寝る前の読み聞かせはいつから始める? 「子供がなかなか寝ない」と困っている方へ
寝る前に本を読む習慣を取り入れる年齢に、決まりはありません。妊娠中から読み聞かせをする人もいれば、赤ちゃんが音や色に反応するようになる生後3カ月ごろからはじめる人もいます。
だいたい0歳頃から夜の寝かしつけ方法として、絵本の読み聞かせを取り入れる人が多くなっています。毎日の習慣にすると、自然と眠くなる効果も期待できますよ。
言葉がまだ理解できない0歳の赤ちゃんでも、お父さんやお母さんの声を聴くと安眠に繋がるといわれます。自動読み上げアプリなどではなく、実際の声で読み聞かせをしてあげるほうがよいでしょう。
寝かしつけ絵本|0歳・1歳児におすすめ6選
ここからは、おすすめの寝かしつけ絵本を「0歳~1歳児向け」「2歳~4歳向け」「5歳以上向け」に分けてご紹介します。子どもの好みも考えながら、気に入る絵本を見つけてみてください。まずは、0歳~1歳児向けのおすすめ寝かしつけ絵本をご紹介します!
ゆっくり夜の時間が流れていくイラストやストーリーが、寝る前にちょうどいいです。本のなかにある黒猫のシルエットを押してみたり、おつきさまの顔をなでてみたりしながら読んでいます。また、裏表紙にある舌を出したイラストが娘のツボで、大笑いします。実際のおつきさまを見ながら読んであげるのもおすすめですよ。(Sさん/2歳女の子)
やさしいお月さまと一緒に寝よう
夜空にお月さまがあらわれ、屋根の上の黒猫と「こんばんは」とあいさつをするところから物語がはじまります。その後黒雲があらわれお月さまが隠れてしまいますが、黒雲とお月さまがお話をし、黒雲が去ってまたお月さまがあらわれ「こんばんは」とあいさつします。
やわらかいタッチのイラストに、やさしい笑顔のお月さま。親子で眠る前にやさしい気持ちになれる一冊です。
動物たちのマネをして自然に眠れそう
いろんな動物たちの寝転がる様子を描いています。やさしいタッチであたたかさを感じる絵柄にも心が落ち着き、リラックスできそうですね。
動物たちが気持ちよさそうに眠る姿を見ると、自然にウトウトしてくるのではないでしょうか。おやすみ前の読み聞かせにぴったりですね。
動物たちのしかけも楽しめる
原題「Everyone is yawing」という英語絵本の邦語翻訳版の作品です。こぶた、わにさん、こねこちゃん、いろいろな動物が登場し、口の部分を開けてあくびができる仕掛け絵本になっています。
「ねむいみたい、ほらみえるかな?」の言葉と一緒に次々に動物があくびをしていきます。人間の子どもがあくびをする場面では、子どもに一緒に寝るのをうながす言葉がつづられています。寝るのをいやがってしまう子どもの絵本にも向いています。
黒い表紙におばけのお顔、タイトルが「ねないこだれだ」とインパクトある、ちょっぴり怖い絵本です。「くろねこ」や「どろぼう」も登場するので、子どもたちもドキドキしながら見入ってしまいます。なかなか寝られない子も、思わず「早く寝なきゃ!」という気持ちにさせてしまう絵本ですよ。(Sさん/0歳男の子、3歳女の子)
シンプルな絵で子どもに響きやすい
夜の9時、夜中に起きているのはふくろう、くろねこ、どろぼう、そしておばけ。夜中になっても眠っていない子どもを、おばけが連れて行ってしまう物語です。
シンプルな線とあざやかな色彩で作られた物語は、おばけの怖さがダイレクトに伝わります。怖いのにまた読みたくなる、子どもをひきつける絵やストーリーも魅力です。寝るのをいやがる子どもや、なかなか布団に入らない子どもに、就寝をうながす作品としても親しまれています。
おやすみ前に自分のからだにありがとうを伝える絵本
子どものおサルさんがベッドに入ってから、足や腕など体のひとつひとつに「おやすみ」を伝えていく絵本です。走ったり飛びはねたりしてくれた足さんに「おやすみ」、お腹にも「おやすみ」と、自分の体のひとつひとつに「おやすみ」を伝えて自分の体を寝かしつけていくような絵本です。
寝る前に楽しい気持ちが高まりすぎているときも、今日のいろいろなことを振り返っていくうちにゆっくり子どもの体も眠りへと準備が整っていくはず。毎日走り回っている幼児や小学生はもちろん、0歳からでもスキンシップをかねて、絵本に出てくる体の部分をヨシヨシしながら読むのもおすすめです。
リズムと言葉の繰り返しが楽しい!
