サックスケースの選び方
それでは、サックスケースの基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記の4つ。
【1】重量優先のフライトケース/ソフトケース
【2】頑丈さ優先のハードケース/セミハードケース
【3】肩がけタイプか背負うタイプか
【4】あると便利な機能もチェック
上記の4つのポイントを抑えることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】重量優先のフライトケース/ソフトケース
軽さを優先する場合は、サックスの形をしたフライトケースがおすすめです。コンパクトに設計されているため持ちやすく、ケース本体が軽くて持ち運びにかかる体の負担が少ないというメリットがあります。
ただしコンパクトな分、外はかたい素材でも、なかのクッション部分が薄く衝撃に弱かったり、収納部分が少ないため、小物類や楽譜を入れるバッグなどもうひとつ手荷物が必要になったりするデメリットもあります。
軽さ優先なケースには、フライトケースのほかにもソフトケースがあります。ソフトケースは布製のものが多く軽いのが特徴ですが、強度がないため、短距離の運搬のみに使用するといいでしょう。
【2】頑丈さ優先のハードケース/セミハードケース
楽器を安全に運ぶにはハードケースやセミハードケースが頑丈でおすすめです。
ケース外部がかたい素材なのはもちろん、ケース内部のクッション部分が大きく、その素材もしっかり考えられています。収納もじゅうぶんに確保されているものが多いので、ネックやマウスピースのほかに小物類もたくさん入ります。
欠点は大きくて重いこと。持ち運びやすさも考えられた背負うリュックタイプもありますが、ズシッときます。
【3】肩がけタイプか背負うタイプか
フライトケースでもハードケースでも、肩がけタイプと背負うリュックタイプがあります。
徒歩移動がメインの場合は肩がけタイプ、背負うタイプのどちらでも大丈夫です。背中の暑さや振動が気になるのであれば肩がけタイプ、体の負担を減らすのであれば背負うタイプにするのがいいと思います。また、移動時に自転車を使う場合は両手の使える背負うタイプ一択ですね。
ちなみに、徒歩でも電車移動が多い場合は、一番荷物が多いシーン、たとえば雨の日に傘を持って改札を通るときのことなどを考えて選ぶといいでしょう。
【4】あると便利な機能もチェック
自分の場合、ほかにもケースに求めていることがあります。ケース内にA4の楽譜が入ると、ケースとは別に持つカバンの大きさも小さくすることができます。
ちょっと手を離したいときに自立してくれる機能や、電車に乗っているときは立てて持つので、ケースの横と縦の2カ所に取っ手があると便利です。
また、ストラップの接合部分は一番負荷がかかるところなので、じゅうぶんな強度で接合してあること、できればパーツも金属製が望ましいです。
閉め忘れには気をつけましょう サックスプレイヤーのアドバイス
ケースを変えるだけでも演奏するモチベーションが上がりますね。最後に、ケースを変えたさいに注意することは、閉め忘れによる落下事故です。私自身も経験がありますが、修理代も高く、凹んだ楽器を見ると泣きそうになります。
ケースはファスナー型かラッチ型(パッチン錠)で閉めるものがほとんどです。ファスナー型の場合は閉め忘れ防止のためにキーホルダーをつけたり、ラッチ型は誤動作(服などにあたって開いてしまう)予防のために鍵を閉めたりするなど、楽器の落下予防にはじゅうぶん気をつけてください。
また誤ってケースが開くのを防ぐために、スーツケースに巻くようなベルトなどをつけておくと安全です。あとは好きな場所へ持っていき、たくさん演奏してください!
サックスケースのおすすめ11選
ご紹介したサックスケースの選び方のポイントをふまえて、サックスプレイヤー・加度克紘さんと編集部が選んだおすすめ商品を紹介します。いろいろなタイプのケースを紹介してくれているので、きっとご自身にぴったりのものが見つかるでしょう。

