子どもの成長に寄りそう絵本選びを
大人になった今でも、子どものころに読み聞かせてもらった絵本の内容をハッキリ覚えている方も少なくないはず。お子さんにも、そんな心に残る絵本を選んであげたいですよね。
はじめて絵本を購入する際は「いつから読み始めるといい?」「なかなか読まない場合はどうすれば?」「絵本を読み聞かせる効果はあるの?」など、さまざまな疑問を感じることも多いでしょう。
いつから絵本を読み始めるのかはお子さんによっても違います。なかなか読まないというお子さんもいれば、すぐに興味をもつお子さんも。大切なのは、お子さんの年齢や成長にあわせて興味のひく絵本を選んであげることです。
子どもは年齢とともに、ことば・こころ・からだが発達し、絵本とのかかわり方も変わっていきます。失敗しないためにも、絵本の選び方を押さえておきましょう。
今すぐおすすめの絵本が知りたい方は、こちらからチェックしてください!
絵本のおすすめ20選【0歳~1歳向け】 読み聞かせにピッタリ!
それでは、絵本専門士の柴田 香さんと編集部が選ぶ、おすすめの絵本を対象年齢別にご紹介!
まずは、0歳~1歳児の赤ちゃんにおすすめの絵本から紹介します。擬音を使った言葉や、リズムがよく読み聞かせて楽しい絵本を選んであげましょう。

ページをめくる楽しみがある絵本
親子向け参加型絵本としても人気が高い1冊。ページをめくるといろんな動物が「ぴょーん」とはねながら物語が展開します。こんなものや、あんなものも「ぴょーん」とするなんて……という意外性もあります。
「次はなにがぴょーんと飛ぶかな?」など、子どもと声を掛け合って読み進めていっても楽しめるはずです。ぜひ親子、兄弟、友だちみんなと「ぴょーん」をして笑ってみてください。

リズムで楽しく遊べるにらめっこ絵本
めくる楽しみといえばこちらも外せません!「わらったらまけよ、あっぷっぷ」のわらべうたのリズムで楽しく遊べる1冊。にらめっこ遊びになじみのない方でも、思わず一緒にいろいろな表情をしてみたくなります。
赤ちゃんから幅広い世代に「にらめっこ絵本」の定番として長く親しまれているのも納得! 個人的にはラストのひとこともポイントです。

声に出して心地いい絵本
『もこ もこもこ』の魅力は、なんといっても「声に出したときの感じ」ではないかと思います。「しーん」としたところから「もこっ」と出てきて擬音とともにどんどん成長していく様子は、大人の想像を超えて子どもたちに響くものがあるのではないでしょうか。
はじめはどう読んでいいか戸惑うかもしれませんが、繰り返すうちにその人のもつ「リズム」のようなものが生まれてきます。読む方それぞれのリズムを楽しむのもまた面白いですよ。

人気のこぐまちゃんえほんシリーズ
シンプルな形、ハッキリとした色使い、生活に密着したストーリーで、赤ちゃんのときから楽しめるこぐまちゃんえほんシリーズ。
なかでも『しろくまちゃんのほっとけーき』はホットケーキをつくる作業、焼きあげていく音、大好きな人と食べる楽しみなど、子どもたちの好きな要素がたくさん含まれています。そこから発展して一緒にホットケーキをつくる活動にも応用できる人気の1冊です。
くり返しが楽しい! 大人気ロングセラー
日本初の赤ちゃん向け絵本です。かわいい動物たちが次々出てきて、「いないいないばあ」という、赤ちゃんの大好きなフレーズが繰り返されます。
くり返しの楽しさに加え、読んであげるとくに「いないいな~い」と引っ張ってから「ばあ」というと、赤ちゃんは大喜び! 読み手も楽しくなる、元気が出る絵本です。
0歳の赤ちゃんも大喜び! 出産祝いやプレゼントに
変幻自在なだるまさんのコミカルな動きや表情が楽しい絵本『だるまさんが』『だるまさんの』『だるまさんと』の3冊セット。かわいい特製ケースに入っているので、出産祝いのプレゼントとしても人気です。
読み聞かせ用に大型絵本もおすすめです。
面白い絵本といえばこれ! 楽しい赤ちゃん絵本
発売以来220万部のロングベストセラー絵本です。楽しげでシンプルな絵と「みず じゃあじゃあじゃあ」といったリズミカルなことばで赤ちゃんを夢中にさせます。
音から物を認識させる知育絵本としても人気です。
思わずくっつきたくなっちゃう!
