アクリル接着剤とは
アクリル接着剤は、アクリルなどに使用する接着剤のこと。「接着」ではなく「溶着」するため、ボンドなど普通の接着剤よりもキレイに仕上がります。
また、素材同士を溶かして一体化させることで、接着強度が高く、取れにくいというメリットもあります。最近では、水族館の水槽にも使用されています。
注意点:「アクリル樹脂接着剤」と間違えないよう注意!
アクリル接着剤と似ているものに、「アクリル樹脂接着剤」があります。「アクリル樹脂接着剤」は、プラスチックや金属などを接着するのに使用します。アクリル同士をくっつける「アクリル接着剤」とは用途が異なるので、購入時は間違えないように注意しましょう。
アクリル接着剤の用途別のタイプ
アクリル専用、兼用、多用途タイプと、大まかに分けて3種類あるアクリル接着剤。用途によって選びたいタイプが変わってくるので注意しましょう。
▼アクリル専用タイプ:アクリル同士の接着に使用
アクリル専用タイプは、名前のとおりアクリル同士を接着させるのに使用する接着剤です。成分のなかに入っているジクロロメタン・塩化メチレンが、アクリルを溶かす作用があるので、この成分が入っているかどうかを目安にするのもいいでしょう。
▼兼用タイプ:プラスチックなど、特定の素材にも使える
兼用タイプとは、有機溶媒に溶けるプラスチックとアクリルの接着ができる接着剤です。プラスチック類との接着で使用する場合は兼用タイプを選びましょう。
ただし、商品によってはプラスチックの種類が特定されているものもあるので、購入の際はしっかり確認するようにしましょう。
▼多用途タイプ:いろいろな素材に使える
アクリルやプラスチック以外の素材を接着させるには、スタンダートなアクリル接着剤を使用してもうまく溶解しません。さまざまな素材に使うなら、ガラスや金属、ゴムなどにも使用できる多用途タイプを購入しましょう。
多用途タイプのなかには「瞬間接着剤」とうたっている商品もあります。瞬間接着剤は、接着面が白化してしまうことがあるので、乾くと透明になるタイプを選ぶといいでしょう。
アクリル接着剤の選び方
それでは、アクリル接着剤の基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記の4つ。
【1】容量
【2】使いやすい注入器
【3】接着後の強度
【4】接着剤の透明度や素材
上記の4つのポイントを抑えることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】容量をチェック
ジクロロメタン、塩化メチレンの成分が配合されているアクリル接着剤。それほど大量に使用するものではないので、はじめは少量のものを購入するのがおすすめです。
アクリル接着剤は揮発性があるので、作業中はフタを開けたままにしないよう注意してください。容量とともに、フタの開閉のしやすさもチェックするといいでしょう。
【2】使いやすい注入器をチェック
粘り気がなくさらさらしている液体のアクリル接着剤は、こぼれやすいというデメリットがあります。
そのため、必要なぶんだけ的確に使えるように、注入器が一緒になっているタイプを選択肢に入れてみるのもよいでしょう。狭い部分にも付着させやすく、便利です。
【3】接着後の強度をチェック
商品を選ぶ際に、接着したあとの強度や耐久性をチェックすることも大切です。引っ張ってもはがれにくいか、暑い場所や寒い場所でも問題ないか、雨や水に濡れても耐えられるかなど、できればメーカーのホームページや通販サイトの口コミを見て確認すしておくと安心です。
【4】接着剤の透明度や素材をチェック
アクリル接着剤を選ぶ際はアクリルとなにを接着したいかを明確にしましょう。アクリル同士の接着はアクリル専用接着剤が強力で綺麗に接着できます。
一方でアクリル専用接着剤は他の素材との接着が苦手。という性質もあるので、他素材と組み合わせる場合は、商品の接着可能素材の表記をよく確認するようにしましょう。
アクリルは透明度が重要になる場面が多い素材でもあり、接着剤の透明度にも注意してみるといいでしょう。
有名メーカー・ブランドの特徴
アクリル接着剤を販売している有名なメーカーから選ぶのも一つの手です。実際にアクリル接着剤を製造・販売しているメーカーを見ていきましょう。
3M:SCOTCH(スコッチ)のブランドで有名
3Mはスコッチやポストイット、DIYが趣味の方にはお馴染みのマスキングテープなどの文房具を幅広く展開している米国のミネソタ州で創業された会社です。
