香水・エッセンシャルオイルとの違い
香油は、アラブ諸国で古来から使用されてきた、アルコールを含まない香りのオイルです。
では、エッセンシャルオイル(精油)や香水とはなにが違うのでしょうか? まずはそれぞれの違いを見ていきましょう。
香油とエッセンシャルオイルの違い
香油とエッセンシャルオイルの違いは「純度」です。基本的にエッセンシャルオイルは純度100%で、精油やアロマオイルと呼ばれることもあります。
香油は香りのするオイルのことで、エッセンシャルオイルや人工香料にベースオイル(植物油)などを混ぜたものです。直接肌や髪の毛に使用することができます。エッセンシャルオイルは「香り成分」、それにオイルを加えたものが「香油」と覚えるといいでしょう。
エッセンシャルオイルは直接肌につけない
エッセンシャルオイルは植物由来の物質ですが、純度が高いのでそのまま使用すると肌や粘膜を刺激してしまいます。香油として使用したい場合は必ずベースオイルで濃度を希釈するようにしましょう。
ちなみに体につける場合は濃度1%以下、顔につける場合は濃度0.1~0.5%へ希釈するのが目安となります。
また、アロマオイルという名前で販売されているもののなかには、天然の香料ではないものが使用されている商品もあります。とくにアロマテラピーの場合は、必ずエッセンシャルオイルを使うようにしましょう。
香油と香水の違い
香油と香水の違いは「ベース(基材)」です。香水はエタノールなどのアルコールを使っていて揮発性が高く、香り成分を拡散することができます。ただし敏感肌の人は刺激が強くて赤くなってしまうことがあるので注意が必要です。また、使う人の体臭によって香りが変わってしまうこともあります。
香油はアルコールが入っていないため、香りの持続性が高いことが特徴。また、オイルが香り成分を包んでくれるので、ふんわりと香ります。香水のきつい香りが苦手な方にもおすすめです。
香油の選び方 認定アロマセラピストに取材
ここからは香油の選び方を紹介していきます。香油にはさまざまな種類があり、香りやサイズもいろいろ。
選び方のポイントを解説していきますので、自分にぴったりのものを探してみてください。
香りで選ぶ
香油を選ぶときに重要なのが香りです。香油は体につけるものなので、苦手な香りだと気分が悪くなってしまうことがあります。はじめて香油を使う人でどんな香りがいいのか悩む方には、代表的なローズ・シトラス・オリエンタルの3タイプをご紹介。
それぞれ香りのタイプが異なり別々のよさがあります。好みの香りを探すときの参考にしてみてくださいね。
ローズの香り
ローズは香料のなかでも高級なものです。一滴のローズオイルを抽出するために50個のバラの花びらが必要になります。
天然のローズを使用した香料は甘く深みがあり、とても上品な香りです。ボディ用だけではなくポイント用として使用するのもおすすめです。
シトラスの香り
シトラス系の香料にはレモン・オレンジ・マンダリン・ベルガモットなどがあります。柑橘系のさわやかな香りが特徴で、ローズなどの華やかなタイプの香りが苦手な人にもおすすめです。
果皮から圧搾(あっさく)して抽出された精油で作られていて、男女ともに愛用者が多い香りです。すっきりとしていて、リフレッシュにもなりますよ。
オリエンタルな香り
オリエンタルな香りとは、東洋のエキゾチックでミステリアスなイメージを表現したもの。寺院で焚かれているお香のような香りです。サンダルウッド・バニラ・アンバーなどの香りと、シナモンやナツメグなどと合わせることでスパイシーで独特な甘い香りになります。
ムスクでセクシーなイメージを再現したり、ミルラの甘くスモーキーな香りを加えたりと、好みで組み合わせることができます。
用途で選ぶ
香油の使い方はボディ用とポイント用の2種類です。ボディ用の香油はアロママッサージなどに使用されていて、ポイント用は香水のように使われています。
香りの強さや容量などが違ってくるので、用途にあったタイプを選びましょう。
マッサージなどに使える「ボディ用」
オイルがたっぷりと使用されたボディ用の香油は、アロマトリートメントなどでよく使われています。いい香りがリラックスさせてくれるので気持ちよくマッサージできますよ。
また、ボディ用の香油は髪の毛にも使用できます。全身に同じものを使えば香りを統一できるのも魅力です。
香水のように使うポイント用
ポイント用は香水のように、手首や首筋に塗って使います。内容量が10ml前後の小さいサイズのものが多く、持ち運びにも便利です。香りを楽しむタイプなので、自分の好きな香りを選ぶといいでしょう。
香水のように使いますが、オイルなのでつけすぎるとベタベタしてしまいます。適切な量を使うように注意しましょう。
ベースオイルで選ぶ
香油に使用されているベースオイルはたくさんありますが、今回は代表的な2種類を紹介していきます。ホホバオイルとアルガンオイルは聞いたことがある人もいると思います。
ベースオイルの種類によってつけ心地や主成分が違ってくるので、好きなベースオイルを探してみてください。
ホホバオイル
ホホバオイルは南カリフォルニアやアリゾナ、メキシコなどの砂漠地帯に生息するホホバとよばれる植物の種から抽出されたオイル。酸化安定性が高く劣化しにくいのが特徴です。
ビタミン・アミノ酸・ミネラルが豊富で人の皮脂の構造と同じ作りをしているため、ほかのオイルよりも肌になじみやすいのもポイント。ニオイがほぼないので香料とも合わせやすいです。
アルガンオイル

