コンパクトデジタルカメラの選び方 低価格だけど高性能!
写真家・カメラ評論家の田中希美男さんに、低価格コンパクトデジタルカメラを選ぶときのポイントを3つ教えてもらいました。どういった点に着目してカメラを選ぶべきか、参考にしてみてください。
ズーム倍率・画角などレンズ性能や手ぶれ補正があるか
光学ズームや手ブレ補正機能は使い勝手や写真の成功率を大きく左右する重要な要素。夜景や風景、スポーツなど多彩な撮影モードがあり、登山などのアウトドアや子どもの運動会などでも活躍してくれそう。
写真家、カメラ評論家
ズームレンズ内蔵と単焦点レンズ内蔵の違い
これから紹介する低価格コンパクトカメラには、内蔵レンズとしてズームレンズを搭載している機種と、ズーム機能を搭載していない単焦点レンズを搭載している機種の2種類のモデルがあります。
ズームレンズ内蔵カメラでは、下記の点をチェックしておきましょう。
・光学ズームのズーム倍率がどれくらいか(5~6倍あればじゅうぶん高倍率)
・広角側と望遠側の画角(写真として記録できる範囲の広さ、とくに広角側の画角をチェック)
・デジタルズーム機能の倍率と最大ズームしたときの画像サイズ(画像が小さく記録されてしまうものもある)
・ズームレンズの開放F値(数値が小さいほど大口径で光をたくさん通してくれる「明るい」レンズ)
・最短撮影距離
ズームレンズに対して、単焦点レンズ内蔵カメラのチェックすべき項目は画角と最短撮影距離です。
また、手ぶれ補正も重要です。ズームレンズ内蔵のカメラには手ぶれ補正の機能を備えたものがあります。光学式(レンズシフト方式)と電子式がありますが、おすすめは光学式手ぶれ補正の機能を備えたカメラです。
Wi-Fiなどの通信機能、その他機能を備えているか
写真家、カメラ評論家
機能の確認は必ず行おう!
低価格がウリのカメラに対しては贅沢な要求となってしまいますが、Wi-FiやBluetooth LEなどの通信機能が備わっているかどうかもチェックしておきたいところです。価格が多少、高くなってもこうした通信機能があればスマホと連携できるなど、なにかと便利な場面が多いでしょう。この部分もぜひチェックするようにしてください。
撮影の基本性能(AF機能、露出調整、連写機能など)がきちんと備わっているかどうかは、低価格機種と言えどもおろそかにはできません。重要チェック要素のひとつです。
さらに、仕上がりの色調や写真表現などの撮影モードを選べるかなど、その他の特別な機能の有無にも気を配れると、なおよいでしょう。
バッテリーは充電式か単3(単4)型乾電池か
撮影シーンに合わせてカメラが自動的に最適な設定にしてくれる撮影モード機能の多彩さも重要なポイント。
写真家、カメラ評論家
一般乾電池が電源のカメラにはメリットも!
低価格カメラには充電式バッテリーではなく、一般乾電池を使用する機種が多くあります。これは、上級機種のように撮影可能枚数や連写性能、高機能な画像処理などに対応していないので、乾電池でもじゅうぶんに電力をまかなえるためだと思われます。
とはいえ、一般乾電池を使ったカメラでもそこそこじゅうぶんな撮影機能も備わっていますし、写真画像も高すぎるクオリティーを求めなければ、ほぼ満足できるレベルです。
便利さ、という点では文句なしに一般乾電池を電源にしているカメラに利点があると私は考えています。高価な予備バッテリーを持ち歩かなくてもいいし、コンビニなど、どこでも容易に入手できるのですから。
デジカメを購入するなら安い時期に!
デジカメの価格は時期によって変動します。安くデジカメを買いたいなら、安くなる時期を見計らってコスパのいいものを購入するといいでしょう。
発売日から1年後を目安にするのがベター
デジタルカメラに限ったことではありませんが、新商品は発売から時間が経つにつれて徐々に価格が下がっていきます。およそ1年経つと発売当初よりも値段が下がっていることが多いでしょう。
また、1年はモデルチェンジのタイミングとも重なります。デジタルカメラメーカーは、毎年決まった時期に新製品を発売する例が多くあります。発売から約1年が経つと「型落ち」という扱いになるため値段が下がりやすいのです。
ボーナス時期に一気に安くなることも
ボーナス時期にも安くデジタルカメラを購入できるチャンスがあります。
この時期は夏の行楽シーズンや年末年始を前にしてカメラの買い替え需要が見込めるうえ、一定程度消費者の懐にも余裕がある時期であるため、家電量産店などは消費者を呼び込もうとして大々的にセールを開催することがあります。こうしたタイミングに合わせると安くデジタルカメラを購入できるでしょう。
低価格だからと侮るなかれ! 機能性もじゅうぶん!! 写真家・カメラ評論家のアドバイス
写真家、カメラ評論家
中古品よりも低価格のカメラが最強!
安いカメラだからといって(手荒く扱うのでなければ)すぐに壊れたりするものではありません。とくに有名カメラメーカーの製品であれば、なおさらです。高価格な最新機種に比べれば機能や性能が少しだけ劣るぐらいのことと考えればいいでしょう。
ここで紹介した機種の多くは「現役モデル」です。もし旧型機種のなかで自分の希望する機能と性能を備えたカメラがあれば、そちらを選ぶというのもよい選択です。お値段も、新型が発売されてしばらく経過したものであれば、相当に安く手に入るはずです。なお、カメラ、とくにデジタルカメラは中古品はあまりおすすめできません。
自分に合ったカメラを見つけるためにも、まずはカメラ選びを楽しんでくださいね。
低価格な人気のおすすめコンパクトデジタルカメラ11選 画素数・焦点距離・F値・ISO感度・手ブレ補正の有無もチェック!
上で紹介した低価格コンパクトデジタルカメラの選び方のポイントをふまえて、写真家・カメラ評論家の田中希美男さんに選んでもらったおすすめ商品を紹介します。低価格のカメラを選ぶときには、どの性能を重視するかという優先順位のつけ方が重要になりますので、それぞれの商品の特徴に注目してください。
【2万円以内】コンパクトデジタルカメラ おすすめ6選

