無調整豆乳とは?
「豆乳」は豆腐の原料になる液体。水に浸した大豆をすりつぶし、出てきた液体をこし取ったものです。そして、豆乳はJAS規格で無調整豆乳、調製豆乳、豆乳飲料の3種類に定義づけされています。
無調整豆乳は低カロリーなのに栄養たっぷり
「無調整豆乳」とは、大豆と水だけのシンプルな材料でできた豆乳のことです。油脂や塩分・糖分などが加えられておらず、大豆固形分が8%以上のものをいいます。
「無調整豆乳」は、調味料が加えられていないため、大豆の自然の風味をまるごと味わえるのが魅力。最近は、大豆の産地や品種の工夫により、飲みやすい無調整豆乳もぞくぞくと登場しています。
ポタージュスープやクリームシチューなどの料理に使う場合も、コクがあり濃厚な「無調整豆乳」がぴったりです。
適度な栄養価の調製豆乳は飲みやすい
「調製豆乳」とは、無調整豆乳に糖分や塩分などを少量加えた飲料のことです。なにも加えていない無調整豆乳よりも、飲みやすくされているのが特徴。
調製豆乳は、日本農林規格(JAS)で「大豆固形分6%以上」と定められており、大豆たんぱく質に換算すると3%以上になります。「調整豆乳」ではなく、「調製豆乳」と書きます。「製」と「整」が違います。
豆乳飲料ははじめて豆乳を飲む人向け
豆乳飲料は、砂糖や塩を加えた調製豆乳に、さらに果汁や紅茶などのフレーバーをプラスして、味つけした飲料を指します。
大豆固形分は果汁系で2%以上、そのほかは4%以上と定められており、無調整豆乳や調製豆乳よりも、大豆成分の割合が少ないです。フレーバーがついているぶん飲みやすいため、豆乳独特の風味が苦手な人や、はじめて豆乳を飲む人でも利用しやすいでしょう。
豆乳に含まれる栄養素は?
ここからは、豆乳の栄養素をチェックしましょう。
大切な栄養素の「たんぱく質」
たんぱく質は、大豆の33%を占めている代表的な栄養素です。大豆たんぱく質なら、動物性食品よりもカロリーが低いのが特徴。
また、大豆たんぱく質は、吸収率が高く、吸収・分解するまで時間がかかるため、満足感が得やすいのもメリットのひとつです。豆乳にも大豆たんぱく質が豊富に含まれているため、豆乳を飲むことでタンパク質を効率よく摂取できるでしょう。
必須脂肪酸を含む「大豆レシチン」
レシチンは、リン酸と脂質が結合した栄養成分で、体調維持にかかわるさまざまな働きを持っています。
とくに大豆レシチンには、必須脂肪酸が多く含まれているのが特徴です。必須脂肪酸は体内で作られないため、食品から摂取する必要があり、豆乳なら手軽に利用しやすいでしょう。また大豆レシチンは、コレステロールを含んでいません。
女性向け栄養素の「大豆イソフラボン」
大豆イソフラボンは、とくに大豆の胚芽に多く含まれるポリフェノールの一種です。女性ホルモンの「エストロゲン」と似た分子構造になっているのが特徴。「植物性エストロゲン」とも呼ばれており、女性が注目したい栄養素といえます。
豆腐やきなこなど、さまざまな大豆食品に含まれていますが、ドリンクとしてそのまま飲める豆乳なら、より継続して摂取しやすいでしょう。
ビフィズス菌をサポートする「オリゴ糖」
豆乳には、大豆由来のオリゴ糖が含まれています(100gあたり0.50g)。オリゴ糖は、小腸で吸収されずに、大腸まで届くのが特徴です。
また、ビフィズス菌や乳酸菌のエサにもなります。そのため、ふだんからビフィズス菌・乳酸菌を含む、ヨーグルトなどの食品を利用している人にとっては、うれしい成分でしょう。
ビタミンE・B1などのビタミン類も
ビタミンE・K・B1・B2・B6といったさまざまな種類のビタミン類も、豆乳に含まれる栄養素として挙げられます。
なかでもビタミンEは、豆腐よりも多く含まれているのが特徴です。食生活の乱れなどからビタミン不足が気になる人も、豆乳から摂取できるのがうれしいポイント。ビタミンを補う食品のひとつとして、上手に活用しましょう。
