布用ボンド(接着剤)の選び方
布を貼り合わせるために使われるボンド。「ボンド」はコニシの登録商標ですが、現在広く「ボンド」の名で親しまれ、多くのメーカーから多数の商品が発売されています。記事内では、製品名以外の表記を「布用ボンド(接着剤)」としています。ポイントは下記。
【1】接着したい素材に使えるか
【2】固まるスピードもチェック
【3】使う頻度に応じた内容量のものを
【4】洗濯できるかどうかをチェック
【5】中身が底から飛び出さない形状であるか
では、布用ボンド(接着剤)の選び方をみていきましょう。
【1】接着したい素材に使えるか
布用ボンド(接着剤)は、商品によっては特定の素材にしか使えないものもあります。買う前に、きちんと使える素材を確認しましょう。
特にシルクやサテンなど薄手の上質な素材を布用粘着剤でくっつけるときは、注意が必要です。ボンドをつけることでシミになってしまうこともあるので、目立たない箇所で試してから使うことをおすすめします。また、防水生地などは使用できない場合が多いので、確認してから使うようにしましょう。
【2】固まるスピードもチェックして
布用ボンド(接着剤)は、接着スピードが速いか遅いかも重要。水分と反応する、化学反応を利用するなど、商品によって固まり方に違いがあります。見分け方のポイントは、接着成分に水が含まれていると、固まるスピードがゆるやかになるということです。
水を含まず、「シリル化ウレタン樹脂」「変性シリコーン樹脂」などの効果成分比率が高いと、硬化するスピードが速いです。
なお、一般的に「瞬間接着剤」と呼ばれるタイプによく含まれる「シアノアクリレート」という成分があります。しかし、布に使うと化学反応で発熱・発火するおそれがあり、布用には適していません。
【3】使う頻度に応じた内容量のものを
布用ボンド(接着剤)にも使用期限があるため、使う頻度によって適した内容量を選ぶようにしましょう。大容量のものがお得に思えますが、あまり使わない方はムダになってしまうことも。
今後も使うことがあるのかなど、使う頻度や使用面積に応じた内容量を選んでください。
【4】洗濯できるかどうかをチェック
パンツの裾上げやアップリケの貼り付けなど、よく洗濯する服に布用ボンド(接着剤)を使用したい場合もあるでしょう。
しかし、布用ボンド(接着剤)の種類によっては、洗うとボロボロになったり剥がれてしまったりということも。事前に洗濯できるかどうかをチェックしておくことが大切です。
【5】中身が底から飛び出さない形状であるか
布用ボンド(接着剤)の容器は、さまざまなタイプがあります。一般的なのは、細長い三角状で、底の部分を折り返した形です。
しかし、折り曲げ型のボンドをしばらく使わずに中身が固まりかけた状態で、次に使用するとどうなるでしょうか。力を入れて押し出そうとすると、底部が剥がれたり、横が裂けたりして中身が出てしまうことがあります。
特にアルミチューブには注意。底部を折り曲げて閉じているものが多く、強く押すと底部が破れてしまう可能性があります。できれば、底部が樹脂でラミネートされているチューブを使用するようにしましょう。
布用ボンド(接着剤)おすすめ11選
雑貨アーティストの上島佳代子さんと編集部で選んだおすすめの布用ボンド(接着剤)をご紹介します。洗濯の可否や容器の使いやすさなどもチェックしましょう!



