面相筆とは? 日本で古来から使用されてきたアイテム
面相筆とは、細い線を描いたり、こまかなところに色を塗ったりするのに役立ってくれる筆です。細くて、穂先が鋭いタイプの日本で古来から使用されてきたアイテムです。もともとは、人形づくりの職人がつくっている人形の顔に面相を入れるのに使っていたことから、面相筆という名称が定着しました。
今では、こまかい作業が必要ないろいろなシーンで面相筆が使われるようになっています。
面相筆の選び方
まずは面相筆の選び方をチェックしていきましょう。書道師範・ぺんらいとさんのアドバイスもご紹介しています。自分の使い方にぴったりの面相筆を選ぶために参考にしてみてください。
面相筆の毛の種類で選ぶ
面相筆にはさまざまなタイプの毛の素材があります。それぞれの特徴をいかした用途がありますから、毛の種類を吟味するのは大切です。
いろいろな用途に使える「イタチの毛」
セブールとも呼ばれるイタチの毛は、軽くて、水含みがよいので、使い勝手がよくいろいろな用途に使われます。耐久性も高く、リーズナブルなラインナップも多くそろっており、専門的な用途にも、趣味の範囲にでもぴったりです。
イタチ毛のなかでも、テンの毛は、より高い品質のアイテムです。とても弾力性が高く、絵筆としてよい評価を得ています。
弾力性が高く太い線も書ける「タヌキの毛」
タヌキの毛は、ほかの素材よりもより弾力性が高い毛質を持っています。筆跡に筆先の力強さを表現できるようになります。細い面相筆ですが、わりと太い線を描くことも可能で、文字を記すのにも向いていることもポイントのひとつです。
絵と文字を小さな範囲に描く、アーティスティックは絵手紙のようなものを作成するのにとても合っています。
日本画におすすめの「ネコの毛」
ネコの毛は、とてもやわらかいのが大きな特徴のひとつです。また、絵の具や水分を穂先によく含ませることができます。さらに、適度な弾力性も持ち合わせているのもポイント。
日本画のような繊細な表現が必要なときにネコの毛の面相筆がぴったりです。また、うるしのような特殊な画材を塗ることも可能ですから、個性的なアートの表現をしたいようなときにもちょうどよいです。
リーズナブルな価格で手軽な「人工毛」
細い線を描きやすいように開発されたのが、人工毛の素材でつくられている面相筆です。ナイロンなどの素材を筆の毛に加工して、さまざまな毛質の筆を再現し、よりリーズナブルな価格で使えるようになっています。
人工的につくった毛と、動物の毛を混ぜ合わせて、より毛質にコシがあるようになっているアイテムもあり、繊細な筆質のこだわりにもこたえてくれます。
面相筆の穂の種類で選ぶ
面相筆には、いろいろなタイプの穂の形状のものがあります。穂の大きさで、水分の含み具合が変わるので、こだわりのポイントのひとつとなります。
穂の太さをチェック
太いタイプの穂は、たくさんの水分を穂に含むことができます。その特徴を利用して、一度に広範囲を塗れます。広範囲が塗れる面相筆なら、ぼかしのような繊細な表現もパレットからつけ足すことなく一度でできます。
穂先の太さは号数で分類されています。0号が細くて号数が上がると太くなりますが、メーカーによって基準が違うので、購入する際は、実際のサイズをよく確認するようにしましょう。
穂の長さも確認
繊細な細い線を描くときには、穂の長い面相筆を選ぶようにしましょう。穂先が長く鋭いなら、よりこまかな線を描くことができるようになります。また、長さに応じて穂に含ませられる水分の量も多くなります。
穂の長さも号数での分類がなされています。0号が短く号数が上がると長くなります。太さと同じように、メーカーごとに規準が多少異なるので、実際のサイズを確認して購入するとよいでしょう。
面相筆の軸の種類で選ぶ
面相筆の軸は、実際に手で触れるところですから、軸の太さは操作性に直接影響します。穂先をこまかく動かしたい場合は、より細く短い軸の面相筆を選ぶと、筆全体の重量も軽く、筆先を操作しやすいです。
より大きな面を塗る必要があるときには、安定感重視のために、太めの軸を持つ面相筆を選びましょう。筆の安定感があれば、握りやすく疲れにくいので、長時間の作業もこなせるようになります。
使う用途別に筆毛の種類と長さを使い分けましょう 書道師範がアドバイス
動物の面相筆は天然毛ですので、しなやかで塗料などの含みがいいです。動物の種類によって味わいが変わるので目的別に使い分けてもいいです。また、長さや太さによっては、塗料や絵の具を一度含ませるだけでつけ直す間隔が長くなります。
人工毛はコシが強く、溶剤系の塗料でも気兼ねなく使えます。用途別に使い分けて選びましょう。
面相筆のおすすめ12選 タミヤや名村大成堂など
ここからは、おすすめの面相筆を12選ご紹介します。用途に合わせて、使いやすい筆を選んでくださいね。
溶剤に強い人工の毛でさまざまな塗料に対応
ナイロン製の人工毛を職人が独自のノウハウを駆使して手作業で製造している面相筆です。ナイロン製なので、動物の毛より塗料に含まれる溶剤の影響を受けにくく、長くよい状態をたもてます。
穂先を留めているボンドも溶剤に強いタイプのものを使用し、穂先のコンディションをよい状態でキープします。筆運びも、しなやかなコシがある毛質なので、塗りがはかどります。毛が折れ曲がってしまっても、お湯につけることで元の形状に戻せるようになっているのも、魅力のひとつです。
質の高いコリンスキーセーブルを使用した面相筆
プラモデルの塗装の用途に開発されたシリーズの面相筆で、細いタイプのアイテムです。コリンスキーセーブルというイタチの毛の高い品質を誇る素材を用いており、ほどよいコシや、塗料の含みのよさなどが特徴です。
持ちやすくなっている中太サイズの軸もとても使いやすく、こまかい部分を塗る作業も心地よく集中できます。
