筆ペンの選び方
それでは、筆ペンを選ぶときのポイントをご紹介します。
【1】穂先のタイプ
【2】インク
【3】太さ
【4】薄墨付属タイプであるか
上記のポイントを押さえることで、あなたに合った商品を見つけることができます。ぜひ参考にしてみてください。
【1】穂先のタイプで選ぶ
筆ペンは、穂先の種類によって「毛筆」「硬筆」「軟筆」の3つのタイプに分かれます。それぞれに特徴がありますので、まずは自分の使いやすい穂先を選んでください。
サインペンに近い書き心地の「硬筆タイプ」
硬筆タイプは、一般的なマーカーペンに近いサイズの小さなペン先チップで、筆風サインペンや筆マーカーなどとも呼ばれています。ペン先に多少しなりがあるので、こちらも筆文字に近い雰囲気が出せます。実際に書き味もマーカーペンに近いですが、ペン先のしなりを使うことで、とめ・はね・はらいを書き分けることができます。
筆と違って筆圧を繊細にコントロールするなどの筆遣いが不要なので、筆に不慣れな人でも気軽に筆風の文字を書けるというのが最大のメリットです。
太さの強弱がつけやすい「軟筆タイプ」
近年とくに注目を集めているのが、軟筆タイプの筆ペン。弾力のある樹脂の穂先で、毛筆と硬筆の中間に当たる存在です。
毛ではなくウレタンなどの樹脂チップを穂先に使っており、樹脂の弾力によって誰でも手軽に筆文字を楽しむことができます。
著名な書道家が監修し、穂先の構造に工夫を凝らした「美文字が書ける筆ペン」なども発売されており、筆ペン初心者でも雰囲気のある筆文字が書けるとして人気です。
筆に近い書き心地の「毛筆タイプ」
そもそも毛筆タイプの筆ペンは、どこでも持ち運べて書ける墨液不要の簡易筆として作られたもの。普通の筆と同じように毛束をまとめたもので、実際に筆に近い文字が書きやすいです。
つまり、書き味も筆に近づけられており、正しい筆遣いをすることで美しい文字を書くことができます。
使うときは、やわらかな軸を指で押すことで軸内のインクを穂先に流し出すのが基本ですが、このインク量の調整にややコツが必要です。
近年では、毛細管現象を用いて、最適な量のインクが穂先に伝わる製品も発売されています。
【2】インクの種類もチェック
筆といえば、墨や墨液をイメージすると思いますが、実際に使われているのはほとんどが筆ペン専用インクです。このインクには顔料インクと染料インクがあり、用途によって使い分ける必要があります。
顔料インクは耐水性・耐光性にすぐれています。たとえば、年賀状などの宛名書きに使うなら、顔料インクを選んでください。
それに対して、染料インクは水に流れてやすいですが、その特性をいかして水筆で筆跡をぼかす水墨画用に人気です。
また、毛筆タイプには、本物の墨液をインクとして内蔵しているものもあり、より実際の筆に近い雰囲気が味わえるようになっています。
【3】太さも忘れず確認して
筆ペンの太さも、「中字」「細字」「太字」など商品により異なります。書きたい文字の太さに合わせた筆ペンを選びましょう。ご祝儀袋やハガキなどの小さなスペースに書く場合は細字、大きな封筒の宛名書きには太字、というように、使用シーンを考えることが大切です。
とはいえ、仕上がりの太さには、筆ペンの穂先の長さや筆のしなり、書く人の筆圧やクセも影響しますから、試しに書いてみて太さを確認できるといいですね。
【4】薄墨付属タイプは弔事のときに便利
筆ペンは、ご祝儀袋や香典といった冠婚葬祭のシーンでも役立ちます。とくに、お通夜やお葬式などの弔事では薄い色の墨を使うのが望ましいとされています。
突然の弔事にも対応できるよう、薄墨が付属していて1本で慶事にも弔事にも使える筆ペンがあると便利です。なお、マナーやしきたりは地域によって異なる場合もあるので確認しておくとよいですよ。
苦手意識を持たずに筆ペンを楽しんで! 専門家からのアドバイス
年に一度、年賀状を書くときくらいしか筆ペンを使わないという人も多いようです。そんな筆ペンに慣れる機会が少ない方なら、マーカーペンに近い感覚の硬筆タイプ、あるいは書きやすい軟筆タイプを使うのがいいでしょう。
無理して毛筆タイプを使うと、思ったように書けず、筆ペン自体に苦手意識を感じてしまうかもしれません。一方、ふだんから筆ペンを使っているなら、やはり毛筆タイプがおすすめ。
より筆らしい文字を書くならこちらに限ります。せっかく筆という筆記具文化のある国に暮らしているのですから、自分に合ったタイプで筆文字を楽しんでほしいです。
筆ペンのおすすめ商品
これまでに紹介した筆ペンの選び方のポイントをふまえて、おすすめ商品を紹介します。硬筆、軟筆、毛筆に分けているので、気になったものから見てみてくださいね。
こちらからすぐチェック!