Photo by Chelsea shapouri on Unsplash
アルガンオイルは、モロッコ南西部にしか育たないといわれているアルガンの種から抽出されるオイルです。200個の実からわずか50mlのオイルしか搾れないので、「モロッコの黄金」ともよばれています。
主成分はオレイン酸とリノール酸で、カロテン・ビタミンE・キサントフィルなども含まれています。サラサラとした使い心地なので、オイルのベタベタ感が苦手な人でも使いやすいでしょう。
価格で選ぶ
香油は300円程度のリーズナブルなものもあれば、3000円以上する高額なものもあります。安いものは手軽に買うことができるものの、着色料などの添加物が多い傾向があります。高額なものは余計なものが入っていなくて肌にやさしいものが多いです。
はじめて香油を使う人におすすめなのは900~1500円くらいの商品。価格もお手ごろで手に取りやすく、ケア成分が入ったものも多いので香油を使ってみたいという人に適しているでしょう。
つける部位や使うシーンに合わせて選ぶ 認定アロマセラピストより
英国ITEC認定アロマセラピスト/AllAboutアロマガイド
身にまとう香りはその種類もさることながら、周囲への配慮も大切ですね。香油は基本的に香り方がやさしく、あまり気兼ねしなくていいのが利点です。
控え目に、でも自分で香りを楽しみたいビジネスシーンでは香油、プライベートタイムはアルコールベースの香水を選ぶなと、使い分けるといいでしょう。そして髪や爪などには香油がおすすめ。
オイルが入っているため、同時にお手入れもできてしまうすぐれものです。
【ボディ用】香油のおすすめ6選 認定アロマセラピストと編集部が選ぶ
まずはボディ用の香油のおすすめ6商品を紹介していきます。
香りの特徴や使い方なども紹介していくので参考にしてみてください。
英国ITEC認定アロマセラピスト/AllAboutアロマガイド
プレマラボ(PremaLabo)『ブラン ドリップ』に使われているダマスクローズは、精油の女王と位置付けられる素晴らしい香料です。
その香りを楽しめて、さらには新鮮な国産の米ぬかオイルが美肌にうれしいというのがまた魅力的ですね。

プレマラボ(PremaLabo)『ブラン ドリップ』






出典:Amazon
メインの香り | ローズ |
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ベースオイル | 米ぬかオイル |
内容量 | 100ml |
サボン(SABON)『ボディオイル ローズティー』

出典:Amazon
メインの香り | ローズティー |
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ベースオイル | 天然オイル |
内容量 | 100ml |
モノイティキタヒチ(Monoi Tiki Tahiti)『モノイオイル ティアレ』






出典:楽天市場
メインの香り | ティアレ |
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ベースオイル | ココナッツオイル |
内容量 | 120ml |
ニュクス(NUXE)『プロディジュー オイル』






出典:Amazon
メインの香り | - |
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ベースオイル | - |
内容量 | 50ml |
メルヴィータ(Melvita)『ロルロゼ ブリリアント ボディオイル』














出典:Amazon
メインの香り | スパイシーシトラス |
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ベースオイル | - |
内容量 | 100ml |
ヴェレダ(WELEDA)『ラベンダー オイル』








