『ぺんてる筆ペン』を実際に購入して使ってみました!
筆ペンといえば筆文字が書きやすいサインペンのような文具で、「ご祝儀袋や年賀状のタイミングでしか使わない」というイメージの人も多いかもしれません。ですが、書道や絵画を趣味にしている人など、ふだんから毛筆に触れている人のなかには「本物の毛筆のような書き心地の筆ペンがほしい」と希望する人もいるのではないでしょうか。
そんな人にぜひ体感してほしい筆ペンが『ぺんてる筆ペン』です。独自の技術で作られたナイロン製のペン先が、まるで本物の毛筆のような書き心地を実現しています。また、インクの色は墨汁に近い発色で、仕上がりも墨汁を使って書いたように見えるのもメリットです。
毛筆に触れる機会が多い人にとってうれしい『ぺんてる筆ペン』ですが、本当に毛筆と同じような書き心地なのか気になりますよね。今回はその疑問に向き合うため、『ぺんてる筆ペン』を実際に購入して検証してみました。
『ぺんてる筆ペン』はどんな筆ペン? 公式サイトの情報などを調査
『ぺんてる筆ペン』はサインペンやボールペン、クレヨンや絵具などの文具を扱う「ぺんてる」が販売している筆ペンです。「ぺんてる」は1946年創業の歴史ある会社のため、世代に限らず社名を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
『ぺんてる筆ペン』のラインナップは全部で6種類あります。「太字」「中字」「極細」と太さで選べる3種類と、「和紙用」「つみ穂」「すき穂」という目的にあわせて選べる3種類です。
公式HPには「高品質のナイロン毛を一本一本細く処理し、毛筆のなめらかな書き心地を実現」と書かれています。今回は「太字」「中字」「極細」の3種類を購入し、その書き心地が本当かどうか検証してみました。
『ぺんてる筆ペン』の口コミや評判は? SNSやECサイトでの評価を調査
『ぺんてる筆ペン』についての口コミ・評判を探してみたところ、やはり毛筆を扱う機会が多い人の意見が多く寄せられていました。
ふだんから筆文字で手紙を書く人、絵画や写経を趣味にしている人、仕事で使う人など幅広い意見に注目してメリット・デメリットに注目してみます。
『ぺんてる筆ペン』のよい口コミ
『ぺんてる筆ペン』は本物の毛筆のような書き心地が魅力、という声が多く寄せられていました。さらにインクも墨汁に似た発色のため、本物の墨汁と毛筆で書いたように仕上がるのも好評を得ているポイントのようです。
また、本物の墨汁と毛筆を使うと洗浄や乾燥など片づけに手間がかかりますが、『ぺんてる筆ペン』は片づけの手間がかかりません。そのため気軽に使いやすいという意見も見受けられました。
そして『ぺんてる筆ペン』はインクのカートリッジ交換が可能なので、長く使えてコスパがいいという声も。なかには何年も同じものを使い続けているという愛用者もいました。
『ぺんてる筆ペン』のイマイチな口コミ
『ぺんてる筆ペン』は本物の毛筆のような書き心地のため、逆にふだんから毛筆に慣れていない人にとっては扱いづらいペン先です。そのため、筆ペン初心者からは文字が書きにくいという意見が出ていました。
一方、毛筆に慣れている上級者からは書き心地の評判はよかったものの、軸が太めで持ちづらかったり、ペン先が割れやすいという体験から評価が下がってしまった人もいるようです。
また、ペン先に出すインクの量が調整しづらいという口コミも。インクが適量より少ない場合、書いてる途中で文字がかすれてしまうようです。ほかにもインクに関しては、紙ににじみやすい一面もあるとのことでした。
『ぺんてる筆ペン』を実際に使用したレビュー&感想 検証レビュー
それでは実際に『ぺんてる筆ペン』を使ってみた感想をお伝えしていきます。今回購入したのは「太字」「中字」「極細」の3種類です。
使用前の準備を整える
ケースから取り出した状態。太字はグリーン、中字はゴールド(キャップはブラック)、極細はライトブルーで色分けされています。
開封時はまだペン先にインクが染みていません。赤いリングを取り外してから再度差し込むことで、ペン先にインクが染み込むようになります。
ケースの裏面に使用方法が書かれていますので、迷うことはありません。
インクの出し方も裏面の説明書きに書かれているので、図のとおりにインクを染み込ませていきます。
インクを染み込ませるとペン先が黒くなってきます。
ただし強く押しすぎると、写真のようにインクがペン先のわきからあふれ出てしまうので注意しましょう。
『ぺんてる筆ペン』はペン先にインクが染みていない状態でケースに入っています。そのため開封時は上記の写真のようにインクをまず染み込ませる作業が必要です。
やり方はケース裏の説明書きに書かれているとおり、ペン先を逆ネジ方向にまわして分解し、赤いリングを取ってから元にもどすだけでOKです。
そのあとはペン先を下に向け、カートリッジの軸をゆっくり押しながらインクを染み込ませていきます。強く押しても染み込む速度が早くなるわけではなく、逆にインク漏れを起こす原因になってしまうため、適度な力で何度かくりかえして押すのがコツです。
ペン先の使い心地は?
