アク取りって必要? そもそも「アク」とは?
アク(灰汁)とは、加熱した際、肉・魚介類などの臭み成分や血液に含まれるタンパク質が凝固したものや、野菜のえぐみ・苦味・渋みが、煮汁の表面に泡状に現れた状態のことです。ある程度取り除いてあげると、お料理が雑味なく澄んだ味わいになり、いつものお料理がワンランクアップします。
わざわざアク取りを使うのではなく、おたまで代用できないかな? と思うかもしれませんが、おたまではアク以外の旨味成分などもすくってしまうことも。料理のアクを取るには、アク取りがあると便利ですよ。また、アク取りは揚げ物のカスを取るなど、ほかの使い方もあります。
アク取りの選び方 簡単アク取り!
ここからは、アク取りの選び方をご紹介します。ポイントは下記の4つ。
【1】まずは素材をチェック
【2】アク取りの形を選ぶ
【3】使い捨てのアク取りシートは後処理もラク
【4】アク取りができる機能付きおたまも!
上記の4つのポイントをおさえることで、より具体的に自分に合うアク取りを選ぶことができます。ぜひ参考にしてくださいね。
まずは素材をチェック
アク取りの材質は、熱に強くサビにくいステンレス製がおすすめです。洗いやすいため、お手入れもらくですよ。また、揚げ物のカス取りなどほかの用途にも使いやすいです。ステンレス製のほかには、持ち手が木製や樹脂製になっているもの、シリコン製などがあります。
アク取りの形を選ぶ
アク取りには、さまざまな形があります。それぞれの特徴をチェックしましょう。
ベーシックな「メッシュタイプ」
こまかい網目のメッシュタイプは、アク取りの際にスープをすくわないので、スープの旨味をアクとして取ることなく残せます。網目のこまかさにいろいろな種類があり、よりこまかい網目のものが、しっかりとアク取りができ雑味のないスープづくりが可能です。
出汁もしっかりとたのしみたい鍋料理や、澄んだ色のスープにしたいときに活躍してくれます。
ほかの用途にも使える「パンチングタイプ」
お玉にパンチングプレスでたくさんの小さな穴を空けたデザインになっているのが、パンチングタイプのアク取りです。こまかなパーツがないので、洗浄しやすくお手入れがかんたんにできるのがポイント。また、アク取りだけでなく、とうふをすくったり、煮物を取り分けたりと、いろいろな用途で使えるので、とても重宝します。
濃いめの味を出したい料理のときには、大さっばにすくえて片づけがより容易なパンチングタイプのアク取りが便利です。
おたまとしても使える「スプーンタイプ」
鍋の縁に溜まったアクをササッと取り除くには、スプーンタイプのアク取りがぴったりです。
ゆるやかなカーブの楕円形のスプーン型のお玉が、しっかりとアクを取ってくれます。アク取り時にスープもすくってしまうデメリットがありますが、お玉の付け根部分にスリット上の穴が空いていて、すくってしまったスープを鍋に戻せるようになっているものもあります。
お手入れがかんたんで、お玉として使えるところもポイントです。
サッとアクを絡めとる「ブラシタイプ」
すくうアク取りから発想を変えて、効率的にアク取り作業ができるようになっているのが、ブラシタイプです。アクが浮いてきたところにアク取りブラシをなでるように動かすだけで、だれでもかんたんにアクを取り除けます。ブラシ部分にはスープは付着しないので、スープの量は減りません。お玉を押しつけるような動作もないので、料理の具材を崩さずに調理できるのも大きなポイントです。
料理の経験が少ない方や、子どもたちに調理を手伝ってもらうときなどにも有効に使えます。
乗せるだけの「落とし蓋タイプ」
手間をかけずにアク取りをしたいなら、落とし蓋タイプがおすすめです。下面が凹凸のある形状になっていて、アク取り機能のある落とし蓋を乗せておくだけで、アクが取り除けます。スープの表面のほぼ全体を覆っているので、アク取りの作業に手間がかかりません。
シリコンタイプのアク取り落とし蓋には、大きさを自在に変えられるものもあり、しっかりとアク取りをしてくれます。
使い捨てのアク取りシートは後処理もラク
アク取りシートは、煮汁を対流させて味しみをよくしてくれる落とし蓋の役割も果たしつつ、ほどよくアクも取ってくれるすぐれものです。鍋につきっきりにならなくていいので、煮ている間にほかの料理の準備ができてとても便利。また、使い捨てで使い終わったら捨てるだけなので、洗う手間がないのも魅力です。
アク取りができる機能付きおたまも!
