米麹とは? 発酵食品を作るのに不可欠
「米麹」とは、米に麹菌を繁殖させたもののこと。米麹を使って発酵食品を作ると、酵素の力によってうまみや甘さが生まれます。ビタミン類などの栄養成分も作られるので、米麹を使って作った甘酒は「飲む点滴」と呼ばれるほどです。
また、米麹は、塩麹や醤油麹を作るときにも使われています。
この記事では、食生活に取り入れたい米麹の選び方と、おすすめの商品を紹介していきましょう。
米麹の選び方 料理研究家に聞く!
まずは米麹の選び方について紹介します。
生タイプの米麹か、乾燥タイプの米麹か
米麹には大きく分けて、生タイプと乾燥タイプが存在します。まずはその特徴からおさえていきましょう。
生タイプの米麹|長期保存はできないが本格志向!
生タイプの米麹は、水分含有量が約25%あり、冷蔵保存する必要があります。酵素の活力が強いのが特徴。一方、水分量が多いので雑菌が繁殖しやすく、自己発酵で劣化が進んでしまうため、保存性はよくありません。
活性が高いため、甘酒作りや味噌作りをしたい人にはこちらが適しています。
乾燥タイプの米麹|長期保存できて手軽に購入可
乾燥タイプの米麹は、生麹を乾燥させたものです。水分含有量は10%以下となっており、雑菌が繁殖しにくく、常温で長期間の保存ができます。
保存性が高いというメリットは入手のしやすさにもつながっており、スーパーでも手軽に手に入るのがこちらの乾燥タイプです。一方、乾燥の工程で熱が加えられているため、生タイプに比べると麹の活性が損なわれているという欠点があります。
家庭では一度に多くの米麹を使うことは少ないので、乾燥タイプのほうが使いやすいかもしれません。ただし戻してから使わないといけないので、その点ではひと手間かかります。
麹の製法に着目して選ぶ
麹の製法としては、伝統的な製法によってていねいに手作りしているメーカーもあれば、完全に機械化して人の手に触れない環境で作っている場合もあります。
それぞれにメリットとデメリットがあり、ひとことでどの製法がいいとはいえませんが、製造元のこだわりをチェックして自身の好みで選ぶといいでしょう。
保存料などは無添加のものを選ぶ
米麹のなかには、砂糖や保存料が入っているものもあります。また、乾燥を早めるために塩を使っている場合も。米麹本来のやさしい味わいを楽しみたい方は、添加物の入っていないものがおすすめです。
原材料表示や「添加物不使用」「無添加」といった表記をチェックするようにしましょう。
選んだ米麹によって味わいが変わる 料理研究家からのアドバイス
味噌や日本酒などの製造に欠かせない米麹。一般的には乾燥麹より生麹のほうが酵素の力が強いといわれていますが、家庭で使う分にはどちらを選んでもおいしい発酵食品が作れます。
日持ちを考えて乾燥麹を選ぶ方も多いですが、生麹も冷凍すれば数カ月は保存できます。
同じレシピで塩麹や甘酒を作っても、選んだ米麹によって味わいが変わるのもおもしろいところ。気になる米麹をどんどん試してお気に入りを見つけてください。
米麹のおすすめ10選 料理研究家と編集部が選ぶ!