0歳からおすすめできる1冊。大きさも小さく、まだ腰のすわらないねんねの月齢でも、赤ちゃんの横に寝転がって顔の前に開いて見せやすい小さいサイズの絵本です。
「ぽん」という音でたまごからひよこが生まれ、めんどりになり、またたまごが生まれるという繰り返しと、「ぽん」という擬音語の繰り返しや、ひよこがあるくときの「わんつう」という掛け声がリズミカル。短いながらも、読み終わった後に言葉とリズムがリフレインしやすいので、眠りに誘われやすいようです。
寝かしつけ絵本|2歳・3歳・4歳児におすすめ8選
ここからは、2歳・3歳・4歳児におすすめの寝かしつけ絵本をご紹介します。
車が大好きな子どもにぴったり!
工事現場で1日元気に働いたくるまたちが、眠りにつく物語です。車ごとに眠るためのしたくをはじめ、眠ったくるまたちは夢を見はじめます。
やわらかいタッチでデフォルメしつつも、細部までかきこまれた重機や建設現場のイラストも魅力です。車が大好きな子どもはもちろん、元気に走り回る重機も子どもも夜は休むという気持ちを共感させたい一冊としても向いています。
絵本の冒頭に注意書きがあるのですが、読み聞かせしている大人が先に眠ってしまいそうなくらい、本当に眠気を誘う絵本です。同じような言葉や音が繰り返されているのがここちよいポイントだと思います。ちなみに、今まで50回以上は読んでいますが、その前に必ず寝てしまうので最後まで読めたことがありません(笑)。(Sさん/0歳男の子、3歳女の子)
なかなか眠れない子どもに試したい一冊
シリーズ累計100万部を突破した、読むだけで眠くなる絵本としてベストセラーになっている作品です。主人公のうさぎ、ロジャーを通じて子どもを肯定するような言葉、リラックスできる言葉などがちりばめられています。
心理学的に検証されている絵本のため、寝かしつけに時間がかかる、なかなか眠れない子どもに試したい作品です。
親子で一緒に楽しむことも
45年以上多くの人に愛読されている、ノンタンシリーズの絵本です。夜になっても寝ないノンタンは、ひとりでおにごっこをしてどろだらけになってしまう話です。鮮やかな色遣いとシンプルで親しみのあるノンタンのイラストが楽しめます。
かつて自分もノンタンシリーズを読んだ経験のあるお父さん、お母さんなら親子で楽しむのもよいでしょう。
やさしいイラストとユーモラスな物語
動物園の動物たちにおやすみと言って回る管理人のおじさんと、ゴリラくんをはじめとした動物たちの物語です。いたずら好きのゴリラくんは、おやすみを言ったあとおじさんの鍵の束をこっそり取り、動物のおりをどんどん開けてしまいます。
セリフは「おやすみ」がほとんどで、あたたかみのあるタッチのイラストで物語の内容が理解できるようになっています。ユーモラスな展開のあとは、無事に動物たちは眠りにつきます。親子で楽しい気分で眠れる一冊です。
この本を手に取ったきっかけは、子どものためではなく自分のためでした。かわいい絵とステキな色合いの絵本から「自分を大事にしよう」と伝えられると、心にスッと入ってくる気がします。その日いやなことがあっても前向きに考えられるようになれたらいいなという気持ちから、子どもの寝かしつけにも利用しています。(Fさん/3歳男の子)
じぶんを大切にする方法がわかる絵本
おえかきしているときも、自転車をこいでいるときも、わたしはいつも「わたしといっしょ」だから、わたしはわたしをだいじにするよ、という女の子のブタさん。だから、はみがきもするし、ごはんもたべる、まんまるおなかも、くるくるしっぽもだいすき。誰かのためではなく、自分のために自分を大切にする。まずは自分と仲良くすること。
つい叱ってばかりの子どもにも、寝かしつけの一冊として読むことで、どれだけ大切な存在かを絵本を通して伝えられるはず。子どもの自己肯定感を育む一冊です。3、4歳ごろからの子どもにとくにおすすめです。