キヤノン『IXY200』

出典:Amazon
画素数 | 約2000万画素(有効画素) |
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撮像素子 | 1/2.3型CCD |
焦点距離(35mm判換算 | 28~224mm/1cm |
開放F値 | F3.2~F6.9 |
ISO感度 | ISO100~1600 |
手ブレ補正 | - |
Wi-Fi | - |
8倍ズーム+多彩な撮影モード搭載IXYコンパクト
内蔵レンズには広角28mmから望遠224mmの画角(35mm判換算)をカバーする光学8倍ズームを使用したモデルです。さらにプログレッシブファインズームにより高画質を維持したまま最大448mm相当までの超望遠撮影もできます。写したい人物が1人か複数かをカメラが認識し、自動でズームアップしたりズームアウトしたりして人物が適切な構図に収まるようにしてくれる便利な機能も備えています。
このほか、低価格のカメラとは思えない充実したオート撮影モードを備え、2000万画素の高画質で撮影できることがおすすめする理由です。動画モードはフルハイビジョンの撮影に加え、動画撮影中にズーミングして構図を自在に変えることも可能です。ボディカラーはシルバーとレッドの2つのモデルが用意されています。
少し価格はアップしますが、24~240mm相当の光学10倍ズームを内蔵しWi-Fi機能も備えた「IXY210」もありますので、予算を考慮しつつ選択肢に入れておいてもいいでしょう。

ニコン『COOLPIX A10』

出典:Amazon
画素数 | 約1614万画素(有効画素) |
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撮像素子 | 1/2.3型CCD |
焦点距離(35mm判換算 | 26-130mm/10cm |
開放F値 | F3.2~F6.5 |
ISO感度 | ISO80~1600 |
手ブレ補正 | 電子式 |
Wi-Fi | - |
単3形電池対応でバッテリーの心配不要の高画質カメ
ニコン製のコンパクトカメラでは2019年3月現在、もっとも低価格な機種です。信用できるブランド(メーカー)のカメラで、より安い価格のカメラがほしいという条件ならこの「A10」がおすすめです。
A10の最大の特長は、なんと言ってもバッテリーに単3型乾電池2本を使用している点でしょう。充電の必要はないですし、コンビニに行けば電池は容易に入手できます。最近のデジタルカメラでは希少なタイプのカメラです。
むろんカメラとして必要な性能はじゅうぶんで使いやすいデジカメです。35mm判換算で26mmから130mm相当の画角をカバーする光学5倍ズーム、さらにデジタルズームを利用すれば最大520mm相当の超望遠撮影もできます。セピア調、白黒モノクロ、一部分だけ色を残したセレクトカラー、画面左右を鏡のように対象に仕上げるミラー、魚眼レンズ風など、楽しい撮影モードも備えています。カラーモデルはシルバーとレッドの2色モデルが用意されています。

