手回し充電器とは?
手回し充電器とは、ハンドルを回して手動で発電するタイプの充電器のこと。アウトドアシーンなど、コンセントが使用できない環境でも充電できて便利です。
停電時や災害時は、スマートフォンやタブレットなどで情報収集をすることが重要になります。しかし、命綱のモバイル機器もバッテリーがゼロになってしまえばそれまでです。
避難所などの充電コーナーは長蛇の列になり、じゅうぶんな充電ができないこともしばしば。そんなときに役立つのが手回し充電器です。いざというときの備えとして、手回し充電器がひとつあるとよいでしょう。
手回し充電器の選び方
防災ファシリテーターの南部優子さんにお話をうかがい、手回し充電器の選び方を教えていただきました。
ポイントは下記。
【1】充電性能
【2】充電以外の機能
【3】屋外使用を踏まえた機能
【4】目立つ色のもの
【5】信頼できるメーカーのものを
【6】コンデンサ式の充電タイプ
それぞれ詳しくみていきましょう。
【1】充電性能をチェック!
手回し充電器のメインの性能である充電性能は、製品によって異なります。いざというときにも使用できる充電器農家をチェックしておきましょう。
手回し充電の効率がよいものを選ぶ
1回あたりの手回しで充電できる量は、製品によって異なります。充電効率のよいものなら、少ない手回し回数で充電できます。回数が少ない分、負担なく充電できるので、充電効率もチェックして選びましょう。
スマホの場合は1分間の手回しでどのくらい通話できるか、ラジオなどの電子機器は連続使用時間がどのくらいかをチェックすることが重要です。
手回し以外の充電方法が豊富なものを選ぶ
「手回し充電器」と言っても、手回しによる発電はなかなか安定しません。直接スマートフォンをつなぎ、手回しで充電しようとすると電力不足などで認識しない場合もあります。
1秒間に2~3回という速さでリズミカルに回す必要があるものが多く、ひとりでずっとやっていると腕が疲れてしまいます。家族で順番に交代しながら回しあう必要があるでしょう。
なので、手回し以外の充電手段や稼働方法が多くついているタイプの方がベターです。乾電池での駆動やソーラーでの充電など、ほかの手段と並行して使うのが現実的です。
内蔵バッテリータイプならより便利
手回し充電器には、バッテリー内蔵タイプもあります。あらかじめバッテリーに充電しておけば、手回し以外にも充電できます。ハンドルを長時間回す手間や負担もなく、必要なときにすぐに充電可能です。
内蔵バッテリーの容量は製品によって異なります。充電したい機器に応じた容量を選びましょう。たとえば、2,500mAhのスマホを充電したいなら、20,000mAhの内蔵バッテリーで4.8回ほど充電できます。
【2】充電以外の機能をチェック!
手回し充電器にはいろいろな機能があります。充電以外の便利な機能もチェックしておきましょう。
防災ラジオやLEDライト付きなど多機能なものを選ぶ
スマートフォンはとても高機能で便利ですが、なんでもアプリに頼るのは危険です。災害時には通信規制で情報が取れない可能性もありますし、懐中電灯代わりに使えばすぐにバッテリーを消耗してしまいます。災害の情報を随時把握するならラジオのほうが向いています。
ラジオ機能がついたものなら、AMラジオ番組がFM放送でも聴けるワイドFM(FM補完放送)対応のほうが受信範囲が広いです。また、ライト付きの場合、LEDが消費電力も少なくおすすめです。
幅広く使うならUSBコネクタが複数あるものを選ぶ
手回し充電器によって、接続できる電子機器が異なります。スマホなどの充電をメインに使いたいなら、USBコネクタのあるものを選びましょう。USBコネクタが複数あると、スマホ以外にもいろいろな機器の充電にも使えて便利です。
また、USB以外にもコンセント接続に対応しているものもあります。接続コネクタの種類もチェックしておきましょう。
ただ、いくらUSBコネクタがあってもケーブルがなければスマホなどに充電できません。Lightning端子やType-C端子を備えたケーブルもセットで準備しておくと安心です。
【3】屋外使用を踏まえた機能をチェック!