見た目はおたまのようですが、アクを取るための突起がついているなど、1つで2役の商品もあります。一人暮らしなどで収納が少なく、キッチンツールをあまり増やしたくない人は、ひとつでおたまにもアク取りにもなるアイテムも検討してみてください。ただし、アクが少ない場合などは、思うように取れないこともあるので注意しましょう。
エキスパートからのアドバイス
しゃぶしゃぶなど卓状の鍋もののように、都度アクを取りたい場合には網目タイプ。煮込み料理には落とし蓋形状のアク取りを使用するなど、お料理に合わせて使い分けるとより便利にアク取りを活用できます。
ちなみに、上記で紹介していない刷毛(はけ)状の商品もあります。刷毛状タイプのアク取りは、なでるだけでアクが取れて便利なのですが、付着した汚れが取りづらく、使用後はしっかり乾かさないと雑菌が繁殖する原因になってしまいます。使用後のお手入れには注意をしましょう。
お手入れのしやすさ、衛生面、おしゃれさ、コスパのよさなど自分にとっての優先順位を明らかにしていくと、ニーズにぴったりなアク取りが見つかるはず。ぜひご参考になさってくださいね。
アク取りおすすめ10選 丈夫で使いやすい商品も!
ここからは、おすすめのアク取りをご紹介します。使い方に合う商品を選んでくださいね。
燕三条のメーカーによるこまかい網目のアク取り
こだわりの金属製品を開発する、新潟・燕三条のメーカー下村企販の、メッシュタイプアク取りです。かなりこまかいメッシュの目の構造になっていて、こまかなアクも逃がしません。広めのメッシュ面になっているので、一度にたくさんのアクをすくえ、油による目詰まりもしにくいです。
25.5cmという長めのハンドルもついて、熱々の鍋料理でも手が熱くならないのもポイント。食洗機で洗えるのもうれしいポイントです。
アクを取ってスープを戻せるスプーン
ステンレス製のアク取りスプーンです。スプーンの付け根のところにスリットが入っていて、スプーンに入ってしまったスープを鍋に戻せるようになっています。
スプーンの形状がスリムな卵型になっていて、鍋の縁にぴったりフィットしてきれいにアクをすくい出せます。また、スプーンの縁にちょっとだけ平らになっている部分があり、スープの表面でアクだけスプーンに入りこみやすいのも使いやすいポイントです。
やさしくなでるだけでアクが取れるブラシタイプ
お魚のモチーフがかわいい、ブラシタイプのアク取りです。馬の毛でつくられたブラシでスープの表面をサッとなでるだけで、かんたんにアクが取れます。ブラシ部分にはアクだけが付着するので、スープが無駄に減らないのが大きなメリット。
また、スープの表面をなでるだけで、押しつけたりしないので、やわらかくなった具材を崩してしまうこともありません。
新開発の溝構造でアクだけをしっかり取り除く
メッシュタイプのきめこまかなアク取り機能を持っているのに、お玉のように洗浄するときの手間もかからないようになっている、新開発のアク取りです。また、メッシュタイプにありがちな、網目が油で詰まってアクがうまく取れないという悩みも解消。新開発の溝が詰まらずアクだけを取り除きます。
アク取り以外の用途でも、豆腐をすくったり、揚げカスをすくったりもでき、幅広く使えますよ。
小さいサイズのメッシュでていねいにアク取りできる
雑味のないスープを目指すなら、アク取りもこだわりのアイテムを選びましょう。品質の良さとと使いやすさをコンセプトに厨房調理器具を開発しているメーカー、和平フレイズのメッシュタイプのアク取りです。
小さめのタイプなので小回りもきき、ていねいにアクを取り除けるので、鍋料理やスープのアク取りにおすすめ。澄んだきれいな色のスープが作れますよ。
お手入れがしやすく丈夫なパンチングアク取り
新潟・燕三条の金属加工メーカーRアンドMがつくっているパンチングタイプのアク取りです。ステンレス製の丈夫なボディーで、長持ちします。メッシュタイプよりお手入れがかんたんで、キッチン作業もはかどることでしょう。