「うんとこしょ、どっこいしょ」のリズムのいいかけ声は、一度聞いたら忘れられないフレーズ。友だちと遊んでいるときにも、たびたびマネして遊びはじめます。また、次に助けにくるのはイヌだよ、ネコだよ、と自慢げに教えてくれる姿もかわいいです。眠気を誘う本ではないですが、寝る前でも繰り返し読んで「うんとこしょ、どっこいしょ」と遊び、満足するとしっかり寝てくれます。(Fさん/3歳男の子)
寝かしつけ絵本|5歳児以上におすすめ2選
ここからは、5歳以上の子どもにおすすめの寝かしつけ絵本をご紹介します。
「寝かしつけ絵本」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 絵本の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの絵本の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
寝かしつけ絵本の選び方 赤ちゃん・子どもがよく眠れるように……
ここからは、寝かしつけ絵本の選び方をご紹介します。ポイントは以下です。
【1】子どもの年齢に合わせて
【2】リラックスして眠れる内容のものを
【3】イラストにも注目
ひとつずつみていきましょう。
【1】子どもの年齢に合わせて選ぶ
絵本には、おおよその対象年齢があるものの、必ずしも守らなければいけないものではありません。対象年齢を参考にしつつ、子どもの好みも考えて選びましょう。
0歳児にはリズム感のある分かりやすいもの
まだ言葉を理解できない乳児期の赤ちゃんは、音やあざやかな色に反応します。0歳の子どものための寝かしつけ絵本は、繰り返し表現、擬音などリズム感のある音と、シンプルな線と視認しやすいあざやかな色を使った絵が楽しめる作品を選びましょう。
赤ちゃんにとって、読み聞かせの声と絵が心地よい刺激となります。絵本の内容ではなく、音と絵に注目して選びましょう。
1歳児には擬音が多い絵本で楽しむ
少しずつ言葉を覚えはじめる1歳ごろの子どもには、繰り返し表現やオノマトペのある絵本が向いています。とくに、ゆらゆら、ひらひらなど同じ表現を繰り返すオノマトペは、リズム感もあり1歳の子どももよろこぶでしょう。
ごんごん、どんどんなどの擬音は子守歌のような心地よいリズムも得られます。絵本に出てくるオノマトペや擬音から、絵本を読むと寝るという習慣付けも期待できます。
2歳児にはキャラクターが眠る絵本
自我が芽生えはじめる2歳ごろの子どもは、イヤイヤ期とも呼ばれています。夜寝る時間になっても、布団のなかに入るのをいやがる子どももいるでしょう。一方で、2歳ごろは人のまねをするのが好きな時期でもあります。
キャラクターが寝る内容の寝かしつけ絵本を選ぶと、キャラクターと一緒に布団に入ってくれることも。長いストーリーでは子どもが途中で飽きてしまうことがあるので、短めの内容のものを選ぶのも重要です。
3歳から4歳ごろは短めの物語を
3~4歳ごろは、子どもの自我が芽生え個性が出てくる時期です。なかには絵本が終わらないと眠らないという子どももいます。寝かしつけの時間にぴったりの、短めの話の絵本を選びましょう。目安としては、子どもが集中して話を聞ける5分以内のものが向いています。
3~4歳ごろは、人に共感する気持ちも芽生えてきます。子どもと共通点のある主人公や話の内容を選ぶと、自分と重ねて共感し、ほっとできる子どももいるでしょう。
5歳以上は生活ルールを学べる絵本を
幼稚園や保育園にすでに通っている子どもも多い5歳以上からは、生活リズムが身につけられる絵本を選びましょう。小学生に向けての早寝早起きの習慣付けもふまえ、子どもみずからが進んで早く寝るようになる内容の絵本が向いています。