金魚、ゾウ、サルなど、いろいろな生きものが、ページをめくると「くっついた」のくり返し。鼻や手、口、ほっぺたなどをくっつけるだけのシンプルで楽しい絵本。
最後のページには、赤ちゃんも大人もきっとニコニコ笑顔になります。
科学的な研究から生まれた赤ちゃん絵本
東京大学の「あかちゃん学絵本プロジェクト」がさまざまな実験を通してたどりついた「色」「音」「形」を盛り込んだ絵本。この「もいもい」というキャラクターを見せると、赤ちゃんが泣きやみ、視線がくぎづけになると評判です。
同様に作られた『うるしー』『モイモイとキーリー』『もいもい どこどこ?』もあります。『もいもい』と『うるしー』は手のひらサイズのボードブックもあるので、おでかけのお供にもおすすめです。
おやすみ前の読み聞かせに最適
屋根の上のネコたちが見上げる静かな夜の空にまんまるのおつきさま。黒い雲がやってきて、おつきさまが隠れてしまうけれど…。やさしい絵と話しかけるようなお話で穏やかな気持ちになります。
ストーリーを理解するようになるのは1歳以降ですが、やわらかいタッチの絵なので、0歳の赤ちゃんにもぜひ読み聞かせてあげてください。
ダイナミックな楽しいしかけが魅力
亀山達矢さんと中川敦子さんのユニット「tupera tupera(ツペラツペラ)」による赤ちゃん絵本。グラフィカルなイラストで描かれたにんじんやじゃがいもなどの野菜がユーモアたっぷりに次々と現れます。
ページをめくるたびにワクワクさせてくれますよ! 読み聞かせ用に大型絵本もあります。
ゲームのキャラ赤ちゃんを笑顔に⁉ プレゼントにも
日本のコンピューターRPG(ロールプレイングゲーム)『ドラゴンクエスト』に登場するスライムがさまざまな形に変化して登場します。
乳幼児行動研究者の監修のもと作られた絵本で、単純な形のスライムの動きやカラフルな色使いが赤ちゃんの心をとらえ、笑顔にしてくれます。はじめての絵本、贈り物としてもおすすめです。
はじめての絵本におすすめ
2カ月児でも判別しやすいコントラストの強い配色で描かれた赤ちゃん向けの絵本です。赤ちゃんは、「黒」「白」「赤」といったはっきりした色、目と口のある「かお」「しましま」や「ぐるぐる」といった単純な反復した絵に興味を示します。
その特性にぴったりな内容で、『いっしょにあそぼ』シリーズの1冊です。
絵本のおすすめ22選【2歳~3歳向け】 長く愛されるベストセラーも!
