コンデジ(望遠)の選び方 写真家/カメラ評論家に聞く
写真家/カメラ評論家・田中希美男さんに、コンデジ(望遠)を選ぶときのポイントを教えてもらいました。
幅広い画角はもちろん見た目や携帯性も確認
どれだけの望遠撮影ができるかもチェックポイントのひとつですが、あわせてカメラ本体のサイズや重さ、見た目の「カッコよさ」もチェックしましょう。
電源OFFにしたとき、つまりカメラをポケットに入れたりして持ち運びするときですが、どれくらいの薄さになるかも確認してください。出っ張りがなく薄いほど持ち運びしやすいからです。
液晶モニターの性能(自撮り・タッチパネル)で選ぶ
カメラ背面の液晶モニターはほとんどが3.0型のじゅうぶんな大きさがありますが、そのモニターの角度が自在に変えられるかどうかを確認しましょう。画面が180度回転できる機種なら、モニター画面を見ながら自撮り撮影も可能です。
また、タッチパネルの機能を備えていると、ピント合わせなどがとてもラクで便利なのでチェックしておきましょう。
電子ビューファインダーがあると便利
液晶モニターのほかに、電子ビューファインダー(EVF)を備えたカメラもあります。EVFがあると、明るい戸外での撮影で液晶モニターの画面が反射して見づらいときなども構図などをしっかり確認できます。
カメラ価格は少し高めになりますが、超望遠コンデジで明るい時間帯の屋外撮影をする場合はなにかと便利ですので、チェックしましょう。
手ぶれ補正の機能を備えたカメラを選ぶ
スリム型コンパクトカメラは小さく薄く軽くて持ち運びにはよいのですが、いざ写真を撮ろうとすると意外とぶれやすく、ピントも合わせにくいものです。有効な手ぶれ補正の機能を備えていれば、超望遠ズーミングしても画面が上下左右にぶれずしっかりと構図も決めやすくなります。
ここで紹介する機種はすべて手ぶれ補正の機能を備えていますので、どれを選んでいただいても大丈夫です。
手ぶれ補正機能はこう使いこなそう
手ぶれ補正の機能はユーザーがON/OFFすることが可能ですが、三脚を使って長時間露光で撮影するとき以外はシャッタースピードにかかわらず常時ONで使ってください。「高速シャッタースピードで撮るから手ぶれの心配はない」とOFFにする必要はありません。
シャッターボタンを軽く半押しすれば、手ぶれ補正の機能が動作してモニター画面がぴたりと静止します。構図をしっかり決めるときにはシャッターボタンを軽く押しながらフレーミングするといいでしょう。いわゆる「イッキ押し」をしても手ぶれ補正は働きますが、あまりおすすめできません。シャッターは落ち着いてゆっくりと、が撮影の基本です。
使いやすくて魅力的な撮影機能を備えているか
いろいろなシーンを気軽に楽しく撮影することができる機能を持っているかどうかもチェックポイントです。たとえば一瞬の動きを確実にとらえることのできる高速連写の機能があると、スポーツ観戦や野鳥撮影に役立ちます。
カメラまかせのプログラムオート以外に、絞りやシャッタースピードを自分で選んで撮影できるモードが備わっていると便利です。動くものをシャッタースピードを遅くして撮ると、ぶれて動感が表現できますし、逆に高速シャッタースピードで写せば一瞬を静止させて表現できます。また、色調をあれこれ変えて自分なりの表現ができる自動撮影モードがあるかもチェックしておきましょう。
おすすめのコンデジ(望遠)7選 画角・手ぶれ補正機能の有無・F値・ISO感度もチェック!
上で紹介したコンデジ(望遠)の選び方のポイントをふまえて、実際に写真家/カメラ評論家・田中希美男さんに選んでもらったおすすめ商品を紹介します。各機種の特徴をチェックして、自分に向いたコンデジを選びましょう。

