『ABT 24色ベーシック』を実際に購入して使ってみました
手書きのイラストや装飾、手帳の書き込みなどで使われるカラーペン。アートはもちろん、ハンドレタリングなどでも大活躍するため、趣味で使う方からプロとして使う方まで幅広く用いられています。
『ABT』は全108色ある水性染料インクのカラーマーカーで、それこそプロからビギナーの方までそれぞれに多彩な表現ができるといわれています。
しかしながら実際に使うには、その色味や、どんな書き味なのか、使い方や塗りやすさはどうなのかなども気になるところ。そこで今回は、『ABT 24色ベーシック』を実際に購入し、色やペンの特徴について検証してみました。
『ABT』とは? 公式サイトの情報などを調査
トンボ鉛筆は日本の老舗企業のひとつ。大正十二年に創立されて以来、鉛筆や消しゴム、のりなどの文具を中心に販売してきた会社です。『ABT』はそんなトンボ鉛筆が1984年に開発したグラフィックマーカー。
しなやかに自在に描けるブラッシュ芯(筆芯)と、こまかいところに使える細芯のツインタイプで、全108色と豊富なラインナップ。水性染料の特性を生かし、混色やグラデーション、ぼかしなどの表現も可能です。
『ABT』の口コミ&評判 SNSやECサイトでの評価は?
気軽にきれいに使えて裏うつりもしない!
口コミで多かったのが、裏うつりもせずきれいに使えるという声でした。とくに手帳やノートに愛用する方が多いようです。
また、サッとかけるかき味についても気に入っている方が多く、満足度が高いようでした。
ほかの水彩ペンに比べると価格が高め
今や100円ショップでも水彩ペンが売っている時代。『ABT』は定価が1本330円(税込み)と、比較的高め。使い切りタイプのペンなので、コスパが良くないと感じる人もいるようです。
『ABT』を実際に使ってみた感想 検証レビュー
今回は『ABT24色ベーシック』を実際に購入してみました。ケース外観から実際の使い方まで確認してみたので、気になる方は参考にしてみてください!
まずは外観! 開けてみた中身もチェック
基本の24色セットでケース入り。ペンが二列に配置され、全体的にスリムなデザインとなっていて自立も可能です。ちなみに左側にデザインされているペンの画像はほぼ実物大でした。
裏面にはペンの特徴のほか、ブレンディングテクニックとしての使い方も! カンタンな内容ではありますが、こうして写真と文で紹介されているとわかりやすさも違いますよね。自分でもやってみたい! と思えるのではないでしょうか。
パッケージを開けてペンを取り出そうとすると、なかには『ABT』のリーフレットも同梱されていました!
リーフレットでは裏面のテクニックをもう少し詳細にした内容や、全108色のカラーラインナップについても解説。とても心強いオマケですね! これを見ながら想像するだけでも楽しそうです。
ペンの種類とデザイン
実際にペンを取り出し、今回セットになっている24本を並べてみました。
基本色として使えそうな23色に加え、カラーレスブレンダーという無色のペンが1本の合計24本です。黒いボディをメインにしたデザインで、中央に書かれている3桁の番号は色番号を示しています。
ペン先はどんな感じ? 書きやすさは?
それではペン先についても確認してみましょう。
フレキシブルファイバーという筆芯と、細めの線が書ける0.8mmのポリエステル芯。見た目からも明らかに異なるツインタイプで、使い分けにも便利そうです。
ということで、実際にそれぞれの書き味をスケッチブックで試してみました。
それぞれ上半分は筆芯、下半分は細芯を使ってみました
筆はしなやかである一方非常にやわらかで、太さや色の調整などは自分の筆圧でコントロールできます。
一方細芯は芯がしっかりしており、安定してきれいな線を書くことが可能。とくに引っ掛かりもなく書きやすい印象です。
セットになっている色はどんな感じ?
次に、今回の24色セットの色味についても見てみましょう。24色のうち、無色のペンを抜いた23色についても、それぞれスケッチブックに書いて比較してみました。
白いスケッチブックのため見づらい色もありますが、どれもきれいな発色に感じました。
色数についてはベーシックセットという名だけあって、基本に使えそうな23色がバランスよく入っているなという印象。これがあれば大体の描きたいものは表現できそうですが、反対に人によってはあまり使わない色も出てきそうです。
カラーレスブレンダーってどう使うの?
