ゲーミングモニターと通常のモニターの違い
ゲーミングモニターはその名の通り、快適にゲームをプレイするのに欠かせない性能を搭載したモニターを指します。ゲーミングモニターと通常のモニターの大きな違いは、滑らかな動きかつ入力遅延が少ない点になります。なお、滑らかに動くかどうかは、「リフレッシュレート」を確認しましょう。
リフレッシュレートとは、「1秒間に可能な画面の置き換え回数」を指し、単位はHz(ヘルツ)であらわします。コマ数が多い(Hz値が高い)ほど動きが激しい映像を滑らかに表示でき、ティアリングもなく、キャラクターコントロールやエイムも正確に行えます。
一方で、Hz値が低いとパラパラ漫画のように、画像やキャラクターの動きがカクカクしてしまいます。
応答速度と入力遅延とは?
応答速度と入力遅延について解説していきます。
「応答速度」が速いと画面がクリアに!
応答速度とは、「画面の色が切り替わるのにかかる時間」を指し、単位はms(ミリ秒)であらわします。色の切り替わりが遅いと、激しく動くゲームをプレイすると残像が残る原因に。
数字が小さくなるほど色の切り替えが早くなり、滑らかでクリアな映像を見ることができます。なので、とっさの反応が必要なFPSやTPS、格闘ゲームでは1ms以下、それ以外のゲームでは5ms以下を一つの目安にしてみましょう。
なお、ゲームの種類によって、適切な応答速度は異なります。ゲーミングモニターを選ぶなら、「GtG」または「MPRT」で表されている応答速度に注目です。
「入力遅延」が少ないとラグを感じにくい
応答速度に似ていますが、入力遅延というものもあり、これは、「映像がモニターに伝わるまでにかかる時間」になります。入力遅延が遅いと、以下のような現象が起こり、ストレスの原因になってしまうでしょう。
FPSやTPS:弾を避けたつもりでも当たる、撃った弾が当たらない
音ゲー:タイミングがあわない(ミス判定)
格闘ゲーム:回避・防御・攻撃が間に合わない
上記のゲームをゲーミングモニターでプレイする際は、16ms以下を目安に。MMORPGや映画鑑賞にも使うのであれば、16~32msでも問題ないようです。
PS4やPS5、Nintendo Switchなどにも使用可能!
ゲーミングモニターは、PCゲームなどに使用するイメージが強いですが、HDMIポートが搭載されていれば、PS4やPS5、Nintendo Switchなどの家庭用ゲーム機にももちろん使用可能です。
ただし、PCゲームなどの場合と異なり、家庭用ゲーム機のフラッシュレートは最大60Hz〜75HZとなり、普通のモニターで十分遜色ありません。スペックのバランスや相性を必ず確認し、オーバースペックになりすぎないゲーミングモニターを選びましょう。
ゲーミングモニターの選び方
ゲーミングモニターを選ぶときのポイントについてご紹介していきます。臨場感を堪能できるもの、ゲーム用に特化した機能を搭載したゲーミングモニターをぜひ見つけてみてください。
ポイントは下記。
【1】「モニターサイズ」は24~27インチを目安に
【2】「解像度」は画質重視なら4K、プレイ重視ならフルHD
【3】リフレッシュレートは使うゲーム機のスペックに合わせる
【4】使い方に合う液晶パネルを
【5】入力端子の種類と数も、忘れずにチェック
上記のポイントを押さえることで、より欲しい商品をみつけることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】「モニターサイズ」は24~27インチを目安に
「Apex Legends」や「フォートナイト」といったFPS・TPSといったゲームでは、大きなモニターが活躍しそうですが、広範囲に視線を動かす必要があり、情報を把握するのが難しくなります。また、価格も高くなったり、設置の際にスペースが多く必要になるなど、デメリットも。
eスポーツプレイヤーやゲーマーから人気が高いのは、eスポーツの公式大会でも採用されている24インチのモニター。また、27インチ程度の大きさであれば、設置時もそこまで邪魔にならないため、好んで使われています。
ゲームによってはウルトラワイドモニターという選択肢も
大きすぎるモニターはFPS・TPSといったゲームでは力を発揮できませんが、MMORPG・アドベンチャー・レーシングゲームをメインにプレイするなら、おすすめです。
なかでも、プレイする人に向け左右の両端が緩くカーブしているウルトラワイドモニターは、ゲームの世界観に没頭できたり、映像美を楽しむことができるので、検討してみましょう。
【2】「解像度」は画質重視なら4K、プレイ重視ならフルHD
4K(3840×2160)とフルHD(1920×1080)の4倍の解像度があり、細部まで鮮明で臨場感ある高画質の映像を楽しむことができます