アク取り以外にも、カス揚げや、油ものの調理のときにも役立ってくれます。大きな面を使ってしっかりと作業できます。
シリコン製のアクが取りやすいお玉
小さめのスプーンタイプのアク取り兼お玉です。小型で、鍋の縁にたまりやすいアクを的確にすくいやすいデザインになっています。スプーンの底面にデコボコになっている部分があり、スープの表面に押し当てることでアクを取れる仕様です。
お玉と兼用で使えるので、キッチングッズのためのスペースがあまりないという人にもおすすめ。アク取り機能付きのお玉以外に、「汁が切れるタイプ」と「麺もすくえるタイプ」もシリーズ展開しています。
使いやすさとお手入れのしやすさが両立したアク取り
OXOの商品は、利き手や老若男女関わらず、さまざまな人が使いやすいデザインを研究し、製品化されています。とくにこちらのカスアゲは、日本人向けにグリップ部分を改良しており、指にフィットしてくれるので濡れた手でも滑りにくく、持ち手も熱くならないので安心です。
網目部分もこまかいため、こまかいアクもしっかりキャッチしてくれます。丈夫なステンレス製で食洗機も使用可能。価格、利便性、お手入れのしやすさのバランスがいいアク取りを探している方におすすめしたい商品です。
シートタイプで使い捨て可能なアク取り
お鍋に入れておくだけでアクを取ってくれるタイプを検討している方におすすめなのがこちら。アクだけではなく余分な油も吸着してくれるため、カロリーカットにもつながります。水を弾いて油だけを吸ってくれる特殊素材を使用しているため、煮汁が減る心配はありません。
中央に切り込みが入っており、煮汁を対流させて落とし蓋の役割も果たしてくれるので、火通りも味しみもよくしてくれます。煮魚や煮物にぴったりなアク取りです。面倒なお手入れは一切なく、使ったらポイと捨てられるのもとってもラクですね。
「アク取り」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの人気ランキング Amazon、Yahoo!ショッピングの売れ筋をチェック!
Amazon、Yahoo!ショッピングでのアク取りの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
上手なアクの取り方
料理講師の宇野(山下)彩花さんに、上手なアクの取り方を教えてもらいました。
灰汁を取るときは、ボウルにぬるま湯を用意してとったアクを入れ、そのお湯でアクとりを洗うようにしてあげると、次のアクを取る際に綺麗な状態で使用できますよ。しかし取り除きすぎると、旨みやコクまでなくなってしまいますので、取り過ぎには注意しましょう!
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料理や生活スタイルに合ったアク取りで腕を上げよう
澄んだ色のスープをつくりたいときも、片づけをよりかんたんにしたいときのアク取りも、キッチンのスペースが限られているときにも、アク取りをていねいにやっている時間がない場合にも、それぞれのシーンにぴったりのタイプのアク取りがあります。メーカーの創意工夫により、使いやすく便利なアク取りがたくさんそろっています。
仕上げたい料理や生活スタイルにマッチした、アク取りをうまく選んで、たのしく料理の腕を上げましょう。
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大手料理教室にて6年間勤務。和洋中様々な料理人や料理家の助手を経て培った、豊富な経験や知識を強みに料理講師・フードコーディネーター として活動中。 少人数制レッスンから企業様向け大規模講座やキッズレッスン、大手百貨店様にてワークショップを手がけるなど幅広く活躍中です。誰でも手軽に美味しく見た目よく、時代に合わせた〝作り手目線のレシピ開発″が得意。笑顔いっぱいの幸せな食卓へ。 お料理教室『やまちゃんの幸せごはん』主催。