続いて、2歳~3歳児におすすめの絵本を紹介します。分かりやすくシンプルなストーリーを楽しめる絵本を中心に紹介するので、きっと楽しんでもらえるはず! ぜひチェックしてみてください。

のりものやどうぶつに興味が出てきた幼稚園児に
「のりもの」や「どうぶつ」に興味が出てきた子どもと読みたい1冊。うららちゃんが乗っている電車には駅に停まるたびにいろいろな動物が乗ってきます。くり返しのリズムが楽しく、わくわくしながら次の展開を楽しむことができます。
お話し会向きの大型絵本や、ポケットサイズのおでかけ絵本としてのサイズもあり、場面や用途に合わせて使い分けられるのも大きな魅力です。

絵と文が一致していて読み進めやすい絵本
1965年初版のロングセラー絵本。寒い冬に森に落ちていた手袋のなかにどんどん動物たちが増えていくおはなし。ていねいに絵と文が一致して描かれているからこそ、読者は物語の世界を存分に楽しむことができるでしょう。
エウゲーニー・Ⅿ・ラチョフの絵からはウクライナの冬の空気感がしっかりと伝わってきて想像力が膨らみます。

レオ=レオニ作品のはじめての1冊としてもおすすめ
『スイミー』は子どものころに教科書に出てきた! ということでなじみのある親御さんも多いと思います。ひとつひとつの場面展開に適切な絵と文が配置されていることによって、物語に臨場感が生まれています。
文のボリュームにも緩急がついていて、大切なところはじっくりと味わえる工夫がなされているのもポイントです。
子どもの好奇心といたずら心を刺激する絵本
押しちゃダメなんだけど、押しちゃいなよ! とモンスターのラリーが語りかけてきます。ダメといわれるとやりたくなる、そんな心理を突いた絵本です。
押したあと起こる出来事に、子どもたちは大喜びします。大人をも笑顔にする内容なので、子どもたちと一緒に読んで楽しんでください。
春に読みたい綺麗で美しい絵本
14ひきのねずみファミリーの大人気シリーズの1冊。
このシリーズはどれも美しい絵と心温まるお話ですが、このピクニックのお話は、春を迎えた森や野山、動植物の生き生きとした姿がねずみたちの視点で描かれていて、大人も子どももワクワクします。
世界中で愛される超ロングセラー絵本
お料理することと食べることが大好きな野ねずみのぐりとぐらがある日大きな卵を見つけて……リズムにのせて読みたくなる文章とたくさん出てくる生きものたちのやさしい表情がとても魅力的な絵本です。
読み聞かせでも常に人気があり、子どもたちをニコニコ笑顔にしてくれます。
絵本のおすすめ19選【4歳~5歳向け】 子どもも大人も楽しめる!
続いて、4歳~5歳児におすすめの絵本を紹介します。子どもが自分でも読めて、ストーリーがおもしろいものを中心に厳選したので、ぜひチェックしてみてください。

「たべもの」に興味が出てきたら
「たべもの」に興味が出てくる子どもたちに手に取ってもらいたいのが『からすのパンやさん』です。絵本の中盤でたくさんのパンが並ぶ場面は圧巻です。1973年の初版ですが、いま手に取っても古さをまったく感じさせない普遍的なおもしろさがあります。からすたちの表情にも注目してください。
「そばやさん」「おかしやさん」「やおやさん」「てんぷらやさん」の続編もあるので、シリーズとして楽しむこともできます。

だじゃれが楽しい47都道府県を紹介する絵本
「いいかげんにしがけん(滋賀県)」「きょういちにちひまねけん(島根県)」など、47都道府県をだじゃれで紹介! だじゃれで47都道府県を紹介する絵本というコンセプトのもと、各地域の特産品などもしっかり書き込まれているところもポイント。
長谷川作品のほかのキャラクターや、ほかの絵本作家さんの登場人物も隠れています。さまざまなキャラクターを探すのも、また別の楽しみがありそうです。

少し大きい子向けのおすすめシリーズ
「こぐまのくんちゃん」と、その両親とのかかわりを物語の軸として、四季折々の生活が淡い色合いであたたかい絵とともに展開されていきます。
『くんちゃんのはじめてのがっこう』は就学をひかえた子どもたちと一緒に読むことが多い絵本です。毎年くんちゃんに自分を引き寄せて物語を味わう子どもたちの姿が見られ、ほほえましく感じています。
「絵本」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 絵本の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの絵本の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
年齢に合わせた絵本の選び方は?
