ガンダムマーカーってなに?
ガンダムマーカーとは、GSIクレオスのホビー用塗料ブランド「Mr HOBBY」より発売されている、「ガンプラ」の塗装用に開発されたペンタイプの塗料のこと。部分塗装に適した手軽さが高く評価され、長年にわたり多くのラインナップが展開されている人気商品です。
塗料としてのガンダムマーカーの特徴は、乾燥スピードが早い「アルコール系」の塗料であること。塗膜の強度もあり、プラの直接塗ってもしっかりと色が乗ります。コストパフォーマンスも高いため、初めて塗装に挑戦する方の入門用にもおすすめの塗料といえるでしょう。
ガンダムマーカーの選び方
ここからは、ガンダムマーカーを選ぶにあたって意識すべきポイントを紹介していきます。主なポイントは下記の3つです。
【1】ガンダムマーカーの種類で選ぶ
【2】塗装範囲が広ければエアブラシも!
【3】初心者であればセットで購入してみよう
それぞれ解説していきますね。
【1】ガンダムマーカーの種類で選ぶ
ガンダムマーカーは主にスミ入れ用と塗装用、ウェザリング用の三つの種類に分けられます。用途にあったマーカーを選ぶようにしましょう。
スミ入れ用マーカー
ガンプラのモールド(突起やくぼみ)に沿ってラインを入れることで、立体感やメリハリをつける「スミ入れ」という塗装に使用するマーカーです。カラーはブラックやグレー、ブラウンなどがあり、対象となるガンプラの色味に合わせて使い分けます。
また、スミ入れ用マーカーには筆ペンタイプやシャープペンシルタイプなど、ペンとしての形状や構造にもいくつかのタイプがあります。タイプによって無塗装のプラの上に直接使うのに適していたり、塗装を施した上からでも使用できたりとさまざまな特徴があるため、実際の使い方も意識しながら選ぶことをおすすめします。
塗装用マーカー
「塗装用マーカー」とは、主にプラの上に色を塗ることを目的としたマーカーのこと。発光部などの狭い部分を塗るのに便利な細先タイプも存在しており、小さめのプラモデルにも使用が可能です。
カラーとしては赤や青といった基本色のほか、高輝度のメタリックカラーによるワンランク上の表現を可能にしたものも人気です。さらに最近では、下地の色が異なる場合でも発色が綺麗に仕上がる「隠ぺい力」に長けたものなど、特殊な性質を持つカラーも登場しています。
ウェザリング用マーカー
実際の兵器のような汚れや傷を再現し、プラモデルをよりリアルに見せる技法「ウェザリング」。ガンダムマーカーでも、ウェザリングに特化した商品が発売されています。
具体的なやり方としては、つや消しスプレーを吹いたプラモデルにリアルカラーの塗装マーカーで汚しを入れ、特殊なペンを重ね塗りしてブレンディング。何度も同じ手順を繰り返していくことで、より説得力のある重層的なウェザリングが完成します。本来であれば少々上級者向けの手法ですが、ガンダムマーカーを使うことで手軽に挑戦することができるでしょう。
【2】塗装範囲が広ければエアブラシを選択
細かい箇所の塗装に便利なガンダムマーカーですが、広範囲をムラなく塗るのは少々難易度が高く、手間もかかるのが辛いところ。しかし、ガンダムマーカー専用のエアブラシを使用することで、スプレー塗装などに近い仕上がりを簡単に実現できます。
加えて、塗料に関しては市販のマーカーをそのままセットする形をとっているため、カップに塗料を注ぎ込む通常のエアブラシと違って色変えも最小限の労力で行なうことが可能。本体の清掃が必要ないのもうれしいポイントです。
【3】マーカーのセット商品で選ぶ
ガンダムマーカーは単品のもの以外に、作品やテーマごとにまとめられたセット商品も数多く発売されています。多いのは塗装ペンを複数色セットにしたものですが、中にはウェザリングに必要なリアルタッチペンとぼかしペンを同梱したものや、スミ入れペンと消しペンがセットになったものなど、特定のテクニックへの挑戦を後押ししてくれる商品も存在します。
塗装の内容やキットの傾向に合ったものがあれば、そちらを購入してみるのもいいでしょう。
ガンプラをより楽しむためにマーカーを使おう!
特定の色が欲しいといった希望がなければ、まず最初におすすめしたいのは「スミ入れ用マーカー」。
1本持っておくだけで幅広いキットに使用でき、短時間で大幅なディテールアップが見込めます。また、「ウェザリング用マーカー」も比較的手軽に試すことが可能。シンプルな工程ながら、自分なりに工夫を加える塗装の楽しさをしっかりと味わえるはずです!
