カッターの選び方 用途別に最適なカッターを選ぼう!
カッターはいろいろな作業に使えるとても便利なアイテムです。文房具から工具まで幅広いシーンで利用できますが、刃物なので使い方に気をつける必要があります。用途や素材など、カッターを選ぶ上で大切なポイントについてご紹介しましょう。
用途に合う「種類」で選ぶ
文房具ユーザー
カッターナイフは、使用目的で使い分けることが重要です。
文房具ジャンルでのカッターナイフは、大きく分けて「持ち運び用の超小型」「小型」「中型」「大型」「デザインナイフ」に区分できます。ご自分の使用目的に合わせた大きさのものをお求めください。
大が小を兼ねる製品ではありませんし、大きい刃物を怖がって小型のカッターを使用していると、かえって危険なこともあります。本当の意味での万能カッターはありません。まずは各ジャンルの代表的なカッターに触れてみて、ご自分の環境に合った1本をお求めください。
事務作業用カッター|いろいろな目的に使うなら
多く使われているのが事務作業用カッターで、刃幅9mmのものが一般的です。特徴は幅広い使い方ができる点で、さまざまな作業に使えます。S型、A型、小型などと表記され、多目的に使用したいときに適したカッター。
とくに使いやすいのは紙類や薄い革、フィルムなどの素材を切る場合です。厚いものを切るのには向いていませんが、薄いダンボール程度なら切断できます。
文房具としてひとつは持っていたいアイテムです。
大型カッター|ダンボールに使うなら
厚いダンボールや厚紙を切るとき、事務用の小型カッターでは強度が足りなくて切断しにくいです。刃幅と刃厚が強化されている大型カッターが適しています。
一般的な刃幅は18mmあり、L型などと呼ばれるカッターです。ダンボールだけでなく薄型のベニヤ板や石膏ボードなどの切断にも利用できるので、工具のひとつとして持っておきたいカッターでしょう。
特大刃カッター|ベニヤ板や厚手のものに使うなら
ベニヤ板はノコギリでも切断できますが、カッターの方が使い勝手がよいこともあります。分厚いベニヤ板の場合は特大刃のカッターを選んでください。刃幅は25mmでH型などと表記されているものです。
ベニヤ板以外にも厚手のシートなども切れるので、手軽に使える工具として持っておきたいアイテム。工具箱に入れておくと何かと重宝するカッターです。
鋭角刃カッター|繊細な作業に使うなら
こまかな作業を行なうときや繊細な加工などが必要な場合は、超鋭角刃のカッターを選んでください。通常のカッターは刃先が60°ですが、超鋭角刃は角度が30°になっています。
刃先が鋭角なので繊細な加工がしやすく、プラモデルの製作やゴムのはんこなどをつくるのに適しています。刃先が鋭角な方が切り口がみやすいので使いやすいです。
デザインナイフ|曲線切りやアートに使うなら
切り絵またはペーパークラフトなどの細かい作業に便利なデザインナイフ。プラモ作成時も使えます。
こまかくて複雑な作業が必要な場合は、デザインナイフが適しています。たとえばカーブに沿って曲線にカットしたいときなど、軸がペン状になっているデザインナイフならスムーズにカットできます。
ペンを持つように握るので刃先にこまかい動きを伝えやすいのが特徴。繊細なカットが必要な切り絵やプラモデル製作におすすめです。彫刻刀の代わりに使うこともできます。
1枚切りタイプ|雑誌の切り抜きなら
新聞や雑誌の記事を切り抜くときに多い失敗が、重なった下のページまでカットしてしまうことです。これを避けるためには、一番上だけを切り取れる1枚切りカッターを使ってください。
1枚切りカッターはスクラップ用カッターともいって、刃先がわずかしか出ていません。新聞や記事のスクラップをする場合に便利で、刃先の圧力を調整できる製品もあります。
円形刃カッター|布を切るなら
布を切るときや厚みのある革を切るときに便利なのが円形刃のカッターです。ロータリーカッターと呼ばれ、円形の刃が回転して切断します。
一般的なカッターだと摩擦の抵抗により布や革がひっかかってカットしにくいですが、刃が回転するのでスムーズにカットができます。今まで布をハサミで切っていた方にもおすすめです。
ミシン目カッター|ノートにミシン目を入れるなら
刃が円形になっているカッターにはいろいろな種類があります。ペーパーにミシン目を入れられるのがミシン目カッターで、手作りチケットや手帳などにカットしやすいミシン目を入れるのに便利です。
ミシン目カッターの刃は円形ですが凹凸があり、転がすだけでかんたんにミシン目がつくれます。イベントを開催したりいろいろな事務作業をする方は、ひとつ持っておくと便利なカッターです。
コンパスカッター|円形に切り抜くなら
円形を切り抜くのはとても難しい作業です。正確な円形を切り抜きたいときに便利なのがコンパスカッター。サークルカッターともいいますが、刃の部分をコンパスのように回転させてカッティングします。
切りたい円の中心に支点となる部位を立て、コンパスのように刃を回転させます。円形刃と直線刃のタイプがありますが、布を切るときに適しているのは円形刃です。
木工用ギザギザカッター|発泡スチロールの切断なら
通常のカッターで発泡スチロールをカットすると切断面が曲がったり、まっすぐに切れないことがあります。そのようなときに便利なのが木工用の刃がギザギザになったカッターです。
のこぎりのように動かして切断するので、しっかりとカットできます。発泡スチロール以外にも分厚いダンボールや木工細工の小さな木片などにも使えます。
アクリルカッター|プラスチック板の切断なら
