マザーボードとは
マザーボードは、CPUやメモリ、グラフィックボードなど、PCに必要なパーツを取り付ける電子回路基板です。
メインボード、システムボードなどと呼ばれることもあります。マザーボードは製品によって対応するパーツの種類が異なることがあり、どんなマザーボードを選ぶかによってPCの大まかな性能が決まってきます。
とくに、搭載されているチップセットやCPUソケットのタイプによって、使えるCPUが異なる点には注意が必要です。また、一度PCを組み立てた後は、マザーボードを交換するためにはすべてのパーツを取り外す必要があるため、とても手間がかかります。
そのため、あとから新たなパーツを追加したくなったときに対応できるよう、なるべく新しい製品で、拡張性の高いものを選ぶとよいでしょう。
マザーボードの選び方
パソコンを構成する部品のなかでも必要不可欠なパーツのひとつ「マザーボード」。マザーボードの種類で搭載できるCPUやメモリーなどが決まるため、慎重に選びたいパーツです。ただし、チェックすべきポイントが多くて、どれを選べば良いのか迷ってしまいますよね。
そこでここからは、マザーボードを選ぶポイントをご紹介します。自分の用途に合った製品を見つけるために、ぜひ参考にしてみてくださいね。
ポイントは下記。
【1】搭載チップセット
【2】CPUソケットの種類
【3】オーバークロックの可否
【4】サイズ(フォームファクタ)の大きさ
【5】メモリスロット
【6】用途
【7】インターフェース
上記のポイントを押さえることで、より欲しい商品をみつけることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】搭載チップセットをチェック
マザーボードごとに搭載できるCPUが決まっています。インテル製とAMD製といったメーカーの違いもありますが、さらにCPUを取り付けるソケットの形状が複数あります。
とくに、インテル用の『LGA1151』ソケットは形状が同じでも、第7世代CPU用と第8世代CPU用に分かれており、互換性がありません。チップセットで見分けるしかないので、購入前によく確認しておきましょう。また、CPU自体は使えても、安価な製品用のチップセットではメモリの帯域が限られているなど、機能が制限される場合もあります。
逆に、最上位チップセットはサーバー用などで、使わない機能満載ということもあります。チップセットはマザーボードの性格を決める大事な要素なので、使いたいCPUや機能も含めて、よく吟味しましょう。
【2】CPUソケットの種類をチェック
CPUを取り付けるためのCPUソケットにもいくつかの種類があり、それぞれ対応するCPUが異なります。
たとえば、Intel製CPUなら、第6世代と第7世代(Core i5、Core i7などの6000番台と7000番台)のCPUに対応するのがLGA1151、第8・9世代はLGA1151v2、第10・11世代ならLGA1200、最新の第12世代ならLGA1700というように、使用できるCPUが決まっています。
AMDの場合も、現在主流のRyzenに対応するのがAM4、Ryzen ThreadripperはTR4となっています。使いたいCPUに対応するソケットが搭載されているかどうか、忘れずに確認しておきましょう。
【3】オーバークロックの可否をチェック
CPUは本来、動作するクロック周波数速度や電圧などが厳密に決まっていますが、ユーザーがカスタマイズして規定よりも高速に動作させること、すなわち「オーバークロック(オーバークロッキング)」が可能です。
ゲームなどで、少しでも速く動作させると有利な場合にオーバークロッキングを試みるユーザーがいますが、マザーボードによってはオーバークロックのためのインターフェースと設定があらかじめ用意されており、容易に電圧や動作倍率を変更することができます。性能を重視する人はこうした機能の有無を確認してみましょう。
【4】サイズ(フォームファクタ)の大きさをチェック
マザーボードには、フォームファクタという規格があり、サイズや構成が決められています。これによって、PC全体の大きさや拡張性が決まってきます。目的に合わせて選びましょう。
ATX
ATXは305×244mmのサイズで、ミドルタワーやフルタワーケースで使いたい場合におすすめです。接続端子の数が多く、拡張性が高いことがメリットです。
MicroATX
MicroATXは244×244mmとコンパクトで、ミニタワーケースに適しています。設置場所が限られるなど、コンパクトなPCを作りたい場合に最適ですが、ATXよりも接続端子が少なく、ゲーム用などハイエンドのPCには向いていないことは覚えておきましょう。
