接着剤・ボンドの選び方
それでは、接着剤・ボンドの基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記。
【1】接着する素材
【2】接着方法と硬化時間
【3】接着剤の形状
【4】使用場所
上記のポイントを抑えることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
※「ボンド」はコニシの登録商標です。
【1】接着する素材をチェック
ホームセンターやネットショップで接着剤を探していると、商品名が似ているものが非常に多く迷ってしまいます。商品名は似ていても実際に接着できる素材や硬化後の硬さなど細分化されているので注意が必要です。
たとえば「プラスチックの接着」とひと口に言ってもPP(ポリプロピレン)やPE(ポリエチレン)などを接着できる接着剤は少ないです。逆にアクリルや塩ビなどには適した接着剤が存在します。
まずは接着剤を探す前に、今回はどんな素材と素材を接着したいかを確認してから接着剤探しをおこなうようにしましょう。
【2】接着方法と硬化時間をチェック
接着剤は種類によって接着方法がまったく変わってきます。方法を間違えてしまうとまったく接着できないこともあり、一度失敗すると同じ部分の接着が困難になってしまうことも多いです。硬化時間も商品によって大きく差があるため、接着後になるべく早く次の加工をおこないたい場合は速乾性の接着剤を選ぶことで効率よく作業を進めることができます。
一方で、乾燥が早すぎると作業途中での接着位置の修正や作業自体をスピーディーにこなす必要があるため、速乾性が一概によいとは言えません。乾燥時間の差は、完全乾燥後の強度に大きくは影響しないため、作業スタイルに合った乾燥時間の接着剤を選ぶとよいでしょう。
【3】接着剤の形状をチェック
接着剤の形状にも、水のようにサラサラしたものから、水あめのようにドロッとした形状のものまであります。接着剤を選ぶときはくっつけるものによって、形状も考えて選ぶ必要があります。
たとえば布に使う場合だと、水のような低粘度の接着剤ではしみ込んでしまうので、少しドロッとした中粘度のほうが向いています。発泡スチロール、木材、紙なども中粘度の接着剤がよいです。
また、雨どいやビニールのもの、模型などには、サラッとした低粘度のものが適しています。コンクリートを接着する場合は厚塗りができるので、高粘度でペースト状のものを選ぶとよいでしょう。
【4】使用場所をチェック
水しぶきがよく飛ぶ場所、熱くなる車内、人がよく触れるドアノブなど、接着剤をつけた箇所がどういった環境にあるのかも、接着剤を選ぶ際の重要なポイントです。こちらもしっかり確認しましょう。
▼耐水性の接着剤|キッチンなどの水回り
水周りや屋外など水がかかる場所で使う接着剤は、耐水性のあるものでなければなりません。風呂や洗面所などで使用できる接着剤は、エポキシ樹脂系の接着剤で水中でも硬化してくれます。パテ状で作業もしやすい形状です。
また、アクリル用接着剤など溶剤系のものは、接着する素材を溶かしてつけるので、水に強いといえます。
▼耐熱性の接着剤|車内などの高熱になる場所
車内など高熱になる場所に使う接着剤は、耐熱性のあるものを選ばなければなりません。真夏の車内は50℃以上、ダッシュボードの上では70℃以上になることもあります。
60~100℃になる場所に使う場合は、フェノール樹脂系やエポキシ樹脂系接着剤を選びましょう。エポキシ樹脂系の接着剤は高温の屋外にも向いています。
60℃までの場所にはクロロプレンゴム系・ニトロゴム系の接着剤も使用可能です。高温の場所に使う場合は、接着剤が「耐熱性」かどうかを調べてから購入しましょう。
▼耐衝撃性の接着剤|ドアノブなど衝撃が加わりやすい場所
接着剤を選ぶときには、ドアノブなど衝撃が加わりやすい場所に使うときには「耐衝撃性」と書かれている接着剤を選ばないと、すぐにはがれてしまうことになります。金属は衝撃が伝わりやすいので、金属用の耐衝撃性瞬間接着剤を選ぶと強い衝撃にも耐えられます。
一般的に衝撃性にすぐれているのは、変性シリコン系・シリル化ウレタン系の接着剤です。2液を混ぜて使用するエポキシ系接着剤も耐衝撃性があります。
エキスパートのアドバイス
芸術大学教員/DIYアドバイザー
材質に特化した接着剤を選ぼう
接着剤の種類は非常に多く売られています。ひとつひとつの接着剤に特長があり、得意な素材と苦手な素材があります。多用途の接着剤だけに頼ることなく、接着したい素材に特化した接着剤を選ぶことで強力にきれいに接着することができます。
接着方法も商品によってそれぞれ違うので、製品本来のパワーを最大限活かすために正しい手順で取りつけをおこなってもらいたいと思います。
今までなんとなく選んでいた接着剤も材質をしっかりと確認することで、失敗が減り安心して取りつけることができるようになります。
ボンド・接着剤のおすすめ商品
それでは、おすすめの接着剤・ボンドをご紹介いたします。
▼おすすめ4選|木材向け
▼おすすめ5選|金属向け
▼おすすめ6選|プラスチック向け
▼おすすめ4選|アクリル樹脂・ポリエチレン向け
▼おすすめ2選|皮革・布・ゴム向け
すぐに各商品が見たい方は、上記のリンクをクリックしてくださいね。
▼おすすめ商品の比較一覧表
▼おすすめ4選|木材向け
まずは、木材が接着できるおすすめ商品を紹介します。強力に接着するには、乾燥時間を充分に取ることも大切です。ぜひ、時間に余裕も持ってDIYに取り組みましょう。


