耐熱接着剤の選び方 100℃・300℃・500℃・1,000℃
数ある耐熱接着剤から作業効率をよくする製品を選ぶには、耐熱温度だけでなく、接着時間やその機能性に注目するのも重要。自分がなにを目的に接着するのかを考えながら、確認してみてください。
耐熱温度を考える
耐熱接着剤なので、当然耐熱温度が重要。自分がなにを接着するかをしっかりと考えて選ぶようにしましょう。
手で触れるなら100℃の耐熱温度で十分
家電製品を補修するなら、100〜200℃の耐熱温度で大丈夫。さらに、補修部分を触ってみて熱くないのであれば、100℃で十分でしょう。
なお、火傷のおそれがあるので、確認は手袋を着用するなどの注意を怠らないでください。
炎に近い製品補修なら300〜500℃対応が必要
炎に近い部分の接着なら、200℃では不十分です。たとえば、バーナーの補修をするのであれば、300~500℃の耐熱温度が必要になります。
そのほか、高温部分のネジを固定する際にもこれくらいの耐熱性があると安心です。
マフラーの補修には500℃以上が望ましい
長時間熱せられる部分の補修にも使えるものがあります。たとえば、バイクのマフラーの場合、長い時間高温の状態になります。
このような部品の補修を自分でしたいと思ったときには、500℃以上に耐えられる接着剤が必要です。
直接火が触れるなら1000℃
バーベキューコンロに使用する際、補修箇所に火が直接あたることもあるでしょう。ここで、耐熱が低い製品を選んでしまうと、たいへん危険です。
バーベキュー中にコンロの接着部分が壊れてしまうことのないよう、1000℃以上のしっかりとした耐熱性があるものにしましょう。
目的に応じて固まるまでの時間を考える
作業によっては、速く固まったほうがいい場合と、ゆっくりと時間をかける必要がある場合があります。ここでは速乾性があるものと、硬化時間が長いものをみていきましょう。
すぐ次の作業に移りたいなら速乾性
こまかい部分を迅速に接着して次の作業にうつりたいとき、速乾性があるものを選ぶのがポイント。補修部分の耐熱性を確保したうえで、速乾性のものを選びましょう。
ていねいな作業には硬化時間が長いタイプ
ていねいな作業を要する場合、すぐに乾いてしまうと修復や製作に失敗してしまいます。そこで、硬化時間が長いものを選ぶようにしましょう。
なお、硬化時間については製品パッケージなどに表記があるので、事前に確認するようにしましょう。
耐熱接着剤の機能性をチェックしよう
耐熱温度や乾燥時間以外にも、耐熱接着剤は注目すべき点があります。より効果的に接着させるためにも重要な要素ですので、しっかり確認しておくようにしましょう。
屋外には耐寒性や耐水性
補修をしたい対象が屋外にある場合など、注目したいのが耐寒性や耐水性。とくに寒冷地などで氷点下まで気温が下がると、耐寒性は重要です。
使用時の高熱にも耐え、真冬の厳寒にも耐える、幅広い温度への対応が必要です。
エポキシ系やシリコン系なら粘性が高い
耐熱接着剤の素材にも注目しましょう。エポキシ系やシリコン系なら粘性が高く、しっかり密着させることができます。
スキマを埋めた後など、盛り上がりが気になるかもしれませんが、ヤスリで磨けば問題ありません。
スキマには液ダレはNG
スキマを補修するとき、液ダレするものを選んでしまうと、穴をしっかりとふさぐことができません。そこで、エポキシ系のように粘性が高いものを選ぶのが重要です。
振動があるなら耐衝撃性も重要
バイクや車は揺れも大きいもの。バイクのマフラーや車のエンジンまわりを直すなら、補修に使う接着剤は耐衝撃性も有しているものを選ぶようにしましょう。
多用途のものなら異なるもの同士の接着も可能
異なる素材同士を接着したけど、なかなかうまくいかない、そんな経験はないでしょうか。金属とプラスチックは相性が悪く、接着が難しいです。
そんなときは多用途のタイプを選べば、しっかりと接着でき安心です。
接着後の耐熱温度をチェックして選ぶ DIYクリエイターよりアドバイス
空間デザイン・DIYクリエイター
耐熱接着剤を選択する際に、チェックするべきポイントは、接着後の耐熱温度です。
耐熱接着剤によって耐熱可能温度はさまざま。耐熱温度以上の温度にならないように、しっかりと選択しましょぅ。
耐熱接着剤のおすすめ4選【1,000円以下】 人気のセメダインなど!
ここまで選び方を紹介してきましたが、パッケージをみただけでぴったりのものが選べるか不安の方も多いでしょう。また、毎日使うものではないので、高額のものを選びにくいかもしれません。
そこで、1,000円以下で気軽に購入できる耐熱接着剤を4つ紹介します。
空間デザイン・DIYクリエイター
セメダイン『スーパーXゴールド)』は、耐熱温度はそこまで高温ではないですが、屋外の素材などに接着する場合などに向いています。多用途に接着できるので、あらゆる素材の接着が可能です。2分ほどで接着する速乾性が作業効率を上げてくれるのがうれしい点です。
同じくセメダインの『エポキシパテ 耐熱用』は、パテタイプのため液ダレしないので、屋外の壁の亀裂の修復などにも向いていると言えます。使用箇所が隙間などの場合はこちらの商品をおすすめいたします。

