DCモーター扇風機とは?
扇風機には、ACモーターとDCモーターがあります。
■ACモーター
ACモーターのACは「交流」という意味で、電流の向きが常に変化しているのが特徴です。
■DCモーター
DCとは、「直流」タイプのモーターのこと。電圧が一定かつ電流が一方向だけに流れる構造になっています。
電流タイプの違いによって、性能にも差が出るため、DCタイプのメリット・デメリットをふくめてしっかり理解しましょう。
DCモーター扇風機のメリット
■消費電力が小さく電気代が安い
DCモーターは、その構造からACモータの消費電力の約半分程度に抑えられていますので、電気代が安くすみます。
■風量調節が細かく設定できる
DCモーターは、回転数を広い範囲で制御できるのが特徴。ACモーター扇風機よりも細かい風量設定が可能です。極微風から多段階で風量の調節が可能です。
■静音性が高い
DCモーターは運転時の静音性が高められています。同じ風量であればACモーターよりも静かに運転が可能です。極微風などでは驚くほどの静かさです。
DCモーター扇風機のデメリット
圧倒的な魅力をもったDCモーター扇風機ですが、初期購入時の値段が高いというのが唯一のデメリットといえます。
消費電力が小さくランニングコストは低く抑えられるため、長期間使い続ければコスパがよくなります。価格は、購入を判断する大きなポイントとなるため、得られるメリットとのバランスをよく考える必要があるでしょう。
DCモーター扇風機の種類
DCモーター扇風機には、いくつかのタイプがあるので、それぞれの特徴をご紹介していきましょう。
リビングファン
一般的な扇風機といわれるのがこのリビングファンのこと。羽根を回転させて風を作るタイプです。
価格、サイズ、機能の違いで豊富なラインナップがあります。各メーカーの特徴から自分にあったものを選んで買うことができます。
リビングなどの広い場所にピッタリ
リビングファンは、羽根が大きいぶん、遠くまで風を送れるのが特徴。リビングなどの広い部屋で使う場合は、広範囲にしっかりと風が届いて使い勝手がいいでしょう。
また、羽根の直径サイズが大きくなるほど、製品も大きくなります。リビング用には直径30cm前後が一般的ですが、10~20cmほどの小さめサイズも、一人暮らし用や小さい部屋用に人気です。
なお、背が高いもののほうが部屋全体に効率よく空気を送れるため、あわせてチェックしておきましょう。
タワーファン
羽根の代わりに風を作り出すファンを内部に備えた縦型の扇風機のこと。
羽根がなくスタイリッシュなところが最大の特徴。羽根がないので小さいお子様のいる家庭でも安心して使うことができます。本体がスリムなので場所を気にせず置けるところもメリットです。
狭い場所にも設置しやすい
タワー型は、スティックのようなスリム形状なのが、大きな特徴。扇風機を設置するスペースが限られている狭い部屋のすみにもスッキリと収まります。
また、見た目がスタイリッシュなので、リビングや寝室などのおしゃれインテリアにもなじみやすいです。運転音がやや大きいのがデメリットですが、音が気にならなければ、メリットのほうが大きいでしょう。
サーキュレータータイプ
壁に直接取り付けるタイプの扇風機のこと。床面におくスペースが取れない場合に便利です。
高い場所に取り付けるので、部屋全体の空気循環として使えます。家庭用として発売されるDCモータータイプは数が少ないのがデメリットです。
デスクや床の下など、コンパクトに収まる
壁掛けタイプは、ひとつの場所で使う扇風機をお求めの方にぴったりです。作業場に取り付ければ、部屋のスペースが狭くなることがなく、これまでと変わらずスムーズに作業しやすいでしょう。
ただ、壁掛けタイプは壁にビス止めをする製品もあります。賃貸住宅など、ビス止めタイプの設置が難しい場合は、クリップタイプを選ぶなど、工夫してください。
羽根なしタイプ
羽根なしタイプは、本体内部で発生させた風を内部循環させて、リビング扇と同じように送風する仕組みです。羽根なし扇風機は、ダイソンが世界的に有名です。
ペットやお子様がいても安心
羽根がないタイプは、ケガが心配になる子どもの部屋やペットが過ごす部屋での利用にも適しています。また、ホコリがたまっても手入れがしやすいのもメリットです。
つねに清潔に保ちやすいうえ、スタイリッシュな見た目もおしゃれなので、リビング・ダイニングなど、毎日多くの時間を過ごす部屋や、ゲストが目にする場所にも設置しやすいでしょう。
DCモーター扇風機の選び方
DCモーター扇風機の種類やメリット、デメリットを説明したところで、ここからは基本的な選び方をご紹介します。ポイントは下記の5つ。
【1】羽の形状と風の質
【2】風量調節と静音性
【3】リモコンやタイマーの有無
【4】首振りや高さ調節機能