ガンダムマーカーのおすすめ商品
ここからは実際にガンダムマーカーのおすすめ商品をご紹介していきます。
「塗装用」「スミ入れ用」「ウェザリング用」「エアブラシ」と分けて掲載していますので各商品がすぐに見たい方は、下記のリンクをクリックしてください。
▼塗装用おすすめ4選
▼スミ入れ用おすすめ3選
▼ウェザリング用おすすめ2選
▼エアブラシのおすすめ2選
▼塗装用おすすめ4選
重厚なロボットらしさを、初心者でも手軽に
金属製のメカとしてのモビルスーツの格好よさを演出するなら、メタリック塗装は欠かせない塗装手法の一つ。メタリックマーカーセットなら、ゴールドやシルバーをはじめとした塗るだけで光沢を放つカラー5色が一度に手に入りますよ。
また、メタリック塗装への使用に適したブラックのスミ入れ用筆ペンがついてくるのも大きな魅力。高級感とメリハリのあるキットの制作に簡単に挑戦できる、ステップアップにぴったりなセットです。
上級者もうならせる、究極の金属感
高度な塗装表現を追求した「EXシリーズ」の中でも、単なるメタリック塗装を超えた金属らしさを持つ「メッキ塗装」を、マーカーで塗るだけで実現できる画期的な商品です。一度は廃版になったもののユーザーの熱意がメーカーに届き、リニューアルされて復刻されました。
クリアーコートのスプレーを吹くと曇ってしまうという欠点はありますが、初心者でもすぐにメッキ塗装に挑戦できるのは唯一無二の利点といえます。ガンダムマーカー用のエアブラシを使用すれば、さらに美しい表現が可能となるでしょう。
「ザク」に特化した、統一感のある6色セット
アニメシリーズ第一作に登場する敵「ジオン軍」。その機体の中でも、序盤から登場する「量産型ザクⅡ」「シャア専用ザクⅡ」に使用されるカラーがセットになっています。特に「ザクダークグリーン」「ザクライトグリーン」の2色は、ザクに限らずさまざまなキットにおいてミリタリーらしさの演出に役立つことでしょう。
ラインナップされているカラーはすべてこのセットのために開発された新色であり、ムラのない平滑な塗装面を実現する塗料が用いられているとのこと。これまでのガンダムマーカーにはない、ワンランク上の仕上がりが期待できます。
初めて買うなら、ずっと使える基本セットから
ブルー・レッド・イエロー・ホワイト・ガンメタリックという基本の5色に、グレーのスミ入れペンを同梱したセットです。もっともよく知られるガンダム(RX-78‐2)に用いられるカラーが一通り揃っており、他作品のガンダムのキットにも応用が利く内容となっています。
これからガンダムマーカーを集めたい方や、ガンプラとセットでのプレゼントにも適した商品です。
▼スミ入れ用おすすめ3選
手軽さ重視の、画期的な一品
「流し込みタイプ」のペンでのスミ入れは、インクを筆先に溜めたら、あとはスミ入れしたい溝に押し当てるだけでOK。塗料が漏れたりはみ出た箇所は、別売りの「ガンダムマーカー消しペン」か消しゴムがあればすぐに消すことが可能です。
ただし、流し込みタイプは他の塗料との併用に難があるので注意。下地をはがしてしまうので、メッキ加工が施された限定版キットなどとも相性がよくありません。未塗装の一般的なキットにのみ使用するようにしましょう。
水性塗料ならではの使いやすさが魅力
スミ入れ用マーカーの中でも、ペン先に筆形を採用している点が特徴的なマーカー。もう一つの特徴は、水性の特殊な塗料を用いているため、はみ出した部分などを綿棒で簡単に拭き取れる点にあります。
また、水性インクはガンダムマーカーやガンダムカラーなど、他の塗料で塗装した上からでも使用できるのも非常に便利。初めてスミ入れを行なう初心者から、高度な塗装に挑戦する方まで幅広い層に適した商品です。
こだわりの極細芯で、緻密さを追求
0.3mmの極細芯を使用する、シャープペンタイプのスミ入れペンです。インクタイプのマーカーとは異なり溝からはみ出しにくく、細かい箇所でもミスなく綺麗にスミ入れができる点が強みとなっています。
とはいえシャープペンなので、仮にはみ出しても消しゴムで消せるのがありがたいところ。替芯は別売りされており、入れ替えによって長く使えるコストパフォーマンスの高さも魅力です。
▼ウェザリング用おすすめ2選
汚し塗装への初挑戦に便利なセット
各種リアルカラーのマーカーとぼかしペンという、ガンダムマーカーにおけるウェザリングに必要なペンをセットにした商品です。一つあれば、すぐに幅広いぼかし表現にチャレンジできるでしょう。
ちなみに「セット1」に同梱されたリアルカラーは、ガンプラの中でもガンダムを中心とした「連邦軍」をイメージしたラインナップ。レッド、ブルー、オレンジといった原色に近い色のマーカーを用いて、ヒロイックさを残したウェザリングか可能です。
組み合わせ次第で、より「泥臭い」表現が可能
セット2では、グリーンやブラウンなど「ジオン軍」系のモビルスーツを意識したカラーをラインナップ。セット1動揺、付属のぼかしペンで実在の兵器を思わせるリアルな汚し塗装を試せます。
ウェザリングでは同じ色を重ねるだけでなく、複数の違った色同士を組み合わせてより複雑な汚れを演出するのもテクニックの一つ。セット1と合わせて使用すれば、表現の可能性はさらに広がるはずです。
▼エアブラシのおすすめ2選
