サックス用リードの種類
サックス用のリードは「ファイルドカット」と「アンファイルドカット」の2種類にわけられます。ファイルドカットはリードの根元部分を削ったタイプで、音の立ち上がりが早く明るい音色が奏でられます。そのため、クラシック演奏向きのリードといえるでしょう。
一方のアンファイルドカットはリードの根元を削っていないタイプです。落ち着いた音色を出すことができ、ジャズ演奏に向いている種類といえます。
サックス用リードは、音色とどのような音楽を演奏するかによって種類を選んでください。
サックス用リードの選び方
では、サックス用リードを選ぶときの3つのポイントをご紹介します。
サックスの種類に合わせたサイズを選ぶ
現在主流となっているサックスの種類は、音域が高い順からソプラニーノ、ソプラノ、アルト、テナー、バリトン、バスの6つです。発明された当初は14種類ものサックスが存在していましたが、現在はおもに上記6つが演奏で用いられています。
サックスの種類によって適するリードの大きさが異なるため、自分が使っている(購入する予定の)サックスに合わせて選ぶ必要があります。
リードの硬さを確認する
BARI(バリ) 樹脂製リード アルトサックス (M)
次はリードの硬さを確認しましょう。メーカーは硬さが異なるリードを複数展開しています。リードの硬さは1〜5の数字で表されており、数字が低いほどやわらかく高いほど硬いリードです。
やわらかいリードは音が出しやすいですが、息を入れすぎると詰まる傾向にあります。また音が裏返ることも。硬いリードは音が出しづらいですが、音がしっかりと鳴り、ハリのある音を奏でられます。
初心者の場合は「2.5」くらいの硬さからはじめるといいでしょう。
リードの素材を確認する
Legere ASG2.50 Alto Saxophone Signature アルト サックス用の樹脂製リード。
リードの素材に使われているケーンという植物は、日本の葦(ヨシ、またはアシと呼ぶ)の仲間です。ケーンは空洞になっていることが特徴で1年かけて成長します。成長したケーンを適度な長さに切り取り、4分割して削ったものがリードです。
ケーンは植物ですのでまったく同じリードを2枚つくることはできません。
最近は樹脂製のリードも普及しています。ケーンのように植物の成長具合や削り方に左右されないため、同じようなコンディションで演奏できることが特徴です。また、耐水性や耐久性が高く水洗いができるため、清潔さをたもつことができます。
リードはレビューなどを参考にお気に入りを見つけよう ピアノ講師・元大手楽器メーカー勤務がアドバイス
ピアノ講師・元大手楽器メーカー勤務
音の出かたに大きな影響をもたらすリード。近年では葦だけでなく、樹脂製も見られるようになりました。選ぶ際のチェックポイントは、吹きやすさと求める音色が出せるかどうか。吹奏楽などで使うのなら、2.5くらいから試すことがおすすめです。レビューを参考にしてお気に入りの製品を見つけてください。
サックス用リードのおすすめ12選 対応サイズ・素材・硬さをチェック!
では、ピアノ講師・元大手楽器メーカー勤務の山野辺祥子さんと編集部が選んだ、サックス用リードのおすすめ12商品を紹介します。
ピアノ講師・元大手楽器メーカー勤務
バンドーレン『テナーサックスリード 2.5(SR2225)』はサックスをはじめたばかりの方でも音が出しやすいタイプ。
ダダリオ『レゼルヴ アルトサクソフォン 3(DJR1030)』は機械で削っていますがコスパのよい製品です。
レジェール『Eフラット アルト サクソフォン シグネチャーリード 2.5』は樹脂製。耐久性があり吹奏感の違いを試したい方におすすめです。

Vandoren(バンドーレン)トラディショナル『テナーサックスリード 2.5(SR2225)』


出典:Amazon
対応サイズ | テナーサックス |
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硬さ | 2.5 |
素材 | ケーン |
削り方 | ファイルドカット |

D'Addario(ダダリオ) WOODWINDS『レゼルヴ アルトサクソフォン 3(DJR1030)』






出典:Amazon
対応サイズ | アルトサックス |
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硬さ | 3 |
素材 | ケーン |
削り方 | ファイルドカット |

Legere(レジェール)Reeds シグネチャーシリーズ『Eフラット アルト サクソフォン シグネチャーリード 2.5』










出典:Amazon
対応サイズ | アルトサックス |
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硬さ | 2.5 |
素材 | ポリプロピレン |
削り方 | - |
Vandoren(バンドーレン)ジャバ『テナーサクソフォンリード 2.5(SR2725)』






出典:Amazon
対応サイズ | テナーサックス |
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硬さ | 2.5 |
素材 | ケーン |
削り方 | アンファイルドカット |
Vandoren(バンドーレン)V21『アルトサクソフォンリード 3(SR813)』








出典:Amazon
対応サイズ | アルトサックス |
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硬さ | 3 |
素材 | ケーン |
削り方 | アンファイルドカット |
D'Addario(ダダリオ) WOODWINDS『リコ ソプラノサクソフォン 2.5(RIA1025)』