インドア・アウトドア問わずオールマイティな性能
ネット通販をはじめ現在もっとも人気の機種のひとつがこの『Tough TG-6』。まず、耐久性能でいうと、15メートル防水(15m・IPX8)、防塵性能(IP6X)、2.1mの耐衝撃性能、耐低温性能-10度、耐結露機能を搭載。また、F2.0と明るいレンズにくわえ、裏面照射型CMOSセンサー、画像処理エンジン「TruPic VIII」を搭載したことで、極めて高画質な画像描写を実現しました。
さらに、最短1cmまで被写体に寄ることができる「バリアブルマクロシステム」を採用し、水中で活躍する「フィッシュアイコンバーター」にも対応。インドア、アウトドアどんなアクテビティでもオールマイティに活躍してくれるコンデジです。

24~960mm相当の超望遠画角と4K動画撮影
広角から約1,000mm相当の超望遠画角までを画質のよい光学ズームで撮影ができるコンデジ。さらにデジタルズーム(プログレッシブファインズーム)機能を利用すれば約2,000mm以上の超々望遠を画質をほぼ保ったままで撮影することもできます。
フルHD動画のほか4K動画を撮影する機能も備えています。液晶モニターはチルトタイプで角度が変えられ、画面を180度回転して自分に向けて自撮り撮影することもできます。
また、最高7.4コマ秒の高速連写でAF追従します。カラーバリエーションはシルバーとブラックが用意されていますが、デザインが美しいシルバーモデルがおすすめ。兄弟機種にPowerShot SX730HSという少し価格の安いカメラもあります。4K動画の撮影はできませんがほぼ同じ機能を備えています。参考にされるといいでしょう。https://cweb.canon.jp/camera/dcam/lineup/powershot/sx720hs/

光学25倍ズームを内蔵しながら薄型軽量ボディ
ズーム倍率25倍の光学式ズームで24mmから625mm相当の画角をカバーします。ややズーム倍率にもの足りなさを感じられる人もいるかもしれませんが、600mmオーバーの焦点距離といえば立派な超望遠画角です。プログレッシブファインのデジタルズームを利用すれば高画質のまま1,250mm相当の超望遠撮影もできますから不満はないでしょう。
ズーム倍率を抑えめにしたおかげで、そのぶんカメラサイズも小さく、とても薄型に仕上がっており、それが大きな魅力になっています。カメラの電源をOFFにすればボディは約3センチの薄さになります。
液晶モニターは固定式ですが、大きな3.0型で約92万ドットの高精細液晶を採用しています。Wi-Fi機能を搭載しているので撮影した画像をスマホなどに容易に転送できます。ボディ色をホワイト、レッド、ブラックの3種類から選べることもこのカメラのおすすめポイントです。

フラッシュやEVFもある光学28倍ズームコンデジ
約240グラムの軽量、そして小型のボディに広角24mmから超望遠720mm相当までをカバーする光学28倍ズームレンズが組み込まれています。
このカメラで感心することは、ボディ上部にポップアップ式のフラッシュと電子ビューファインダー(EVF)が内蔵されている点です。使用しないときは完全にフラットな状態になっています。このへんのデザインのよさは、さすがです。
液晶モニターは3.0型で、180度回転させて自撮り撮影をすることもできます。撮影モードはP/A/S/Mの基本モードのほか、初心者向けのおまかせオートやシーンセレクションモードも備えています。秒間最大10コマ/秒の高速連写や4K動画撮影も可能です。カメラ店で手にすると、ついほしくなって買ってしまいそうで困ったカメラです。

タッチパネル搭載で小型軽量、光学30倍ズーム内蔵
ポケットに入れて持ち運びできるほどの小型薄型軽量のボディ。カメラのサイズは上級機種のCyber-Shot DSC-HX99とほとんど同じで、さらに24から720mm相当の画角をカバーするズームレンズも同じです。
最大の相違点はポップアップ式の電子ビューファインダー(EVF)を内蔵していないことで、そのぶん低価格です。これがWX800のおすすめポイント。構図やピントの確認は背面液晶モニターでやるからファインダーは必要ない、と割り切る人にはおすすめです。
AFには狙った被写体をロックオンしたまま撮影ができる機能や、人物撮影で瞳に自動的にピントを合わせて撮影できる機能なども備わっています。このWX800はタッチパネル式液晶モニターですが、その機能がないだけでほぼ同じ機能を備えたCyber-Shot DSC-WX700もあり、こちらは価格が安めのWeb販売限定モデルです。https://www.sony.jp/cyber-shot/products/DSC-WX700/