Mini-ITX
サブ用などで、端子の数や拡張性にはこだわらない、とにかく小型のPCを作りたい、という場合には、さらにコンパクトな170×170mmサイズのMini-ITXもあります。
【5】メモリスロットをチェック
メモリスロットに取り付けることができるメモリも、マザーボードによって違うことがあります。現在主流となっているDDR4規格のメモリに対応した製品がほとんどですが、少し前の規格のDDR3とは互換性がありません。以前のPCで使っていたメモリを使いたい場合は、この点をよく確認してください。
また、より高性能なメモリを使いたい場合は、メモリの動作クロックもチェックしておきましょう。動作クロックとは、メモリのデータ転送の速度を示すもので、2400MHz、3200MHzなどの数字で示されます。この数値が大きいほど高性能なメモリを使えます。
【6】用途をチェック
ネットサーフィンや動画を視聴するのがメインなのか、それともゲームや動画編集がメインなのかによってマザーボードのスペックが変わります。
ここでは、用途による選び方の違いについてご紹介します。
ゲーミングや動画編集なら
ゲームや動画編集など、PCに負荷のかかる重い処理を行なう場合は、ハイエンドマザーボードと呼ばれるハイスペックなものがおすすめです。
CPUをより高い周波数で動作させるオーバークロックや、2枚のグラフィックボードを使ってグラフィックの能力を向上させるマルチGPUなどの機能が搭載されていれば、通常のPCでは動作がもたつくような重い処理でも、快適に行なうことができます。
また、ゲーミングマザーと呼ばれるタイプは、マザーボード上のメモリやチップセットなどの冷却を考慮したものが多く、重い処理を長時間続ける場合にも安心です。
ネットサーフィンや動画視聴なら
ネットサーフィンや動画視聴、Webサイトの閲覧やメールの送受信、オフィスソフトの作業などがメインの用途である場合は、ミドルクラス、またはエントリークラスの「ミドルレンジマザーボード」や「ローエンドマザーボード」でも問題ありません。
ミドルレンジマザーボードには処理能力が高いチップセット、ローエンドマザーボードには廉価版チップセットが使用されています。パフォーマンスを重視するならミドルレンジを選びましょう。
【7】インターフェースをチェック
インターフェース周りなどは、拡張カードの増設でカバーできるものもありますが、CPUを刺さなくてもUSBメモリでファームウェアを更新できる機能や、グラフィックカードを2枚ペアで使うマルチGPU機能とそれに使うPCIe x16スロットの数などは後から拡張できないので、今後の拡張計画なども踏まえて選びましょう。
ここでは、PCI ExpressとSerial ATA(SATA)の特徴についてご紹介します。
PCI Express
PCI Expressは、データ伝送速度が非常に速いインターフェースで、グラフィックボードやSSDの接続に使われます。とくに、ゲームプレイ時や動画編集でパソコンのグラフィック性能を上げたい場合は、高性能グラフィックボードに対応している「PCI Express×16」がおすすめです。
Serial ATA(SATA)
Serial ATA(SATA)とは、マザーボードにHDDやSSD、光学ドライブなどを接続するためのインターフェースです。SATAに接続する機器の数が多いほど、余裕をもってSATAポート数を選ぶ必要があります。また、なかには10GB/sなどの高速データ転送に対応したタイプもありますので、予算に余裕があればこうしたものもおすすめです。
マザーボードおすすめ3選 ASUSやMSIなど
選び方のポイントをふまえ、マザーボードのおすすめ商品をご紹介します。それぞれ性能差があるので、しっかり性能比較して自分の用途にあったものを選びましょう。
堅実な動作で扱いやすいマザーボード
本体の耐久性や安定性など、予定された動作を堅実に行うことで、どんな目的でも扱いやすいマザーボード。適切な電力設計や強力な冷却設計によって、つねに高いパフォーマンスを発揮してくれます。
さらに、超高速ネットワークやAIノイズキャンセリングマイクに対応しており、ゲーミング用マザーボードとしてもおすすめです。
対応規格 | ATX |
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チップセット | AMD B550 |
CPUソケット | AMD Socket AM4 |
メモリタイプ/最大容量 | DDR4/128GB |
スロット数 | 4 |
