ノイズキャンセリングイヤホンとは
周囲の騒音を低減して音楽を聴けるノイズキャンセリング。その仕組みは、イヤホンに内蔵されたマイクで周囲の騒音を分析し、打ち消し効果のある逆位相の音を発生させて騒音を聞こえないようにさせています。
もともとは航空機のフライト向けに開発されました。現在は技術が進歩し、一般的なワイヤレスヘッドホンやイヤホンにも搭載されており、電車やバスの通勤・通学で音楽を快適に聴けますよ。
また、周囲の雑音に気を散らされることなく、仕事や勉強に集中したいときにもノイズキャンセリングイヤホンは役に立ちます。単に音楽を楽しむだけでなく、周囲の雑音から解放されること、これもノイズキャンセリングイヤホンの大きな魅力です。
ノイズキャンセリングイヤホンの選び方
それでは、ノイズキャンセリングイヤホンの基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記。
【1】騒音低減能力
【2】バッテリー
【3】音質
【4】通信速度
【5】装着感
【6】その他の機能
上記のポイントを抑えることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】騒音低減能力をチェック
ノイズキャンセリングイヤホンの性能を調べるには、ANC(アクティブノイズキャンセリング)処理をおこなうための集音マイクの搭載数に注目しましょう。
スタンダードなタイプは左右のイヤホンに1基ずつで、合計2基のマイクを搭載しています。それに対し、高性能なタイプは片側のイヤホンの外側と内側に1基ずつ、左右合計4基のマイクを搭載しているタイプもあり、より機能性が高いです。
「騒音低減性能」で選ぶなら2万円以上のものを
ノイズキャンセリングイヤホンは、1万円以下で購入できる製品から2万円を超える高価なモデルまで存在します。
2万円を超えるような高級モデルではノイズキャンセリング性能を決める集音マイク数が多く、イヤホンの内部と外部で集音する高精度なタイプを採用。また、マイクによる集音で騒音を解析する以外にも、独特のアルゴリズムでノイズキャンセル効果を高めているモデルも登場しています。
騒音低減効果は、2万円を超える機種だと電車やバス走行時の重低音の騒音をほぼ消してくれる性能、1万円程度の製品なら騒音の音量を下げる程度と考えましょう。
ノイズキャンセリング機能をオンオフしやすいか確認
ノイズキャンセリング機能をオンオフできるタイプがほとんどです。イヤホンをタップして切り替えられたり、イヤホンに付いたリモコンを長押しすることで切り替えられたりします。
オンオフしやすいと外部の音を聞きながら、音楽を聴きたい状況にも役立つので便利です。また、「外音取り込み機能」を搭載していると、より聞こえやすくなりますよ。
【2】バッテリーの持続時間をチェック
ノイズキャンセリングイヤホンはバッテリー駆動なので、バッテリーが持続する連続駆動時間を要チェック。
通勤・通学の電車やバスで使う場合には、4時間以上持続するものだと数日に1度の充電で済むので、扱いやすいでしょう。
仕事中に装着し続けたい場合や、飛行機内で装着する場合、10時間以上連続再生できるものを選びましょう。
完全ワイヤレスイヤホンの場合、充電ケースと併用することで30時間以上使用できる商品もあります。また、ネックバンド型の場合は首掛け部分に大きなバッテリーを搭載できるので、連続で15時間ほど使えるアイテムも!
急速充電に対応していると便利!
通勤で使おうとしてイヤホンを手に取ったが充電が切れていた、なんて時に急速充電に対応していると便利ですよ。10分の充電で1時間以上も再生できるモデルも多々あります。また、フル充電するのに要する時間も合わせて確認しましょう!