『ABT』の特徴とも言える、N00の無色のペン。カラーレスブレンダーとしての使い方について、公式で紹介されている方法で順に見ていきましょう。
まずはぼかしで使ってみました。
赤色を塗ったあと、カラーレスブレンダーでぼかしていく様子
色を置いたうえに、カラーレスブレンダーを塗り、ぼかして色を広げていきます。
ぼかして塗ったもの(左)と塗りつぶしたもの(右)の比較
塗り潰してみたものと比べると、全体的にぼかしがかかっているのがわかります。とてもやわらかな雰囲気で、なかなかペンだけでは出せないタッチになっているのではないでしょうか。
次に、なじませてグラデーションを作る方法もやってみましょう。公式で紹介されている方法では、複数色で書いた境界線をカラーレスブレンダーでなじませるといいとのこと。早速やってみました。
色の境界をカラーレスブレンダーでなじませてみました
境界をぼかすことで色が混じり合い、グラデーションのようになりました。描いた後からでもなじませられるので表現の幅も広がりそうですね。
ただ、正直なところ色やインク量によってはそれなりにムラも生じ、水分によって紙の摩耗も目立ってきます。これも水彩の味わいと思って使うのがちょうどよさそうです。
なお、ぼかしなどでカラーレスブレンダーを使うとインクがついてしまいます。
使った後はインクの色がついてしまいます
数回紙に書けばその分のインクは取れるので、不要な紙などでインクが取れたのを確認してから使うようにしましょう。とくに連続で使用する際や、濃い色のあとに使用するときは要注意です。
クリアファイルを使ったグラデーションって?
公式で紹介されているアレンジ例として、『ABT』はクリアファイルの非吸水面を使ったグラデーションを作る例も2種類紹介されていました。ここではその手法についても実際にやってみます。
ひとつめは、カラーレスブレンダーを使った濃い色から薄い色へのグラデーションです。好きなペンのインクをまずはクリアファイルに出します。
クリアファイルを塗るようにしてインクを出します
そして次に、このインクをカラーレスブレンダーのN00のペンで取ります。
このペンで書くことで、色がグラデーションになるとのことです。
確かにグラデーションになりました! ……ですが、インクの量や色によってグラデーションのニュアンスも変わりやすく、これを自在に調整しようとするのはなかなか大変な気がします。
また、色味によっては何度かN00のペンでインクを取って塗る作業をくり返す必要もありそうです。
続いて、ふたつめの手法についても試していきましょう。今回もまた、まずは好きな色をクリアファイルに出していきます。
次に、最初に出した色より薄い色のペンで、このインクを取ります。
このペンで書くと、これもグラデーションになるとのこと。ひとつめの手法では透明インクだったのに対し、カラーインクで2色のグラデーションを作るということですね。
ということでこちらもグラデーションができましたが、やはり加減やニュアンスの調整は非常に難しそうです……。色はとてもきれいにグラデーションができましたが、使い慣れるには練習が必要でしょう。
これらのことから、今回のクリアファイルのアレンジはどちらも手法としてはカンタンですが、コントロールするとなると慣れるまでは難しいように感じました。また、どちらにしても最初のペンのインクも相当量使う必要があり、ペンの値段のことも考えるとなかなか難しい手法かもしれません。
本体サイズ | 最大幅14×全長190mm |
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カラー | 24色(全108色) |
インクの種類 | 水性染料インク |
本体サイズ | 最大幅14×全長190mm |
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カラー | 24色(全108色) |
インクの種類 | 水性染料インク |
一本で多彩な表現ができる『ABT』 総合評価:4.2点
ABTを試した感想をチャートにしてみました。
発色:5
におい:5
グラデーションのしやすさ:3
ぼかしのしやすさ:4
色数:4
※執筆者の主観を数値化したものです。
全体としてみると発色もきれいで書きやすいマーカーという感想です。今回はベーシックな24色セットを試してみましたが、他にもタイプごとにパステルやボタニカルといったセットが用意されていたりするので、気になる方はそちらもチェックしてみてもいいでしょう。
もしくは、水彩ではなくくっきりとしたカラーマーカーが良い場合は、トゥーマーカープロダクツの『コピック』などの方が向いているかもしれません。
使ってみた一個人としては、気になるにおいや裏うつりもないため、ふだん使いするには『ABT』は充分楽しめるペンだと思います。反対に上級者やアートに使う場合は、テクニックも含めて表現の幅が広がるかもしれませんよ。
本体サイズ | 最大幅14×全長190mm |
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カラー | パステル12色(全108色) |
インクの種類 | 水性染料インク |
本体サイズ | 最大幅14×全長190mm |
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カラー | パステル12色(全108色) |
インクの種類 | 水性染料インク |
本体サイズ | 最大幅14×全長190mm |
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カラー | ボタニカル6色(全108色) |
インクの種類 | 水性染料インク |
本体サイズ | 最大幅14×全長190mm |
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カラー | ボタニカル6色(全108色) |
インクの種類 | 水性染料インク |
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「生活雑貨・日用品」「住まい・DIY」カテゴリー担当。妻と娘が二人で料理をしているのをほほえましく眺めながら、息子と食べる担当になっている30代編集者。あると便利な日用品を買っても使わず、怒られているのは内緒。