まずはペン先に注目。長さは極細が1.1cmほど、中字が1.4cmほど、太字が1.8cmほどでした。
写真は極細のペン先。本物の毛筆のようにしなやかです。中字や太字も同じような質感となっています。
左から極細・中字・太字の順に「とめ・はね・はらい」がわかりやすい「永」の文字を書きました。一番上が1.5cmほどの文字幅、一番下が3.0~3.5cmほどの文字幅です。
左から極細・中字・太字の順で、今度はひらがなを。文字幅は1.0~1.5cmほどです。
画用紙に書いてみたところ、ペン先は本物の毛筆のようなしなやかさが! 公式HPによるとナイロン毛を独自の技術で細く加工しているそうですが、まさに本物の毛筆のような書き心地を体感できました。
ペン先は太さだけでなく長さもそれぞれ違うため、各自の趣味や目的にあわせてタイプを選ぶことで満足度が高くなりやすいことが推測されます。
ちなみに筆者が使った実感としてキレイに書きやすかった文字幅は、極細は1.0~1.5cmほど、中字は1.0~2.0cmほど、太字は1.5~3.0cmほどでした。
インクの出方や速乾性を検証
インクの出方を調べるため〇を描いてみることに。極細の場合は0.5秒ごと・1秒ごとで写真のような変化が。
中字、太字でも0.5秒ごと・1秒ごとで〇を描いてみました。
画用紙に〇を描いてインクのかすれ具合を検証してみることにしました。まず1秒ごとに〇を描いた場合、3種類ともインクのかすれがほとんど気になりませんでした。
そこで次は0.5秒ごとに早めて検証しました。すると太字は後半までかすれは見受けられなかったものの、極細・中字は途中でかすれが出てきました。おそらく、ペン先の大きさによるインクの含みの量が影響していると推測されます。
このように連続して早くかく場合は多少のかすれが出てくる可能性はあるようです。ただし、適度な速度で文字や線をかく場合は、ペン先にインクが適度に染み込みつづけ、かすれにくいことがわかりました。
今度はインクの速乾性を検証します。最初に太さは極細を、用紙は画用紙を使用して10秒ごとに指で払ってみました。
すると写真のように60秒が経過しても乾かず、用紙が汚れてしまいました……。念のため中字・太字でも実験をしてみましたが、結果は同じです。むしろ太字になるほど一度に出るインクの量が多くなるため、余計に乾きが遅くなりました。
一般的なノート紙にも書いて検証します。左から極細、中字、太字の順です。さきほどの乾き具合とは違い、今度はすべて10秒ほどで乾きました。
にじみやすさも検証しました。ノート紙に左から極細、中字、太字の順で書いています。
インク乾きは用紙に左右されるところがあるので、ノート紙でも検証してみました。すると画用紙とは打って変わって、すべての太さで10秒ほどで乾くという結果に。『ぺんてる筆ペン』は使う用紙によって速乾性が大幅に左右されることがわかりました。
あわせて、にじみ具合もチェックします。画用紙に書いたときは裏側のにじみは見られませんでしたが、ノート紙の場合はインクの出が良くなる部分や、太字で書いた場合は若干のにじみが出るようでした。
『ぺんてる筆ペン』は手紙や絵画、俳句や写経など幅広い用途に使いやすい書き心地ですが、インク乾きやにじみ具合が用紙によって変わりやすいようです。そのため、事前に使う用紙との相性もチェックしておく必要があるのではないかと感じました。
サイズ感やキャップの収まりをチェック
キャップはペンの後ろに収納できるので、紛失の心配が少なく済みます。
ただし、キャップ内部についたインクが移ってしまうため、インク汚れに注意が必要です。
ティッシュで拭き取ってみると、やはりインクがついていました。インクの出が少ない極細は汚れが少ないものの、インクの出がいい中字や太字は汚れがつきやすい傾向が。
『ぺんてる筆ペン』のキャップは太さによって色が違うので、一目でわかりやすいのがポイントです。ペンの後ろに収納できるので、紛失しにくく安心できます。
ただし、キャップを何度かペンのうしろに収納したあと、ふたたび筆をにぎると手にインク汚れがついてしまいました。どうやらキャップ内部についたインクがそのままペンに移り、手に汚れを与えてしまったようです……。
手を汚したくない人やペンケースの汚れを防ぎたい人は、ペンの後ろにキャップ収納はせずに使った方が無難ではないかと感じました。
軸の太さは、一番太い部分ですべて1.2cmほどでした。
長さはキャップを閉じた状態で17.7cmほどでした。
『ぺんてる筆ペン』は上記の写真で計測したように軸の太さが1.2cmほどなので、日ごろから細い軸の毛筆や筆ペンを使っている人にとっては違和感がある可能性があります。
とくに極細の場合、本物の毛筆であれば軸の直径が0.5cm前後の品も多く出回っているため、個人によって使いやすさが分かれるかもしれません。
ですが太い軸の毛筆や筆ペンに慣れていたり、違和感があっても使っているうちに慣れることができれば、問題なく使える範囲内だと感じました。
サイズ | 軸径13×全長175mm |
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インクタイプ | 水性染料 |
インクカラー | 黒 |
サイズ | 軸径13×全長175mm |
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インクタイプ | 水性染料 |