細ノズルで接着しやすい多用途の手芸用ボンド
布だけでなく革製品やフェルト、ビーズの接着など、マルチに活躍するクラフト用ボンド。成分はシリル化ウレタン樹脂で、スピーディーに接着します。透明度が高く、美しい仕上がりもポイントです。
細口のノズルなので、こまかい部分にもつけやすいでしょう。容量が少なめなので、はやめに使い切りたいという方や使用頻度が高くないという方におすすめです。
布も革もピタッと接着する速乾透明ボンド
貼り付けやすく長持ちする、スチレンブタジエンゴム系接着剤。皮革や布、硬質プラスチックなど幅広く使え、素早く硬化します。仕上がりはクリアで、柔軟性があるので貼った部分が目立ちにくいです。
少量で使いやすく、使う頻度が少ない方にもちょうどよいサイズ。コンパクトなサイズなので、ペンケースなどに入れて持ち歩くのにも便利でしょう。
つきにくいポリ系素材もぴったんこ&洗濯も可能
ポリエステルやポリウレタン、ナイロンなど、従来の布用ボンドで接着しにくかった素材もOK。シリル化ウレタン樹脂のパワーでピタッと密着し、仕上がりもクリアです。ノズルの先端は細口なので、こまかい部分にも塗りやすいでしょう。
しっかり乾燥させたあとは、洗濯やクリーニングしてもはがれにくいタイプ。衣類の補修やほつれ、裾上げに活躍してくれます。
洗濯可! 裾上げ・ほつれ・補修もかんたん
めんどくさい針仕事は不要。1本でほつれの修繕や裾上げ、アップリケ貼りもらくらくです。ノズル式なので使いやすく、手も汚れません。固まっても黄色く変色しないクリアタイプで、硬化後の洗濯もできますよ。
ただし、ポリエステルやナイロン系素材は接着しづらく、また、シルクや撥水加工した素材には使えません。使用予定の布の素材を確認しておきましょう。
ハケで塗れて自然な仕上がり&洗濯もできる
ノズルから細く出した粘着剤を、ハケ型のヘッドで塗り伸ばすタイプです。衣類の補修やリメイク用のリボンの貼り付けなどに使用可能。自然乾燥、アイロン接着、どちらでもOKで、水洗いや石油系ドライクリーニングもできますよ。
液だれしにくく、仕上がりも自然。ボンド特有のツンとした刺激臭も気にならず、使いやすい商品です。
ヘラ付きで使いやすく綿やレーヨンをしっかり接着
布やフェルト専用のクラフト用接着剤。綿・レーヨン・ウール・麻・毛糸の接着に適しています。ジーンズなどズボンの裾上げや、服の破れ・穴開きの当て布の接着などに役立つでしょう。
ヘラと作業シート付きで、ヘラを使えば接着剤を均等に伸ばしたり、付きすぎた接着剤をそぎ取ったりしやすいです。作業がはかどりそうですね。
水洗い可能!しみ込みにくくフェルトも布もピタッ
持ちやすく押し出しやすい、チューブタイプの布用接着剤。乾いたあとは透明になり、素材にしみ込みにくいので、ナチュラルに仕上がります。ホルムアルデヒド不使用の水性タイプで、環境にもやさしいアイテムです。
かわいらしいフォントやパッケージなので、子どもの図工の授業などでの使用にもぴったり。親子で工作やクラフトに挑戦してみてはいかがでしょうか。
しみにくくサテンやシルクもアイロンで接着OK
布用接着剤では対応していることがめずらしい、サテンやシルク、キュプラといった素材にも使えます。衣類のほつれやかぎ裂きの修復、革製品の補修などに使える多用途接着剤。透明できれいに仕上がります。
アイロンで素早く接着でき、水洗いしてもはがれにくいです。ペースト状で、ヘラも付いているので塗りやすくなっています。
「布用ボンド(接着剤)」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 布用ボンド(接着剤)の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの布用ボンド(接着剤)の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
布用ボンドの落とし方(剥がし方)
ここでは、布用ボンドの落とし方・剥がし方をご紹介します。これら以外にも剥離剤や水を浸かって剥がす方法もあります。
(1)除光液を使った落とし方
(1)剥がしたい部分に除光液をかけて染み込ませる。
(2)上からコットンをかぶせて乾きにくくし、数分放置する。
(3)ボンドが浮いてきたらゆっくり剥がしていきます。
(4)剥がしたらぬるま湯ですすぐ。
アイロンを使った落とし方
(1)剥がしたい場所にアイロンのスチームを当てる。
(2)熱があるうちにゆっくり剥がしていく。
(3)しっかり剥がれるまでこれを繰り返す。
お湯を使った落とし方
(1)お湯を入れた桶に布が浸かる程度まで浸す。
(2)剥がしたい部分をお湯に浸ける。
(3)数分お湯に浸けた後、端からゆっくりと剥がす。
エタノールを使った落とし方
(1)剥がしたい部分にエタノールを染み込ませる。
(2)浸した状態で数分放置する。
(3)エタノールを染み込ませたコットンをあてながらゆっくりと剥がしていく。
ベンジンを使った落とし方
(1)ゴム手袋を着用し、剥がしたい部分にベンジンを染み込ませる。
(2)粘着力がなくなるまで数分放置する。
(3)剥がしやすい状態になったら、ヘラでゆっくり剥がしていく。
布用ボンド(接着剤)のよくある質問
布用ボンド(接着剤)についてよくある質問をまとめました。
布用ボンド(接着剤)の使い方は?

使い方の一例を簡単にご紹介します。
【1】接着する箇所の糸くずなど小さなゴミを取く
【2】接着したい箇所の片面に布用ボンド(接着剤)を均一にぬる
【3】布と布を貼り合わせる
【4】乾かす
メーカーによってアイロンやあて布、付属の台紙を使うなど使用方法は異なるので詳しくはパッケージにある説明書をよく読んでから使いましょう。
布用ボンド(接着剤)がない場合の代用は?

布用ボンド(接着剤)がない場合、ほかの接着剤でも代用することはできなくないですが、仕上がりや強度が変わります。また、張り付かない場合もあるので、ほかの接着剤で代用する場合は、接着できる素材が「布」とパッケージに記載してあるものを選びましょう。
布用ボンド(接着剤)はどこに売ってるの?

各手芸店やキャンドゥ、ダイソーなどの100均、ホームセンターなどで購入することができます。また、Amazonや楽天などECサイトであれば、店舗に行かなくても購入できます。
そのほかの手芸用アイテムもチェック
布用ボンド(接着剤)を選ぶときの重要なポイント
雑貨アーティスト・暮らしのリネン研究家
以前は飾りを貼るなどの用途でしか使えなかった布用ボンド(接着剤)が、今では裁縫の針と糸の代わりに布を強力に接着するまでになりました。しかもお洗濯ができるものまで。
どの商品でも必ず使う前におこなってほしいのが、「パッケージにある説明書をよく読む」ということ。両面に塗る、片面に塗る、塗って少ししてから貼り合わせるなど、使用方法はさまざまです。せっかく使うのですから、最大限の効果を発揮してほしいですよね。
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雑貨アーティスト・暮らしのリネン研究家・コピーライター。そして時にカメラマンやスタイリスト、ライターとして、広告や雑誌、テレビやWebなど様々なメディアのニーズに応えるクリエイター。世界のリネンを巡る旅をライフワークに、リネンの歴史や現在のリネン産業についても造詣を深める。NHK『美の壷』のテーマ「麻」に出演。雑貨アーティストとして企業との商品開発や保育士・幼稚園教諭のための雑誌にも携わり、小学生の雑貨教室、母親のための雑貨教室、リネンの教室など、雑貨を通して暮らしを楽しむ活動も行っている。またワイヤーワークや木工、ソーイングなど様々な素材の作品をメディアやワークショップを通して発表するなど、多岐に渡って活動中。『アトリエ ペルメル』主宰。