いろいろな工作や作業をする場合、プラスチック板やアクリル板を切らなくてはならないシーンもあるでしょう。通常のカッターでは無理なプラスチック系素材は、特殊な形状をしたアクリルカッターを使います。
特殊な刃先で切断用の溝を入れてから破断するのですが、スムーズにカットできるだけでなく危険性を防ぐ意味からもおすすめです。
開封用カッター|封筒やパッケージを開けるなら
封筒やパッケージなどを開けるときに選びたいのが、開封用のカッターです。レターオープナーとも呼ばれるミニカッターで、ひとつ常備しておくとなにかと便利に使えます。
手で開封すると破けたりしますが、開封用カッターを使えばスムーズにきれいに開封できます。軽くてコンパクトなので、事務用だけでなく家庭用にも置いておきたいアイテムです。
左利きの人はユニバーサルデザインか左利き専用を
一般的にカッターは右利きの方が使いやすいようになっています。左右非対称なので、刃を出し入れするときに動かすスライダーを、左利きの方は持ち替えたりして不便です。
左利きの方におすすめなのは利き手が左右どちらでも使えるユニバーサルデザインのカッター。商品によっては左利き専用のものもあるので、探してみてください。
出し刃の固定方法で選ぶ
カッターの出し刃を固定する方法には「オートロック式(スライド式)」と「ネジ式」があります。一般的な用途ではオートロック式を手にする機会が多いと思いますが、オートロック式とネジ式には、それぞれにメリットとデメリットがあります。
ネジ式
力強く使えるネジ式。刃の固定力が高いため、力を入れて切っても安定して使えます。
ネジを締めるのが面倒ですが、刃の固定力はオートロック式よりも高くなります。
断熱材や石膏ボードなど、厚みのある物を切るならネジ式がおすすめ。刃のブレが少ないので、事務作業や模型製作などにも適しています。
なお、カッターのなかには、両タイプの特徴を持ち合わせている製品もあるのでさまざまな用途に使える1本として用意しておくのも便利です!
オートロック式
スタンダードなオートロック式。刃の出し入れが容易なので使いたいときにサッと使えるのが特徴です。
短時間の利用で頻繁に刃を出し入れする場合には、刃の出し入れがかんたんなオートロック式が使いやすいです。刃の固定力はネジ式より弱めですが、力の必要な作業でなければ問題ありません。
1回の使用時間が短く、何度も刃を出し入れする作業のときはオートロック式が向いています。ネジ式を兼ね備えたカッターもあるので、使用目的に合わせて選んでください。
刃の素材と切れ味をチェックして選ぶ
カッターは刃の素材で切れ味が違ってきます。メーカーによって素材やサイズはいろいろなので、カッターを選ぶときはよくチェックしてください。
素材の特徴をチェック
●SK(炭素工具鋼)材:カッターの刃の素材としてもっとも多く使われている素材。
●ステンレス材やチタン材:サビに強く、水に濡れやすい場所でも使用できます。
●セラミック材:サビや摩耗に強く、切れ味を長く維持できます。非磁性や耐薬品、耐熱性にもすぐれていますが、落としたり衝撃を加えると欠けやすいのがデメリットです。
刃のサイズは4種類
刃のサイズはカッターの大きさによって違ってきますが、JIS規格などで統一されていません。メーカーのオルファを基準にして他のメーカーもサイズを合わせていることが多いです。一般的なサイズは4種類あります。
●特大刃(H):刃厚0.7mm 刃幅25mm
●大型刃(L):刃厚0.5mm 刃幅18mm
●中型刃(M):刃厚0.45mm 刃幅12.5mm
●小型刃(S・A):刃厚0.38mm 刃幅9mm
刃の種類には「白刃」と「黒刃」がある
あまり知られていませんが、カッターの刃には白い白刃と黒い黒刃があります。通常使われているのは白刃です。使用されている材質はどちらも同じ合金工具鋼を使用しています。
通常使われる白刃は切れ味と耐久性のバランスがよい万能タイプ。黒刃は刃の鋭角に研磨がほどこされており、切れ味を重視する場合に適しています。カッターを選ぶときは白刃と黒刃にも注目してみてください。
本体の素材にも注目して
刃の素材と同じく重要なのが持ち手の本体素材です。カッターの本体に使われている素材は樹脂製と金属製があります。樹脂製のものは軽くて慣れていない方でも扱いやすいのが特徴。
金属製の特徴は重量があり、丈夫なことです。工具としてハードな使い方をするなら金属製、事務作業など軽めの作業に使うなら樹脂製がよいでしょう。
カッターによっては滑り止め加工やゴム製グリップつきのものもあるので、目的に合わせて選んでください。
握りやすいカッターを選ぼう
カッターを選ぶときは握りやすいかどうかも重要なポイントです。握りやすいカッターは手になじみやすく、作業もはかどります。手にフィットしないものは手が疲れやすく、作業もスムーズに進みません。
また、握りにくいとケガをする恐れもあるので要注意。持ち手の形状やグリップなどをチェックし、できれば実際に握ってチェックすることも必要です。
子どもには子ども用カッターナイフをチョイス!
文房具ユーザー
最近はお子様向けに特化したカッターナイフもあります。
お子様にはじめて刃物を与える際は怖いと思うものですが、刃物は適切な使い方をその身をもって習得するものだとご理解ください。そしてお子様用のカッターに慣れてきたら、使用目的に合った一般的なカッターナイフを持たせてみてください。
適切な使い方をすれば、カッターナイフはお子様の能力を格段にアップさせる便利な道具となるはずです。
カッターのおすすめ9選|左利き対応
うえで紹介したカッターの選び方をふまえて、文房具ユーザーの他故壁氏(たこかべうじ)さんと編集部で選んだおすすめのカッターをタイプ別に紹介していきます!