セメダイン『スーパーXゴールド』


























出典:Amazon
耐熱温度 | -40℃~120℃ |
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接着可能 | 金属、硬質プラスチック、軟質塩化ビニル、コンクリート、タイル、陶磁器、石材、合成ゴム、皮革、布、木材 |
硬化時間 | 2分 |

セメダイン『エポキシパテ 耐熱用』














出典:Amazon
耐熱温度 | 200℃ |
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接着可能 | 金属 など |
硬化時間 | 60分 |
キジマ『GRIP-IT』

出典:Amazon
耐熱温度 | - |
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接着可能 | ラバー部品、金属、樹脂、プラスチック など |
硬化時間 | 10〜25分 |
セメダイン『耐火パテ』










出典:Amazon
耐熱温度 | 1,100℃ |
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接着可能 | 金属、モルタル、レンガ など |
硬化時間 | 4~5時間 |
耐熱接着剤のおすすめ7選【機能性に注目】 耐寒性・耐久性にも注目!
そのシーンにふさわしい製品を選ぶには、その機能性に注目することも必要です。たとえば、耐寒性や耐久性をもっているなどそれぞれ特徴があります。
ここからは、機能性にすぐれている耐熱接着剤7つを紹介していきます。
空間デザイン・DIYクリエイター
家庭化学工業『耐熱パテセメント系』は、とにかく耐熱温度が高い商品です。
接着した部分が火に近い場合など、超高温耐熱の接着剤をお探しの方におおすすめな接着剤です。
家庭化学工業『耐熱パテセメント系』








出典:Amazon
耐熱温度 | 1,000℃ |
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接着可能 | - |
硬化時間 | 24時間 |
ITWパフォーマンスポリマーズ&フルイズジャパン『Devcon S-6』






出典:Amazon
耐熱温度 | 100℃ |
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接着可能 | 金属、コンクリート、木材製品 など |
硬化時間 | 16~24時間 |
セメダイン『水中エポキシ』






出典:Amazon
耐熱温度 | - |
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接着可能 | 金属、コンクリート、レンガ、木材 など |
硬化時間 | 48時間~ |
スリーエム『スコッチウェルド ねじ緩み止め嫌気性接着剤』

出典:Amazon
耐熱温度 | -54~150℃ |
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接着可能 | ネジ |
硬化時間 | - |
コニシ『ボンド 耐熱ハケ塗りHG』

出典:Amazon
耐熱温度 | - |
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接着可能 | メラミン化粧板、ポリエステル化粧板、プリント合板、塩ビ合板、ベニヤ板、ハードボード、パーティクルボード など |
硬化時間 | - |
ヘンケル『LOCTITE480』






出典:Amazon
耐熱温度 | -55~100℃ |
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接着可能 | 金属、硬質プラスチック、陶磁器、合成ゴム など |
硬化時間 | 60~120秒 |
呉工業『ゴリラグルー クリア』














出典:Amazon
耐熱温度 | -29~82℃ |
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接着可能 | 金属、木材、石材、コンクリート、陶器、プラスチック、発泡スチロール、ガラス、ゴム、皮革 など |
硬化時間 | 5分 |
「耐熱接着剤」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 耐熱接着剤の売れ筋をチェック
Yahoo!ショッピングでの耐熱接着剤の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
そのほかの接着剤のおすすめもチェック! 【関連記事】
耐熱接着剤で修理の幅が広がる!
ここまで11種類の耐熱接着剤を紹介しました。
耐熱接着剤は、耐熱温度に応じて商品の種類も分かれています。選ぶ際にはこの耐熱温度のみならず、硬化までの時間や機能性に注目するのがポイントです。
これを参考にあなたがほしい耐熱接着剤を選んでみてくださいね。
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
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※2020/06/23 一部コンテンツを追加し、価格を修正しました(マイナビおすすめナビ編集部 松林麻衣)
「インテリア空間デザイン」「スタイリング」「写真」「テレビ撮影」「監修」「執筆」などフリースタイルにて幅広く活動中。 予算100万円で自身が住む自宅をフルリノベーション、古材、流木などを使った家具作りが話題となり、様々なメディアにて取り上げられている。 幼少期から物作りが好きで、何でもまず作ってみる、やってみる精神、そんな好きが高じて、趣味から現在のお仕事に発展。