【3】音質をチェック
ノイズキャンセリングイヤホンを使用するうえで、音質は必ずチェックしたいところです。ポイントとなるのはコーデック。
音の質を左右する「コーデック」
ワイヤレスイヤホンは、スマホの音声データを圧縮して、イヤホンに送信して音を流すという仕組み。この仕組みを「コーデック」や「音声圧縮変換方式」と呼び、性能によって音質が異なってきます。コーデックの主流は下記のタイプになるのでチェックしてみましょう。
「SBC」:多くの機種で採用されている、標準的なタイプ。
「AAC」:iPhoneなどApple製品に対応しており、SBCより高音質で遅延が少ないタイプ。
「aptX」:高音質で遅延が最も少なく、主にAndroidに使用されているタイプ。
「LDAC」:ソニーが独自開発した形式で、音の質がとてもいいタイプ。一部のAndroidに対応しています。
「ハイレゾ音源」対応だと、解像度が高い
ソニーが開発したCDの約6.5倍もの情報量を持つ「ハイレゾ」。音の解像度が高く、空気感やライブの臨場感、楽器や声の生々しさや艶などのディテールがきめ細かく表現されています。
周りの雑音を妨げるノイズキャンセリング機能と、最高の音で没入感を味わいたい方はチェックしてみてください。
【4】通信速度もチェック
Bluetoothには通信速度を決める「バージョン」があります。4.0や5.0といった種類が存在し、数値が高いほど最新式で通信速度が速まり、省エネ性もアップします。
こちらもコーデックと同様、ワイヤレスイヤホンだけでなくスマホも同じバージョンに対応していないといけません。最新のバージョンは5.2で、音飛びしにくかったり、接続が安定していますよ。
【5】装着感をチェック
ノイズキャンセリングイヤホンは基本的にカナル型という耳に密着するタイプが主流。そのカナル型イヤホンでよくある不満が、耳が痛くなる、圧迫感を感じるという声です。
小さすぎると落ちやすく、大きすぎると耳が痛くなるもの。これは装着サイズが原因なので、購入後に必ず自分に合ったイヤーピースへ交換してから使いましょう。
大きさはS・M・Lとあり、メーカーによってはSSやLLも取り扱っていたりするので、事前にチェックしてみてください。
【6】その他の機能をチェック
イヤホンの便利機能を紹介します。使い方の幅が広がるのできっと重宝するはずですよ。
複数の機種に接続できる「マルチペアリング機能」
複数の機器と接続できるマルチペアリング機能が付いていると便利です。例えばプライベートのスマホで音楽を聴いていたところ、仕事用のスマホに電話がかかってきたらイヤホンを着けたまま対応することができます。再度ペアリングする必要がないのでシームレスに接続できてラクですよ。
スマホだけでなく、PCやテレビなど、Bluetooth機能が備わっている機器であれば接続できますよ。
雨の日などに使える「防水機能」
突然の豪雨にも対応するのが防水機能です。防水性能のレベルは数段階あり、おすすめはIPX5以上。汗などの水滴が付いても問題ないので、ランニング中にも使うことができますよ。
また、浴室やプールなど、水没する可能性がある場所で使いたいなら、IPX7以上を使うようにしましょう。水深1m程度の場所で、30分ほど水没しても壊れることはありません。
NC効果で選ぶなら定評あるメーカーのものを
ノイズキャンセリングイヤホン選びに迷ったら、実績があるブランドのSONYかBOSEを検討してみましょう。以前と比べて選択肢が増えましたが、効果の高いノイズキャンセル効果を実現しているメーカーは限られると思います。2社のような有名ブランドに選択肢を絞るというのもひとつの方法かもしれません。
なお、低予算で選びたい場合には、上記のブランド以外にも、価格なりのノイズキャンセル効果を発揮してくれるモデルがいくつか登場してきています。今回おすすめした機種は、全て実機で試して効果を確認した機種。ほかの機種を探す際には、ノイズキャンセル性能の効果を口コミなどでチェックしてみることをおすすめします。
ノイズキャンセリングイヤホンのおすすめメーカー
ここからは、ノイズキャンセリングイヤホンを選ぶときに、チェックしておきたいメーカーをいくつかピックアップして紹介します。ぜひ、商品選びの参考にしてみてください。
高性能で使い方がシンプルな「Apple(アップル)」
アップルはアメリカ合衆国のカリフォルニアに本社を置くデジタル家庭電化製品やソフトウェアの開発・販売を行っている会社。
iPhone・MacBook・iPadなど新作が出るたびに日本で話題になりますよね。世界中の多くのユーザーから支持の高い製品を多く世に輩出しています。アップルの電化製品の特徴として、シンプルな見た目と高い機能性を持っていることがあげられ、本記事でも紹介している「AirPods Pro」はアップル純正のため、iPhoneと簡単に接続ができてアップルユーザーにとってはかなり便利。その精度も高く、電車やバスの騒音はほぼ無音、航空機でも通用するほどの実力です。
高音質も魅力の「SONY(ソニー)」
大手電機メーカーとして日本を代表するのが「SONY」。大ヒットとなったウォークマンやコンパクトCDプレイヤーを生み出したことでも有名ですよね。