▼おすすめ2選|サインペンに近い書き心地の「硬筆タイプ」
▼おすすめ3選|筆ペン初心者におすすめの「軟筆タイプ」
▼おすすめ5選|筆に近い書き心地の「毛筆タイプ」
▼おすすめ4選|イラストに便利な「カラーペン」
▼おすすめ2選|「硬筆タイプ」 サインペンに近い書き心地
まずは、筆に不慣れな人でも気軽に筆風の文字を書ける硬筆タイプをご紹介します。繊細な筆圧のコントロールが必要ないのでラクに書けますよ。

ほどよい硬さでより筆文字に近く
もう1本、硬筆でおすすめしたいのがこちらです。小さなペン先チップですが、コシのバランスがよく、より筆文字に近い文字がかんたんに書けるのがポイント。とくに極細タイプのコシは絶品で、普通に書いても細い文字にしっかりメリハリがつきます。
これなら字が上手な人はさらに美文字に、字に自信がない人であっても味のある文字が書けるのではないでしょうか。この書きやすさに惹かれて、ボールペン代わりの日常筆記具として愛用している人もいるほど。手紙などの長い文章もスムーズに筆文字で書ける筆ペンです。
太字も細字もこれ1本!
筆圧により、太くも細くも書くことができる筆ペンです。宛名書きから郵便番号まで、これ1つで丁寧に書くことができますよ。
毛筆ほど書く技術を必要とせず、太字と細字をかき分けられるのが便利ポイント!
▼おすすめ3選|「軟筆タイプ」 筆ペン初心者に
弾力のある樹脂の穂先で、毛筆と硬筆の中間に当たる軟筆タイプの商品を見ていきましょう。初心者でも雰囲気のある筆文字を書けますよ。
柔らかく細い穂先でスラスラと書ける!
柔らかさとコシの強さを兼ね備えた筆致で、すらすらと書きやすい筆ペンです。年賀状や宛名書きなど幅広いシーンで役立ちます。また太さが極細なので、細かい作業にも対応していますよ。
筆圧を必要とせず、きれいな筆文字を書けるのでおすすめです!
軟筆と硬筆のツインタイプ!
筆のように穂先がばらけずに書きやすいのが特徴。筆ペンには珍しいツインタイプで、軟筆と硬筆を使い分けることができます。例えば、軟筆でハガキの宛名などを書き、郵便番号など細かい文字は硬筆で書けばOK!
使い勝手のいいツインタイプの筆ペンを1本持っておくと便利ですよ。

軟筆タイプで流れるような文字が書ける
こちらは、美人すぎる書道家として知られる涼風花氏プロデュースの軟筆筆ペンです。全体的にやわらかめの穂先で、軟筆タイプのなかではもっとも毛筆に近い文字が書けるようになっています。弾力を使って筆圧の強弱がつけやすいので、流れるような文字がかんたんに書け、なにもしていないのに字が数段うまくなったように感じられるはずです。
筆は一般的なペンよりも高いところを持つのがコツですが、「涼風花 ふで和み 中字」は最初から最適な位置がくびれたグリップになっているので、常に正しい位置で持てるようになっているのもポイントです。誰でもスラスラと美文字が書きやすい筆ペンとして、おすすめできます。
▼おすすめ5選|「毛筆タイプ」 筆に近い書き心地
一番筆に近い穂先の毛筆タイプ。筆らしい書き味を求めている方はこちらを選ぶようにしましょう。

インクが自動的に穂先に供給、感動の書き心地
毛筆タイプの筆ペンですが、軸を押さなくても自動的に穂先に墨液インクが供給される画期的な構造を持っています。年賀状などの宛名書きは、枚数が多いと軸を押すだけで手が疲れてしまうこともありますが、「完美王」はそんな心配もありません。
たっぷりめのインクフローで文字のかすれもないので、筆遣いにだけ集中できるのも使いやすいですね。穂先もコシが強めに設定されており、筆圧がコントロールしやすいです。初めて毛筆筆ペンにチャレンジするには最適でしょう。

本物の筆に近い書き心地
ザ・筆ペンといえばこれ! という王道の毛筆筆ペンです。穂先タイプのラインアップが豊富で、コシが強くコントロールしやすい「つみ穂」や、逆にコシを弱めてやわらかな文字が書ける「すき穂」などがそろっています。
どのタイプも本物の筆に近い書き心地が得られることで、筆ペンに慣れている中~上級者にとくに人気です。染料インクはくっきりとした黒で、墨液よりも読みやすい黒々とした文字が書けます。このインクはインクジェット紙にもはじかれずにのるので、インクジェット年賀状に使えるのもポイントです。
水の含みがいい馬毛でできたやわらかい水筆ペン
ナムラの水筆ペンは、水の含みがいい馬毛製が特徴です。水彩画を本格的に楽しみたい、繊細な書き心地を楽しみたいという方に向いた一本でしょう。
先端はしっかり尖っていて細かな表現ができる一方で、軸がやわらかいため少しの力で筆が広がり、色を塗り拡げることも可能です。コンパクト設計なので持ち運びがしやすい点もポイント。
ぼかし、混色などの表現を楽しめる一本
水彩画で使用される筆を採用している本格的な水筆ペンです。水彩鉛筆と組み合わせて使うこともできるので、ぼかし、混色など多彩な表現を楽しむことができます。
