ジョギングシューズの選び方
それでは、ジョギングシューズの基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記の3つ。
【1】足の形に合ったシューズを選ぼう
【2】ソールやアッパーなどこまかいパーツもチェック!
【3】アッパーはやわらかくフィットする素材を選ぶ
上記の3つのポイントを抑えることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】足の形に合ったシューズを選ぼう レングスとワイズをチェック!
ジョギングシューズを選ぶときは、足の形に合ったサイズ選びが大切です。快適に履けるシューズを選ぶためにチェックしてほしいポイントを解説します。
▼足長|1~1.5cmのゆとりがあるものを
ジョギングシューズはつま先に1~1.5cmほどのゆとりが必要になるため、ふだん履いている靴のサイズの情報はあまりあてにはなりません。そのため、ジョギングシューズを選ぶ前に正しく計測することが大切です。
ご自宅でサイズを測るときは、定規で直角に交わった線を2本引きます。縦線の中央に足を載せてつま先とかかと部分に三角定規を直角にあてて交わったところに点をつけましょう。その点と点の長さが足長になります。
▼足型|国内と海外では規格が異なる
足型は親指が長く、小指にかけてななめになっているエジプト型と、人差し指が長く山のような形状のギリシャ型、足指の長さがそろっているスクエア型の3タイプに分かれています。日本人はエジプト型が多く、欧米人はギリシャ型が多いといわれています。
そのため、国内と海外メーカーでは研究されている足型が異なるため、同じサイズでも履き心地が違ってきます。また、国内メーカーでもブランドやモデルによって足型が異なることもあるため、気になるモデルがあれば実店舗で試し履きをしてみましょう。
▼足囲|親指のつけ根と小指を圧迫しないか
足型だけではなく、足囲も個人差があります。足囲は「ワイズ」といって親指と小指のそれぞれ出ているところをぐるっと計測した長さです。AからGまでアルファベットで表記されており、2Eをレギュラー(標準値)としてスリムとワイドがあります。同じレギュラーでもメンズとレディースでは、足囲の値が異なるので注意しましょう。
サイズが合っていても足囲を誤ると、靴ずれの原因になってしまいます。各メーカーの公式サイトで実寸サイズ表を確認できるので事前にチェックしておきましょう。
ランニングインストラクター・パーソナルトレーナー
ジョギングはランニングよりも低強度(低速度)の運動なので、本格的なシューズでなくても走ること自体は可能です。しかしウォーキングとちがい、軽いはずみ運動をともなうジョギングとなると片足にかかる負荷が増えます。より安全におこなうには、シューズの機能をある程度求めることが重要です。
まず、おすすめできるのは初心者向けのランニングシューズです。クッション性やサポート力が高いため、長時間や低速度のジョギングでも足の負担を軽減できます。
【2】ソールやアッパーなどこまかいパーツもチェック!
