フルサイズ一眼レフカメラとは?
【イメージセンサーのサイズ】
・1/2.3型(6.2×4.6mm)……スマートフォンのカメラに採用。
・1型(13.2×8.8mm)……コンパクトデジタルカメラに採用。
・4/3型……(17.3×13mm)マイクロフォーサーズマウントのカメラに採用。
・APS-C……(23.6×15.8mm)……APS-Cマウントのカメラに採用。
・フルサイズ……(36×24mm)……フルサイズマウントのカメラに採用。

センサーサイズ一覧
「フルサイズ」とは、ひとことでいえば、35mmフルサイズセンサーのことを指します。または、写りの質を左右するイメージセンサーのサイズが大きいカメラのことを指したりもします。
そもそもフルサイズと呼ばれるようになったのは、フィルム時代のカメラの「35mmフィルム」(24mm×36mm)のサイズに近い35mmフルサイズセンサーだったことに由来します。
画角・画質・対応しているレンズに差が出てきます。まず、下位規格のAPSやマイクロフォーサーズと比べ、次のようなメリットがあります。
フルサイズのメリット
フルサイズの一番の特徴であり、APS-Cよりも優れている点は、イメージセンサーのサイズが大きいことです。すなわち、光量をより多く取り込むことができるということです。
より多くの光を取り込むことができれば、夜景や暗い環境でもより明るく自然な写真を撮ることができます。
【フルサイズのメリット】
・画角が広い
・画質が良い
・専用レンズが使える
ただし、富士フイルムやRICOH PENTAXといったメーカーの一部ブランドでは、中判サイズのイメージセンサーが使用されています。
フルサイズ一眼レフの選び方
カメラのなかでも本格的な「一眼レフカメラ」。一眼レフカメラは、スマホやコンデジを超える豊かな映像表現を実現できます。ただし、カメラに詳しくなければ、どれを購入したらいいのか迷ってしまいませんか?
そこでこの記事では、写真家・カメラ評論家の田中希美男さんに、フルサイズ一眼を選ぶときのポイントを教えてもらいました。高い買い物になりますのでのちのちに後悔のないよう、ぜひ購入する際の参考にしてくださいね。
ポイントは下記。
【1】フルサイズ一眼の魅力を知ろう
【2】高画素と高感度どちらを選ぶか
【3】機能で選ぶ
【4】サイズや重さをチェックする
上記のポイントを押さえることで、より欲しい商品をみつけることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】フルサイズ一眼の魅力を知ろう
同じフルサイズ判のカメラでもミラーレスに比べると、一眼レフには「大きくて重い」「メカニズムが複雑」「作動音が大きい」などのデメリットがあります。しかし、そうしたデメリットをメリットとして考えることも可能なんです。
大きく重いカメラは安定感があり、大型レンズ(とくに望遠レンズ)と組み合わせたときのホールディングバランスもよくなります。複雑なメカニズムや作動音は、撮影しているときの安心感と確実性に。「写したよ!」「撮ったよ!」というカメラからのメッセージが、ダイレクトに伝わってきます。これこそが一眼レフカメラの大きな魅力なのだ、と断言する人も多いです。
もう1つは光学ファインダーの視認性です。もしカメラとレンズが目の延長だとすれば、一眼レフの光学ファインダーは被写体をダイレクトに見続けながら構図を選び、シャッターチャンスを決めて撮影できる魅力もあります。
一眼レフカメラの機構も操作系も、フィルムカメラの時代から何十年も改良を重ねて成熟したカメラスタイルと言えるでしょう。ミラーレスカメラに比べ交換レンズの豊富さも、一眼レフカメラの魅力です。
フルサイズ判の良さ(高感度で高画質にこだわりたい方に)
フルサイズ判センサーを使ったカメラのメリットは、一眼レフもミラーレスも同じですが、APS-C判やマイクロフォーサーズ判のカメラに比べて高感度での画質がいいことです。