【5】その他の機能
上記の5つのポイントを抑えることで、より具体的に欲しいDCモーター扇風機を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】羽の形状と風の質をチェック
デジタル&家電ライター
メーカー各社の扇風機でもっとも違うのが、羽の形状とそれにともなう風の質です。広い範囲にやわらかい風を送るタイプや指向性が高いタイプなどがあり、それによって気持ちよさも変わってきます。扇風機の風には好みもあるため、一概になにがいいかは決められません。
クーラーのない環境でやさしい風を浴びながら過ごしたいのか、強めの風を短時間浴びるのが好きなのかで選択肢は変わります。可能であれば実際に最弱から最強まで、風を感じてみるのが一番ですが、難しい場合はできるだけこまかく風力設定できるものを選ぶのがおすすめです。
【2】風量調節と静音性をチェック
風量調節は、最小風量から最大風量まで何段階の設定ができるかが、選ぶうえでのポイントになります。各メーカーにより設定がことなるので確認しましょう。高級機種のなかには、風量を無段階で調節できるモデルもあります。
静穏性は、「dB(デシベル)」で表記されるのが一般的。メーカーごと最小風量と最大風量時の数値を記載している場合があるので比較して確認しましょう。
騒音の単位は、「dB(デシベル)」で表記されるのが一般的。メーカーによっては、最小風量と最大風量時における、それぞれの騒音が記載されています。20~30dBなら「人がささやく声」程度、40~50dBなら「閑静な住宅街の昼間」程度、60dBなら「テレビや洗濯機の運転音」程度となるので目安にしてください。
【3】リモコンやタイマーの有無をチェック
デジタル&家電ライター
扇風機の付加機能として搭載されるのが、タイマー機能や首振り機能です。なかには上下にも首振りできたり、左右180度の首振りができたりする扇風機もあります。
また、便利なのがバッテリーを内蔵した扇風機です。コンセントを探すことなく、本体を持ち運んで使うことができます。そのほかにも温度センサー搭載モデルやプラズマクラスター機能搭載モデルなどがあるので、日常的に使ううえで必要な付加機能を見極めて選ぶといいでしょう。
【4】首振りや高さ調節機能をチェック
首振り機能つきのDCモーター扇風機は、部屋全体に空気が行きわたるのがメリット。そのため、エアコン使用時にあわせて使うことで、空調を快適に調整できます。
なかには上下にも首振りできたり、左右180度の首振りができたりする扇風機もあり、より広範囲に送風するために首振り機能も重要です。真夏などの暑い時期はもちろんのこと、秋冬の寒い時期にも暖房と併用すれば、あたたかい空気が効率よく循環させられるでしょう。また、高さ調節機能は、風を送りたい場所を、ピンポイントで狙えるのが特徴です。
立ち仕事をしているときは高めに、座っているときや寝ているときは低めになど、シーンごとに適した送風ができます。
【5】その他の機能をチェック
そのほかの機能も、確認しておきましょう。
自動運転機能
DCモーター扇風機は、製品によって自動運転機能をそなえているものもあります。人の動きを感知する「人感センサー」が搭載されており、自動的に運転が開始されます。
感知範囲から人が遠ざかると、一定時間経過後に電源が自動オフになるなど、無駄のない運転が大きなメリット。効率的に運転するため、電気消費がおさえられてランニングコストも低くなるので要チェックな機能です。
サーキュレーターとしての機能
デジタル&家電ライター
人気のDCモーター扇風機には、扇風機の機能に加えてサーキュレーターとしての機能を兼ね備えたモデルがあります。サーキュレーターは人に風を送るのではなく、部屋の空気をかくはんするのがおもな仕事。このため、通常の扇風機の羽根が心地よい風を生み出すことを目的としているのに対して、サーキュレータータイプはかくはん性を重視しており、より直進性の高い風を生み出し、遠くまでしっかりと風を送ることができます。このように風質が扇風機とはやや異なるのが一般的です。
また、サーキュレーター機能がある扇風機には真上に風を送れたり、首振り角度が広いといった特徴もあります。まずは、扇風機としてだけ使うのか、サーキュレーターとしても使うのかを決めておきましょう。
風質とコストと機能のバランスで決めよう エキスパートからのアドバイス
デジタル&家電ライター
DCモーター扇風機の特徴は、やさしい風が体感できることです。それにサーキュレーター機能を搭載したモデルなら一年中使うことも可能。羽の形状による風の種類と、機能性そしてコストで選ぶことになります。