しかし、4Kの映像性能を生かすためには、PCに高性能なGPUが求められ、価格も高くなる傾向です。PCの性能(特に描画性能)が低い場合、フルHDでは快適に遊べるゲームでも、4Kではフレームレートが低下して、カクカクした表示になってしまうことがあります。
また、スピード重視の場合は、フルHDのほうが負荷が少なく俊敏な対応が可能です。処理能力を重視して、あえて低解像度でプレイするゲーマーも。
なお、フルHD未満の解像度は、画質が荒くなる、細かな色彩が反映しにくくなり、プレイの際に影響が出てしまうので、覚えておきましょう。
ゲーミングモニターを選ぶときは、使用目的とそれにあったスペックの確認が重要です。
【3】リフレッシュレートは使うゲーム機のスペックに合わせる
冒頭でもお伝えした通り、リフレッシュレート(Hz)は高くなればなるほど映像が滑らかになります。
通常のモニターは約60Hz前後、現在のゲーミングモニターの主流は144Hzで、性能と価格がバランスの良い豊富なラインナップになっています。
リフレッシュレートの目安として、PS4やNintendo Switchだと60~75Hz程度、PS5で120Hz以上、FPS・TPSやアクションゲームがメインなら144Hz以上を選びましょう。
なお、よりスムーズにプレイしたいなら165Hzや240Hzもありますが、Hzが高いゲーミングモニターの性能を最大限引き出すためには、相応のハイスペックマシンが欠かせないことを覚えておく必要があります。
【4】使い方に合う液晶パネルを
パネルには主に「IPSパネル」「VAパネル」「TNパネル」の3種類があります。
「IPSパネル」:応答速度はTNパネルより遅いものの、視野角が広く、色の再現性に優れています。1台あればゲームや仕事用、映画・動画視聴など幅広い使い方が可能です。
「VAパネル」:コントラストをはっきり表現できるため、黒が美しく表現可能です。ただし、応答速度は3つの中で一番遅くなっています。MMORPGやアドベンチャーなど、応答速度をそこまで求めないゲーム、動画や映画の視聴、テレワーク用としての使い方がおすすめです。
「TNパネル」:画面を明るくしてもぼやけにくくなっていますが、色の鮮やかさに欠けるため、映画や動画視聴には向いていません。ただし、FPSやTPS、シューティング、格闘ゲームといった、応答速度の速さが求められるゲームにおすすめ。視野角が狭いので、eスポーツのイベント、オンライン対戦などの一人でプレイする場面で活躍してくれます。
【5】入力端子の種類と数も、忘れずにチェック
PC環境やゲーム機に合う入力端子の種類や数があるかも必ず確認しましょう。HDMI・DVIなどの基本的な入力端子や、近年登場してきたDisplayPortやUSBポートなど、必要になってくる端子はかなりあります。
PS4とNintendo Switchなど複数の機器を接続する場合は、端子の数が必要な分あるのかの確認を忘れずにしましょう。
ゲーミングモニターのおすすめメーカー
ここでは、ゲーミングモニターのおすすめメーカーをご紹介します。
BenQ(ベンキュー)
液晶ディスプレイのほか、ビジネス・シネマプロジェクター、電子黒板、照明、スピーカーなどを取り扱っています。プロの公式大会でも採用される、高品質なゲーミングモニターとして定評があります。
FPSやバトルロワイヤルゲームに欠かせない、視点操作時の手振れを抑える機能を搭載。また、画質やオーディオ機能も高いレベルで装備しています。
ASUS(エイスース)
モバイル(スマホやタブレットなど)、ノートパソコン、ディスプレイなどを取り扱っています。なかでも、マザーボードは業界最大手。
早くからeスポーツ市場に参入しているため、定番メーカーのひとつとして認知されています。初心者向けからプロモデルまで豊富なラインナップが魅力です。
acer(エイサー)
ノート・デスクトップパソコン、モニター、タブレット、キーボード、マウスなどを取り扱うacer(エイサー)。2022年11月に開催される、同社主催のeスポーツ大会の公式モニターに採用されています。
高いリフレッシュレートや応答速度を実現しながら、比較的安い金額で購入が可能です。
ゲーミングモニターのおすすめ商品を紹介
選び方をふまえたおすすめ商品を紹介していきます。
おすすめ5選|PCゲーム向け
PCゲーム向けゲーミングモニターをご紹介します。

入門機としておすすめ
24型フルHD対応ゲーミングモニターです。応答速度は2msと高速で、リフレッシュレートも144Hz対応なのでFPSなどの動きの速いゲームも快適です。
コントラスト比は1,000:1、輝度は最大350cd/m2で、不満はありません。
入力端子として、HDMI×2、DisplayPort×1を搭載し、2ポートのUSB 3.0対応ハブ機能も内蔵しています。
可変フレームレート技術のFreeSyncもサポートしています。