使い終わったらわざわざ洗う必要もなく、携帯性もバツグンです。水の補充はスポイトのように吸い上げるか、水道から注ぐだけなのでとてもかんたんです。
水彩を楽しむなら持っておきたい一本
しなりのよい筆先で思い通りの表現ができる水筆ペンです。こちらは小タイプですが、ほかに中タイプ、携帯性にすぐれたミニタイプも販売されています。
力の入れ具合で水の出る量をコントロールでき、筆先がやわらかいのでやさしいタッチの仕上がりになります。
▼おすすめ4選|「カラーペン」 イラストに便利
イラストにも使えるカラータイプの筆ペン。年賀状のアレンジに使えば、華やかな印象を与えられますよ! ここでは「カラーの発色のよさ」に着目したカラータイプの筆ペンを紹介します。
細いペン先で細かい表現が可能
先が細いタイプのカラー筆ペンです。細いペン先なので細かい表現も自由自在! 文字が書きやすいようにできています。
年賀状などでワンポイント色を変えたい、イラストを入れたいときなどに重宝するでしょう。12色揃ったセット商品で、基本的な色はすべてカバーしています。水でぼかせば水彩画風のタッチも再現できるので、表現が一気に広がりますよ!
色の組み合わせで多彩な表現が可能
カラーバリエーションが豊富な18色セットの商品です。2色を組み合わせることでグラデーションを表現したり、水をつけて濃淡を表現したりすることが可能。ほかに、金と銀もついてくる20色セットもあります。年賀状に使いやすそうですね。
穂先が強いナイロン繊維のため耐久性にすぐれており、使っていっても毛先がバラけにくいのが特徴です。
ウォーターブラシも一緒になったお得なセット
こちらは20色のインクと1本のウォーターブラシがセットになったカラー筆ペンセットです。自分で絵葉書を作るのもよし、カラフルな年賀状を作るのもよし。ソフトでなめらかな書き心地で、筆圧によって多彩な線を引くことができます。
かわいらしい収納ケースもついているので、持ち歩いて使いやすいのもうれしいポイント。
イラストをたくさん書くならこちら
呉竹からもうひとつご紹介。こちらも12色セットのカラー筆ペンですが、イラストに適したタイプです。イラスト多めの年賀状を書く場合などにおすすめです。
やわらかい筆先なので、筆圧を変えるだけでベタ塗りから細い線を引くのもかんたんですし、水彩画のようなタッチも自由自在です。
「筆ペン」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 筆ペンの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの筆ペンの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
筆ペンに関するQ&A
ここでは、筆ペンにありがちな疑問をQ&A形式で解説していきます。
筆ペンの正しい持ち方・書き方とは?
筆ペンはペンを持つときよりも人差し指を垂直気味に引き込み、親指と中指を添えてやや立たせた状態で持ちます。こうすることで筆先の筆圧をコントロールしやすくなります。
また、書くときは姿勢も大切。背筋をピンと伸ばし、足は広げて、机とお腹には握りこぶしひとつ分の隙間を開けて座ります。その状態で、腕はハの字に、穂先は45度を意識して書くことが基本。次第に筆先をコントロールできるようになりますよ。
文字を書く以外にも使い道はある?
筆ペンは、冠婚葬祭のときや、年賀状の宛名書きなどで使われますね。ボールペンなどと違い、筆で書いたような味わい深い線を書くことができます。
そんな筆ペンですが、文字を書く以外にもさまざまな使い方があります。絵手紙や水彩画などのイラストにもぴったり。筆ペンなら、グラデーションもつくりやすいです。黒だけではなく、カラーのついた筆ペンも販売されているので、カラフルなイラストも書けますよ。
他のペンもチェック!
筆ペンなら手紙や年賀状がビシっと書ける!
紹介したとおり、筆ペンは穂先のタイプが「毛筆」「硬筆」「軟筆」の3種類があります。筆ペンの扱いに慣れている方は毛筆タイプを選んでみてください。もっと手軽に筆ペンに親しみたい場合は、硬筆、軟筆タイプでもじゅうぶんに筆ペンの表現を楽しめますよ。
また、用途に合わせてカラーインク、水彩画を気軽に頼める水筆ペンなども検討してみるとよいでしょう。ぜひ自分に合う筆ペンを探してみてくださいね。
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最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。 極端な悪筆と工作下手がコンプレックスゆえに自分を助けてくれる便利な文房具を探し求め続けており、その活動の結果得られた情報を雑誌・WEBなどの媒体で公開している。 文房具に関する著書多数。近著には『この10年でいちばん重要な文房具はこれだ決定会議』(共著 スモール出版)がある。