1.0型の高感度イメージセンサーが魅力のコンデジ
高画質で高性能なプレミアム高倍率コンパクトカメラです。通常のコンデジよりもワンランク上の大きな1.0型イメージセンサーを使っています。約233万ドットの高精細な電子式ビューファインダー(EVF)をボディ内に組み込んでいるのが魅力。このファインダーを覗きながら撮影すると、いかにも上級者風でカッコいい。ポップアップ式フラッシュも内蔵しています。
液晶モニターは固定式3.0型ですがタッチパネル操作ができます。内蔵ズームレンズは広角24mmから望遠360mm相当のややズーム倍率の低いものですが、レンズの描写性能はすぐれています。4K動画での撮影のほか、その4K動画から約800万画素の静止画が切り出せる4Kフォトの機能も備えています。30コマ秒の連写コマからベストな1枚が選べるわけです。
AFは独自の空間認識技術を利用して高速でピント合わせができます。AF追従で最高約6コマ/秒の連続撮影も可能。Wi-Fi、Bluetooth LEが備わっているのでスマホと低電力で高速通信して画像転送することも可能です。魅力いっぱいのカメラ。

ライカ『C-LUX』
高機能かつ高品質なボディデザインが魅力のカメラ
ミッドナイトブルーとライトゴールドの2色カラーバリエションが用意されています。ライカらしいスタイリッシュなデザインをした高倍率ズーム内蔵のスリム型コンパクトカメラです。
イメージセンサーは大きな1.0型で約2,000万画素で高精細な画像が得られ、4K動画の撮影も、最高10コマ/秒の高速連写も可能です。ボディ内の左端には電子ビューファインダーが組み込まれ、液晶モニターは固定式の3.0型ですがタッチパネル式であるなど、パナソニックのLUMIX DC-TX2ととても似た機能を備えています。
しかしC-LUXのいちばんの魅力は上品なボディデザインとライカのブランドでしょう。外観をちらっと見ただけで「あっ、ライカだ」と注目され、「いいカメラですねえ」ときっと褒められることでしょう。
「望遠タイプコンパクトデジカメ」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 望遠タイプコンパクトデジカメの売れ筋をチェック
Amazon、Yahoo!ショッピングでの望遠タイプコンパクトデジカメの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
望遠コンデジに関するQ&A よくある質問
コンデジの望遠とスマホのズーム機能の違いは何ですか?

一番の違いはズームによる画質です。ほとんどのスマホのズームは「デジタルズーム」を採用しており、同じ焦点距離で撮影した写真をそのまま拡大しているため、画質が劣化します。対して、コンデジのズームは画質が劣化しない「光学ズーム」を採用しています。
コンデジのデメリットを教えてください。

あえていうなら、一眼レフやミラーレス一眼レフのような背景をぼかした撮影が苦手なことです。これはスマホカメラにも同じことが言えます。
【関連記事】望遠タイプのコンデジ関連商品
望遠性能だけでなくカメラのサイズ・重さも確認
広角から超望遠、近接撮影までできるのが高倍率ズームレンズで、そのレンズを内蔵しているカメラは「一体型」と「スリム型」に区分けされています。
一体型は一眼レフのようなスタイルで、スリム型はいわゆるコンパクトカメラ風の小型軽量なスタイル。スタイリッシュカメラともよばれています。一体型カメラに比べると超々望遠の撮影まではできませんが(それでも500mm相当以上の望遠撮影も可能)、その代わり軽く小さい、薄いカメラであることが大きな特長です。
電源OFFにすればポケットに入るぐらいのカメラもあります。このクラスのカメラは、高倍率ズームの倍率だけにこだわらずに、カメラのサイズや重さもチェックポイントにして選ぶといいでしょう。
◆記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。◆特定商品の広告を行う場合には、商品情報に「PR」表記を記載します。◆「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品スペックは、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。◆記事で紹介する商品の価格やリンク情報は、ECサイトから提供を受けたAPIにより取得しています。データ取得時点の情報のため最新の情報ではない場合があります。◆レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
多摩美術大学付属多摩芸術学園・写真科卒業。撮影分野は、おもにクルマを中心に人、モノ、料理、風景、スナップ、ファッション、ドキュメントなど被写体を問わない。 ほかに、カメラ雑誌などに新型カメラやレンズのテストのレポート、撮影技法などの解説をする。