米焼酎とは 原料は米
米焼酎とは、米を原料にしたお酒のことです。熊本県南部の人吉盆地が発祥で、「白岳(はくたけ)」や「鳥飼(とりかい)」は人吉で造られた有名なお酒です。米作りにルーツのある人吉では、米焼酎造がさかんに行われていた歴史があります。
米焼酎にはクセがほとんどないので、米焼酎をはじめて飲む初心者の方でも美味しく飲めるはずです。米が主食の日本人の舌にピッタリです。
米焼酎と日本酒との違い 発酵・蒸留
日本酒は、麹の酵素によって米のデンプンを糖化させ、酵母の力でアルコール発酵させることでできた「もろみ」をしぼった醸造酒。これに対して、米焼酎はもろみを温め、低い沸点のアルコールをふくむ水分を、上部で集結して冷やす蒸留作業によってできる蒸留酒です。
また、米焼酎と日本酒では原料となる米も異なり、米焼酎は食用米が、日本酒は酒造好適米が使われることが多いです。アルコール度数は、米焼酎が25~40%ほどで日本酒は15%前後。
米焼酎の選び方のポイント 産地、麹、蒸留方法で
ここからは米焼酎の選び方のポイントについてご紹介します。ポイントは下記。
【1】米の品種で選ぶ
【2】産地による特徴をチェックする
【3】麹がテイストの決め手となる
【4】蒸留方法で飲み口が変化する
上記のポイントを押さえることで、より欲しい商品をみつけることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】米の品種で選ぶ
毎日食べているお米にいろいろな味があるのと同じで、焼酎も原料であるお米が変われば味も変わります。
米焼酎は食用米が使われることが多く、代表的なものは「五百万石」や「山田錦」などです。米どころといわれる新潟や、秋田の名高い米産地の品種などを基準に選ぶのもいいでしょう。
【2】産地による特徴をチェックしておこう
つくられた土地が変われば、できあがったものの味わいや香り、余韻にいたるまでことごとく違いが生まれます。ビギナーの方にとっては、名高い産地のものから試してみるのもいいでしょう。
南九州では熊本の「球磨焼酎」などがよく知られていて、伝統産地として認められています。ファンが求める多くの銘柄がここから日本全国に発信されています。米焼酎の原料は米の産地という意味から、米どころとして名高い新潟県などにもファンに愛されている銘柄が豊富です。
【3】麹がテイストの決め手となる
つくる過程で欠かせないのが麹。その種類による特性ができあがりに大きく影響します。
クリアな味わい【白麹】
白麹は、もともとは黒麹だったものが派生して誕生したといわれています。さっぱりとしたキレのいい飲み口にできあがるのが特徴で、広く使われています。
米本来の味わい【黄麹】
黄麹は、さわやかな飲み口の焼酎を生み出す、もっとも古くから使われている麹です。
クエン酸を作れないので雑菌が繁殖するというデメリットもあり、以前ほど使われることが減りました。しかし、衛生管理に気をつけることで、黄麹を活用する酒造がふたたび増えつつあります。
コクのある【黒麹】
黒麹は沖縄の泡盛に使用されたのがはじまりです。
暑い気候でも腐らない泡盛に目をつけられて開発されました。クエン酸を作るので安全に焼酎が製造できます。コクがあって骨太な味わいがある焼酎に仕上がるのが特徴です。
【4】蒸留方法で飲み口が変化
焼酎の蒸留方法はおもに「常圧蒸留」と「減圧蒸留」の2種類です。
常圧蒸留
常圧蒸留は窯の内部でもろみを温めて、低い沸点のアルコールを先に蒸発させます。これを集めたものを冷やす伝統的な方式です。通常の気圧のもとで行なわれ、90~100℃の沸点で蒸留させます。もともとの原料が持っている風味が際立ちます。
減圧蒸留
減圧蒸留は蒸留器内の気圧を下げて蒸留する製法です。窯の気圧を下げ、50℃前後で沸騰させることでアルコールを集めやすくなります。その結果、雑味の少ない軽やかな口当たりの米焼酎ができます。
日本ソムリエ協会認定ワインエキスパートのアドバイス
日本人にはなじみ深い米を原料とする米焼酎。伝統的な製法で造られたものは芳醇で濃厚な味わいですが、近年は軽快な風味のものも増えています。そのような味わいのタイプにも目を向けて選ぶといいでしょう。
米焼酎おすすめ20選 人気有名店で美味しい
ひとくちに米焼酎といっても個性がある銘柄が目白押しで、本当に迷ってしまいます。少しでも参考になるように、つくられた土地や使われている原料などに着目して選んだ個性が光る商品をご紹介します。
球磨郡相良村の米「ひのひかり」の純米焼酎
原料は川辺川の伏流水と、その流域の村でしか取れないお米だけを使っています。こだわりの原料のおかげで、川の清らかな水を彷彿とさせる透明感のある香りと品格漂う味わいを堪能できるでしょう。
モンドセレクションの金賞や、海外での受賞歴も。実際にアメリカを含む世界の8ヶ国に輸出されていることからも、世界が認める味と言えます。
米づくりの段階からこだわった焼酎
熊本県の人吉・球磨にある松の泉酒造は、明治8年創業の歴史あるメーカー。四方を深い山々に囲まれる焼酎造りに適した球磨地方の自然環境で、白髪岳の花崗岩をくぐり抜けた良質な水を使って焼酎を作っています。