エヌティー『カッタープロシリーズ(AD-2P)』

出典:楽天市場
プラス 『リトルテ』
















出典:Amazon
OLFA(オルファ)『オールメタルセーフティカッター(229B)』
























出典:Amazon
オルファ 『Aプラス215B』


























出典:Amazon
OLFA(オルファ)『PカッターL型(205B)』




















出典:Amazon

オルファ『万能M厚 (203B)』

出典:楽天市場

オルファ『DA-1 208B』


















出典:Amazon
コクヨ 『フレーヌ(HA-S100)』

出典:Amazon
オルファ『ミシン目ロータリー』










出典:Amazon
カッターのおすすめ6選|ペンタイプ

エヌティー『デザインナイフベーシック(D-400)』








出典:Amazon
SDI(エスディアイ)『プレシジョンカッター(PCK-01)』












出典:Amazon
エヌティー 『プレミアムGA30黒刃』










出典:Amazon
OLFA(オルファ)『アートナイフプロ(157B)』

出典:Amazon
OLFA(オルファ)『アートナイフ(10B)』

出典:Amazon
オルファ 『キリヌーク』
















出典:Amazon
カッターのおすすめ7選|便利機能編
Sun-Star Stationery(サンスター文具)『コーナーカッター かどまるPRO(S4765036 )』


