▼おすすめ5選|金属向け
続いては、金属を接着できる接着剤・ボンドを紹介します。こちらも、ぜひ参考にしてくださいね。


▼おすすめ6選|プラスチック向け
続いては、プラスチックを接着できる接着剤・ボンドを紹介します。こちらも、ぜひ参考にしてくださいね。

▼おすすめ4選|アクリル樹脂・ポリエチレン向け
続いては、アクリル樹脂・ポリエチレンを接着できる接着剤・ボンドを紹介します。こちらも、ぜひ参考にしてくださいね。

アクリルDIYの強い味方!
アクリル同士の接着に最適なのがこの接着剤です。多用途系の接着剤でもアクリル同士を接着することは可能ですが、この接着剤は接地面が非常にきれいです。
透明アクリル同士の接着をおこなえば接着面も透明に透き通り、まるで製品のような仕上がりになります。アクリルのショーケースや透明度の高い小物を作成したいときなどにとても便利です。
アクリルのほかにもポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、スチロール樹脂などの接着も可能となっています。使用の際は接地面が平らで、貼り合わせた場所に注射器を使って流し込むように使います。塩ビの接着剤の際は同メーカーのサンデーシート、硬質塩ビ板用接着剤がおすすめです。
難接着性のポリエチレンなどもくっつける接着剤
今まで接着が不可能だといわれていたポリエチレン、ポリプロピレン、シリコーンゴム、ポリアセタール、フッ素樹脂を接着するための接着剤。セメダインから出ている、プライマーと高性能瞬間接着剤がセットになった商品です。細かいものを瞬時に接着したいときに便利。
ポリエチレン、ポリプロピレン、シリコーンゴム、ポリアセタール、フッ素樹脂にフエルトペン型のプライマーを対象物にサッと塗り、1分以内に接着剤を使って接着する方法。金属、木材、磁器などには、プライマーは使いません。
模型工作、ホビー製作のほかにも、洗面器、衣装ケース、CDケース、ガーデニング用のプランターなどの修理に向いています。
▼おすすめ2選|皮革・布・ゴム向け
最後は、皮革・布・ゴム向けの接着剤・ボンドを紹介します。こちらも、ぜひ参考にしてくださいね。

通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 接着剤・ボンドの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの接着剤・ボンドの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
接着剤の正しい使い方
接着剤を使わないときは必ずフタをしめておきましょう。空気中の水分に反応して液が固まってしまう恐れがあります。
使う量は接着する面にもよりますが、付けすぎると硬化が遅くなったり、白くなってしまうので注意して使いましょう。塗るときはあまり薄く広げすぎないようにしましょう。空気中の水分と反応してすぐ白く固まってしまうからです。
早く固めたいときは、ドライヤーなどの温風をつかって固めることができます。ただし温めすぎると接着物が溶けてしまう可能性もあるので注意しながら行いましょう。
接着剤のはがし方・落とし方
接着剤が指についても絶対にむりやりはがそうとしないでください。指の皮がめくれてしまったり危険が及びます。
40度くらいのお湯にくっついてしまった指をひたして、やさしくもみほぐしてください。それでも指に白い接着剤が残ってしまった場合は、瞬間接着剤はがし剤や除光液で除去することができます。指をぽんぽんとやさしくこすれば取れます。
【関連記事】そのほかの関連アイテムもチェック
使うシーンに合う接着剤を!
DIYアドバイザーの野口僚さんへの取材をもとに、接着剤・ボンドの選び方とおすすめ商品をご紹介しました。ご自身の用途にあった接着剤はどんな素材を接着するもので、接着時間や耐性はどうなのか、ご理解いただけましたでしょうか。
接着剤は趣味の模型作りやクラフト・アクセサリー作りに使ったり、家の補修をするのに欠かせないもの。お気に入りの接着剤を見つけて、趣味や生活のなかで活用してみてください。
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徳島県の家具メーカーにて木製家具の製造に携わり、機械加工、仕上げ、組み立て、塗装など木工全般と家具製造ノウハウを培いました。 その後東京では業界新業態の体験型DIYショップで店長として勤務。店頭ではお客様の相談に乗りつつ、一人一人にぴったりのDIY用品を提案してきました。 同時にDIYレッスンの企画と講師を行い、日本のDIY文化発展のために努めてきました。 現在は大学のデザイン学部の助手として大学内工房に在中し、 学生に対しデザインやモノづくりの手法などを主に教えています。