万年筆用インク消しとは?
万年筆は水性インクなので、修正液や修正テープを使用しても、はじいてしまってなかなかうまく対処ができません。また、ペン先が鋭いため、引っかかってしまうという点も問題です。
万年筆で書き間違えをしてしまったときは、万年筆用のインク消しの出番。化学反応によりインクを透明にして見えないようにしてくれます。インクの種類や色によっては消すことができないので、購入する際は自分の使っているインクに使えるかよく確認して選びましょう。
万年筆用インク消しの選び方 きれいに消そう!
万年筆用インク消しにはさまざまな種類があります。使用用途や好みの機能性に合わせてぴったりのものを探してみましょう。タイプや機能性など、選ぶうえでチェックしておきたいポイントを詳しくご紹介します。ポイントは下記の4つ。
【1】用途に合ったタイプで選ぶ
【2】自分の万年筆に対応しているかチェック
【3】速乾性や細かい修正ができるかにも注目
【4】成分表示があると安心
上記のポイントを押えることで、より欲しい商品をみつけることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】用途に合ったタイプで選ぶ
万年筆用インク消しは、おもに2液タイプと1液タイプの2種類があります。万年筆の使用シーンに合わせて、自分好みのタイプを選びましょう。
汎用性の高い「2液タイプ」
2種類の液体がセットになっている2液タイプ。交互に使用することで、化学反応により万年筆インクの色素を消すことができます。比較的低価格で容量が多く、コストパフォーマンスにすぐれているのも特徴。職場や自宅での使用頻度が高い方に向いている商品です。
ただし、消せない色があったり、インクの色によっては液を使う順番が違ったりと、使用には注意が必要。説明書をよく読んでから使いましょう。
持ち運びに便利な「ペン型1液タイプ」
外出先で使えるインク消しが欲しいという方には、ペン型の1液タイプが適しています。両サイドにキャップがついており、片側には誤字を漂白できる特殊液剤を染み込ませたインク消しが、もう一方には消した上から書くことのできる専用ペンがついています。
1本で修正から上書きまでできる手軽さが魅力です。容量は少ないため頻繁に使用する方には向いていませんが、出先で使用したいときは便利なタイプ。自分の万年筆の色と専用ペンの色が一致していないと、上書きした際に違和感が生じてしまうため、しっかりインクの色を確認して選ぶようにしましょう。
【2】自分の万年筆に対応しているかチェック
万年筆のインク消しを選ぶ際は、自分が使用している万年筆のインクに対応するかどうかを必ずチェックするようにしましょう。インク消しを使って消すことができるのは、水性の染料インクのみに限られています。顔料インクは消すことができず、染料インクであっても、万年筆のメーカーによっては色素の種類や配合量によって、うまく消すことができない場合もあります。
対応しているインクの種類がしっかりと明記されているものを選ぶと安心です。また、青色のインクは比較的きれいに消すことができるため、誤記が心配な方はチェックしてみてください。反対に、黒や赤は消えにくいので注意しましょう。
【3】速乾性や細かい修正ができるかにも注目
万年筆用のインク消しは、通常の修正液を選ぶ際と同じく、乾きやすいものを選ぶと使いやすいです。乾きが悪いと手間がかかるのはもちろん、乾いていない間に上書きしてしまい滲んでしまうということも。なかには吸い取り紙つきの商品などもあり、余分な液を吸い取りすばやく修正できますよ。
また、細かい箇所を消したい場合には、スリムなペンタイプや、キャップに細い刷毛がついているものが便利。ピンポイントで修正ができるので、万年筆でノートを取っている方はぜひチェックしてみてください。
【4】成分表示があると安心
万年筆用インク消しの成分は、商品によってさまざま。化学反応を利用して消すものなので、なるべく安全な成分が使われているものを選びたいですよね。一般的にはシュウ酸や塩酸、クエン酸、次亜塩素酸ナトリウムなどが使われていますが、濃度などにも注意して、しっかりと成分が明記されている商品を選ぶと安心。
小さな子どものいる家庭ではとくに、できるだけ安全なものを選び、保管方法にも充分注意をして使用しましょう。
インクとの相性は必ず確認しよう 文具研究家によるアドバイス
購入前に、ふだん使っている万年筆ブランドやインク色との相性を必ず確認しましょう。最近はさまざまな色のインクが発売されていて、消せない色もあります。ブルー系のインクは比較的落ちやすいです。
2液タイプは手間がかかりますが、多くのブランドに対応し、汎用的に使えます。ペン型の1液タイプは対応メーカーが限られるのが難点ですが、消した後には専用ペンで上書きするのできれいに修正ができます。
万年筆用インク消しおすすめ4選
ここからは、万年筆用インク消しのおすすめ商品をご紹介します。2液タイプやペンタイプなど、さまざまな商品をピックアップしました。使用用途や求める機能性に合わせて、自分にぴったり合うものを見つけてみてください!