ソニー『Cyber-Shot DSC-W830』

出典:Amazon
画素数 | 約2010万画素(有効画素) |
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撮像素子 | 1/2.3型CCD |
焦点距離(35mm判換算 | 25~200mm/5cm |
開放F値 | F3.3~F6.3 |
ISO感度 | ISO80~3200 |
手ブレ補正 | 光学式 |
Wi-Fi | - |
多彩な撮影機能や写真表現機能を備える低価格カメラ
電源をOFFにすると、厚み約2センチとそこそこの薄さの小型デジカメながら、25~200mm(35mm判換算)の画角をカバーする小さな光学8倍ズームレンズが内蔵されています。デジタルズーム機能を最大に生かせば約800mm相当もの超望遠で、画像サイズは少し小さくなりますが、撮影も可能です。
手ぶれ補正機能は光学式のレンズシフト方式を採用しています。動画撮影では光学式に加えて電子式の手ぶれ補正も働きます。
トイカメラ、パートカラー、ソフトハイキー、ポップカラーなど個性的な写真表現ができるピクチャーエフェクトモードのほか、自動処理でパノラマ写真に仕上げてくれるスイングパノラマモードなども備えています。人物の顔を検出する機能のほか、笑顔を認識してシャッターが切れるモードを持つことも、「W830」をおすすめ理由のひとつです。
キヤノン『IXY210』

出典:楽天市場
画素数 | 約2000万画素 |
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撮像素子 | 1/2.3型CCD |
焦点距離(35mm判換算 | 24~240mm |
開放F値 | F3.0~6.9 |
ISO感度 | ISO100~600 |
手ブレ補正 | 光学式 |
Wi-Fi | 対応 |
ニコン『COOLPIX A100』

出典:Amazon
画素数 | 2005万画素 |
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撮像素子 | 1/2.3型CCD |
焦点距離(35mm判換算 | 26~130mm |
開放F値 | F3.2~6.5 |
ISO感度 | ISO80~1600、ISO3200(オート撮影モード時) |
手ブレ補正 | 電子式(動画) |
Wi-Fi | - |
ケンコー『DSCPRO14』

出典:Amazon
画素数 | 約1400万画素 |
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撮像素子 | 1/2.33型CMOS |
焦点距離(35mm判換算 | 42mm |
開放F値 | F2.8 |
ISO感度 | ISO100~800 |
手ブレ補正 | - |
Wi-Fi | - |
【1万円以内】コンパクトデジタルカメラ おすすめ3選

ニコン『COOLPIX A300』

出典:Amazon
画素数 | 約2005万画素(有効画素) |
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撮像素子 | 1/2.3型CCD |
焦点距離(35mm判換算 | 25-200mm/10cm |
開放F値 | F3.7~F6.6 |
ISO感度 | ISO80~1600 |
手ブレ補正 | レンズシフト方式 |
Wi-Fi | IEEE 802.11b/g |
少々高価も上位機種並み機能と性能! 楽しみ方豊富
低価格帯のデジタルコンパクトカメラとしては少し高めの値段設定(それでも2019年3月現在で1万5千円以下)ですが、そのぶん上級機種なみの充実した機能と性能が備わっています。内蔵レンズは35mm判換算で広角25mmから望遠200mmの画角をカバーする光学8倍ズームです。さらにデジタルズームを利用すれば最大800mm相当の超望遠撮影もできます。
レンズシフト式の光学式手ぶれ補正の機能があり、動画撮影時には光学式手ぶれ補正に電子式手ぶれ補正を同時作動させて手ぶれを最小限に抑えてくれます。Wi-Fi、Bluetooth LE、NFCの通信機能を備えていてニコン独自のクラウドサービスであるSnapBridgeに容易に接続して写真の保存や共有ができます。ボディカラーはオーソドックスなシルバー、渋い雰囲気のブラック、そして女性におすすめのピンクの3色が用意されています。
Wi-Fi機能などが必要なく、シンプルでより低価格なコンパクトデジタルカメラを希望という方は26~130mm相当の画角をカバーする光学5倍ズーム内蔵の「COOLPIX A100」もチェックしておくといいでしょう。