年齢に合わせた絵本の基本的な選び方は以下を参考にしてみてください。
【0歳児】色かたちがはっきりしたリズムのよい絵本を
【1歳児】動物や食べものが出てくる絵本を
【2歳児】シンプルで分かりやすい物語の絵本を
【3歳児】少しずつストーリーが楽しめる絵本を
【4~5歳児】自分で読めてストーリーがおもしろい絵本を
上記のポイントをおさえると、子どもが喜んでくれる絵本を見つけることができますよ。一つひとつ解説していきます。
【0歳児】色かたちがはっきりしたリズムのよい絵本を
0歳の赤ちゃんには言葉の意味をとらえたり、絵がなにかをハッキリと認識することはできません。しかし、おもしろい擬音やリズムのある言葉には反応を示し、絵に関しても興味をもちはじめるころです。
動物の鳴き声や生活にかかわる擬音、リズミカルな文章、画面いっぱいにはっきりとした色とかたちで絵が描かれた絵本を選ぶといいでしょう。
【1歳児】動物や食べものが出てくる絵本を
1歳の赤ちゃんはまだまだストーリーを理解するのはむずかしいころ。身近な言葉を覚えはじめる時期であり、その手助けとなるような絵本を選びましょう。たとえば、動物や食べもの、乗りものなど、子どもにとって身近なものが描かれている絵本がいいでしょう。
絵本を一緒に見ながら、「じゃあ、これはなにかな?」と呼びかけ、子どもがなにか反応を返したときに「そう、ワンワンだね」というようなやり取りを繰り返すことで、少しずつ語彙の獲得につながっていきます。
【2歳児】シンプルで分かりやすい物語の絵本を
2歳になると少しずつストーリーを理解しはじめます。内容がわかりやすく、起承転結のある作品がベターです。また、「しつけ・マナーを学べる絵本」や「物語を楽しめる絵本」を選んで読んであげるのもいいでしょう。
なかなかじっとしていてくれない時期ですが、子どもは絵本のキャラクターと近い目線でストーリーと向き合い、その感情を身体で表現しようとします。想像力を豊かにしたり、しつけを学ばせたりするためのツールとして絵本を選んであげましょう。
【3歳児】少しずつストーリーが楽しめる絵本を
3歳のころには少しだけむずかしいストーリーでも楽しめるようになってきます。絵本の登場人物をとりまくできごとにくり返しが多く、説明とセリフが半分ずつくらいの絵本を選んであげるといいでしょう。
はじめからストーリーが長い絵本を選ぶのではなく、少しずつページ数と文字数を増やしていくのがポイントです。絵本のなかで繰り返される一定のやり取りと何度も向き合うことで、子どもの集中力が自然と鍛えられていきます。
【4~5歳児】自分で読めてストーリーがおもしろい絵本を
4歳の子どもはある程度の言葉を覚え、感動できるものなど複雑なストーリーでも楽しめるようになってきます。ひらがなで書かれていてストーリーがおもしろく、子どもが自分でも読める絵本を選んであげてください。
子どもの様子を見ながら、少しずつストーリーが長いものに変えていくことをお試しください。語彙力をつけるためにも、新しい言葉と出会う機会を、絵本をとおしてつくってあげましょう。
絵本専門士に聞く絵本の選び方
絵本専門士の柴田 香さんに、絵本を選ぶときのポイントについてお伺いしました。絵本選びに迷ってしまう方は、こちらもぜひ参考にしてくださいね。
絵と文が一致しているものから選ぶ
子どもがスムーズに読み進められる絵本を
絵本は基本的には「絵」と「文」で構成されている読みものです。「絵」と「おはなし」の部分が合致して展開していくと、聞き手は違和感なくスムーズに絵本の世界を理解できると思います。
とくに物語絵本の場合は、1ページにたくさんの場面が詰め込まれたりしているものよりは、描かれている「絵」にきちんと合った「文」がついているもののほうがおすすめです。
声に出して心地いいものを選ぶ
声に出して読んでみるのがポイント