老舗メーカーのプチプラアイテム
気軽に購入できる価格が魅力の高コスパアイテム。1792年に創業された、歴史と伝統のある老舗文具メーカー「ライオン」のインク消しです。2種類の液がセットになった2液タイプで、ブルーブラックのインクと、赤色のインクを消すことができます。
幅広いインクに対応した使い勝手のよさが魅力。ガラス瓶ではなくプラスチックの容器に入っているため、誤って落としてしまっても割れる心配がなく安心です。
吸い取り紙つきで素早く乾く
ブルーやブルーブラックのインクを使用している方にぴったりなのがこちらのインク消し。黒インクには対応していませんが、素早くきれいに消すことができる商品です。
余分な液を吸い取ってくれる、便利な吸い取り紙つき。乾くのを待っている煩わしさから解放され、ストレスフリーに使用できますよ。ただし、ガラス瓶の容器なので、持ち運びには向いていません。自宅や職場で頻繁に使用する方におすすめのアイテムです。
万年筆にも対応可能な万能修正液
こちらは元祖修正液の「ミスノン」ですが、共用タイプを選べば、万年筆のインクも消すことができます。
キャップについた刷毛を使用して、修正箇所に塗るタイプ。細かい箇所から広い面まで幅広く対応し、かんたんに消すことができます。さらに、修正箇所を間違えてしまっても、消しゴムで剥がすことができるというすぐれもの。乾きも早く、使い勝手のいいアイテムです。
ロイヤルブルーのインクが嘘みたいに消える
高級万年筆を手がけている、ペリカン製のロイヤルブルーのインク専用修正液。罫線や印刷などを消さずにきれいに修正できるのが特徴です。
コンパクトなペン型デザインなので、持ち運びが簡単なのも大きな魅力。手軽に使えるものをお探しの人におすすめです。
「万年筆用インク消し」のおすすめ商品の比較一覧表
エキスパートのおすすめランキング【TOP2】 万年筆用インク消しTOP3を選出!
ご紹介した商品のなかから、文具研究家の秋月千津子さんおすすめの万年筆用インク消しランキングを2位から1位の順に発表します。ぜひ商品選びの参考にしてみてください。
2位 カズキ高分子『ガンヂー インキ消し』
カズキ高分子『ガンヂー インキ消し』は日本初の修正液を開発した丸十化成が生み出した、創業当初からの人気商品です(現在は販売会社が変更)。しっかりした厚みの吸い取り紙がついているので、余分な液を吸うことができ、液の広がりや紙の傷みを最小限にしてくれます。
2位 カズキ高分子『ガンヂー インキ消し』
1位 ライオン事務器『インキ消液』
ライオン事務器『インキ消液』はコスパ抜群なうえ、容器もプラスチック製で安全。赤色インクも消せるのは、なかなかすごいことです。赤色を消す際には液を使う順番が変わりますので、使い方には気をつけてくださいね。
1位 ライオン事務器『インキ消液』
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 万年筆インク消しの売れ筋をチェック
Amazonでの万年筆インク消しの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
万年筆用インク消しの注意点
万年筆用インク消しを使う際には、いくつかの注意点があります。「失敗した!」とならないよう、事前に知っておきましょう。
まず、顔料インクは消すことができない点です。また、染料インクであっても黒色のインクは消せないことが多いので注意しましょう。
そして、万年筆用インク消しで消したあと、同じ場所に上から描こうとしても透明になってしまい書けないことが多いというのもポイント。そんなときのために、消した上から書くことができるペン先がついているインク消しもありますよ。
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使っている万年筆と相性のいいインク消しを
万年筆用インク消しのおすすめ4選をご紹介しました。使用用途に応じて、求める条件に合ったタイプを選びましょう。自分の万年筆に対応しているか、しっかりチェックしてから購入してみてくださいね。
そのほかの機能性や、成分表示も確認し、比較検討してみましょう。好みの使用感に合った万年筆用インクを見つければ、書き誤っても安心。お気に入りの万年筆とセットで揃えておきたいですね。
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文具研究家、ISOT (国際文具・紙製品展。国内外のメーカーが集う日本最大級の「文具PR商談会」)PRサポーター、「文房具カフェ」会員。 文具についての情報をさまざまなメディアで発信中。 得意ジャンルはノートなどの紙類、ボールペン。 オフィスや文房具屋に必ず置いてあるような定番文具を好む。 推しメーカーは三菱鉛筆、リヒトラブ、クルーシャル。