ここからは、米麹のおすすめ商品を紹介します。
マルクラ食品『国産 有機米使用 乾燥玄米こうじ』は白米麹に比べると、甘酒や塩麹作りで米粒がやわらかくなるまでの時間が少し長くかかりますが、玄米ならではのコクと色合いが楽しめます。魚や肉の麹漬けに使うのもおすすめです。
やさか共同農場『やさかの有機乾燥米こうじ』は、雑誌の取材でうかがったこともある「菱六」の種麹を使っていて、有機JAS認証も受けている商品ということで、私がよく使う乾燥麹です。この米麹で甘酒を作ると、やさしい味わいに仕上がりますよ。
おたまや『砕米麹 生麹』は、我が家では塩麹やトマト麹を作るときに使っています。砕米の生麹なので、塩とうまく混ざり、発酵や熟成も早く進みます。ただ、とろみがしっかり出るので、そこは好みですね。

丸みのある味わいが楽しめる乾燥タイプ
国内産の有機米と京都産の麹菌で作った米麹です。麹菌は日本に数軒しかないといわれている種麹屋のひとつである「菱六」のものを使用。
この『やさかの有機乾燥米こうじ』には有機JAS認証マークがついています。有機JASとは、化学的に合成された肥料や、農薬の使用を避けていることを証明するための検査を通過した証です。そのため、オーガニック志向の方におすすめ。
乾燥米麹のなかでは丸みがある味わいが特徴です。米麹本来の味を楽しむ甘酒や、まろやかさを生かした調味料などを作りたい方もぜひチェックしてみてくださいね。
タイプ | 乾燥タイプ |
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製法 | - |
原材料 | 有機米(島根県、滋賀県、北海道産)、麹菌 |
タイプ | 乾燥タイプ |
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製法 | - |
原材料 | 有機米(島根県、滋賀県、北海道産)、麹菌 |

割れた米を使用! 分解、発酵が早い
割れている米をあえて使った米麹。割れ米を使うことで酵素(アミラーゼなどの分解酵素)の分泌量が多くなるため、発酵が促進されます。
伝統的な製法と道具を使って作られています。原料の米も国産100%で、おたまやの地元である山形のほか、秋田、新潟の米をおもに使用。
分解・発酵が早いので、甘酒よりも味噌や塩麹、塩辛などを作りたいときにおすすめです。
タイプ | 生タイプ |
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製法 | 床製麹 |
原材料 | 砕米(国内産) |
タイプ | 生タイプ |
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製法 | 床製麹 |
原材料 | 砕米(国内産) |
気候を生かした製法が特徴
流氷が見られることでも知られる、北海道網走市にある倉繁醸造の米麹。網走の気候を生かした製法で作られています。
原料となる米にもこだわっており、北海道産の米を使用。原料の処理、仕込み、パッキングをすべて自社で行なっているので、安心して手に取ることができますね。
※Amazon・楽天市場は10個、Yahoo!ショッピングは4個の価格です。
タイプ | 乾燥タイプ |
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製法 | - |
原材料 | 精米(国内産)、麹菌 |
タイプ | 乾燥タイプ |
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製法 | - |
原材料 | 精米(国内産)、麹菌 |
国内産の米を使用し、麹菌を壊さない低温乾燥
日本国内だけでなく、海外でも発酵食品を販売しているマルクラ食品の乾燥米麹。マルクラ食品の地元である岡山県の白米を使っています。
職人さんの手作りで、食品添加物は不使用。麹菌を壊さないように低温の温風でじっくりと乾燥させており、酵素力価に期待が持てます。甘酒はもちろん、麹漬けや塩麹を作るのにもおすすめですよ。
タイプ | 乾燥タイプ |
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製法 | 低温乾燥 |
原材料 | 米(岡山県) |
タイプ | 乾燥タイプ |
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製法 | 低温乾燥 |
原材料 | 米(岡山県) |
有機JAS認定の白米のみ使用した米麹
マルクラ食品の地元である岡山県の白米のみを使用した米麹です。原材料の米は有機JAS認定米。
保存料など食品添加物を使用せず、有機米のみでできているので、オーガニックの農産物や製品を選びたい人に向いています。
タイプ | 乾燥タイプ |
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製法 | 低温乾燥 |
原材料 | 米(岡山県産有機米) |
タイプ | 乾燥タイプ |
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製法 | 低温乾燥 |
原材料 | 米(岡山県産有機米) |
創業300年以上の老舗が作る乾燥米麹
創業330年の老舗である、糀屋本店の米麹です。一般的に、乾燥米麹は生麹より酵素の活性が弱いといわれていますが、この米麹はできるだけ発酵能力を保つために低温乾燥にこだわって作られています。
原料には大分県産の米を100%使用。手間暇かけてていねいに作る「室ぶた作り」で製造されています。添加物も一切不使用なので、米本来の風味を存分に味わえそうです。
※Amazon・Yahoo!ショッピングは1個、楽天市場は3個の価格です。
タイプ | 乾燥タイプ |
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製法 | 低温乾燥(室ぶた作り) |
原材料 | 米(大分県産)、麹菌 |
タイプ | 乾燥タイプ |
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製法 | 低温乾燥(室ぶた作り) |
原材料 | 米(大分県産)、麹菌 |
粒状でほぐす手間いらず!