センサーを構成する一つひとつの画素サイズを同じにすれば、センサーサイズが大きくなるほど画素数を多く配置できます。画素数が多いことの利点は、解像度のアップです。
逆に、フルサイズ判、APS-C判、マイクロフォーサーズ判すべてを同じ2000万画素にすれば、フルサイズ判の画素サイズが一番大きくなります。画素サイズが大きい利点は、高ISO感度でのノイズの少なさです。高感度で高画質にこだわりたい方はフルサイズ判を選ぶといいでしょう。
【2】高画素と高感度どちらを選ぶか
フルサイズ判カメラには大別すると、次の2タイプがあります。
「高画素型」(~画素で表記)
高画素(高解像度)型は画像を引き伸ばしたときの解像度をさします。画素数が多くなるほど解像度は向上します。
じっくりと低ISO感度で撮影することの多い、風景写真や昆虫や植物、商品の物撮りなど寄りの撮影をする人には、高画素度型のフルサイズ判カメラがおすすめです。
「高感度型」(ISO~で表記)
高感度型は一般にイメージセンサーの性能が高いモデルをさし、被写体照度が低い暗めの環境でも、光をたっぷりと受けることができます。
デメリットとして、その副作用で輝度ノイズやカラーノイズなどの減少が発生しやすくなります。ただし、これは高感度型の宿命でもあるので、じゅうぶんな光量のない室内や夜に速いシャッタースピードで撮影する機会が多い人には、高感度型のフルサイズ判カメラを選ぶのがよいでしょう。
【3】機能で選ぶ
最近の一眼レフカメラの性能はすぐれたモノが多いので、機能も多くついていると思いますが、そのなかでもチェックしていただきたい機能をご紹介します。
有効画素数をチェック
解像度に大きく影響するのが「有効画素数」で、画素数が高いほど細かな部分まで写しだせます。フルサイズの一眼レフは、2000万画素以上のモデルが多いです。なかには5000万画素を超えるハイスペックなモデルもあります。
ただ、画素数が高いと手ブレが発生しやすくなったり高価になったりしますので、目的に合ったモノを選びましょう。
AF性能と連写性能をチェック
ピントを自動で合わせられる機能「AF(オートフォーカス)」。スポーツ観戦や野鳥観察などに行かれることが多い方は、AF性能と連写性能を確認しておきましょう。動きの速い被写体を撮る場合は、AF性能がいいモデルが適しています。連写速度は製品によって異なりますので、メーカーや製品詳細でチェックしてください。
また、タテ・ヨコの動きを捉えやすい高機能な「クロスセンサー」の数が多いモデルだと、被写体の動きを高速でしっかり捉えることができるので、こちらもチェックしておきましょう。
【4】サイズや重さをチェックする
フルサイズ一眼レフは、800〜1000g前後の重さが一般的。持ち運ぶ想定をきちんとして購入しなければ、重さや大きさで扱いづらく感じて、使うのが億劫になってしまうことも。
外出先で使うことが多いと思いますので、重さやサイズは必ずチェックをしましょう。とくに初心者や女性は、手軽に撮影できる軽量モデルを選びましょう。
フルサイズ一眼レフカメラおすすめ13選 【キヤノン・ニコン・ソニー・ペンタックス】
ここからは、フルサイズ一眼レフの選び方のポイントをふまえて、写真家・カメラ評論家の田中希美男さんと編集部が厳選したおすすめ商品をご紹介します。
フルサイズ一眼レフは高価ですが、そのぶん長く愛用できるカメラですので、それぞれの特徴や違いを踏まえてお気に入りの商品を選んでみてください。
フルサイズ一眼レフカメラはメーカーごとに紹介していきますので、ぜひ最後まで見てみてください。
【キヤノン】おすすめ6選
まずは、キヤノンのおすすめ商品からご紹介します。ポートレートがきれいに撮れる製品など、いろいろ厳選してご紹介します。
ディテールに迫る描写力!