キャラクターが眠る物語や、就寝するための準備をする物語など、眠りをテーマにした内容の絵本も、子どもが早く寝るようにうながしてくれます。
【2】リラックスして気持ちよく眠れる内容のものを選ぼう
寝かしつけのために読む絵本の内容は、入眠時の感情に大きく影響します。こわい気持ちを残したままだと、大人でも眠りにくくなったり、夢見が悪くなったりしてしまいます。
幼い子どもほど、大人よりも体の状態が感情に左右されるので、楽しい気持ちや、うれしい気持ち、やさしい気持ちになって眠れるものを選びたいものですね。
【3】「寝ること」をイメージできるイラストにも注目
寝かしつけ絵本を選ぶときには、内容や音のリズムはもちろん、絵にも注目してみましょう。子どもの就寝をうながすための絵本選びは、子どもがリラックスして眠りにさそわれる、やさしいタッチのイラストや絵の作品が向いています。
眠たそう、または眠っている子どもや動物の絵、月や星など夜を連想させる絵なども、寝かしつけ絵本にぴったりです。
習慣ができることが一番効果的 エキスパートからのアドバイス
「ねかしつけ」のときに読んでいる絵本は、家庭でも保育園でも、ありとあらゆるものがあります。「これで寝かしつけられそう」という絵本を探すより、子供も大人も好きになれる絵本、そのとき子どもが「これ読んで」と持ってくる絵本がベストなのだと思います。
楽しい気持ち、うれしい気持ち、ワクワクした気持ち、やさしい気持ちで眠れるなら、なおOK!でも、もしかすると、絵本の内容よりも「絵本を読んでもらったら眠る」という習慣ができることが、寝かしつけには一番効果的なのかもしれません。たくさんの絵本時間を楽しんでください。
番外編|お話が動画で楽しめる!
絵本の内容が動画で楽しめる商品を紹介します。
絵本を読み聞かせるとき、照明はどうする? 寝かしつけのやり方アドバイス
寝かしつけのために絵本を読むとき、照明をつけたままがよいか、消したほうがいいか迷う人も多いでしょう。寝かしつけ絵本の読み聞かせは、入眠前の儀式や習慣付けです。絵本を読みながら子どもが寝るわけではないのでライトなどはつけたままで問題ありません。電気を消した状態で絵本を読むのは、視力にも影響が出るため避けましょう。
絵本の読み聞かせが終わり、さあ寝ようというタイミングで電気を消すようにしましょう。
無料で楽しめるアプリも
子どもに合う絵本が分からない、読み聞かせを上手にできるか自信がない、というときには、無料で利用できる絵本アプリを使う方法もあります。絵本や童謡の読み聞かせができる読み聞かせアプリなら、毎日の読み聞かせの習慣付けにも向いています。
絵本や童話の投稿アプリなら、毎日新しい物語を親子で探しながら就寝前の読み聞かせも楽しめます。
そのほかの絵本もチェック! 【関連記事】
親子で楽しめる寝かしつけ絵本を見つけよう
寝かしつけ向けの絵本の選び方と、おすすめ作品を紹介しました。寝かしつけの絵本は、対象となる子どもの年齢や興味のあるものなどによって、適したものは異なります。おやすみ前の楽しい絵本の読み聞かせにつながる作品を選びましょう。
寝かしつけの習慣に絵本を取り入れれば、親子でのふれあいタイムになるだけでなく、子どもも楽しい、やさしい気持ちなどで眠りにつけます。寝るのを嫌がる子や早寝早起きの習慣を身に付けたいときにも、寝かしつけ絵本を取り入れてみましょう。
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元NHK松山放送局キャスター。 現在は、アナウンサーとして司会やナレーションの他、コラムや記事のライティング、音声や映像コンテンツの製作や編集などを行っている。また、絵本セラピスト協会認定絵本セラピストとしても活動中。