定番の軽さ重視のケース
頑丈ながらもアルト用で約1.4kg、テナー用でも約2.0kgとフライトケースのなかでも抜群の軽さです。肩がけタイプでとにかく軽いものと言えば、この商品が定番中の定番。
収納はポケットの有無を選べるので、楽器と一緒に小物類を持ち運びたい場合はポケットありを選ぶといいですし、別のバッグを持つ場合は軽さを優先してポケットなしを、という選び方でもいいと思います。カラーは1色(ブラック)のみですが、軽さを重視する場合はこのケースがおすすめです。
※リンク先は「ポケット付き」になります。

カラーも豊富なコンパクトさ重視のケース
重量がアルト用で約1.5kg、テナー用で約2.4kgと軽く、ケースのなかでもコンパクトです。カラーも20色あり、肩がけにも、リュックにもできて人気があります。
コンパクトな分、収納もほとんどなく、内部のクッション性もほとんどないので衝撃には弱いのがデメリットですが、軽さを重要視する場合はこのケースがおすすめです。

スタイリッシュながら収納力も考えられたケース
背負うタイプのケースです。外部はグラスファイバー、内部はポリスチレンで衝撃に強く、軽くて頑丈なケースです。
また背面部分にはA4サイズが入る大きいポケットがついているので、コンパクトながら収納もじゅうぶん。カラーも12色あり、スタイリッシュなケースです。
自立しないのがデメリットですが、収納力と軽さを兼ね備えたものならこのケースがおすすめ。

頑丈で機能性抜群のケース
頑丈で、内部に木製のフレームが入っており衝撃に強く設計されているほか、マジックテープで落下防止のための工夫が施されています。外側にA4の楽譜や小物類を収容できるポケットがついており、収納力も抜群。自立して使い勝手がいいのがこのケースの魅力です。
カラーは1色(ブラック)のみで、重量が約3.6kgとほかのケースと比べて重いのがデメリット。肩がけ用のストラップが付属していますが、背負う場合には別売のストラップが必要です。安全性、機能性を重要視する場合はこのケースがおすすめです。

収納力、軽さ、安全性を兼ね備えたケース
外部に耐熱性、耐衝撃性にすぐれたポリカーボネイトを使用しており、内部はクッション性が高く、取っ手部分も亜鉛合金で頑丈。
前面と背面にポケットをふたつ装着可能で、収納力もじゅうぶんなリュックタイプながら、アルト用はポケットをつけるなどのフル装備で約3.3kg、テナーでも約4.2kgという軽さが魅力のケースです。
カラーは2色。安全性と軽さ、さらに収納力も兼ね備えた質の高さを重要視する場合はこのケースがおすすめです。

収納力たっぷりなリュックタイプの定番ケース
BAMのリュックタイプのケースです。ウレタン素材の内部で楽器の安定性がよく、衝撃にも強いケースです。A4サイズもじゅうぶんに入る大型のポケットのほか、サイドにも小物類を収納できるポケットがついており、収納力はじゅうぶん。
アルトで約3.3kg、テナー用で約4.1kgと四角いトレッキングタイプのなかでは比較的軽量なケースです。安全性と収納力を重視する場合はこちらのケースがおすすめです。
カラーは3色ありますが、ほかにもSAINT GERMAIN TREKKINGという縦のストライプが入ったモデルもあります。

安価ながらも衝撃に強い定番ケース
上記で紹介したPB304のサックス型のケースです。こちらも木製のフレームが入っており、頑丈な仕様になっています。コンパクトなのでアルト用で約2.8kg、テナー用で約4.0kgとPB304よりは軽いですが、それでもサックス型のケースのなかでは重い部類です。
小物類の収納もじゅうぶんにありますが、A4が入らないのが惜しいところ。カラーは4色で、背負う場合は別売のストラップが必要です。安全性を重視する場合はこのケースがおすすめです。

