防水カメラの魅力
防水カメラが一台あることで得られるメリットは、水辺の写真を撮ることだけではありません。ダイビングやシュノーケリングでは、光が入りにくい水中でも、自動で調節し、美しい風景と水中の生物たちとの関わりを綺麗な写真で撮ることができます。また、結露や雨などが発生しやすいキャンプや登山でも、カメラの故障を気にせず写真が撮れます。
機能によっては、水中や登山中、動きながらでも手ブレ補正により、劇的なその瞬間を写真に収めることができます。防水だけでなく、防塵、衝撃にも強く設計されています。本記事では、フォトグラファーの瀬川さんへの取材のもと、水中でも、水のないアウトドアシーンでも美しい瞬間を残すために、防水カメラの選び方とおすすめ商品をご紹介いたします。
▼「防水カメラ」と「防滴カメラ」の違い
「防水カメラ」と「防滴カメラ」とでは、水に対する耐性はだいぶ違います。防水仕様のカメラは水中撮影が可能ですが、防滴仕様カメラは水中に入れることはできません。多少の雨や水しぶきがかかるぐらいなら大丈夫という程度です。大雨でびしょ濡れになったり、水中撮影することもある、そんな使い方をする人には防水カメラが適しています。
ここで取り上げた機種はすべて水中撮影もできる防水型カメラです。ドロや砂まみれになっても水道水で洗い流すことができますし、小さな子どもがカメラをいたずらして、ジュースや味噌汁をこぼして濡らしてしまっても、水道で洗ってタオルで拭いておけば何も気にする必要がないのが、防水カメラです。
防水カメラの選び方
カメラ専門家・田中希美男さんにお話をうかがい、防水カメラを選ぶ際のポイントをご紹介します。防水性能以外にも、衝撃や通信機能などいろいろな着眼点がありますので、ぜひ参考にしてみてください。ポイントは下記の4つ。
【1】防水・耐久性能
【2】カメラ性能
【3】手ブレ補正機能
【4】GPSやWi-Fi、Bluetooth通信などがあると便利
上記のポイントを押えることで、より欲しい商品をみつけることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】防水・耐久性能で選ぶ

出典:マイナビおすすめナビ

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やはり一番重要になるのが「防水性能」です。防水カメラの防水機能は基本的に「最大水深」で設定されています。その水深を超えると水圧の関係で水が機種内に侵入し、故障の原因になるため、注意が必要です。
海辺、プール、シュノーケリングなどを楽しむのであるなら10m程度のものを。ダイビング体験なら12m程度のものを。ライセンスを取得したダイビングであるなら18m以上、ライセンスのレベルやポイントによっては30m以上のものなど、これから楽しむ水辺の水深に合わせて商品を選びましょう。
最大水深を超える場合ハウジング(防水ケース)が必要
ダイビングなどでカメラを使う場合、深いところに行く際は防水であっても特に注意しましょう。深くなればなるほど、水圧は高くなるので、カメラの小さな隙間から水が入ってしまいます。文使用可能な水深を超えた場所では、カメラをカバーする「ハウジング」に入れるとより安心なので、ぜひ検討しましょう。
防塵・防水性能を表す「IPX」