プロ仕様のものから、ご家庭で手軽に使用できるものまで幅広く販売しています。3Mのアクリル接着剤の特徴としては、プラスチックやガラス・陶器・革・ゴム・木材・金属などさまざまな素材に接着することができ、ご家庭でも使いやすいサイズになっています。
セメダイン:あらゆる種類の接着剤を製造
工業用としても家庭用としても幅広い商品展開が特徴のセメダイン株式会社によって製造されている接着剤は多くの方が一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
学校の授業でよく使った木工用接着剤をはじめ、エポキシ接着剤シリーズや瞬間接着剤シリーズなど、ご家庭のニーズに寄り添った商品を製造している会社でもあります。
東亜合成株式会社:アロンアルフアで有名
ご家庭用の瞬間接着剤でお馴染みのアロンアルファを製造・販売しているので東亜合成株式会社です。このアロンアルフアは瞬間で接着できるのに強力というのが魅力で、長年多くのご家庭で使用され続けてきたブランドです。
今人気のDIYなどのシーンでも使われることが多い接着剤です。プロ用シリーズや専用シリーズなどをはじめEXTRAシリーズもあり、特にEXTRAシリーズはアクリルやプラスチックの接着におすすめです。
▼アクリル専用タイプ
まずはアクリル専用のおすすめ商品をご紹介します。アクリル接着剤探しの参考にしてください。

新興プラスチックス『アクリルダインC』はアクリル接着剤ではめずらしい「粘度」の高い接着剤です。従来、アクリル同士の接着は表面が欠けていたり凸凹があると接着が困難でした。この接着剤はそういった部分にも充填(じゅうてん)して接着することができ、使い勝手がとてもいい商品です。
慣れていなくても使いやすい
品質のいいアクリル接着剤。A、B、Cと3種類あるなかのアクリルダインCはアクリル板の厚板接着、穴隙間の充填用として適しています。接着剤の粘度が高く、そのため蒸発しにくいです。
厚いアクリルの接着や、隙間の充填などがしやすいアクリル接着剤です。細かい部分に入れても漏れる心配がないので、初心者の方も使用しやすいでしょう。
コスパ高く装着力も良好
定番のアクリル接着剤の製造で知られるメーカー「光」が販売しているアイテム。価格も比較的安価で、接着力もしっかりしているので、コストパフォーマンス的にも満足して購入できる商品です。
スポイトが付属しており、必要な分だけ使うことができます。使用する際は、注入器や専用の筆などを使うとよいでしょう。容量が少なめなので、ひんぱんに使うことがないという方におすすめです。
約20秒で接着! 幅広い温度に対応可能
約20秒間固定させることでしっかり効果を発揮する接着剤。使用温度の範囲は−55℃から175℃まで対応しているので、冷たくなるものから熱くなるものまで接着できます。
DCモーターの組み立てや、マグネットおよび積層鋼板の接着に適しています。中粘度の粘り気があるので垂れる心配なく、初心者の人もかんたんに接着できます。
少量を買い求めたい方に適した接着剤
アクリル板や塩ビ板を接着するのに適した接着剤。容量が30mlなので、少しの量だけ接着剤がほしい方に適しています。少ない容量に思うかもしれないですが、少しの液でしっかりと接着できるので、使い切り感覚で使うには充分でしょう。
先の細いスポイトも付属されているので、こまかい部分などにもつけやすくなっています。
▼兼用タイプ
続いては、兼用タイプのおすすめ商品です。アクリル接着剤探しの参考にしてください。

アクリサンデー『接着剤(B14-3201)』はアクリル同士を溶かしながら接着するタイプの接着剤です。ピタッと合わせた部分に注射器の先端を当てて使うので、精密な作業ができます。接着面の透明度が非常に高く、透明のアクリルケースなどを作りたい方にとくにおすすめです。
注入器付きの兼用タイプ
アクリル板だけではなく、ABS樹脂やスチロール樹脂、ポリカーボネート樹脂にも使用できる接着剤。注入器つきなので、こまかい接着部分などをきれいにつけることができます。手を汚すこともないので、すっきりと作業ができますよ。
付属の注入器は、中身を出し切れば何度でも使用できるので、容量を注意して使用しましょう。
▼多用途タイプ
ここからは多用途タイプのおすすめ商品をご紹介します。アクリルはもちろん、いろいろな素材も接着することができる接着剤もあります。アクリル接着剤探しの参考にしてください。

呉工業『ゴリラグルー クリア(E-1770)』はアクリルはもちろん、さまざまな素材に使うことができる多用途接着剤です。
使い方がかんたんで、片面塗布で貼り合わせて固定するだけなので失敗が少なく、透明度が高いクリアな点はアクリルの接着でうれしいポイントです。
幅広く使えるスーパー多用途!
