - |
---|---|
内容量 | 200g |
粘度 | - |
熱伝導率 | 3.8W/mK |
配合成分 | - |
使用温度 | -50〜150℃ |
ザワード『絶縁タイプ熱伝導グリス(MX4-4G)』










出典:Amazon
サイズ | - |
---|---|
内容量 | 4g |
粘度 | 870pas |
熱伝導率 | 8.5W/mK |
配合成分 | - |
使用温度 | - |
「CPUグリス」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする CPUグリスの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場でのCPUグリスの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
CPUグリスの塗り方・保管方法
ここからは、実際にCPUグリスの使い方や塗り方、保存方法をご紹介します。はじめて使用する人でも理解できるように説明しますので、ぜひご確認ください。
CPUグリスの塗り方
・用意するもの
・CPUグリス (PCスペックも確認)
・ヘラ (CPUグリスを塗る時に使う)
・ウェットティッシュ (CPUグリスを拭き取る)
まず、パソコンのケースを取り外して、CPUグリスの位置を確認します。見つけたらCPUクーラーごと取り外します。ケーブル等も丁寧に外しましょう。
ウェットティッシュで優しくCPUグリスを拭き取りましょう。CPUクーラー側もしっかりと綺麗にしておきましょう。
そしたら、いよいよCPUグリスを塗ります。CPUの真ん中あたりに少しづつのせて塗っていくことがコツです。ヘラを使って全体に均一に塗ってあげたら、CPUクーラーを装着しましょう。
CPUグリスの保管方法
CPUグリスは使い切るタイプもありますが、数回に使い分けて使用できるものがあります。
乾燥すると性能も落ちてしまうので、あまり保存に向かないCPUグリスですが、密閉容器等に入れておくことで多少は保管できます。高温多湿を避けて保管することを徹底してくださいね。
CPUグリスに関連する記事のご紹介
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※マイナビおすすめナビでは常に情報の更新に努めておりますが、記事は掲載・更新時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。修正の必要に気付かれた場合は、ぜひ、記事の下「お問い合わせはこちら」からお知らせください。(掲載:マイナビおすすめナビ編集部)
※2020/11/26 コンテンツ追加のため、記事を更新しました(マイナビおすすめナビ編集部 福本航大)
編集プロダクション「マイカ」所属のIT&家電専門ライター。 スマホやパソコン、ストレージ、ネットワークなどIT全般のみならず、家電についての執筆実績が多い。書籍、雑誌、新聞、業界誌やWebコンテンツなど、様々な媒体に記事を提供している。 また、広告やカタログ、導入事例といったB2Bの営業支援ツール制作にも携わる。IT系、家電を中心にコンセントにささるいいモノをおすすめしていきます。 略歴 1973年生まれ。 高等学校の教職員勤務経験を経て、マイカに勤務。雑誌や専門誌のライターとして活躍する。 その後、IT流通の専門誌の記事制作を担当し、B2BからB2Cまで幅広い専門知識を獲得。 最近では、Webメディアやオウンドメディアのの編集企画制作も担当。 著書歴 ・iCloud&iTunes超使いこなしガイド 2019最新版 (三才ムック) ・今すぐ使えるかんたん はじめる&使える MacBook入門(技術評論社) ・スマホの困ったを解決する本 (三才ムック) ・iPhone超活用ガイド (三才ムックvol.988) ・今すぐ使えるかんたんEx iPhone プロ技BESTセレクション(技術評論社)