低価格ですが、ゲーミングモニターとして要求される機能を一通り満たしたコストパフォーマンスの高い製品です。

144Hz対応でコスパが魅力
24型フルHD対応ゲーミングモニターです。応答速度は最速0.7ms(144Hz/オーバードライブレベル2設定時)と高速で、リフレッシュレートも144Hz対応なので動きの速いゲームにもおすすめです。
コントラスト比は1,000:1、輝度は最大350cd/m2で、こちらのスペックも十分です。HDMI×3、アナログRGB×1、DisplayPort×1と5つもの入力端子を搭載していることも魅力です(なお、HDMIは3系統のうち1系統だけが144Hz対応)。
ステレオスピーカーを内蔵し、液晶を90度回転させて縦画面として使うこともできます。スペックの割に実売価格が低めなので、コストパフォーマンスの高い製品といえるでしょう。
最大コントラスト100,000,000 : 1
応答速度1ms、リフレッシュレート144Hzの、高速ゲーミングモニターです。
最大100,000,000 : 1の高コントラスト比の鮮明な画面表示も魅力です。
ブルーライトシールド、フリッカーレス機能もついた、ゼロフレームの27型ワイドモニターで、臨場感あふれる映像をたのしめます。
広い視野角で、全方位からシャープな画像を楽しめる
144Hzの高速リフレッシュレートを備えた32型曲面モニターです。
広い視野角で、全方位からシャープな画像をたのしめます。
チルト、スイーベル、高さ調節機能を備えたエルゴノミクスデザインで、長時間の連続使用でも快適です。
Black eQualizer機能などで快適操作
27インチの大画面のIPSパネルです。
暗いシーンで敵を見極めやすいBlack eQualizer、照準を合わせやすいColor Vibranceなどゲームに特化した機能も満載。
目にやさしいフリッカーフリー、ブルーライト軽減、輝度自動調整機能もついています。
おすすめ5選|PS4やPS5などのゲーム機向け|
つぎに、PS4やPS5など、ゲーム機向けゲーミングモニターをご紹介します。
トレーニングを効率的にできるGamePlus機能
応答速度1msの高速液晶モニターで、動きの速い映像もハッキリ表示できます。
また、ASCRテクノロジーでコントラスト比を拡張すると、いっそうメリハリある映像表現が可能に。
画面内にポインターやタイマーを表示して、トレーニングを効率的にできるGamePlus機能もうれしいですね。
角度調節可能な本体保護カバーつき
HDMI端子とヘッドホン端子がそれぞれ2つずつ付属されており、ふたりで音楽などを共有したり、PS4以外の機器接続も可能です。
約1.2kgと軽量のタブレット形状で、持ち運びにも便利です。
角度調節できるディスプレイスタンドつきなので、さまざまな場所で使用できます。
3つのゲームモードを搭載している専門モニター
165Hzのリフレッシュレートと1msの応答速度、さらに2W×2のステレオスピーカーを掲載していて、購入してすぐにリアルな映像と音楽を体験できるJapanNextのゲーミングモニター。3つのゲームモードは明るさなどの視認性を高め、より有利にゲームを行うことができるでしょう。
HDMIやDisplayPort、USB端子とインターフェースも充実しており、PCから市販のゲーム機、DVD/ブルーレイレプレイヤーまでさまざまな機器の接続も可能です。
世界中のトーナメントなどで採用
プロゲーマーも認めるリフレッシュレート144Hz・応答速度1msで、世界中のトーナメントなどで採用されています。高さ調整可能なスタンドは、長時間のゲームでも首や背骨などへの負担を軽減できます。
Black eQualizerやColor Vibrance機能を搭載し、FPSやMOBAもスムーズにプレイできます。
10段階のエンハンストカラー補正
オーバードライブ機能で応答速度を向上、内部遅延約0.2mm秒と、激しい動きもズレなくたのしめます。暗闇に隠れた敵も、Night Clear Visionで見逃しません。
さらに10段階のエンハンストカラー補正や、低解像度のSD画質を美しく再現する超解像技術で、鮮明な画像を提供します。安い値段帯ながら高性能なのがポイントです。
おすすめ6選|4K高画質対応
最後に、4K高画質対応のゲーミングモニターをご紹介します。
4K高画質対応のゲーミングモニターは、応答速度と入力端子数も使い勝手のポイントです。
HDMI3個とDisplayPort1個つき
4K・リフレッシュレート60Hzの高解像度に対応した、28インチ液晶ディスプレイです。
自然な映像をたのしめるHDR対応で、ブルーライトカット、フリッカーフリー機能もあります。
HDMI3個とDisplayPort1個があり、各種機器の接続が可能です。
専用リモコンもついています。
プロゲーマー向け液晶ディスプレイ