出典:Amazon

オルファ『スピードハイパーAL型(227B)』










出典:Amazon
Nissin Boeki(日伸貿易)『調整用カッター』




















出典:Amazon
OLFA(オルファ)『特専ツメ付きロング(185B)』














出典:Amazon
NT(エヌティ)『カッター 円切りカッター(iC-1500P)』










出典:Amazon
NT(エヌティ)『荷ほどき専用カッター (R-1200P)』
















出典:Amazon

オルファ『キッズカッター キッター (236BS)』






















出典:Amazon
カッターのおすすめ2選|コンパクトサイズ

オルファ『マグネタッチ (95B2)』




出典:楽天市場

オルファ『MZ-S型 (191B)』
















出典:Amazon
【番外編】おすすめの刃折り器2選 カッター使用に刃折りは必須!
ここからは、カッターの刃先を処理するために使う刃折り器のおすすめを紹介します。カッターを使う際に必須のカッター処理機。あわせてチェックしてみてください!

エヌティー『刃先処理機ピラミッド(iCD-400P)』








出典:Amazon

オルファ『ポキステーション(214B)』


















出典:Amazon
「カッター」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする カッターの売れ筋をチェック
Amazon、Yahoo!ショッピングでのカッターの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
よく切れるカッターほど、積極的に刃を折って
刃折り器があれば刃を安全に折ることできます。いつでも万全の切れ味で使いましょう!
文房具ユーザー
とくに工作などでカッターナイフを使う場合は、一般的なカッター刃よりよく切れる専門の刃を持つカッターを使うと効率が上がります。
ただ、こうしたよく切れるカッター刃は一般的なものに較べ、切れ味がすぐ落ちる傾向があります。新品でない場合は使用前に必ず刃を折ってください。そして、使用中でも躊躇することなく刃を折ることをお勧めします。替刃を別途購入しておくとより便利です。
刃折り器とカッターマットは必須!
カッターマットがあれば、机を傷つけることなく使えます!
文房具ユーザー
カッターを使用する際には、新品でない場合はまず刃を折り、カッターマットを敷いてご使用ください。カッターの刃は繊細です。一度、紙を切ってしまった刃は切れ味が落ちており、作業効率に支障が出ます。
カッターの刃を折ることを怖がる方も多いですが、切れ味の落ちた刃による怪我の方が深刻です。今は刃を折るための道具も進化し、折れた刃が飛ぶようなこともありません。刃折り器とカッターマットにもぜひ気を配ってください。
カッターナイフは折ってナンボの製品です 最後に…文房具ユーザー・他故壁氏さんからのアドバイス
文房具ユーザー
カッターナイフは怖い存在ではありません。刃物はすべて危険な側面を持っていますが、使い方を間違わなければこれほど便利な道具もありません。
まずはご自身の用途を念頭に、大きさの検討をしてみましょう。そして刃折り器やカッターマットも必ず利用しましょう。
今回は取り上げていませんが、カッターマットは種類も多く、また家庭や職場、学校の机の状態などによって大きさも選ぶ必要があります。ぜひ関心を持って検索してみてください。
そのほかのカッターのおすすめ商品はこちら 【関連記事】
安全性も重視して作業内容に適したカッターを選ぼう
用途の幅の広いカッターだからこそ、刃の固定力や安全性にも注目して選びたいものです。簡単に刃がブレたり、刃の交換時に手を切ってしまったりするようでは、長く愛用できません。
機能性の高さと合わせて、刃の固定力や交換方法も意識しながら、自分の用途にピッタリのカッターを選びましょう。
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※マイナビおすすめナビでは常に情報の更新に努めておりますが、記事は掲載・更新時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。修正の必要に気付かれた場合は、ぜひ、記事の下「お問い合わせはこちら」からお知らせください。(掲載:マイナビおすすめナビ編集部)
※2020/12/02 一部コンテンツの追加のため、記事を更新しました(マイナビおすすめナビ編集部 松林麻衣)
文房具トークユニット「ブング・ジャム」のメンバー。 文房具ユーザーとして数多くの文房具に触れ、その便利さを世に伝えたいと切望する。 筆記具と紙、その周辺の文房具を中心としたパーソナル文具全般に興味がある。 コレクターではないので所有点数は多くないが、文房具は買ったら必ず試す。