DCモーター扇風機の実勢価格はバラバラです。この価格は付加機能とメーカーによって違います。低コストで選びたいなら、1万円以下で買えるDCモーター扇風機を選ぶのがおすすめ。複数の部屋に移動して使いたいなら、バッテリー駆動ができるモデルなど機能で選ぶとよいでしょう。
有名メーカー・ブランドの特徴
DCモーター扇風機で人気のメーカーそれぞれの特徴をご紹介します。こちらもぜひ参考にしてください。
バルミューダ(BALMUDA)
バルミューダは、2003年に東京で誕生した国内メーカーです。次世代の扇風機を作ることをコンセプトにしたグリーンファンは、自然のなかで感じるようなやわらかい風を実現した扇風機。
DCモーターを扇風機に採用した先駆け的商品で、電気代をおさえられるほか、首振り角度が自由に調節できるなど、風の心地よさと使いやすさを兼ね備えています。
ドウシシャ(DOSHISHA)
ドウシシャは、調理器具や生活家電などを取り扱う国内メーカー。オリジナルの「カモメ」ブランドで、DCモーター扇風機「カモメファン」を販売しています。
カモメの羽からヒントを得て設計された独自設計の羽根が大きな特徴です。肌触りがソフトで気持ちいい風や、運転しているのを忘れるほどの静音性など、すぐれた機能性をほこります。
アイリスオーヤマ(IRIS OHYAMA)
アイリスオーヤマは、手ごろな価格帯の家電をバラエティ豊富に展開している、国内メーカーです。DCモーター扇風機も、リビングファンやタワーファンタイプを、リーズナブルな値段でラインナップしています。
どの製品も、シンプルなデザインになっているため、設置場所のインテリアを選ばず利用しやすいでしょう。複数台同時に購入したいときに、ぴったりです。
シャープ(SHARP)
日本を代表する家電メーカーとして、世界的に知られているシャープ。テレビや冷蔵庫などの家電とならんで、DCモーター扇風機も取り扱っています。
背の高いリビングファンタイプや、3Dパターンの首振り機能を搭載したコードレスタイプなど、使い勝手のいいモデルをラインアップ。どの製品にも、空気浄化・消臭力のある「プラズマクラスター」技術が搭載されており、部屋や衣類のにおいが気になる場所に適しています。
ダイソン(dyson)
サイクロン掃除機で高い人気を集める、海外メーカーのダイソン。DCモーター扇風機では、画期的な羽根なしタイプの製品を取りそろえています。
空気清浄機能がついていたり、スマホアプリと連携して室内の状態を管理できたりするなど、高性能と多機能が大きな魅力です。機能や使い勝手を重視する人に適したメーカーでしょう。
おすすめ商品の比較一覧表
おすすめ5選|リビングファンタイプ
ここからは、リビングファンタイプのおすすめ商品をご紹介します。

おすすめ3選|タワータイプ
次に、タワータイプのおすすめ商品をチェックしましょう。
おすすめ2選|羽根無しタイプ
ここからは、羽根なしタイプのおすすめ商品をご紹介します。
Dyson(ダイソン)『Pure Hot + Cool 空気清浄ファンヒーター(HP04IBN)』
おすすめ3選|サーキュレータータイプ
ここからは、サーキュレータータイプのおすすめDC扇風機をみていきましょう。
おすすめ2選|卓上タイプ
ここからは、コンパクトで便利な卓上タイプをみていきましょう。
通販サイトの人気ランキング DCモーター扇風機の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのDCモーター扇風機の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
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メリットとデメリットのバランスを考えよう
DCモーターを採用した扇風機は、静かで省電力なのが大きな魅力です。定番のリビングファンタイプのほか、タワー型、壁掛けタイプ、羽根なしタイプなど、幅広い種類があるので、用途にぴったりの製品が見つかるでしょう。
商品によっては、サーキュレーター機能や空気清浄機能が搭載されているなど、すぐれた性能を誇るものも。今回ご紹介した、選び方のポイントやおすすめ商品もぜひ参考にしながら、あなたもDCモーター扇風機を活用しましょう。
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1973年生まれ。大学在学中にライターデビュー。現在はデジタル&家電ライターとしてパソコンからデジタルガジェット、AV機器、白物家電全般を専門分野として執筆活動を展開。得意分野は調理家電。寄稿先はモノ雑誌を中心で、ファッション誌、ニュースサイト、そしてメーカーのwebサイト、オウンドメディアなど多岐にわたる。AllAboutガイドも勤める。執筆以外に企業へのアドバイスやコンサルティングなども行う。