無調整豆乳の選び方
フードスタイリストの池 ももこさんへの取材をもとに、無調整豆乳を選ぶときのポイントをご紹介します。
ポイントは下記。
【1】目的に適した栄養成分のものを選ぶ
【2】カロリー&糖質もチェックしよう
【3】大豆の産地や「遺伝子組み換え」をチェック
【4】「用途」に合わせて選ぶのもアリ
【5】豆乳は新鮮なうちに飲みきれる「容量」を選んで
上記のポイントを押さえることで、自分にあった無調整豆乳を選ぶことができます。
【1】目的に適した栄養成分のものを選ぶ
豆乳に含まれる栄養素は商品のパッケージに表示されています。目的によって、商品に含まれる栄養素に注目してみましょう。
女性サポートならイソフラボンの量に注目
大豆イソフラボンを含む無調整豆乳は、女性にぴったりの飲料です。商品ごとに含まれている大豆イソフラボンの量は多少異なるため、気になる場合はパッケージや商品説明をチェックしましょう。
なお食品安全委員会は、毎日かつ長期間摂取する場合、大豆イソフラボンから糖が分離した「大豆イソフラボンアグリコン」の状態で、1日70~75mgが摂取目安量の上限値としているので、参考にしてください。
体調維持のためならレシチンをチェック
体調や栄養面を意識したい場合は、大豆に含まれるレシチンに注目しましょう。レシチン自体は、大豆加工食品以外に、卵黄や肉類にも含まれている成分。
しかし、卵黄・肉類由来のレシチンと違って、大豆レシチンにはコレステロールが含まれていないのが大きな特徴です。そのため、豆乳ならコレステロールを気にすることなく、レシチンが摂取できます。
ダイエットするならたんぱく質を確認
豆乳には、豊富なたんぱく質が含まれています。肉や魚・卵にもたんぱく質は含まれていますが、大豆由来のたんぱく質なら、よりカロリーが抑えられるのがメリットです。
また、ゆっくり吸収・分解されて満腹感が得やすいため、食べ過ぎが気になる場合は、食事の前に豆乳を飲むのもいいでしょう。食事のたんぱく源が動物性に偏っている人は、豆乳を活用して植物性たんぱく質も上手に摂取してください。
【2】カロリー&糖質もチェックしよう
ひと口に無調整豆乳といっても、商品ごとに成分が異なるため、カロリーにも差があります。そのため、ダイエット中の場合は、カロリーもきちんと確認しましょう。
また糖質を制限している人は、糖質の量についてもチェックしてください。炭水化物とは糖質と食物繊維の合計であるため、通常、その欄に糖質の記載がされています。商品によっては、糖質と食物繊維が別々に記載されている場合もあります。
【3】大豆の産地や「遺伝子組み換え」をチェック
健康志向の方なら、無調整豆乳を選ぶときに大豆の産地や栽培方法を気にされる方もいらっしゃいますよね。遺伝子組み換え大豆かどうか、「有機JASマーク」があるかなどをチェックしましょう。
農薬や化学肥料を一定期間以上、続けて使用していないなどの厳しい基準をクリアし、登録認証機関から認証を受けて表示できるマークに「有機JASマーク」があります。
有機JASは、コーデックスという食品の国際規格を定める機関のガイドラインに準拠しています。そのため、海外のオーガニック認証と同等であると認められていて、有機JAS認証を受けた商品はEU、スイス、米国、カナダなどでも有機栽培と表示することが可能です。
【4】「用途」に合わせて選ぶのもアリ
無調整豆乳の加工過程はメーカーによって異なります。大豆の産地はもちろん、大豆固形成分の割合によって風味や濃さなども変わります。
お料理に使うのであれば、大豆の風味や味わいをしっかりと感じられる豆乳を選びましょう。パスタソースやグラタンなどの料理にコクをプラスし、まろやかに仕上げることができます。
