まずはシューズを使用する目的を決めよう
シューズの使用目的によっても選ぶシューズが違ってきます。
マラソンを目的にしているのか、普段履きを兼ねたシューズなのか、ジョギング用としているのかなどによって専用のシューズを選び、また目的別に使い分けましょう。
ファッション性と機能性を併せ持ったストリートランできるシューズも展開されていますので、選ぶ際のポイントにしてみてください。
ランニングシューズ選びの5つのポイント
使用用途がわかったところで、ここからはランニングシューズを選ぶ時のポイントをご紹介します。ポイントは下記6つ。
【1】構造
【2】クッション性
【3】サイズ
【4】素材
【5】メーカー
【6】性能
これらのポイントを詳しく見ることで、自分にピッタリのシューズを選ぶことができますので確認しておきましょう。
【1】シューズの「4つの構造」を理解しよう
日本成人病予防協会認定講師、全米エクササイズ&スポーツトレーナー
一般に販売されているシューズは、アッパー・インソール・ミッドソール・アウトソールの4つの構造から成り立ちます。
足のフィット感そのものに直結し、シューズの上部を覆うアッパー。素材と構造がクッション性の優劣をもたらすミッドソール。
購入したシューズをカスタムメイドできて、唯一取り外しがかんたんにできるインソール。そして地面をしっかりと捉え、次の一歩を踏み出すサポート役となる靴底部分のアウトソール。この主要構造があることを覚えておくだけでも、シューズ選びにとても便利です。
スピードを求める方は、アッパーの足指の曲げ伸ばしや体重をコントロールしてくれる機能を重視するとよいでしょう。また、まずはフルマラソンの完走を目指すという方は、他の部位よりも消耗が激しいアウトソールに、柔軟性やクッション性がすぐれたクレープソール(天然ゴム使用)を選ぶとよいでしょう。
【2】走力や走り方でクッション性を決めよう
日本成人病予防協会認定講師、全米エクササイズ&スポーツトレーナー
ミッドソールやアウトソールが厚いシューズは、クッション性がすぐれていて、けがをしにくく重量感があるため、ランニング初心者に向いています。
慣れてきたら今度は、地面をしっかりと捉えて、ソール全体が薄く軽量化されたシューズを選ぶとよいでしょう。
最近のスニーカーは、素材やシューズそのものの構造が進化しており、ソール全体が薄くても衝撃を吸収しやすく、厚くても反発力にすぐれているものが開発・販売されています。
選ぶ際には、たとえば「海外のランナーのようなスピードを上げた高速走法に切り替えたいから、フォアフット(前足部)が丈夫なものを選ぼう!」「タイムは関係なく、ゆっくりペースで長い距離を走りたいから、かかとからしっかり着けるようにヒールが厚くクッション性にすぐれたものを買おう!」など、感じる”足感”が大切です。
【3】サイズは1cmほど余裕があるものを
シューズを購入する際には、自分の足に合ったサイズを選ぶということがポイントになります。各メーカーサイトにあるサイズ表を参考に、実際の足長サイズよりも1cm程度余裕があるものを選びましょう。
余裕がなくジャストサイズだと、走った際に靴擦れなどのトラブルが起こることも。ランニングではふだんより厚めのソックスを履くため、余裕があるサイズでOKです。
また、ラストと呼ばれる足型は国内と海外で違いますので、購入の際には注意しましょう。サイズ選びに迷ったら、足サイズ計測シートを用意しているメーカーもありますので、参考にしてみましょう。
【4】シューズの素材を確認しよう
アッパーの素材としてメッシュ素材が使われているものや、ニット素材が使われているものがあります。アッパー部分にやわらかい素材が使ってあるものを選ぶと、足の甲に沿ってフィットするので、履き心地がよいでしょう。ニットはフィット感にすぐれ、メッシュは通気性とサポートにすぐれていると言われています。
軽量化やフィット感向上のために前足部すべてがメッシュ素材になっているものもあります。超軽量をうたった独自開発素材を使っているメーカーもありますので、シューズのアッパーの素材も比較してみましょう。
【5】国内メーカーと海外メーカーの特徴の違いを知ろう
シューズメーカーでは独自開発した素材や、機能を搭載したランニングシューズを展開しています。それぞれの違いを確認してシューズを選んでみましょう。
日本人の足に合わせて作られた「国内メーカー」
ミズノやアシックスは日本メーカーという安心感があります。とくに日本人の足にフィットしやすいよう研究開発がされているので、初心者向けからシリアスランナーのレース用まで幅広いラインナップが特徴です。
海外の最新トレンドを取り入れた「海外メーカー」
海外メーカーはやはりデザインが洗練されていたり、独特のものが多く若い世代からの支持を得ているでしょう。最新トレンドとして注目すべきは、オリンピックを目前にしてナイキが発表した厚底シューズで、マラソン界では好記録が続出しています。
スイス生まれの高機能シューズメーカーのオン、日本人の足に合うシューズの開発に力を注いでいるニューバランスは、カジュアルでありながらも目的に合ったシューズ選びが可能です。
【6】性能を確認しよう
つま先が上がっていると、自然と足が前に出ることから推進力を生みます。中足部で着地し、つま先で地面を蹴り上げるのがランニングの正しい重心移動とされていますので、つま先が上がっている形状のものは、足が着地してから地面を蹴るまでがスムーズになります。そのため、推進力が高いものはより早く快適に走ることができますよ。
自分にフィットするランニングシューズを探そう
日本成人病予防協会認定講師、全米エクササイズ&スポーツトレーナー
ランニングシューズを選ぼうとしている方の生活スタイルや日常の活動、体力や能力は、人それぞれ違います。ランニングフォームの土台作りのためなどを目的に購入する方は、シューズがもつ機能性(着地の衝撃緩和や軽さなど)を重視しましょう。
また、個性をアピールしたり、デザインや色合いを楽しんだりしたい方は、機能性以上に自分の好みや直感を優先して、心の満足度を高めましょう。
各メーカーの技術や素材は日々進化しています。ランニング時の怪我のリスクについても、心にとめて選ぶようにするとよいでしょう。
おすすめ5選|MIZUNO(ミズノ)
MIZUNO(ミズノ)のランニングシューズをご紹介します。
足幅が広い方向けのワイドタイプ
白をベースにした王道カラーに、ミズノらしさがあふれるランニングシューズです。アウトソールには磨耗に強い素材を使用しており、強い耐久性があります。
クッション性や軽量感はもちろんのこと、足の甲周りの部分を通常より6mm大きく設計しているところが大きな特徴です。「足の幅が広いため、大きめの靴を選んでいる」という方に向いています。
フルマラソンに挑めるシューズ
軽量なメッシュ素材で通気孔があり、高いフィット感とサポート力があるシューズです。衝撃吸収性の高いソールで着地時もソフト。
着地から蹴り出しまでの体重移動がスムーズにできるので安定した走りができます。長距離やフルマラソンに挑戦する人向けのマラソンシューズです。
反発性をプラス! マラソン用に最適
従来の軽さとクッションに、反発性をプラスしたシューズです。長距離を走るうえでの、適度な屈折性と反発性を重視し、安定した走りをサポート。
フルマラソンを3.5時間以内に走りたいランナー向け! サブ3.5のトレーニングシューズです。カップインソールは取り外し可能となっています。
スピード走行に適したランニングシューズ
高反発でスピード走行ができるランニングシューズです。スピードレース用の『ウェーブプレート』を長距離ラン用のシューズに施すことで走り出しやすい反発力をアップ。アウトソールには、軽さとフィット感、柔軟性をあわせもつG3ソールを採用しています。
ある程度ランニングを経験し、さらにタイムを縮めたいと考えている中級者向けの商品です。
安定性を実現し、加速をサポート
従来のミッドソール素材に比べ柔軟性が17%、エナジーリターンが15%向上したミズノの最新素材を全体に採用。少ない衝撃で高い反発性を実現します。
さらに、硬度の異なる素材を波形状に組み合わせた「フォームウエーブ」を中足部に配置。
ミッドフット接地における安定性を向上させ、快適なミッドフットランニング体験をサポートします。
おすすめ3選|asics(アシックス)
asics(アシックス)のランニングシューズをご紹介します。
スピードを追求したモデル
エンジニアード加工を施したウーブンメッシュ素材のアッパーで、軽量かつすぐれた通気性を誇るモデル。
ぴったりとした快適なフィット感で記録破りの走りをサポートします。フルマラソンでのスピードを追求する方向け、話題のシューズです。
つま先の部分が広めに作られているので、指先の動きもしっかり確保されています。