出典:マイナビおすすめナビ

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防水はもちろんですが砂やほこりからもカメラを守りたいなら、日本工業規格で防塵・防水に関する保護等級規格である「IP」規格をチェックしておきましょう。
防水カメラには「IP△〇」と表記があり、○は防水△は防塵性能を示しており、防水性能の等級は0~8級、防塵性能は0~6級まであります。たとえば、IP67の場合、防塵性は6、防水性は7等級になります。
雨に濡れる程度の生活防水レベルであればIPX4程度、水に浸かる防水レベルであればIPX8がおすすめ!
「耐衝撃性能」が高ければ、万が一、落としても安心
アウトドアに持ち出すカメラは、万一の落下や衝撃にも耐えられるものでなくてはなりません。そんなときにチェックしておきたいのが「耐衝撃性」です。
防水型コンパクトカメラは、水や砂、ホコリに強いだけでなく耐衝撃性能が高い機種ばかりです。ただ耐衝撃性能で何メートルという記述がありますが、落下させても壊れないのは下が板敷きの場合です。岩やコンクリートの面に落とすと壊れることもありますのでご注意を。
氷点下でも使うなら「耐低温性」が高いものを
寒冷地やスキー、スノボーといった冬季のレジャーで使用するなら、0℃からマイナス10℃までの環境にも耐えられるモデルがあるので、そうした氷点下にも耐性をもつモデルを選びましょう。
【2】カメラ性能で選ぶ
画素数・光学ズーム・F値・焦点距離・オートフォーカスなど、きれいな写真を撮るために必要な性能がいくつかあります。とくに重要なのは、光学ズームとF値、そしてこの次で紹介する手ブレ補正機能です。ここでは、それぞれの役割についてご紹介していきます。
「画素数」が高いほど高精細
デジタルカメラの画素数とは、写真の画質を構成する画素の数のこと。画素が多ければ多いほど精密で綺麗な写真になる反面、画像の容量も大きくなります。
また、画素数が高ければ高いほどより大きなサイズの印画紙にきれいにプリントすることができます。通常サイズからB4、A3などサイズなど、市販のプリンターで可能なサイズであれば問題なくきれいにプリントできます。
スマートフォンの画素数は1000万画素以上のものが多いため、デジタルカメラは1000万画素以上を目安に、予算と相談しながら選びましょう。
「光学ズーム」の倍率が高いものがおすすめ
水中・水上関わらず注目したいのがズーム機能です。基本的にデジタルカメラのズーム機能には光学ズームとデジタルズームの2種類があります。光学ズームとはカメラのレンズを動かすことでピントを合わせ、拡大処理をするズーム機能。逆にデジタルズームはカメラのレンズはそのままに、画像を引き延ばして拡大していくズーム機能です。
ほとんどのデジタルカメラは、上記の両方のズーム機能を駆使して画質のいい写真を撮りますが、より重要視すべきなのは光学ズーム機能です。水中でもそれ以外でも、魚や鳥などの生き物、もしくは景色は、ベストな距離にいるとは限りません。そのため、遠くの被写体を綺麗にズームしてくれる光学ズーム機能も注目し、スペックの高いものを選びましょう。
「F値」が小さいほど暗い場所でも明るく撮れる
F値は、カメラのレンズの光量を調節する数値のことを言います。絞り値とも表現されますが、光を取り入れるレンズの穴を広げる(絞りを小さくする)か、狭める(絞りを大きくする)かを決める数値です。つまり、数値が小さいと光を取り込んで明るい写真が撮れ、数値が大きいと光を取り込まず、暗い写真になるということです。
水中では太陽からの光が遮られるため、この数値が小さいほど綺麗な写真が撮れます。もちろん、シュノーケリングとダイビングで絞りの適正値は変わりますが、このF値を覚えておくことで、美しい写真が撮れるカメラを選べますのでしっかり確認しましょう。
決定的瞬間を逃さない「AF(オートフォーカス)」性能
オートフォーカスとは、自動的に被写体にピントを合わせる性能のこと。このオートフォーカスの機能性が高いほど、素早く動く被写体を綺麗に写真に収めることができます。一般的なデジタルカメラには、ほとんど搭載されていますので、詳しい機能について解説していきます。
オートフォーカスの性能を測るには、「測距点(そっきょてん)=フォーカスポイント」をみましょう。測距点とはピントを合わせるための目印となるポイントで、数値で表されます。この数値が高いほど、自動で綺麗にピントが合わせられますので、防水性能のあるデジタルカメラを選ぶ際は注目してみましょう。
【3】手ブレ補正機能の種類で選ぶ
アウトドアや海水浴、シュノーケリング、ダイビングなどで、子どもたちや、魚、鳥などの生きものを写真に収める際、重要になるのが手ブレ補正機能です。この手ブレ補正機能は、電子式と光学式の2種類があります。詳しく説明していきます。
▼光学式
レンズやセンサーの動きによる補正で、ブレ補正効果が高い。
映像のクオリティを保ちながら手ブレを抑制。
衝撃に弱めで、サイズが大きくなってしまうのが弱点。
▼電子式
撮影している映像に処理をすることで手振れを補正。
比較的小型のカメラで採用されることが多い。
補正効果や画質の面で光学式に劣りがち。
【4】GPSやWi-Fi、Bluetooth通信などがあると便利
アウトドアで多彩にカメラを使用をしたいという方は、カメラの多機能性にも注目してみましょう。例えば、GPS機能やWi-Fi、Bluetooth通信ができれば、現在地の写真が撮れたり、手軽に写真のデータ移動ができます。リモートコントロール機能があれば、離れた場所からシャッターチャンスをねらうことも可能。アウトドア向けのカメラは、1人でも複数人でも楽しめる機能が揃っています。
防水カメラおすすめ9選 Wi-Fi・GPS機能付きカメラも
ここまでに説明したコンパクト型防水カメラの選び方のポイントを踏まえたうえで、カメラ専門家・田中希美男さんと編集部が選んだおすすめの商品を紹介していきます。機能が豊富なもの、水中深くでも使えるものなど色々な商品がありますが、初心者でもわかりやすいよう丁寧に解説してもらいました。
5種類の撮影モードで水中写真が綺麗に撮れる!
15m防水で、シュノーケリングなどの水中撮影でも使用可能な防水デジタルカメラです。本体には高い気密性があり砂やホコリもシャットアウト、汚れても水道水で洗えます。耐荷重は100kgあり、ポケットにしまったまま座ってしまうなどアウトドアシーンでのうっかりにも対応できます。
水中用の撮影モードは5種類です。また、最短距離10cmのマクロモードや、至近距離1cmの顕微鏡モード、自然な色で撮影できるスナップモードなど、さまざまな状況に合わせた写真を最適なモードで撮影できます。
タフなボディでアウトドアに好相性
アウトドアシーンで使うカメラを探しているならこちらがおすすめ! 14mの防水性に加え、1.6mの耐衝撃性、マイナス10度の耐寒性能、100kgの耐荷重性能を兼ね備えています。
性能は、有効画素数が1600万画素で、広角28mm、光学ズーム5倍に対応しているので、きれいな写真を撮れますよ。
ギアっぽいルックスのタフカメラ
大人心をくすぐるギアっぽい雰囲気のあるデジカメ。水深約15mまでの水圧に耐えられ、地上では高さ約2mからの落下衝撃にも耐えられる強者です。
屋外での撮影が必要な仕事をしている人にも、雨や衝撃に強い特徴のこのカメラは心強い味方ですね。防水や防塵機能に加え、4倍光学ズームで高画質。ハイビジョンでの動画撮影もできます。
「マーメイドモード」でクリアで美しい水中写真!
水深14mで2時間連続して水中撮影ができる防水デジタルカメラです。6種類の画像仕上が採用されており、華やかで明るく深みのある「雅(MIYABI)」や、高いコントラストの「リバーサル」など、独特な色合いのフィルム写真のような仕上がりが得られます。
水中撮影専用の「マーメイドモード」では、青色かぶりを抑えて、光の拡散でのコントラスト低下も補正し、美しく鮮明な撮影が可能です。
「アウトドアモニター」採用により、撮影環境に応じてプラス・マイナス各2段階ずつモニターの明るさが調節可能、モニターがとても見やすくなります。
大人はもちろん子どもも操作できるカメラ
プールや海水浴、水中でも楽しめる防水10mのデジタルカメラです。本体は丸みのあるデザインで手にフィットしやすくなっています。レンズまわりのへこみに指をかけてしっかり握れるので、子どもでも手ぶれせず撮影できます。
カラーは「ホワイト」「ブルー」「リゾート」の3色です。ひらがな表示変更、一目でわかる大きなアイコン表示などの機能があり、子どもから大人までかんたんに操作できます。場面を「水中でとる」にすると自動で撮影に適した設定になり、高性能NIKKORレンズと有効画素数1317万画素をいかした鮮明な写真や動画が撮影可能です。