出典:Amazon
メインの香り | ラベンダー |
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ベースオイル | アーモンドオイル、セサミオイル |
内容量 | 100ml |
【ポイント用】香油のおすすめ6選 認定アロマセラピストと編集部が選ぶ
つぎはポイント用の香油のなかからおすすめの6商品を紹介します。
ポイント用なので香りの特徴を中心に説明していきます。ぜひ参考にしてください。
英国ITEC認定アロマセラピスト/AllAboutアロマガイド
トコトワオーガニクス『ロールオンパフュームオイル ピンク』には、オリエンタルな月桃の香りがブレンドされていて興味をそそるアイテム。さらにはひとつひとつ天然石が入っていて見た目もとてもかわいいので、見るたびに癒されます。

トコトワオーガニクス(tokotowa organics)『ロールオンパフュームオイル ピンク』
















出典:Amazon
メインの香り | ローズ、月桃 |
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ベースオイル | ホホバオイル ほか |
内容量 | 7.8ml |
英国ITEC認定アロマセラピスト/AllAboutアロマガイド
パルフェ(PARFE)は香りの都・フランスのグラースに拠点を置くブランド。この『オイル パフューム』はいくつかある種類それぞれに番号がついていて、『オイル パフューム NO.5 フローラル』もそのひとつ。ゆかりのある数字の香りをまとうのも、新しい発見がありそうでワクワクしますね。贈りものにも素敵です。

パルフェ(PARFE)『オイル パフューム NO.5 フローラル』














出典:Amazon
メインの香り | ローズ |
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ベースオイル | アプリコットカーネルオイル |
内容量 | 10ml |
マリエオーガニクス(Malie Organics)『パフュームオイル ハイビスカス』

出典:楽天市場
メインの香り | ハイビスカス |
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ベースオイル | サンフラワーオイル ほか |
内容量 | 10ml |
アート ラボ(ART LAB.)『コトイロ 香油 桜』

出典:Yahoo!ショッピング
メインの香り | 桜 |
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ベースオイル | - |
内容量 | 5ml |
スカンジナビスク(SKANDINAVISK)『エスケープコレクション パフュームオイル HEIA』












出典:Amazon
メインの香り | ハーブ、ベリ― |
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ベースオイル | - |
内容量 | 8ml |
カイ フレグランス(kai fragrance)『パフュームオイル ローズ』








出典:Amazon
メインの香り | ガーデニア |
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ベースオイル | - |
内容量 | 3.6ml |
「香油」のおすすめ商品の比較一覧表
香油の歴史
香油の歴史は古く、紀元前3000年代ごろに栄えたメソポタミア文明の時代にはすでに使用されていたそうです。古くから儀式や王族の生活に欠かせないもので、ミイラ作りの際に塗り込んでいたともいわれています。
当時香油に使用されていた香料は精油ではなく、シナモンなどの植物やそのほか樹脂が使われていました。のちに技術が発展し精油を抽出することができるようになり、進化をかさねて現在の香油となったのです。
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まとめ
今回は、香油のおすすめの12商品を紹介しました。
香油は香りの種類やベースオイルによって成分や効果が変わります。まずは自分の好きな香りを選ぶことが重要です。
ぜひお気に入りの香油を探してみてください。
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※マイナビおすすめナビでは常に情報の更新に努めておりますが、記事は掲載・更新時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。修正の必要に気付かれた場合は、ぜひ、記事の下「お問い合わせはこちら」からお知らせください。(掲載:マイナビおすすめナビ編集部)
※2021/01/15 本文・価格修正のため、記事を更新しました(マイナビおすすめナビ編集部 下田結賀子)
英国ITEC認定アロマセラピスト、(公社)日本アロマ環境協会認定アロマセラピスト、同インストラクター、AllAboutアロマテラピーガイド、AEAJ総合資格認定校ル・クールを1999年から主宰。 伝統的アロマテラピーを軸に、香りのメンタル効用やボディートリートメントによる、おとな女性の健康なライフスタイルのためのレッスン、トリートメントを提供。 独自考案メンタルハーブティーでは西洋ハーブと東洋スピリットをミックスさせている。 (一社)日本ソムリエ協会認定ワインエキスパートでもあり、智美流「アロマなワイン会」など心と身体にいいお酒&フードにも趣味以上にのめりこみ中。 近著『1週間で合格! U-CANのアロマテラピー検定1級・2級 速習テキスト&問題集 第2版』 有限会社アール・アイ取締役社長