ソニー製イヤホンの特徴として、低音域がやや強めで、比較的フラットな傾向をもったモデルが多いことが挙げられ、多くのリスナーにとって耳障りがよく「高音質な音楽」を出力できることが人気の理由です。また、ソニーのイヤホンはエントリーモデルからハイエンド製品まで、幅広いラインナップが魅力で、音質だけでなく、通勤・通学に向いているタイプ、ジムでのワークアウトに向いているタイプなど、ライフスタイルに合ったイヤホンを選ぶことができます。
音漏れが少なく軽量な「Bose(ボーズ)」
1964年の設立からスピーカーやヘッドフォン、イヤホンなどの開発・販売に力を入れ続けているボーズは、今まで培ってきた技術と音質チューニングの巧みさは、現代にも継承されファンを魅了しています。
ボーズのイヤホンは、音漏れが少なく、耳にフィットするように設計されているため低音も量感と迫力を失うことなく鼓膜まで届けられる構造になっています。また、操作性がシンプルで簡単に使えるのがポイントの一つ。イヤホン初心者さんにはおすすめのブランドです。
ノイズキャンセリングを搭載したイヤホンは装着感に優れた「QuietComfort 20」シリーズや、ノイズキャンセリングのレベル調節が可能な「QuietControl 30」シリーズなどを展開しています。
ノイズキャンセリングイヤホンおすすめ10選
選び方のポイントをふまえて、編集部が選んだおすすめの商品を紹介します。ぜひチェックしてみてください。
アップル純正でノイズキャンセル性能も最強クラス
2019年10月の登場以来、ノイズキャンセリングルイヤホンの定番として根強い人気の完全ワイヤレスイヤホン。外見はオリジナルの「AirPods」に似ていますが、一般的なカナル型の装着方法を採用。そして、やはりアップル純正のため、iPhoneと簡単に接続ができます。
ノイズキャンセル技術はアップル独自で、外向きと内向きの2つのマイクで騒音を拾い毎秒200回のノイズキャンセル処理を行ないます。実際に「AirPods Pro」による騒音低減の効果は、今回紹介するアイテムでもっとも精度が高く、電車やバスの騒音はほぼ無音、航空機でも通用するほどの実力です。
完全ワイヤレスイヤホンなのでケーブルやネックバンドもなく、装着感も快適。アップル純正品なのでiPhoneユーザーなら近づけるだけでペアリング画面が表示され初期設定もラクラク。ノイズキャンセル性能重視なら、買って間違いナシの鉄板モデルです。
ノイズコントロールにも対応
ノイズキャンセルヘッドホンの定番ブランドBOSEによる、ノイズキャンセリングイヤホン「QuietControl 30 wireless headphones」。最大の特徴は、6基のマイクを内蔵する点と、騒音を低減するだけでなく、音楽と外の環境音とのバランスを12段階で調整できるカスタム対応している点です。
騒音低減を最大にすればしっかりとした静寂を得られますし、公共交通機関のアナウンスや外の喧騒が聞こえる程度と、リモコンのボタンやスマホアプリで時と場合に応じて調整できます。
高精度なノイズキャンセリングイヤホンのなかでも、とくにノイズコントロールに興味がある人におすすめします。
おすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする ノイズキャンセリングイヤホンの売れ筋をチェック
楽天市場、Yahoo!ショッピングでのノイズキャンセリングイヤホンの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
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理想に近いリスニング環境を作り出してくれる
音楽を楽しむにはできるだけ他の音にじゃまされない環境がほしいもの。ノイズキャンセリングイヤホンは、エンジン音や走行音が気になる飛行機や電車内でも、理想に近いリスニング環境を作り出してくれる、音楽ファンならぜひとも利用したいイヤホンです。
一方で外音から切り離されてしまうことのリスクもあります。ノイズキャンセリング機能はひとりで集中できるときのみオンにする、外音取り込み機能を活用するなどの工夫をし、上質なリスニング環境を上手に楽しむようにしましょう。
◆記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。◆特定商品の広告を行う場合には、商品情報に「PR」表記を記載します。◆「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品スペックは、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。◆記事で紹介する商品の価格やリンク情報は、ECサイトから提供を受けたAPIにより取得しています。データ取得時点の情報のため最新の情報ではない場合があります。◆レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
「家電・AV機器」カテゴリーを担当。ストレス解消に料理をすることが多く、時短できる家電やアイテムはついチェックしてしまう30代編集者。通勤時に音楽を楽しむため、さまざまなイヤホンやヘッドホンを試している。