必要なものがすべて入ったスターターセット
エアブラシ本体の他に、空気を送り込むエアホース、エア缶、替芯3本などを同梱。あとはガンダムマーカーさえ買えば、エアブラシによる塗装をすぐに体験できるセットです。
充実した内容の一方で、通常のエアブラシと比較しても価格は極めて安価です。エアブラシ自体への入門セットとしてもうってつけの商品といえるでしょう。
使い方によっては、本体のみを買うのもお得
「将来的にマーカー以外のエアブラシ塗装にもチャレンジしたい」とお考えなら、ハンドピースのみの購入がおすすめ。1/8(S)ホースに接続可能なジョイントが付属するため、エアコンプレッサーなどは本格的なものを個別に購入して長く使うことができます。
すでに通常のエアブラシセット一式を持っているという方も、お手持ちの製品と組み合わせてマーカーによるエアブラシ塗装を手軽に試せる本商品。ガンダムマーカーの使い道がさらに広がるはずです。
「ガンダムマーカー」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする ホビー用カラー塗料の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのホビー用カラー塗料の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
気になるガンダムマーカーのFAQ
はじめてガンダムマーカーを使う方や気になる塗り方のコツなどをまとめてみましたのでこちらも是非参考にしてみてください。
ガンダムマーカーを上手く使うコツはありますか?

ガンダムマーカーを使う際は、まず初めにキャップを閉めたまま何回か振りましょう。中でカラカラと音が鳴るのが「攪拌(かくはん)ボール」であり、よく動くように振ることでインクの出がよくなります。
次に、ペン先を紙などに数回押し当ててください。試し書きなどをしてインクで筆先が十分に湿ったのを確認したら、塗装に移るようにしましょう。
ムラができにくい塗り方は?

塗装の際のコツは、最初は必ず縦か横のどちらか一方向にのみペン先を動かすこと。逆方向への塗装は乾燥した後に行なうことで、塗りムラの発生を抑えることができます。
また、ペン先では塗りにくい箇所に関しては、一度皿などにペン先を押し当ててインクを出し、そのインクを別な面相筆などを使って塗るのもいいでしょう。
消しペンは購入したほうが良い?

消しペンは必須アイテムではありませんが、あるととても便利な商品。塗装中に塗料がはみ出してしまった場合でも消しペンを使用することで、不要な部分を溶かして除去することが可能になります。
とはいえ、除去液は溶解力が高く「消しすぎてしまう」ことがよくあるため注意が必要です。細かな部分を除去する際には、液を綿棒などに染み込ませて塗ることをおすすめします。
アルコールでも色を落とせるの?

消しペンがない場合には、同様の性質を持つアルコール系の液体で代用することが可能です。例えば、ドラッグストアなどで販売されている純度の高いエタノールなどでもはみ出した塗料を除去できます。
エタノールを使用する際は綿棒に染み込ませる以外に、折りたたんだティッシュに吸わせて除去したい箇所を軽く叩くといった方法があります。ティッシュは一度使って汚れてもさらに折りたためばまた使用できるため、綿棒を何本も使うより経済的に作業が行なえます。
その他のプラモデルの記事はこちら 【関連記事】
気軽にガンプラの塗装を楽しもう!
ガンダムマーカーのいいところは、スプレーなどによる本格的な塗装にハードルを感じる方でも、塗り絵のような感覚で気軽に塗装の楽しさを体験できるところ。一本ごとの値段も非常に安いため、悩んだらまずは買ってしまうことをおすすめします。
最初はあまり使いこなせなかったマーカーも、たくさんのガンプラを塗装するうち、適した使い方に気づいてうまく活かせるようになるかもしれません。塗装の選択肢を広げるという観点からも、気になったものはぜひどんどん試していってください!
◆記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。◆特定商品の広告を行う場合には、商品情報に「PR」表記を記載します。◆「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品スペックは、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。◆記事で紹介する商品の価格やリンク情報は、ECサイトから提供を受けたAPIにより取得しています。データ取得時点の情報のため最新の情報ではない場合があります。◆レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
仙台在住。大手広告会社を退社後、フリーのライターとして活動を開始。アニメ・特撮・映画・文学・国内外におけるゲーム史・海外のインターネット文化に関して造詣が深く、趣味はプラモデル・ガレージキット制作とフィギュア収集。特にアニメロボットに関する立体物の所持数は1000体以上にのぼり、中にはプレミアにより現在の取引価格が10万円を超えるものもある。