ふだん履きたいオールラウンドなランニングシューズ
日々の生活のなかで、ランニングの時間がなかなか確保できないときは、買い物や通勤時を利用してもよいでしょう。お店まで早歩きしたり、余力があるときにはひと駅分を軽くジョギングしたり。
そういうときにおすすめしたいシューズがこちらです。生活のなかでの動きそのものにトレーニング効果を与えてくれるような、マルチにすぐれたシューズともいえるでしょう。
ミッドソールに使われているアシックス独自開発の素材が、より反発力を高めており、つま先が地面を離れる際に弾むような感覚で次の一歩が踏み込めることも特徴です。
asics(アシックス)『GEL-QUANTUM 360 5』
おすすめ5選|NIKE(ナイキ)
NIKE(ナイキ)のランニングシューズをご紹介します。

NIKE(ナイキ)『ダウンシフター7』
おすすめ4選|ON(オン)
ON(オン)のランニングシューズをご紹介します。

おすすめ4選|adidas(アディダス)
adidas(アディダス)のランニングシューズをご紹介します。
おすすめ5選|New Balance(ニューバランス)
New Balance(ニューバランス)のランニングシューズをご紹介します。
おすすめ4選|そのほかメーカーのシューズ
いろいろ比べて選びたい人のために、さらにいくつか商品をご紹介しましょう。
おすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする ランニングシューズの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのランニングシューズの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
【よくある質問】ランニングシューズに関するQ&A
シューズの洗い方は?