デュアルピクセルCMOS AFを搭載した、約3250万画素APS-CサイズCMOSセンサーを採用。自社開発・自社生産したAPS-Cサイズで3000万画素を超えるセンサーで、高画素化と高速読み出し性能を実現しました。
野鳥やアスリートの動きや、走る電車などの質感までをも高画素センサーならではの緻密さで描写しています。映像エンジンDIGIC 8を搭載しているので、大容量データを高速かつ高画質な画像に変換します。
空気感、臨場感まで描写する、ハイエンドモデル
EOS 5Dシリーズの中でもハイエンドモデルとなるカメラです。映像エンジン「DIGIC6+」や進化したCMOSセンサーなどにより、高画質を提供します。動画も4K対応になるなど、隙のないモデルに仕上がっています。
防塵防滴仕様なので野外撮影が多い人にも人気です。ハイアマチュアはもちろん、プロユースにも最適な製品です。

丈夫なカメラを買うなら世界最高級のフルサイズ一眼
キヤノン一眼レフEOSシリーズのフラッグシップ機。報道、スポーツや野生動物など、悪条件で撮影する機会の多いプロカメラマンのために企画・開発された機種です。ニコンのD5と並んで世界最高級の一眼レフカメラと言ってもいいでしょう。
光学ファインダーを覗きながら最高約14コマ/秒で撮影が可能で、ミラー振動制御システムによりシャッターショックを大幅に軽減させています。また、ミラーアップしたライブビュー撮影では最高16コマ/秒の高速連写も可能。最高感度はISO409600まで設定可能です。
各種撮影モードも、実にきめ細かく設定できます。重くても大きくてもいいから、多少乱暴に扱っても壊れず確実に撮影が続けられるカメラを希望する人にはなくてはならない機種のひとつ。「立派なカメラですねえ」と褒められたい人にもおすすめのカメラです。
Canon(キヤノン)『EOS R6 Mark II』

安い価格で初心者でもお手軽に!小さくて軽い入門機
現行のキヤノンのフルサイズ判一眼レフシリーズのなかではもっとも低価格な機種で、EOSシリーズ、フルサイズ判、低価格、軽量の4条件を満たす一眼レフカメラです。
ミラーレスカメラの小型軽量さにはおよびませんが、フルサイズ判一眼レフとしては小さく(幅は約14センチ)軽量(バッテリー込みで約750グラム)。このカメラボディに小型軽量なズームレンズと組み合わせればAPS-C判一眼レフ並のカメラとして使えます。
撮影機能も性能もじゅうぶんです。液晶モニターはバリアングル式なので自撮りもできますし、BluetoothとWi-Fiも内蔵しているので、撮った写真をすぐスマホや携帯に送れるのもポイント。できるだけ低価格なフルサイズ判一眼を探しているなら、このカメラがおすすめ。
【ニコン】おすすめ5選
続いては、ニコンのおすすめ商品をご紹介します。雄大な景色も鮮明に写せる製品などをご紹介!

人気と実力で評価の高いフルサイズ一眼レフ
ニコンのフルサイズ判一眼レフのなかでD5が別格とすれば、D850がシリーズでは人気・実力ともにトップ。たいへん評判のいいカメラで、世界中で数々の賞を受けています。
画質、操作性、機能、信頼性のどれをとっても高得点が与えられる完成度の高いカメラです。画素数も4575万画素、最高感度はISO25600、最高約7コマ/秒の高速連写などすぐれたパフォーマンスを備えています。
もしD850の魅力をひとつだけあげるならば、私は迷わず「ネガフィルムデジタイズ」の機能を推します。黒白フィルムやネガカラーフィルムを実に容易かつスピーディーに高画素のデジタル画像に変換するもので、他社のカメラにはこんな便利な機能をもったカメラは一台もありません。私はその機能があるがためにD850を入手してしまったぐらいです。そんな機能は必要ないという人でも、このカメラは「性能充実実力派」なのでおすすめしたい逸品です。
ニコン史上最強のAF性能と高速連続撮影
D6はニコンのフラッグシップにあたるモデルです。表現力が高い圧倒的な画質を提供する「EXPEED 6」や、前モデルから大きく進化したAF性能など、過酷な撮影条件のなかでも、カメラマンが狙った通りの写真が撮影できます。
最新の画像処理エンジンEXPEED 6により、撮影後のレタッチなしでもメディアへの掲載が可能な高い画像品質を提供することができます。プロが期待する写真を忠実に再現できる製品です。
【ソニー】おすすめ1選
続いては、ソニーのおすすめ商品です。参考にしてみてください。

ひと味違ったカメラがほしい人向き
このα9 ILCE-9は、一見すると一眼レフのようなスタイルですが、厳密に言えば一眼レフカメラのカテゴリーには入りません。従来の概念で言えば、一眼レフは可動ミラーとペンタプリズム、そして光学ファインダーを備えたカメラということになりますが、α9 ILCE-9のミラーは固定式、ペンタプリズムも光学ファインダーも備わっていません。