4K・UHDパネル、応答時間1msのプロゲーマー向き液晶ディスプレイで、瞬時にゲームの世界へ引き込まれます。
Adaptive-Syncテクノロジーを搭載し、表示の遅延を最小限に抑えます。正確に照準合わせできるGamePlusもうれしい機能ですね。
DC方式を採用し、LEDバックライトを制御します。
ウルトラクリア4Kの高性能パネル
ウルトラクリア4K・UHD解像度を備えた、高性能なモニターです。仕事で3D・CADなど詳細画像を見るときも、鮮明に表示可能です。部分調光機能と最大600nitのハイピーク輝度で、現実のように再現します。
また、音を最適化するDTS Soundで、大音量でも歪みが出ません。
ジャンルに応じて最適な映像モードに!
8種類から選べるGameモード機能が搭載され、ジャンルに応じて最適な映像モードに切り替えることができるゲーミングモニターです。
ブラック・ブースト機能では黒の強弱を11段階に調節でき、暗がりでの視認性を高めてくれます。ゲームをもっと楽しみたい人にぴったりでしょう。
大迫力のウルトラワイドモニター!
高解像度の4K映像をたのしめる、31.5インチの大画面です。
映像をリアルタイム表示できるDASモードで、遅延は最小限に抑えられます。
ゲームモードは、Gamer、FPS、RTSから選べ、さらに好みの設定にカスタマイズもできます。
USB-Cを使えば、モバイル機器の充電もできますよ。
Picture By Picture機能搭載
4K解像度に対応したモニター画像は、鮮明で緻密でシャープです。
5段階のオーバードライブで、最大1msまで応答速度を改善でき、残像感が少ない動画を鑑賞できます。
2画面分割表示にして、異なる入力信号を同時に表示できる、Picture By Picture機能搭載で、さまざまな使い方が可能です。
「ゲーミングモニター」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする ゲーミングモニターの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのゲーミングモニターの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
ゲーミングモニターに関するQ&A
モニターの寿命は?

モニターの耐用年数は、15,000~30,000時間が目安とされています。仮に30,000時間であれば、1日12時間の使用で約7年となります。
寿命が近いときの症状は?

モニターの寿命が近くなると、購入時と比べ画面が暗い、鮮明さがない、ぼやける、横線が入る、画面が映らなくなる、といった症状が現れます。
ゲーミングモニターは何Hzあれば問題ない?

使うゲーム機(ハード)によって異なります。
・PS4やNintendo Switchだと60~75Hz程度
・PS5で120Hz以上
・FPS・TPSやアクションゲームがメインなら144Hz以上
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予算が許せばできるだけ高性能なモニターを選ぶ ITライターからのアドバイス
高性能なGPUやCPUを搭載したゲーミングPCを購入しても、応答速度が遅く、リフレッシュレートが低い普通のモニターを接続しているのでは、せっかくの性能を充分に活かすことができません。
ゲーミングPCはゲーミングモニターと組み合わせてこそ、その真価を発揮するのです。
PCを新しいものに買い替えても、モニターはそのまま使い続ける場合が多いので、予算が許せば、できるだけ高性能なゲーム専用のモニターを選ぶことをおすすめします。
◆記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。◆特定商品の広告を行う場合には、商品情報に「PR」表記を記載します。◆「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品スペックは、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。◆記事で紹介する商品の価格やリンク情報は、ECサイトから提供を受けたAPIにより取得しています。データ取得時点の情報のため最新の情報ではない場合があります。◆レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
東京大学大学院工学系研究科修士課程修了。 ライター歴25年。PC/ITに関するテクノロジーの解説や製品レビューを得意とする。 最近は、STEM教育や3DプリンターやCNCを初めとするデジタルファブリケーションに興味を持ち、積極的に取材や記事執筆を行っている。 また、子どもへのプログラミング教育にも関心があり、CoderDojo守谷のメンターを務めている。