絵本の文章は、その絵本のもつ魅力を最大限に引き出せるよう、こまやかな心配りがなされています。たくさんの絵本を読むなかで、自分に「しっくりくる」ものや、「いい本だけれどもなんとなく自分には合わない」ものが出てくると思います。
しっくりくるものは、自分と気が合う相性がいい絵本。ぜひ、たくさんの絵本を手に取ってみて、声に出して心地いいものを選んでください。リズムがあったり、言葉遊びの絵本はテンポもよく、声に出して楽しめるジャンルのひとつです。
めくる楽しみがあるものを選ぶ
子どもがワクワクしながら読み進められる本を選んで
「絵本」の大きな魅力のひとつは「ページをめくる」というところにあります。
「次はどうなるのだろう?」とドキドキしながら次のページに進むときの期待感をはじめ、想像どおりの展開に安心したり、いい意味で裏をかかれてビックリしたりと、子どもたちは1冊の絵本からさまざまな感情を学びます。このめくる楽しみを味わってもらえると、ぐっと絵本がおもしろくなると思います。
いま興味があるものから選ぶ
子どもの興味関心に合った本がベスト
たとえば、食べることに興味があれば「食べもの」の本、乗りものに興味が出てきたら「乗りもの」の本など、子どもの発達や成長に合わせて、いま一番興味のあるテーマの絵本を手渡してあげるのもひとつの方法です。
興味があることを子どもたちはどんどん吸収します。そこからごっこ遊びがはじまったり、実際につくってみたりなど、遊びの幅もぐんと広がり会話も弾んでいくことでしょう。
シリーズものや作家さんから選ぶ
「続きの1冊」への架け橋となる絵本を
シリーズ展開されているおはなしは、そこから次のおはなしへスムーズに広げていけます。魅力的な絵本はもちろん1冊で読んでもおもしろいのですが、子どもたちが興味があるようであれば、ぜひ「続きの1冊」を手渡してあげてほしいと思います。
「シリーズ」と似ていますが、「好きな作家さん」のほかの作品にあたってみるのも選び方のひとつです。同じ作者であってもテイストがちがったり、絵のタッチがちがったりとさまざまな面で楽しむことができます。
歴代の絵本大賞を参考に
迷ったら、歴代の「絵本大賞」受賞作品から選ぶのも手です。絵本大賞とは、絵本のプロや読者が選ぶ絵本の総選挙のこと。MOE絵本屋さん大賞、リブロ絵本大賞、ようちえん絵本大賞など、毎年さまざまな絵本大賞が開催されています。
受賞した作品は、子どもだけでなく大人も引き込まれてしまうストーリーや、読み聞かせの際に子どもの反応がいい作品が多いので失敗する可能性が低いです。
さまざまな絵本が受賞しているので、気になったらチェックしてみるといいでしょう。
・『りんごかもしれない(ヨシタケ シンスケ)』…MOE絵本屋さん大賞1位(2013年)、第4回リブロ絵本大賞2位、第5回ようちえん絵本大賞
・『なきごえバス(えがしら みちこ)』…MOE絵本屋さん大賞・パパママ部門1位(2016年) など。
大小さまざまあるサイズを確認
一般的なサイズの絵本は、持ち運びがラクで扱いやすく、テンポよくページをめくりたい内容のときなどにおすすめです。大型絵本は世界感が伝わりやすく、ダイナミズムを感じてもらいたい内容向き。子どもの人数が多いときなど、絵が見えやすいので喜ばれます。ただし、意外とページをめくるのが難しいので、助手の方をお願いしておくと安心です。
たとえば、『スイミー ちいさなかしこいさかなのはなし』は、一般的なサイズでの読み聞かせでも人気ですが、大型絵本の場合、美しい海の描写や迫力がより伝わりやすいでしょう。
厚紙・ボール紙・布など材質で選ぶ
材質から絵本を選ぶことも大切です。ふたり以上の子どもがいるご家庭では、上の子が使っていたものを下の子にも使いたい場面が出てくるかと思います。絵本は子どもが取り扱うため、丈夫につくられていないとすぐダメになってしまうことも多いもの。濡れたり、汚れたりといったことは日常茶飯事です。