添加物不使用、無塩の米麹です。もちろん原料となる白米は国産100%。酒粕から作られる甘酒に比べて甘みが強く、砂糖を加えなくてもやさしい甘さのある甘酒が楽しめます。
粒状になっているため、ほぐす手間もかからず、塩などを混ぜるときに均一に混ぜやすいという利点があります。扱いやすいので、手軽に甘酒や塩麹作りができますよ。
タイプ | 乾燥タイプ |
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製法 | - |
原材料 | 米(国内産)、麹菌 |
タイプ | 乾燥タイプ |
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製法 | - |
原材料 | 米(国内産)、麹菌 |

玄米を使った米麹
通常、米麹は白米を使いますが、こちらは玄米を使った米麹です。玄米は白米よりもビタミン、ミネラル、食物繊維などが豊富。栄養豊富な発酵食品が作れます。
玄米といっても使い方は同じで、甘酒や味噌、塩麹作りに利用できます。もちろんマルクラ食品こだわりの「じっくり乾燥させる技術」も採用。乾燥麹ですが、菌の力はしっかり残っています。
※Amazonは1個、楽天市場・Yahoo!ショッピングは5個の価格です。
タイプ | 乾燥タイプ |
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製法 | 低温乾燥 |
原材料 | 玄米(岡山県産有機米) |
タイプ | 乾燥タイプ |
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製法 | 低温乾燥 |
原材料 | 玄米(岡山県産有機米) |
新潟産コシヒカリを使用した生タイプ
新潟産のコシヒカリといえば炊いて食べてもおいしい米の人気ブランド。その米を新潟の蔵元が米麹にしています。生タイプの米麹をそのまま冷凍しているので菌の力が強く、香りが強い発酵製品を作ることができるのが特徴。甘酒や塩麹作りにもぴったりな米麹です。
また、甘酒や塩麹作りははじめてという方のために説明書もついてくるので、自家製甘酒作りに挑戦してみるのもいいでしょう。
タイプ | 生タイプ |
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製法 | - |
原材料 | 米(新潟県産コシヒカリ)、麹菌 |
タイプ | 生タイプ |
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製法 | - |
原材料 | 米(新潟県産コシヒカリ)、麹菌 |
おいしい「こうじ水」が作れる!
米麹専門のメーカーによって製造されている米麹。真空状態でパッキングされているので、未開封であれば常温保存が可能です。
こちらの米麹を使ったレシピでおすすめしたいのが「こうじ水」。お湯やお水に米麹を入れておくだけで作れるドリンクです。レモンやゆずといった酸味のあるフルーツとあわせたり、リンゴ酢やブドウ酢といったフルーツビネガーと割ったりするとさらにおいしく味わえます。
タイプ | 乾燥タイプ |
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製法 | - |
原材料 | 米麹(国内産) |
タイプ | 乾燥タイプ |
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製法 | - |
原材料 | 米麹(国内産) |
「米麹」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 米麹の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場での米麹の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
米麹に関連する商品情報はこちら 【関連記事】
製品ごとの特徴を活かして
米麹のおすすめ商品をご紹介しました。米麹のなかにも生タイプの米麹や乾燥麹、製法や原料の違いなど、製品ごとに特徴はさまざまです。この記事を参考に、用途にあわせて米麹を選んでみてくださいね。
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