まず、靴用ブラシとたらい、衣類用の洗剤を用意しましょう。洗う手順は次の通りです。
(1)ブラッシングして表面のホコリを取り除く。
(2)洗剤を溶かした40℃のぬるま湯にシューズを浸けておく。その際、紐は外し、別の容器で洗剤液に浸けておく。
(3)汚れが浮き出てきたところで、洗剤液に浸けながらブラッシングする。
(4)ぬめりがなくなるまできれいな水でよくすすぐ。すすぎ残しがあると黄ばみの原因になるので注意。
(5)余分な水気を拭き取り、陰干しする。
シューズの買い替え目安は?

ランニングシューズの寿命を見極めるポイントは、「購入してからの年月」「アウトソールのすり減り具合」「シューズの劣化」の3つがあります。
シューズはアウトソールがゴムでできているので、経年劣化するのは否めません。保存状態にもよりますが、未使用でも3年ほど経ったものであれば劣化し、ソールがはがれることもあるので買い替え目安として覚えておきましょう。
アウトソールの全体を見て全体や部分、部分がすり減っている場合は、そのまま使用すると、安定感がなく、怪我につながる可能性もあるため、すぐに買い替えた方がよいでしょう。ある特定部分だけがすり減っている場合は、フォームや着地に偏りがあるので見直しをするとよいでしょう。
シューズの劣化は、素材によって異なります。EVAを使用している場合は暑さなどの熱によって変形する可能性があり、ポリウレタンを使用している場合は加水分解によって劣化が始まります。各素材の特徴についても知っておくとよいでしょう。
怪我のリスクはしっかり考える
日本成人病予防協会認定講師、全米エクササイズ&スポーツトレーナー
自分のプロネーションの度合いをチェックしよう
ランニング中に見られる動きのひとつに、かかとの外側から着地した後、内側に足首をひねるという動きがあります。この動きは、二足歩行能力が備わっている私たち人間には、必ず伴う足首の動きで、プロネーションといいます。
ただし、過度に内側に足首をひねると、「オーバープロネーション」という怪我に繋がります。また、足を地面に着いた直後、足の小指側へ過度に圧をかけてひねってしまう「内反捻挫」という足首に多く見られる怪我にもつながります。
一度、店頭でオーバープロネーション・アンダープロネーション(プロネーションがほとんど行われない)・ニュートラルプロネーション(オーバープロネーションとアンダープロネーションの中間)を見てもらってから、サポートするシューズを選択するのもいいでしょう。
さらに、つま先とかかとの厚みの差である「ドロップ」という部分は、大抵がベアフット状態(0㎜)から急傾斜(12㎜)となり、これが急傾斜になればなるほど、着地したとき前に進む力の誘導が働き、ふくらはぎやアキレス腱への負担が比較的小さくなります。
さまざまな怪我の要因も、メーカーのすぐれた技術力がカバーしてくれるでしょう。シューズ専門店の店員に詳しく尋ねるなどして、怪我をしないシューズを選ぶとよいでしょう。
その他のランニングシューズを目的別にチェック
自分のレベルに合ったシューズを選ぼう
ランニングをはじめたばかりのころは、つい大きな目標をたてて、シューズも最終目標に沿ったものを選んでしまいがちです。しかし、上級者向けのシューズで無理をすると怪我をしてしまうこともあります。一方で、ランニングにある程度慣れてきた方は、それまでのシューズにものたりなさを感じることもあるでしょう。
ご紹介したシューズの選び方を参考にして、自分に合ったランニングシューズを見つけてください。
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1971年生まれ。茨城県出身。日本大学卒業後、立命館大学に進学。立命館大学在学中に運動生理学などを学び、その後、米国の栄養学修士課程を経る。 現在は、女性や高齢者向けの生活習慣病予防プログラムの開発、フィットネストレーナーの育成、生涯フィットネスに関する講演や運動指導などを行う。 健康管理士一般指導員、健康運動指導士、京都造形芸術大学非常勤講師。大相撲の貴乃花親方との共同開発プログラム「シコアサイズ」を販売。株式会社フィットネス・ゼロ代表取締役。シェアスタジオ「コア・フォレスト」フィットネス・ゼロ公式オンラインレッスン運営責任者。 フルマラソン歴21年。ベストタイムは2 時間45 分01 秒。 2010年より、国内外のマラソン&ランニングイベントにワーケーション参加する“旅ラン”企画を実施し、各メディアに記事を出稿している。