初心者向けテントの選び方のポイント アウトドアライターが伝授!
アウトドアライターの高橋庄太郎さんに、初心者向けテントを選ぶときのポイントを6つ教えてもらいました。
初心者でも簡単に設営できる「自立型」
山岳/アウトドアライター&プロデューサー
市販のテントも大半は自立型
テントには、ポール(フレーム)とインナーテント(テント本体)を組み合わせるだけで立体化するタイプ(自立型)、ポールとインナーテントを組み合わせたうえで、さらにペグ(地面に固定する杭)を何本もしっかりと打たないと立体的にならないタイプ(非自立型)があります。
後者はテント設営に手間がかかり、それなりの知識と技術も必要です。初心者は設営方法が難しくない「自立型」を選びましょう。
細かく説明すると、実際には自立型もペグを打たないと完全には安定しないのですが、非自立型に比べれば圧倒的に失敗が減ります。市販されているテントも大半が誰もが使いやすい自立型で、小さなドームのような形状をしています。
BIG AGNES(ビッグアグネス)『コッパースプールHV UL2』
完全自立で初心者でもカンタンに設営が可能。
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山岳/アウトドアライター&プロデューサー
アクティビティによって使い分ける
テントには、クルマを使うオートキャンプ向け、自転車やバイクによるツーリング向け、自分の足で荷物を運ぶ登山向けなどの種類があり、本来はアクティビティによって使い分けが必要です。
しかし、これまでにテント泊をしたことがない初心者の方は、まずキャンプ場で一晩を過ごすだけでも大きな楽しみになるはず。テント泊に慣れるに従って、いずれは自分好みのアクティビティにもっと合うテントが欲しくなるかもしれませんが、ここでは「最初の一つ」として、何かと汎用性が高く長く使えるタイプのテントを見つけましょう。
悪天候でも過ごしやすい「ダブルウォール」
山岳/アウトドアライター&プロデューサー
初心者はまずダブルウォール
現代のテントの大半は、インナーテントの上に雨除けのフライシートをかけて、庇(ひさし)および屋根代わりにしています。インナーテントとフライシートでテント内外の壁が二重になり、これを「ダブルウォール」タイプといいます。
それに対し、インナーテント自体に防水性を持たせてフライシートを省略したものが「シングルウォール」タイプです。ただ、庇(ひさし)がないのでテント内に雨水が入りやすくなり、使用には相当な慣れが必要です。
したがって、初心者が選ぶべきは「ダブルウォール」タイプ。雨が多い日本では、少しくらい設営に時間がかかっても雨に強いダブルウォールが安心です。
ARAI TENT(アライテント)『オニドーム2』
広い「前室」でスペースを有効活用。
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山岳/アウトドアライター&プロデューサー
登山向けテントは軽量性、耐久性、コスパに優れる
例えば同じ2人用テントでも、数千円で買えるものから10万円近いものまで、テントの価格帯は幅広く設定されています。安価なものの特徴は、素材が粗末で壊れやすいか、非常に重いこと。耐久性の低いテントは初心者ですと壊しやすく、重いテントは持ち運ぶのに体力を使います。
その点、「登山向け」のテントは軽量性と耐久性のバランスがよく、しかも構造がシンプルなので誰でも設営しやすいと、いいことづくめです。価格は3~5万円程度が多くなりますが、持ち運びやすく、壊れにくいので長く使えます。
経験を積んだ後にほかのテントを買ったとしても、サブテントとして活躍してくれます。
初心者は出入り口が長辺のものを
山岳/アウトドアライター&プロデューサー
奥にある荷物が取り出しやすい
「自立型」「ダブルウォール」「登山用」といったキーワードに比べれば、「好み」の面が強くなるのが出入り口の向きです。
一般的な長方形型のテントの場合、出入り口は短い辺か長い辺のどちらかにありますが、初心者でも使いやすいのは「短辺」ではなく「長辺」に入口があるタイプ。長辺のほうが出入り口が大きく、テントの奥にもすぐ手が届きます。
一方、短辺にある出入り口は小さくなりがちで、テントの奥に入れたものが取り出しにくくなるのです。初心者は居住性が高い「入口が長辺」のテントを選ぶといいでしょう。
BIG AGNES(ビッグアグネス)『コッパースプールHV UL2(THVFLY217)』
長辺に出入り口があり、テントの奥にも手が届く。
>> Amazonで詳細を見るメッシュ素材で夏のキャンプも快適に
山岳/アウトドアライター&プロデューサー
メッシュ+ベンチレーター搭載だとより◎
初心者がテント泊に挑戦するのは、真冬ではなく、気候がいい春から秋、とくに夏が多いことでしょう。しかし日本は蒸し暑く、夏は太陽が出てくるとテント内が蒸し風呂のようになり、暑くて眠れなくなることは珍しくありません。
この問題を和らげるために、インナーテントのどこかにメッシュ素材が使われている、通気性がいいものを選びましょう。換気をうながすベンチレーターがついているタイプは、さらに外気を取り入れられ、高温による不快感を減らせます。
初心者向けテント6選 アウトドアライターが徹底解説!
上で紹介した初心者向けテントの選び方のポイントをふまえて、アウトドアライターの高橋庄太郎さんに選んでもらったおすすめ商品を紹介します。

THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)『トーラス2(NV21705)』






















出典:Amazon
重さ | 約2.0kg |
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サイズ | 幅132×奥行220×高さ101cm |
収容人数 | 2人 |

Marmot(マーモット)『カタリスト2P(M6A-S2791)』

出典:Amazon
重さ | 約2.13kg |
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サイズ | 幅224×奥行135×高さ109cm |
収容人数 | 2人 |
テント内の壁が立ち上がり、広い内部空間に
ポールを2本クロスさせ、そこにインナーテントのフックをかけて立体化するという形状。それだけでは、単なるドーム型になって天井部分以外は低くなり居住性が落ちてしまいます。
しかし、このテントはさらに短めのポールを出入り口付近に取り付けることで、テント内の壁を垂直気味に立ち上げ、内部を広く保つことができる仕組みになっています。テント内のスペースに余裕を持たせたい方におすすめです。
また、インナーテントは長辺の壁がメッシュ地で、短辺の壁は普通の布地。風向きによって設営の向きを変えれば、風を効率よく取り入れたり、反対に冷風を遮(さえぎ)ってくれます。

ARAI TENT(アライテント)『オニドーム2』












出典:Amazon
重さ | 1.48kg |
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サイズ | 幅166(最大240)×奥行157(就寝部115)×高さ98cm |
収容人数 | 2人 |

NEMO Equipment(ニーモ・イクイップメント)『アトム2P』

出典:Amazon
重さ | 1.58kg |
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サイズ | 幅130×奥行213×高さ112cm |
収容人数 | 2人 |

MSR(エムエスアール)『ゾイック2(37002)』














出典:Amazon
重さ | 約2.0kg |
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サイズ | 幅137×奥行223×高さ100cm |
収容人数 | 2人 |

BIG AGNES(ビッグアグネス)『コッパースプールHV UL2』








出典:Amazon
重さ | min/1.3kg、max/1.47kg |
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サイズ | 幅107×奥行224×高さ104cm |
収容人数 | 2人 |
初心者でも手軽に、長く使えるテントを アウトドアライターからアドバイス
山岳/アウトドアライター&プロデューサー
購入前にレンタルで試すのもいい方法
今回、ご紹介したテントは初心者が使いやすいものですが、初心者専用というわけではありません。なぜならば、経験を積むごとにシンプルで手軽に使えるベーシックなテントに立ち戻るアウトドア愛好者も多いからです。
これらのテントは、購入者がベテランの域に達したときでも相棒として活躍してくれるかもしれません。初心者でも安価なもので済ませず、ある程度の予算をかけたほうが長い目で見てお得になるでしょう。
また、購入前にレンタルで試してみるのも一つの手です。今回はすべて2人用をピックアップしましたが、収容人数違いで展開するモデルも多いので、チェックしてみてください。
4〜6人程度の初心者向けテント4選 編集部がさらに紹介! ファミリーキャンプにもぴったり!
ある程度の人数が入れて組み立てもカンタンなテントは、家族でのちょっとしたキャンプにぴったりです。
WholeEarth(ホールアース)『EARTH DOME 270Ⅲ』