出典:Amazon
対応サイズ | ソプラノサックス |
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硬さ | 2.5 |
素材 | ケーン |
削り方 | アンファイルドカット(アメリカンカット) |
D'Addario(ダダリオ) WOODWINDS『リコ グランドコンサートセレクト アルトサクソフォン 2.5(RGC10ASX250)』

出典:Amazon
対応サイズ | アルトサックス |
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硬さ | 2.5 |
素材 | ケーン |
削り方 | アンファイルドカット |
Harry Hartmanns(ハリー ハートマンズ)Fiberreed『カーボン クラシック アルトサックス MH』

出典:Amazon
対応サイズ | アルトサックス |
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硬さ | MH(3) |
素材 | HFC(中空ファイバー・発泡樹脂混合素材) |
削り方 | - |
Forestone Japan『Forestone Hinoki Reed アルトサックス MH』








出典:Amazon
対応サイズ | アルトサックス |
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硬さ | MH |
素材 | 竹、PP材、カルシウム |
削り方 | アンファイルドカット(アメリカンカット) |
Forestone Japan『Forestone Black Bamboo Reed W-BLAST MH』








出典:Amazon
対応サイズ | テナーサックス |
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硬さ | MH |
素材 | 竹、カーボン |
削り方 | ファイルドカット(フレンチカット) |
Bari(バーリ)Woodwinds『オリジナル アルトサックス シンセティックリード M』

出典:Amazon
対応サイズ | アルトサックス |
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硬さ | M(3.0〜3.5) |
素材 | 合成 |
削り方 | - |
Bari(バーリ)Woodwinds『バリ スター テナーサックス シンセティックリード M』

出典:Amazon
対応サイズ | テナーサックス |
---|---|
硬さ | M(3.0〜3.5) |
素材 | 合成 |
削り方 | - |
「サックス用リード」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする サックス用リードの売れ筋をチェック
Yahoo!ショッピングでのサックス用リードの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
サックス用リードのお手入れ方法
サックス用のリードの購入を検討するなら、お手入れ方法についても把握しておきましょう。
サックス用リードはケースにきちんと保管する
サックス用を含め、リードはきちんとケースに保管することが大切です。ケースはリードのコンディションをたもったり、携帯時に衝撃から守ったりする役割があるため、サックス演奏を続けるうえで必要なアイテムといえるでしょう。
リードケースには、反ったリードをまっすぐにたもつガラス製、仕切りがついているプラスチック製と複数の種類があります。さらに、ソプラノやアルト、テナーなど、サイズによって適合するケースが異なるので注意しましょう。
購入後はすぐに使わず育てる
ケーン素材でできたリードは新しく買ったら育ててあげましょう。最初から長時間演奏してしまうとリードの劣化を早めてしまいます。開封後リガチャーにセットしたら5〜10分だけ吹き込んでください。この作業を1週間繰り返して徐々に時間を伸ばしていきます。
購入したばかりの時期にいきなり高音域を出す演奏をすると、負担をかけてしまうので気をつけてください。
使用中は長持ちさせるために手入れをする
自分好みに育てたリードのコンディションをたもつためにはお手入れも大切です。使用後は水で唾液を洗い流し拭いてリードケースに保管してください。
しかし、リードは湿らせたり乾燥させたりを繰り返してしまうと、反り返りや波打ちが発生して演奏に影響が出ます。重要なのはいい状態のままで適度な湿度を守ってあげることです。
リードを製造しているメーカーが湿度をたもつアイテムを発売しています。リードケースと一緒に入れて適度な湿度で管理してあげましょう。
リードミスが発生するなら別のリードに代える
サックスを演奏していると「キー」という甲高い音が出るリードミスが発生することも。リードミスの原因は複数ありますが、そのひとつがリードのバランスです。リードがやわらかすぎる・かたすぎる、など極端なバランスだと息の吹き込みによる振動が安定せずにリードミスが出てしまいます。
マウスピースの角度を調整したり、アンブシュア(口の形や口まわりの筋肉の使い方)の加減を変えたりすることでリードミスは軽減できますが、それでも続くようなら別のリードに代えてみるのもいいでしょう。
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サックス用リードはケーン素材か合成素材かで選ぶ
本記事では、サックス用リードの選び方と、ピアノ講師・元大手楽器メーカー勤務の山野辺祥子さんと編集部で選んだおすすめ商品を紹介しました。サックス用リードは、サックスの種類、リードの硬さ、リードの素材で選ぶことがポイントです。初心者は硬さ「2.5」くらいのタイプを選ぶといいでしょう。
素材は植物性のケーンかプラスチックなどの合成素材のどちらかにわかれるので、特徴を踏まえたうえで選択してください。今回紹介したおすすめ商品も参考にして、自分の用途に合うサックス用リードを見つけましょう。
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
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※2020/12/07 コンテンツ修正のため記事を更新しました。(マイナビおすすめナビ編集部 名原広雄)
武蔵野音楽大学出身。卒業後某大手楽器メーカーの法人部に入社。 音楽教室の運営や講師指導のサポート、店舗接客、楽器セッティングなどを担当するイベントクルーとして全国を飛び回る。また、出版部に在勤中は楽譜校正、楽譜情報誌編集の経験も。 現在はピアノ講師のかたわらフリーランスライター、校正者として活動中。プライベートでは3児の母。