α9 ILCE-9は、トランスルーセントミラーテクノロジーという、ソニー独自の機構を備えた一眼レフカメラであり、ミラーは半透明になっていて、レンズを通ってミラーに届いた像は撮像センサーとカメラ上部にある電子ビューファインダー機構の方向に二分されます。
大きなミラーが稼動しないのでミラーショックがないという利点のほか、旧ミノルタカメラ時代からの一眼レフカメラ用の交換レンズがそっくりそのまま使えるという利点もあり、他人とはひと味違ったカメラを使いたい、持ちたいという人におすすめ。
【ペンタックス】おすすめ1選
一眼レフカメラの最後は、ペンタックスの商品です。アウトドアでの星空撮影に最適な一台です。

古いレンズも使えるフルサイズ一眼レフ
ペンタックスにとって、フルサイズ判一眼レフは長年の夢でした。数年前にペンタックス初のフルサイズ判「K-1」がようやく発売。初のフルサイズ判カメラとしてはたいへんに完成度が高く、ペンタックスの一眼レフらしいこまやかな気配りのされたカメラでした。
そのK-1をベースにして、さらにブラッシュアップされたのがK-1 Mark IIで、高感度の画質がよくなったことのほか、リアルレゾリューションシステムも搭載。これは画素ずらしによる多重露出によって高画質が得られる撮影モードのことです。
従来のK-1では三脚が必須でしたが、K-1 Mark IIでは手持ちでも撮影ができるようになりました。ペンタックスには、フィルムカメラの時代からたくさんの交換レンズがあります。そうした古いレンズでも、新しいレンズと同じように、K-1 Mark IIのボディ内手ぶれ補正を生かして撮影が楽しむことが可能な隠れた名機。
フルサイズミラーレスカメラ7選 【キヤノン・ニコン・ソニー】
ここからは、ミラーレスカメラのご紹介です。一眼レフと比べて各メーカーごとまだ多くのラインナップがでそろっていないのがミラーレス市場ですが、そんななかでもおすすめの商品はあります。ここでは、キヤノン・ニコンなど各メーカーのミラーレスカメラをご紹介します。
おすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする フルサイズ一眼レフの売れ筋をチェック
Yahoo!ショッピングでのフルサイズ一眼レフの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
フルサイズ一眼に関するそのほかのおすすめ記事
最後に|エキスパートのアドバイス
一眼レフ、ミラーレス、フルサイズ判、APS-C判にかかわらず、レンズ交換式カメラにとっては、使用可能なレンズこそもっとも重要かつ必須のシステムアクセサリーです。交換レンズの種類の多さという点では、文句なしにフルサイズ判一眼レフカメラがおすすめ。
フィルムカメラ時代の交換レンズが使えるカメラなら、なおさらレンズバリエーションは広がります。同じ一眼レフカメラでもAPS-C判では交換レンズの種類はだいぶ少なくなりますし、ミラーレスカメラは一眼レフに比べてまだ歴史も浅く、そのぶん交換レンズのバリエーションに物足りないところも。
交換レンズの種類の多さだけでなく、フルサイズ判一眼レフには多種多様なカメラアクセサリー類が充実しています。そうした周辺機器のなかには、撮影目的によっては大変に役立つものもたくさんあります。カメラ本体だけでなく、専用のアクセサリー類がどれだけそろっているかをチェックしておくことも大切です。
◆記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。◆特定商品の広告を行う場合には、商品情報に「PR」表記を記載します。◆「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品スペックは、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。◆記事で紹介する商品の価格やリンク情報は、ECサイトから提供を受けたAPIにより取得しています。データ取得時点の情報のため最新の情報ではない場合があります。◆レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
多摩美術大学付属多摩芸術学園・写真科卒業。撮影分野は、おもにクルマを中心に人、モノ、料理、風景、スナップ、ファッション、ドキュメントなど被写体を問わない。 ほかに、カメラ雑誌などに新型カメラやレンズのテストのレポート、撮影技法などの解説をする。