4色のカラーモデルから選べる多機能防水カメラ
水中撮影だけでなく野山をトレッキングしながらハードに撮影するのに便利な機能をふんだんに備えた多機能カメラです。水深計、高度計のほか気圧や水圧もアクティブガイド機能を利用して液晶モニタ画面に表示したり、同時にファイルに記録したりすることもできますし、GPSの機能を使って移動ルートなども記録できます。
内蔵ズームレンズは広角24mm相当から望遠は120mm相当の画角までカバーしますし、さらにシャッタースピード換算で3段分の補正効果のある手ぶれ補正機能も備えています。
撮影機能は、ここにはとても書き切れないほどたくさん備わっていて、そこがこのW300のおすすめポイントでもあります。ぜひメーカーのホームページなどでチェックしてみてください。
アウトドアカメラのエントリーモデルとしても
防水のほか、防塵、耐寒、耐衝撃性能をほどこしたタフな防水カメラです。富士フイルム製防水カメラのなかではエントリーモデルのため、はじめてアウトドア向け防水カメラを探しているときにも向いています。
ARオート、幅広いセルフタイマー、連射機能がかんたんなど、さっと取りたい瞬間を逃さない機能も豊富です。スマホと連動したリモート撮影やBluetooth接続など、ふだん使いにも便利な機能もそろっています。
コンセプトは「撮りあそぼう」
軽量コンパクトなカジュアルなデジカメ。コンセプトどおり、いつでもどこでも持ち出せてすぐに撮れるところが最大の魅力です。水深2m(目安30分以内)までの防水に対応、落下2mでの耐衝撃性も備えるので、気軽に使える1台です。ぜひ海やプールなどにも持ち出して遊びましょう。
自撮りにも対応できるコンパクトな防水デジカメ
高級コンパクトデジタルカメラに採用される1.0型の大型イメージセンサーをはじめとするさまざまな高画質技術を小型のボディに詰め込んだ防水デジタルカメラです。イメージセンサーは高感度でのノイズに強い裏面照射型CMOSであるため、光量が不足しがちな水中でもノイズの少ない高画質な写真を安定して撮れます。
防水性能は水深10mまで耐えられるIPX8相当。さらに防塵や高さ2.0mからの落下にも耐える耐衝撃性能、200kgfの圧力にも耐える耐荷重性能など、耐環境性能はバツグン。
液晶モニターは180度チルト可動式になっており、水中での自撮りにも対応しています。
「防水カメラ」のおすすめ商品の比較一覧表
【ランキング】通販サイトの最新人気! 防水カメラの売れ筋をチェック
Amazonでの防水カメラの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
【Q&A】よくある質問
水中撮影時の注意点について教えてください。