金属やプラスチックはもちろん、コンクリートやガラス、ゴムなど幅広い素材を接着できるアイテム。湿気に反応して強力に接着するので、湿気を含まないアクリルなどの素材の場合は、接着面を濡らして使うことで接着強度を保つことができます。
クリアタイプなので、硬化後も接着部分が目立ちにくくきれいな仕上がりになります。異なる素材同士でも接着でき、日常のあらゆるシーンで使えるでしょう。
速乾性が高く、屋外使用も可能
金属、硬質プラスチック、コンクリートやタイルなど、さまざまな素材を接着することができる接着剤。落としてしまったり衝撃を与えてしまった際に、接着した部分がやわらかいゴム状になるのでショックを吸収してくれます。凹凸面にも使えて便利です。
約2分で硬化する速乾性もあります。水や熱にも強いので、汎用性が高く屋外でも使用できます。
接着剤がつきにくい素材も固定
セメダインの「多用途を超えた超多用途!」とうたう強力接着剤。ポリエチレン、ポリプロピレンなど、接着剤がつきにくい素材までも接着することができます。
硬化後は熱や水などに強く、接着するものを選ばず、屋外で使う素材にも適しています。硬化後−60℃から90℃の温度に耐えられるので、さまざまなものを接着するのに好ましいアイテムです。
学校教材にも使われる接着剤
学校教材用の接着剤として使われ始めてから長い歴史がある「カスネチック」。接着できる素材はアクリルだけではなく、木・金属・布など、接着する頻度が多い素材を接着することが可能。かんたんに使うことができ、耐久性にもすぐれています。
工業用の大容量タイプ。使える素材の種類が多いので、手芸や模型製作などが趣味の方にもおすすめです。
「アクリル接着剤」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする アクリル接着剤の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場でのアクリル接着剤の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
アクリルを接着する際のポイント
アクリルは接着面も透明なので、はみ出しがなくきれいに仕上げるにはコツが必要です。作業のポイントをまとめたのでチェックしてみてください。
接着面を研磨する
きれいに接着するためには、接着面がフラットになるように研磨しておくといいでしょう。凹凸があると気泡が入りやすかったり、ぴったりくっつかなかったりする可能性があります。
研磨する際にはスポンジ研磨剤やアクリル向けの研磨剤などを使うようにしましょう。
接着面が白くならないコツは?
瞬間接着剤を使用した場合、接着剤が乾いた部分が白く濁る「白化」が起きる可能性があります。アクリルはその透明感が素材の魅力なので、できるだけ白化は避けたいですよね。
ポイントは、接着面以外に接着剤がつかないようにすること。もし不要な場所で接着剤が乾いてしまった場合は、目のこまかい紙ヤスリなどで削ることで、ある程度は白化を解消できます。ただ、削った際にこまかいキズができ、アクリルの透明感は多少損なわれてしまうので注意しましょう。
接着したアクリルの剥がし方
基本的に、アクリル接着剤は素材を溶かして接着するものなので、一度くっつけたものを剥がして元通りにするということはできません。剥がすことができないため、アクリルを切断することになります。
作業前に、接着する位置をしっかり確認しておくことが重要です。
そのほかの接着剤もチェック
アクリル接着剤は用途を把握したうえで選ぼう
本記事では、アクリル接着剤のタイプや選び方、そしておすすめ商品をご紹介しましたが、いかがでしたか?商品を選ぶ際は、下記のポイントを抑えておきましょう。
【1】容量
【2】使いやすい注入器
【3】接着後の強度
【4】接着剤の透明度や素材
使用する素材や用途についてしっかり把握したうえで選ぶことが重要です。本記事を参考に、ぜひあなたがほしいアクリル接着剤を選んでみてくださいね。
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