高い品質のテンの毛を使ったしなやかな弾力の面相筆
イタチの毛に価値の高いテンの毛を混ぜてつくられている面相筆です。テンの毛によって、穂がとてもしなやかで弾力を持つようになっています。まとまりがあって使いやすく、いろいろな用途に用いることができますよ。
軸は茶軸で、細めにデザインされており、ちょうどよくグリップできます。穂先をコントロールしながら、こまかな塗りなどの作業を集中して行ないたいときにおすすめです。
シリコンでできたグリップのホビー用面相筆
人工の毛である化学繊維のPBTを素材に使用した面相筆です。特徴は、シリコンでできた軸。グリップするのに適度な弾力を持っており、とてもよいフィット感があります。持ちやすくなっているだけでなく、使っていても疲れにくいので、作業に集中できます。
人工毛はとてもコシが強く、しっかりとこまかいところを塗ることが可能です。
品質のよいイタチの毛でしなやかな筆運び
イタチの毛を使った面相筆です。しなやかさが特徴のイタチの毛ですから、繊細な塗りをするときにも、作業がとても快適にすすみます。竹製の軸もグリップ力を高めてくれて、持ちやすく、長時間の作業でも集中できるようになっています。
本格的にフィギュアやプラモデルの塗装をたのしんでいる方にぴったりのアイテムです。
穂先のそろいがとてもよい合成樹脂製の面相筆
合成樹脂製の人工毛を使ったプラモデル用の面相筆です。毛質は、コシが強く、穂先がよくそろっているのが特徴。的確に穂をコントロールできるので、繊細なパーツの塗装作業にぴったりのアイテムです。
グリップ部分は、太めにつくられており、安定感があるので、長時間の作業になったとしても、疲れにくくなっています。
いろいろな塗料に対応できる人工毛の面相筆
細い穂の人工毛素材でつくられた面相筆です。絵画の絵の具に使えるというのはもちろんのこと、板金補修のための塗料やペンキ塗りなどにも対応でき、いろいろな塗料に使える筆であるところが大きな特徴。ラッカーやウレタンの塗装にも使えます。
グリップの部分の素材は白樺で、軸を握ったときにしっくりとフィットしてくれますよ。
長めの穂先でこまかな線を美しく描ける面相筆
イタチの毛を素材に使った、穂先のまとまりがよく、コシの強さを味わえる面相筆です。穂の長さが35ミリと、長くなっており、細い線を描いたり、小さな字を書いたりするのにぴったりなアイテムです。
こまかなところに慎重に色を塗る作業にも向いています。穂の長さがあるので、絵の具の含みもよく、作業がはかどります。
こまかな表現が可能なイタチ毛の面相筆
穂の太さがわずか1.5ミリと細いため、こまかな線や字を表現することが可能な面相筆です。穂の長さは13ミリと短めになっていて、穂先を安定してコントロールしやすくなっています。
軸も5.5ミリと細めの仕上がり。集中して作業をする必要があるような、とくにこまかいところの作業をするのに向いています。
握りやすい木軸で穂先をコントロールしやすい面相筆
ナイロン素材の毛を素材に使った太めの面相筆です。シンプルなデザインとよい描き心地にこだわって開発されました。グリップ軸がラウンド型の木製になっており、握りやすく、こまかい動きが要求される作業でも、穂先を的確にコントロールできます。
穂の長さが24.5ミリととても長く、大きなサイズながら、繊細な線を描くこともできる万能型の面相筆です。
ネコ毛を素材に使った塗料の含みがとてもよい面相筆
白のネコ毛を使った面相筆です。ネコ毛はやわらかく毛先に弾力があるので、穂のなかにたくさん塗料を含ませられるのが特徴です。さまざまな塗料に対応できるので、ウルシ塗りや金泥などの特殊な塗装もできます。
細身の軸のデザインが赤色になっていて、白毛とのコントラストも美しく、愛着のわくアイテムになりそうです。
力強い表現ができるタヌキ毛の面相筆
中国産のタヌキの毛を穂の素材とした面相筆です。タヌキの毛はかたく、穂は2ミリとかなり細いながらも高い弾力性を持っていて、細くてもしっかりした力強い線を描くのにぴったりです。
グリップ軸も細目ですがある程度握りやすい太さにデザインされていて長くて持ちやすく、集中してこまかいところをていねいに描くのを助けてくれます。
「面相筆」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 面相筆の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場での面相筆の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
面相筆の幅広い使い道
本来は、人形師が人形の顔の表情をこまかく表現するための用途ですが、こまかく描いたり塗ったりできるので、多用途で使えます。
プラモデルやフィギュアなどの塗装は、小さな塗りスペースの作業があっても、面相筆があればやりやすくなります。書道でこまかな文字を書くというシーンでも面相筆が役に立ちます。メイク用としても、面相筆を使うと穂先のコントロールがこまかくできて便利です。
面相筆だけでなくほかの種類の筆も探そう! 【関連記事】
面相筆でプラモデルも絵画もより高い完成度を目指そう
面相筆があれば、プラモデルや絵画などの趣味の完成度が高まり、充実したホビーライフを送ることができるようになります。これまで、こまかいところの塗りをもっと的確にしたいと悩んでいた方でも、自分に合った面相筆を選んで、より趣味をたのしめます。
面相筆のなかでも、イタチやタヌキやネコなど、いろいろな素材のタイプの毛があり、それぞれに特徴がありますから、使い道に合った筆をよく選んで、使いやすいアイテムを手に入れるようにしましょう。
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