長く使いたいのであれば、厚紙が使われている絵本を選ぶのも手。ボール紙で製本されている分厚い丈夫なものや、コーティングで汚れにくいものもあるので、絵本を選ぶ際は「丈夫か? 長もちしそうか?」といった素材で選ぶのもひとつの方法です。最近では、赤ちゃんが舐めたりかじったりしても破れない布絵本も注目されています。洗濯可能なものが多く、汚れても洗うことができます。
長く読み継がれているロングセラーから選ぶ
絵本は、年間で1,000冊以上出版されています。そんな膨大な絵本のなかで、「どれを選べばいいのかわからない!」と悩んでしまう方は、ご自身が子どものころに読んだ記憶のある絵本を選ぶのもいいでしょう。
『ぐりとぐら』や『はらぺこあおむし』など、昔から人気があって親しまれ続けている絵本には、それ相応の「大切なメッセージ」が詰まっているものです。
図書館で支持されているものから選ぶ
公立図書館などで推薦されている絵本は、子どもにとって大切なことを学べるものが厳選されており、子どもの成長に合わせて絵本を選べます。司書や読み聞かせなどをおこなっているボランティアの方が選んだ絵本が並んでいることもあるので参考にしましょう。
また、子どもと一緒に図書館にいき、子ども自身に絵本を選ばせるのもいいでしょう。気になったものを何冊か借りてみて、お子さんが気に入れば書店や通販サイトで購入、といった試し読みの場所として活用することもできます。
多くの絵本に触れて自分の「好き」を大切に 絵本専門士からのアドバイス
いろいろな絵本からお気に入りの一冊を探して
よくいろいろなところで「どんな絵本を選んだらいいかわからない」と質問を受けることがあります。いろいろなポイントをあげましたが、最終的には読み手自身が「好き」なものが一番であると感じています。
たくさんの絵本に触れて「これが好き!」という1冊をみつけていただければうれしいです。この記事がその一助となれれば幸いです。
【関連記事】そのほかの絵本のおすすめはこちら
絵本は親子の絆をはぐくんでくれる!
絵本は親と子をつなぐためのツールです。購入する前にはご自身で絵本を一度読んでみて、子どもに読み聞かせをしたときに一緒に楽しめるかどうかを想像してみてください。読み手であるお父さん・お母さんが楽しく読んでいれば、子どもも自然と楽しんでくれます。親子ともに絵本の魅力的な世界を楽しんでみてください。
◆記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。◆特定商品の広告を行う場合には、商品情報に「PR」表記を記載します。◆「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品スペックは、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。◆記事で紹介する商品の価格やリンク情報は、ECサイトから提供を受けたAPIにより取得しています。データ取得時点の情報のため最新の情報ではない場合があります。◆レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
大学卒業後、地元放送局にてリポーター・ディレクターとしてテレビ・ラジオの制作に携わる。 結婚を機に司書となり、公共図書館、大学図書館に勤務し経験を積む。 2016年、独立行政法人国立青少年教育振興機構 第2期絵本専門士に認定(福岡市初)。 2017年、NPOふくおかこどものこころサポート研究所参画、つくるみるかたるカンパニーepon参加。 現在は主に九州エリアを中心に、人と絵本をつなぐフリーランスの「えほんディレクター」として、各種絵本講座・文章執筆・メディア出演などの活動をしている。 熊本県出身、福岡県在住。1978年生まれ。7歳男児、4歳女児の2児の母。