出典:Amazon
重さ | (約)8kg |
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サイズ | (約)幅290×奥行480×高さ170cm |
収容人数 | 4~5人 |
FIELDOOR(フィールドア)『ヘキサゴンテント』


















出典:Amazon
重さ | (約)4.9kg |
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サイズ | (約)幅305×奥行240×高さ145cm |
収容人数 | 5人 |
Coleman(コールマン)『タフワイドドーム IV/300』












出典:Amazon
重さ | (約)10.6kg |
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サイズ | (約)幅300×奥行300×高さ185cm |
収容人数 | 4~6人 |
snow peak(スノーピーク)『アメニティドームL』










出典:Amazon
重さ | 9.8kg |
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サイズ | 幅540×奥行310×高さ165cm |
収容人数 | 6人 |
ツールームタイプの初心者向けテント3選 編集部がさらに紹介! 寝室&リビングで広がる可能性!
ツールームタイプのテントは、寝る場所だけでなくリビングルームを作ることができます。
ogawa(オガワ)『ヴィガス』














出典:Amazon
重さ | 9kg |
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サイズ | 幅356×奥行258×高さ192cm |
収容人数 | 2~3人 |
snow peak(スノーピーク)『トルテュ ライト』




























出典:Amazon
重さ | 15.8kg |
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サイズ | 幅580×奥行360×高さ205cm |
収容人数 | 4人 |
LOGOS(ロゴス)『グランベーシック エアマジック リビングハウス WXL-AI』








出典:Amazon
重さ | (約)28kg |
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サイズ | (約)幅630×奥行380×高さ215cm |
収容人数 | ー |
おすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする テントの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのテントの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
初心者向けテントについて6つのポイントをおさらい
1)テントには自立型と非自立型がある
2)初心者はポール(フレーム)とインナーテント(テント本体)を組み合わせるだけの自立型
3)インナーテントとフライシートのダブルウォールなら悪天候でも過ごしやすい
4)価格よりもスペックを大切にするとよい
5)居住性が高い「入口が長辺」のテントがよい
6)メッシュ素材なら通気性もよく、夏のアウトドアでも快適
まずはテントの特徴や機能をよく知って、理解を深めてください。そして、設営方法と機能性のバランスを考えながら、初心者にも優しいテントを見つけてみましょう!
【関連記事】ブランド別のテントもチェック!
キャンプ用テントをいろいろ見るならこちら。
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※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※マイナビおすすめナビでは常に情報の更新に努めておりますが、記事は掲載・更新時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。修正の必要に気付かれた場合は、ぜひ、記事の下「お問い合わせはこちら」からお知らせください。(掲載:マイナビおすすめナビ編集部)
※2020/3/12 関連記事追加のため記事を更新しました。(マイナビおすすめナビ編集部 成田晴香)
1970年宮城県仙台市出身。高校山岳部で山歩きを始め、早稲田大学卒業後は出版社に勤務。 その後、フリーランスのライターに。著書に『山道具 選び方、使い方』(枻出版社)、『テント泊登山の基本』(山と渓谷社)などがあり、近年はテレビ番組やイベントへの出演も増えている。また、アウトドアメーカー各社とのコラボレーションを行なう自身のブランド「SCREES」を立ち上げ、製品開発にも取り組んでいる。