お菓子づくりに使うときは、サラッとして風味にクセの少ない豆乳がおすすめです。
そのまま飲む場合も、ご自身の好みに合う「味わい」や「風味」が感じられるもの、または飲み比べて飲みやすさを意識して選んでみてもいいでしょう。
【5】豆乳は新鮮なうちに飲みきれる「容量」を選んで
豆乳は、鮮度が落ちて腐敗するとドロッとした液体に変化し、放置すると酸っぱい異臭を放ちます。豆乳はメーカーにもよりますが、未開封なら常温より高温にならない場所での保管が可能です。しかし、一度開封すると豆乳の酸化が進み腐敗します。そのため、開封後は2~4日以内(※季節や保存環境にもよる)で使い切りましょう。
スーパーでよくみかける1Lパックはファミリーに向いており、コンビニにある200mlは1回で飲み切れる容量で単身者やランチタイムにおすすめです。最近は豆乳市場も広がり、料理に使いやすい500mlパックもみかけるようになりました。
健康や美容のために飲むなら、新鮮なうちに飲み切れるように目的やライフスタイルに適した容量を選んでおいしくいただきましょう。
無調整豆乳のおすすめ14選
うえで紹介した無調整豆乳の選び方のポイントをふまえて、フードスタイリストの池 ももこさんおすすめ無調整豆乳などを紹介します。有機栽培の商品もチェックしてみてください!





有機JAS認定工場製造で GABA(※)入り
豆乳製品のなかでもかなり濃厚でこっくりとした味わいが特徴の商品です。厳選された有機大豆を100%使用。「大豆イソフラボン」や「GABA」も多く含まれています。
かなりしっかりとした味わいなので、料理にもおすすめです。さらりとした口あたりのスープよりも、シチューやポタージュなどコクをプラスしたいときに重宝します。豆乳ココアやスムージーなどを作るときも、こちらの豆乳を使えば飲みごたえも抜群で満足感をえられるでしょう。
容量によって保存方法が異なり、330ml以外はすべて冷蔵庫での保存が必須ですのでご注意ください。
(※)ガンマアミノ酪酸で、天然アミノ酸のひとつ
国内産の特別栽培大豆を使用! 甘くてコクがある
『豆乳で元気』は、国内産の大豆を使った無調整豆乳を毎日飲みたい人に向いています。のど越しはさらりとしているので、無調整豆乳がはじめてでも飲みやすいでしょう。パッケージも1回で飲みやすい125mlパックとなっています。
また、そのまま飲むだけでなく朝食のシリアルにかけたり、スムージーにしたりとアレンジも楽しめます。未開封なら常温で半年間は保存できます。まとめ買いにも向いています。
信頼性が高くおいしさも期待できる無調整豆乳
大豆製品に定評のあるマルサンアイがタニタカフェの監修を受けて発売したコラボ商品。有機大豆を使っており、大豆固形分10%と濃厚な食感が特徴です。
しっかりと大豆の風味を感じられる無調整豆乳は、女性にうれしい「大豆イソフラボン」が豊富に含まれています。料理にも活用できるようメーカーホームページでは、こちらの商品を使ったタニタカフェ監修のレシピを掲載しています。
九州産大豆「ふくゆたか」をストレートに味わえます
無調整豆乳をはじめて飲む人向けの商品です。コレステロールはゼロで、大豆イソフラボンやたんぱく質が豊富に含まれています。
丸大豆を独自の製法で搾汁(さくじゅう)しているので、特有の風味はなく、香ばしさと旨みのある豆乳に仕上がっています。豆乳が苦手な人も牛乳代わりに飲めるでしょう。
そのままストレートで飲むもよし、ラテや料理・お菓子作りなど幅広く無調整豆乳を活用したい方に向いています。
たっぷり68mgのイソフラボン! 香ばしい無調整
おしゃれなパッケージが目を引く『SOY BEVERAGE』は、200mlの飲みきりサイズなので朝食だけではなく、ランチでも活躍します!