防水パッキンやその接触面に異常がないかをチェックしましょう。遺物などが付着していると本来の防水性能がしっかり発揮されません。
メンテナンス方法について教えてください。

メンテナンス方法は次のとおりです。
(1)電池・カードカバー・コネクトカバーなどの防水パッキンにひび割れや傷がないかを確認。
(2)電池・カードカバー・コネクトカーバーなど砂やホコリ、水気が付着しやすそうな場所を綿棒などで拭き取る。水滴が付着していないかも確認。
(3)防水性能を維持するために年に1度、防水パッキンのメンテナンスや交換のために修理に出すことも検討。
【豆知識】中古で購入する際の注意点
防水カメラは多数の中古品が市場に流通しています。中古品を購入しても大丈夫ですが、中古販売店などが充分に商品の状態や動作を確認したものであることを確認して購入してください。
▼必ず商品の状態を確認しよう
防水カメラはとくに屋外に持ち出して使うことが多い商品であるため、前ユーザーがどれだけていねいに扱っていたかを知ることが重要です。落としたりぶつけたりした跡がないかどうか、充電器やケーブル類などの付属品がきちんとそろっているかどうかを見ることで、ある程度前ユーザーの使い方が想像できます。
インターネット通販と違い、店舗を構えているカメラ店や中古品販売店なら商品を実際に手にとって状態や動作を確認することができるため、中古の防水カメラを購入する際は店舗に足を運んで実物を見てから購入しましょう。身近に中古カメラ店がない場合などは、信頼のおけるショップが出品している商品であるかどうか、保証がついているかどうかなどを考慮して購入するといいでしょう。
とくにパッキンの状態は要チェック!
防水カメラのバッテリー室やコネクタの接続部などのフタが開閉できる部分には、機械内部への水の浸入を防ぐゴム素材のパッキンが設けられています。パッキンは防水カメラの生命線です。
中古で防水カメラを購入する際は、とくにパッキンにひび割れなどの劣化がないかどうかを確認しましょう。パッキンは多くのメーカーで定期的な交換を推奨しているため、可能ならパッキンの交換がされているかどうかを店員に質問してみるといいでしょう。
【関連記事】ほかのカメラをチェック
【まとめ】手軽でもいいから適度にメンテナンス
水深1メートルでは1気圧、水深10メートルでは10気圧もの、強い圧がカメラ全体にかかります。防水カメラはそうした圧力に耐えるように作られているのが特徴です。特に、水中撮影をするときにはバッテリーやメモリーカード、USBコネクタの開閉蓋がきちんと閉じられているかをチェックしておきましょう。
開閉蓋部には防水のためのゴムシールドが施されています。ここに小さなゴミや髪の毛が付いているだけで水中では水が浸入してくることもあります。また、数年でゴムシールドが劣化してしまうこともありますのでメンテナンスを怠らないなどの注意が必要です。
◆記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。◆特定商品の広告を行う場合には、商品情報に「PR」表記を記載します。◆「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品スペックは、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。◆記事で紹介する商品の価格やリンク情報は、ECサイトから提供を受けたAPIにより取得しています。データ取得時点の情報のため最新の情報ではない場合があります。◆レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。