軽くて頑丈。安全性重視のケース
基本的には背負うタイプのケースです。内部にBAM製品の特徴でもあるウレタンフォームを使用し、衝撃に強い性質があります。
コンパクトながら外側は硬質ABS素材が使用されているため頑丈であり、しかも軽量。重量はアルト用で約2.4kg、テナー用でも約3.5kgです。肩がけにもリュックにも対応しており、持ち運びやすさもじゅうぶんです。
通常の『CABINE』は3色のみですが、CABINEシリーズはほかにも多数の種類があり、個性的なケースも選ぶことができます。収納力がありませんが、楽器の安全性と軽さを重要視する場合はこのケースがおすすめです。
軽くて使いやすいセミハードケース
EPSフォームにプラッシュ生地を合わせ、外装は硬質なナイロンを使用した軽量化にこだわった、ソフトケースとハードケースの良いとこ取りなセミハードケースです。
左右に収納ポケットと滑りにくいラバーパッドが付いたショルダーストラップと、内部には7.5インチまでのベル径に対応したマウスピース収納を装備。持ち運びやすさと便利さを追求しています。
機能的かつ、カラー豊富でおしゃれなケース
ヴィヴァーチェは、「楽器をしっかりと守り、機能的で、おしゃれなケース」がコンセプト。その言葉通り、カラー展開が豊富で丸いフォルムが魅力的な耐久性のあるポリカーボネート材を使用した丈夫なケースです。
ケース内のストラップがガタつきを防止し、丈夫な内装材が楽器をしっかりとホールド。万が一の時も安心です。また独立したマウスピース収納とネック収納もあり。可愛くて丈夫なケースをお探しの方にオススメです。
4通りの持ち方ができる超軽量なケース
キルティング素材を使用したオシャレなアルトサックス用セミハードケース。体に触れた時もふんわりと衝撃を柔らかく受け止めます。
収納が可能なストラップで、徒歩や自転車の時はリュックやショルダー、狭い場所では手持ち(縦・横)など、4WAYで持つ人それぞれのスタイルに合わせられます。また、ケース重量は2kg程度と超軽量。A4サイズの楽譜もスッポリと入る収納もあり、使用する人の事を考え計算しつくされたケースです。
おすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする サックスケースの売れ筋をチェック
Amazon、Yahoo!ショッピングでのサックスケースの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
サックスプレイヤーが語るサックスケース購入の目的とは?
サックスケースは楽器購入時に付属しているので、すぐに必要になるものではありません。しかし、付属のハードケースは運搬時の安全性を重視した頑丈で重いものが多く、サックスを外に持ち出すにはその重量が負担となります。
ケースを変えるということはその身体的な負担を軽減することがおもな目的となります。もちろん多機能重視で忘れ物を減らす目的もあったり、見た目的な要素(カッコイイ! )も重要ですね。
目的によってケースの選び方も異なりますが、安全に大切に楽器を運べるようにするサックスケースを選びたいところです。
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広島県尾道市出身。高校入学と同時に吹奏楽でサックスを始める。 甲陽音楽学院コンテンポラリーミュージック科で荒崎英一郎氏に師事。 甲陽音楽学院卒業後、渡米し、ボストンのBerklee College Of Music :Woodwind科 Performance学部に入学。 サックスをFred Lipsius, Dino Govoni, Bill Pierce, Jim Odgren, Walter Beasley, Shannon LeClair、フルートをWendy Rolfeに師事。 2000年にDean’s Listに登録される他、R&Bバンドへの参加など、現地での演奏活動も行う。 2001年に卒業し、日本へ帰国。自己のグループを率いての演奏だけでなく、作曲・編曲活動を行い、教育の方面でもサックス指導だけでなく、「一生使えるサックス基礎トレ本 サックス奏者のためのハノン」「ドレミで覚えるジャズ・アドリブの法則」など教則本の執筆、音楽理論や作曲の指導など多岐にわたり活動中。