手回し充電器は、キャンプなどのアウトドアシーンにも使用されます。屋外使用を踏まえた機能があるかも確認しましょう。
持ち運びしやすい重量を選ぶ
屋外で手回し充電器を使用するとき、チェックしたいのが持ち運びのしやすさです。手回し充電器本体の重量が軽いもの、サイズが小さいものほど持ち運びしやすくなっています。
また、サイズが小さいと備蓄しておく場合でも収納場所のスペースを取らないというメリットもあります。手回し充電器本体のサイズや重量も確認しておきましょう。
防水・防じんの有無と性能を確認する
電子機器などの防塵(ぼうじん)や防水に関する程度を示す「IP保護等級」というものがあり、「IP+2つの数字」で表記されます。「IP68」と書いてある場合、“6”が防塵性能の等級、“8”が防水性能の等級を表しています。数字が大きれば大きいほど機能がよいです。
「IPX3」といった表記の場合、「防塵性能はなし(省略)/防水性能の等級は3」という意味になります。
防災・危機管理ファシリテーター&編集ライター
災害時は避難などであちこちに移動することも考えられます。当然、ふだんよりは外に持ち出す機会も多くなるでしょう。災害時はガレキやホコリ、泥などでそこらじゅうが汚れることが予想されます。
避難所の中でも埃っぽさが取れなかったりします。いつどこで水や埃をかぶるかわからないため、防塵・防水機能がついていると安心です。
【4】目立つ色のものを選ぼう
手回し充電器はいろいろなカラーのものが発売されていますが、目立つ色のものを選ぶことをおすすめします。棚の奥などに保管していても、目立つ色ならば比較的すぐに見つけられるでしょう。また、避難所などで家族と合流するときの目印としても活用できます。
【5】長く愛用したいなら日本製を選ぶ
海外製品の場合、電力の仕様が異なっていたときはまったく使いものになりません。また、ラジオ機能なども、はじめから日本の仕様になっているほうが対応する周波数に問題がおきにくくなります。取扱説明書やサポートもしっかりとした日本語のほうが安心です。
少し値段が高めでも、できれば日本でよく耳にする家電メーカーのものを選ぶほうがいいでしょう。日本のものだと、同じシリーズで新製品が出たときなどでも情報が入りやすく、買い換えるときにも便利です。
【6】長期保存ならコンデンサ式の充電タイプを選ぶ
非常時持ち出し袋に入れっぱなしにしておく場合は、内蔵電池はコンデンサ式のほうがいいでしょう。
ニッケル水素やリチウムイオンの電池は、充電しないで放っておくと、自然に電気が抜けてしまうという性質をもっているため、数年たつと充電機能が極端に悪くなり、いくら手回し発電しても電気をためることができなくなります。
コンデンサ式の場合は10年ほど放置していても、電気をためる能力が消えないという特徴をもっています。普段から手元に置いて使い、ときどき手回しして充電するのであれば、ニッケル水素やリチウムイオンでも大丈夫です。
手回し充電器のおすすめ11選
手回し充電器の選び方のポイントをふまえて、南部優子さんと編集部が厳選したおすすめ商品をご紹介します。それぞれのスペック・特徴を見比べてみると、きっと災害時に役に立ちそうな商品と出会えますよ。



AC充電も可能なコンデンサ式で使いやすい
こちらもコンデンサ式の充電タイプなので、長期間放っておいてもすぐに充電できます。
また、AC電源につなぐこともできます。手回しだけでなく、乾電池からでもスマートフォンへの充電ができるので、急ぎのときに便利です。
JIS IP54等級相当の防じん・防水機能も備えています。ワンセグ対応のテレビ機能がついているため、映像で情報を確認できます。状況により、音声だけを聴くことも可能です。
非常持ち出し袋に入れっぱなしにしておく多機能充電器としておすすめです。このシリーズには、テレビ機能がないラジオ版(YTM-R100)もあります。


「手回し充電器」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 手回し充電器の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの手回し充電器の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
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手回し充電器とモバイルバッテリーの併用を!
防災・危機管理ファシリテーター&編集ライター
防災ファシリテーターからのアドバイス
手回し充電によるスマートフォンへの充電は、想像以上にたいへんです。ハンドルが重かったり、音が気になったり、回す速度が合わないと直接スマートフォンをつないで充電するには電圧が不安定になりがちです。
そんなときは、スマートフォン用のモバイルバッテリーのほうへいったん充電したほうが安定することもあります。
モバイルバッテリーはなにかと便利なので、手回し充電器とあわせて備蓄しておくのをおすすめします。
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出版社の編集・執筆、地域NPOの政策企画・広報、危機管理コンサルタントを経て独立。 多彩な分野でファシリテーター兼編集ライターとして活動中。 編集・執筆の経験を生かした計画・マニュアルなどの各種資料作成・製本・出版や、企画会議運営・板書経験を活用したワークショップ・イベントの設計・運営、防災コンサルタント経験による各種調査・研究・組織開発支援など、公共団体や研究機関・企業・NPOとのプロジェクトを数多く実施している。