ケンコー・トキナー『DSC1480DW』

出典:Amazon
画素数 | 約1400万画素(有効画素) |
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撮像素子 | 1/2.33型CMOS |
焦点距離(35mm判換算 | 42mm/約13cm |
開放F値 | F2.8 |
ISO感度 | ISO100~800 |
手ブレ補正 | - |
Wi-Fi | - |
1万円以下で防水、耐衝撃性能の単4型乾電池使用機
この「DSC180WP」には、水深3mまでの水中撮影の機能があります。同じケンコーが販売する耐衝撃性能にすぐれた「1480DW」よりも数千円ほど安い値段設定も魅力のひとつ。
使用するイメージセンサーは約800万画素で、内蔵レンズはやや広角画角の36mm(35mm判換算)です。ピント合わせ標準とマクロの2点切り替えのゾーンフォーカス式を採用しています。VGA(640×480pixel)サイズですが動画撮影も可能です。
撮影モードはプログラムオートのみですが、ホワイトバランス(白いものを白く、正しい色調で写真を記録させるための調整機能)はオートのほかプリセットでの設定もできますし、露出補正の機能も備わっています。内蔵フラッシュもあって日中シンクロ撮影もオートでこなせます。電源は単4型乾電池2本、メモリーカードはMicroSDを使用します。

ケンコー・トキナー『DSC180WP』

出典:Amazon
画素数 | 約800万画素(有効画素) |
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撮像素子 | 1/3.2型CMOS |
焦点距離(35mm判換算 | 36mm/約11cm |
開放F値 | F2.8 |
ISO感度 | ISO100~800 |
手ブレ補正 | - |
Wi-Fi | - |
水深3メートルまでなら水中撮影も可能な低価格機種
このDSC180WPには、水深3mまでの水中撮影の機能があります。同じケンコーが販売する耐衝撃性能にすぐれた1480DWよりも数千円安い値段設定も魅力のひとつ。
使用するイメージセンサーは約800万画素で、内蔵レンズはやや広角画角の36mm(35mm判換算)です。ピント合わせは標準とマクロの2点切り替えのゾーンフォーカス式を採用しています。VGA(640×480pixel)サイズですが動画撮影も可能です。
撮影モードはプログラムオートのみですが、ホワイトバランスはオートのほかプリセットでの設定もできますし、露出補正の機能も備わっています。内蔵フラッシュもあって日中シンクロ撮影もオートでこなせます。電源は単4型乾電池2本、メモリーカードはMicroSDを使用します。
【5千円以内】コンパクトデジタルカメラ おすすめ2選
ケンコー『トイカメラ DSC Pieni』

出典:Amazon
画素数 | 131万画素 |
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撮像素子 | 1/10型CMOS |
焦点距離(35mm判換算 | - |
開放F値 | F2.8 |
ISO感度 | ISO100 |
手ブレ補正 | - |
Wi-Fi | - |
ケンコー『トイカメラ(DSC Pieni Cheese)』

出典:Amazon
画素数 | 131万画素 |
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撮像素子 | 1/10型CMOS |
焦点距離(35mm判換算 | - |
開放F値 | F2.8 |
ISO感度 | ISO100 |
手ブレ補正 | - |
Wi-Fi | - |
「コンパクトデジタルカメラ」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする コンパクトデジタルカメラの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場でのコンパクトデジタルカメラの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
【関連記事】低価格コンパクトデジタルカメラに関する商品情報
低価格コンパクトデジタルカメラの選択肢は多い 性能充実タイプから、かわいらしいタイプまで!
「低価格」なコンパクトデジタルカメラとはいえ、光学ズーム、Wi-Fiといった通信機能など、コンパクトデジタルカメラならではのよさがお分かりいただけたのではないでしょうか。ぜひ、気軽に持ち歩けるようなお気に入りのコンパクトデジタルカメラを、低価格でゲットしてください。
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※マイナビおすすめナビでは常に情報の更新に努めておりますが、記事は掲載・更新時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。修正の必要に気付かれた場合は、ぜひ、記事の下「お問い合わせはこちら」からお知らせください。(制作協力:tsuge-line、掲載:マイナビおすすめナビ編集部 名原広雄)
※2020/11/13 コンテンツ修正のため記事を更新しました。(マイナビおすすめナビ編集部 名原広雄)
多摩美術大学付属多摩芸術学園・写真科卒業。撮影分野は、おもにクルマを中心に人、モノ、料理、風景、スナップ、ファッション、ドキュメントなど被写体を問わない。 ほかに、カメラ雑誌などに新型カメラやレンズのテストのレポート、撮影技法などの解説をする。