インターフェース | USB 3.2 Gen 1×1、USB 2.0×1ほか |
オーバークロック有無 | - |
対応規格 | ATX |
---|---|
チップセット | AMD B550 |
CPUソケット | AMD Socket AM4 |
メモリタイプ/最大容量 | DDR4/128GB |
スロット数 | 4 |
インターフェース | USB 3.2 Gen 1×1、USB 2.0×1ほか |
オーバークロック有無 | - |
コンパクトサイズのオールラウンダー
チップセットZ790を搭載した「ROG STRIX」ゲーミングMini-ITXマザーボードです。最大110Aまで出力に対応する強力な電源回路を確保し、コンパクトながら13世代Intel Coreプロセッサーの動作を最大限に発揮します。
そのほかに、冷却機能、高伝導性サーマルパッド、大型VRMヒートシンクやM.2ヒートシンクなどの機能も加わりました。
対応規格 | Mini-ITX |
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チップセット | インテル Z790 |
CPUソケット | LGA1700 |
メモリタイプ/最大容量 | DDR5 |
スロット数 | 2 |
インターフェース | USB 3.2 Gen 2 ポート、 USB 2.0 ポートほか |
オーバークロック有無 | あり |
対応規格 | Mini-ITX |
---|---|
チップセット | インテル Z790 |
CPUソケット | LGA1700 |
メモリタイプ/最大容量 | DDR5 |
スロット数 | 2 |
インターフェース | USB 3.2 Gen 2 ポート、 USB 2.0 ポートほか |
オーバークロック有無 | あり |
コスパ良いPCを組むならおすすめ!
INTEL B660チップセット搭載のゲーミングマザーボード。Mini-ITXマザーボードとは思えないほどのパワフルな電力供給とスタック式のサーマルアレイを装備しています。
AIオーバークロック・ボタンによってチューニングの操作が簡単になり、ゲーミング用に使うには十分すぎるほど。
対応規格 | Micro ATX |
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チップセット | INTEL B660 |
CPUソケット | LGA1700 |
メモリタイプ/最大容量 | DIMM DDR4/128GB |
スロット数 | 4 |
インターフェース | USB3.2 Gen1 Type-Ax4 USB2.0x2 ほか |
オーバークロック有無 | あり |
対応規格 | Micro ATX |
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チップセット | INTEL B660 |
CPUソケット | LGA1700 |
メモリタイプ/最大容量 | DIMM DDR4/128GB |
スロット数 | 4 |
インターフェース | USB3.2 Gen1 Type-Ax4 USB2.0x2 ほか |
オーバークロック有無 | あり |
「マザーボード」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする マザーボードの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場でのマザーボードの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
マザーボードに関するそのほかのおすすめ記事
最後に|エキスパートのアドバイス
外部インターフェースの数と種類にも注目
マザーボードにはさまざまなインターフェースが付いていますが、製品によって数や種類には差があります。たとえば、もっともよく使われるUSBの規格はバージョン3.1 Gen.2が最新で、ポートの形状は従来のType-Aに加えてType-Cも普及してきています。
ところがマザーボードによっては、サポートするUSBポートがUSB 3.1 Gen.1までだったり、USB 2.1のポートがあったりします。高速なポートを期待して繋いでみたら全然速度が出なかった、ということもあり得るのです。これは他のインターフェースにも言えることなので、購入時はインターフェースの種類や数にも注目しておきましょう。
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