インクカラー | 黒 |
サイズ | 軸径13×全長175mm |
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インクタイプ | 水性染料 |
インクカラー | 黒 |
サイズ | 軸径13×全長175mm |
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インクタイプ | 水性染料 |
インクカラー | 黒 |
サイズ | 軸径13×全長175mm |
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インクタイプ | 水性染料 |
インクカラー | 黒 |
サイズ | 軸径13×全長175mm |
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インクタイプ | 水性染料 |
インクカラー | 黒 |
『ぺんてる筆ペン』を実際に使ってみてわかったこと 総合評価:2.8点
ぺんてる 筆ペンを試した感想をチャートにしてみました。
ペン先のコシ:3
デザイン:3
持ちやすさ:3
かすれにくさ:3
速乾性:2
※執筆者の主観を数値化したものです。
『ぺんてる筆ペン』の書き心地を検証した結果、口コミどおり本物の毛筆に近い使い心地であることがわかりました。極細に関しては本物の毛筆よりもやわらかさを感じるほどのしなやかで、中字や太字はしなやかさのなかにコシも感じられるペン先です。
また、『ぺんてる筆ペン』のインクはカートリッジ交換が可能で、1本の筆ペンを繰り返し使えるためコスパのよさも感じられます。6種類のバリエーションすべて共通のカートリッジなので、違う太さのものを数本持っていても同じカートリッジで交換できるのも便利です。
ひとつだけ注意が必要だと思ったのは、インクの扱い方。用紙によって速乾性やにじみ具合が変化するので、使いたい用紙との相性も確認するのが大切だと感じました。また、キャップについたインクも手や用紙を汚しやすいので、使うたびに拭き取ったりなど適切に扱っていくといいでしょう。
本物の毛筆や墨汁を使うと後片づけが面倒ですが、『ぺんてる筆ペン』ならその手間も省けるメリットがあります。本格的な筆ペンをお探しの人は、ぜひこの『ぺんてる筆ペン』の書き心地を体感してみてください!
吸収性がよくかすれやすい和紙でもキレイにかけるよう、インク吐出量が多めになるよう調整されています。
サイズ | 軸径13×全長175mm |
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インクタイプ | 水性染料 |
インクカラー | 黒 |
サイズ | 軸径13×全長175mm |
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インクタイプ | 水性染料 |
インクカラー | 黒 |
穂先の毛を詰み先端部のコシをやや強めにすることで、毛筆初心者にも使いやすいように調整されています。
サイズ | 軸径13×全長175mm |
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インクタイプ | 水性染料 |
インクカラー | 黒 |
サイズ | 軸径13×全長175mm |
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インクタイプ | 水性染料 |
インクカラー | 黒 |
穂先をすいてコシを弱めにし、かなや草書体などの流麗な文字に適するよう調整されています。
サイズ | 軸径13×全長175mm |
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インクタイプ | 水性染料 |
インクカラー | 黒 |
サイズ | 軸径13×全長175mm |
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インクタイプ | 水性染料 |
インクカラー | 黒 |
サイズ | 幅12×奥行17×全長136mm |
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インクタイプ | 水性顔料 |
インクカラー | 黒 |
サイズ | 幅12×奥行17×全長136mm |
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インクタイプ | 水性顔料 |
インクカラー | 黒 |
サイズ | 幅13×奥行12×全長172mm |
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インクタイプ | 水性染料 |
インクカラー | 黒 |
サイズ | 幅13×奥行12×全長172mm |
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インクタイプ | 水性染料 |
インクカラー | 黒 |
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