通常、豆乳は水に浸して大豆をすりつぶすので、大豆特有の風味が出やすくなります。しかし、こちらの商品は浸水させず、かたい状態のまま高温水ですりつぶすため、さっぱりとしながら香ばしさも堪能できる味わいに仕上がっています。
またこの「高温磨砕製法」により、豆乳商品のなかでも大豆イソフラボンの含有量が多く、68mgも含まれています。香ばしい大豆の甘みや旨みのある無調整豆乳を探している人に向いている商品です。
甘みのある北海道産大豆を使用
大豆と水のみを使った、無調整豆乳です。大豆のなかでも、とくに強い甘みを持つとされている、北海道産の大豆を厳選して使用しています。
大豆をたっぷり使っており、濃厚な味わいながらも、すっきりとした飲み口が特徴。大豆たんぱく質やイソフラボン・レシチンのほか、大豆サポニンも200mlあたり82mg含まれています。
「無調整豆乳」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 豆乳の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの豆乳の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
カロリー、栄養素、価格、容量などトータルで選んで
料理家・フードスタイリスト・テーブルウェアスタイリスト
トータルバランスのよさで選びましょう
美容や健康にもいい成分が含まれている「無調整豆乳」。ヘルシーな身体づくりのために飲むなら、品質はもちろん、自分の求めているおいしさや栄養素が多く含まれているものを選びましょう。
また、継続して飲めるように価格や容量なども含めてトータルバランスがベストなものを選べると失敗も少ないはず。今回ご紹介させていただいた選び方を参考にして、ご自身の好みや目的に合うベストな無調整豆乳を選んでくださいね!
無調整豆乳に関するQ&A
無調整豆乳のカロリーはどのくらい?

コップ1杯(180ml)とすると、無調整豆乳は80kcal程度。調整豆乳は115kcal程度。無調整豆乳のほうが調整豆乳よりもカロリーが低いことになります。糖質についても、調整豆乳のほうが無調整豆乳よりも砂糖が使われている分高くなります。
豆乳ダイエットとは?

間食をお菓子から豆乳1杯に切り替えることで、カロリーや糖質が抑えられます。また、朝食に豆乳1杯を取り入れることで、大豆に含まれるたんぱく質を摂取できるので代謝が上がり健康的な食生活を送ることができるでしょう。
豆乳好きにおすすめの飲料やアイテムを紹介
今はおいしい無調整豆乳もいっぱい!
少し前までは、「においが苦手」「おいしくない」などの声も多かった無調整豆乳。でも最近では、ストレートでもおいしく飲める無調整豆乳も多く販売されています。
今回はフードスタイリストの池 ももこさんへの取材をもとに、無調整豆乳の選び方とおすすめ商品をご紹介しました。大豆の栽培方法にも着目した無調整豆乳なら、健康と美容を気づかう人も納得して飲み続けることができるでしょう。お好みの無調整豆乳を選んでみてくださいね。
◆記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。◆特定商品の広告を行う場合には、商品情報に「PR」表記を記載します。◆「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品スペックは、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。◆記事で紹介する商品の価格やリンク情報は、ECサイトから提供を受けたAPIにより取得しています。データ取得時点の情報のため最新の情報ではない場合があります。◆レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
お米もまともに炊けない料理オンチの状態から独学で華やか家庭料理・スイーツのプロに。 食事制限ゼロ、おいしい食事で−15kgのダイエットにも成功し、ファッション誌の読者モデルなどとしても活動中。 きれいとおいしいはつくれる”を活動テーマとし、料理教室「4step kitchen」を主宰。4stepで食卓がパッと華やぐお手軽レシピに定評がある。 料理教室を運営する傍ら、メディア出演・企業でのメニュー開発や食空間スタイリング・イベント講師・コラム執筆など幅広く活動中。