この「球磨焼酎」は、米を育てることから始められたこだわりの逸品。田の要所に備長炭を埋め、濾過した水で米を育てることで、きめこまやかな舌触りの焼酎に仕上がっています。
華やかな香りとソフトな口当たりの球磨焼酎
球磨焼酎で知られる熊本県人吉の球磨地方にて、400年の歴史を持つ鳥飼酒造が造る米焼酎です。「山田錦」を贅沢に50%まで精米し、黄麹と酵母により仕込んだもろみを減圧蒸留にて蒸留。この独自製法によって、芳醇な香りを生み出しています。
まるで完熟したフルーツのような華やかな香りに加え、軽やかな口当たりとほのかな甘味、キレのいい後味も魅力です。
銘品をアルコール度数低めのパックで楽しむ
厳選されたお米と、球磨川水系の質のいい地下水を原料としてつくり出された米焼酎です。焼酎の持つ独特のにおいや味の混じり気を取り、まろやかさを出すために低温でじっくり蒸留する製法を取り入れています。
お米からつくられる米焼酎ならではの芳醇な香りがこの商品の特徴。すっきりとした飲み口も味わえるでしょう。
オーク樽の芳ばしい香りが冴える
伝統的な日本酒の酒づくりの技法がいかされている米焼酎です。原料のお米と清酒酵母、そして黄麹を使用するいわゆる三段仕込みという方法でつくられたものを、オーク樽で長期間にわたって熟成させてできあがる手間のかかった銘柄です。
フレッシュかつ繊細な吟醸香は、豊かな自然環境でじっくり熟成させてこそ。かぐわしい香りとコク、さわやかな口当たりを同時に楽しめます。
※Amazon・楽天市場は1本、Yahoo!ショッピングは6本の価格です。
「米焼酎」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 米焼酎の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの米焼酎の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
米焼酎おすすめの飲み方 水割りやお湯割り
米焼酎の飲み方を紹介していきます。自分好みを見つけましょう!
ストレート
米焼酎本来の味わいや香りを楽しみたい方は、ストレートがおすすめです。水割りやお湯割りと違って、米焼酎の味を直で堪能できます。
種類によっては、冷やすことでとろみをつけられるなど、温度の変化でも楽しみ方があります。
水割り
さわやかな味わいを楽しみたい方は水割りがおすすめです。水割りの割り方は焼酎6:水4が標準とされています。グラスにたっぷり氷を入れて、注ぐのは焼酎が先です。
冷たくスッキリした味わいではじめての方が飲みやすい割り方です。焼酎と水の割合も自分に合った比率を探すとよいでしょう。
ロック
冷たいながらも本来の味わいも楽しむことができるロック割です。飲みやすさが抜群でゴクゴク飲めます。
大きな氷を入れることがさらに美味しく飲むためのコツです。また、氷が溶けてくるので最初と最後での味の変化にも注目すると良いかもしれません。
お湯割り
お湯割りは、香りが際立ち焼酎がお湯に馴染みます。お湯割りにすることで香気成分がリラックス効果をもたらします。
水割りと同様で焼酎6:水4の割合が標準とされています。グラスに注ぐのはお湯が先です。また、焼酎がお湯より下に沈むのでマドラーも使わなくて良いです。
お茶割り
ウーロンハイや緑茶ハイというカクテルがあるように、お茶とお酒の相性も抜群です。健康志向が高い方のブームになるなど新しい飲み方として代表的になってきました。
低カロリーでお茶感覚で飲みやすい為、女性にもおすすめです。また、お茶にも焼酎にも糖分が入っていないため、ダイエット中の方にも良いとされています。
ソーダ割り
癖の少ない米焼酎との相性が良いソーダ割りは、はじめての方にもおすすめできます。夏の暑いときにはスカッと炭酸で喉を潤してみてはいかがでしょうか。
米焼酎のソーダ割りに梅干しを入れるのもおすすめできる少し変わったアレンジ方法です。
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蒸留方法や産地の気候などが味に反映される
今回は米焼酎の商品をご紹介しました。
原料のお米や麹、あるいは水によって味わいが変わってくるだけでなく、蒸留方法や産地の気候などのさまざまな要素が味に反映されます。あなたがほしい米焼酎を選んでみてくださいね。
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埼玉県出身、高知県在住。一児の母。慶應義塾大学文学部仏文科卒。三越日本橋本店の洋酒担当を経てワインやビール、ウィスキーなどの洋酒全般の知識を培い、2016年、J.S.Aワインエキスパートの資格を取得。 現在はOffice Le Lionの代表として、高知県内のワイナリーのアドバイザーやワイン検定の講師を務める一方、ワインに関連する記事やコラム等の執筆も多数手がけています。2019年、日本ソムリエ協会高知支部副支部長に就任。