ジョギングシューズを通販サイトで選ぶには、試し履きが難しいため、商品情報や口コミで判断するしかありません。履き心地のよいジョギングシューズを選ぶためのポイントを解説します。
▼かかとの傾きにフィットするか
着地時のかかとと足の傾きはプロネーションといって、オーバー・ニュートラル・アンダーの3タイプに分けられます。着地の際には体重の3倍の力が加わるので、かかとで受ける衝撃をやわらげて足首まわりを安定させるためにも、タイプに適したシューズ選びが大切です。
自分のプロネーションのタイプは、ふだん履いている靴のソールの減り方でわかります。内側ならオーバーで外側ならアンダーです。ただし、走り方の癖でも変わってくるため、気になる方は走っている様子を動画でチェックしてみましょう。
▼午後の足の状態に合わせて選ぼう
人間の足は体重がかかると足裏のアーチが広がってくるため、朝と夕方以降では約0.5~1cmサイズが変わってきます。これは起床後、血液が足もとに降りてくるためともいわれていますが、なかには朝が大きいという人もいます。
そのため、ジョギングシューズを選ぶ前に自分の足が午前と午後でどのくらいサイズが変わるのかチェックしておきましょう。
▼安定感を求めるならフレア形状のソールを
ジョギング初心者で安定した走りを求めるなら、ソールが大きめのシューズを選びましょう。シューズをうえから見たときに、アッパーのラインからソールが見えるすそ広がりのフレアの形状なら、着地面が広く安定しているシューズです。
走行時、ぐらつかず安定した走り心地を得られます。ソールそのものも厚みのあるものが多いため、受ける衝撃も少なく快適に走れるでしょう。
▼ソックスの厚みでフィット感が変わる
ジョギングシューズのフィット感は、ソックスの厚みでも変わってきます。長距離走行向けのソックスはクッション性にすぐれていますが、厚みがあるため、窮屈に感じるかもしれません。
そのため、ジョギングシューズを選ぶときは、走るときに履いているソックスの機能や厚みも考えて選ぶことが大切です。またソックスによって、滑り止めやアーチサポートなど走りをサポートしてくれる機能がありますが、シューズとの相性が悪いと性能が発揮できません。そのため、気になる方はソックスを履いて実店舗で試し履きをしてください。
ランニングインストラクター・パーソナルトレーナー
ジョギングの速度で走る場合、履いたときにタイトすぎると足を痛めてしまうことがあります。サイズがブカブカでは問題がありますが、ジョギングは足がらくなものを選ぶのがいいでしょう。
足の幅が広かったり、甲が高いことでタイトに感じられる方は、サイズアップするのではなく、ワイドタイプ(足囲のサイズが4Eなど)にしましょう。むやみにサイズアップすると、シューズのつま先の曲がる部分と足が合わないことやシューズのなかで前後に足がずれます。レース向きのシューズではフィット感も重要視されますが、やはり足に負担がかかることがあるので、選ぶさいには注意が必要です。
【3】アッパーはやわらかくフィットする素材を選ぶ
足の甲を覆うアッパーの素材は、かたいものよりもやわらかい素材を選びましょう。近年はフィット感を出すため、柔軟性にすぐれたニット素材を使用したシューズが展開されています。ニット素材は足になじみやすいため、窮屈さも感じにくいでしょう。
また、メッシュ素材なら通気性にもすぐれているため、足のムレ感を軽減できます。季節に合わせてそろえてもいいでしょう。
【4】ソールの厚みや重量はレベルに合わせて選ぼう
ジョギングシューズを選ぶときは、ご自身の走りのレベルに合わせてソールの厚みや重量を選ぶことが大切です。初心者向けと実際にレースも楽しむ中上級者向けに適したシューズを選ぶためのポイントを解説します。
▼初心者向け|ソールは厚く広いものを
ジョギング初心者向けのシューズは、軽すぎるものだとケガのリスクがあるため、ソールに厚みがあり広くなっているシューズを選ぶことが大切です。ソールにゼリー状のクッション素材が使われているものなら、長時間快適に走れます。
また、初心者だからこそ足の形に適したものを選ぶこともポイントです。足にフィットしたシューズを選ぶことで、正しいフォームで走ることができます。これまで紹介した選び方を参照にして選びましょう。
▼中上級者向け|クッション性&軽量性を重視
走り慣れている中上級者なら、長時間走っても疲れにくいように軽量でクッション性にすぐれたソールを備えたシューズを選びましょう。ソールにカーボンプレートが入っているシューズなら、反発力も高くスピードをだすことが可能です。
また、これまで履いてきたシューズで足に悩みを抱えているなら、違うタイプのシューズを選んでみましょう。
ランニングインストラクター・パーソナルトレーナー
ランニングシューズのなかでも、軽量性や反発性があるものは、スピードを出すエリートランナーやレース向きのモデルです。そのため、上級者や運動に慣れた方でもジョギングで使用するには不向きといえます。厚底ランニングシューズは、フォームやランニング経験によって向き不向きが出やすいので、こちらもジョギングにはおすすめできません。
また短時間のジョギングにおいても、球技のトレーニングシューズや室内向けのトレーニングシューズは、路上で走るのには適していません。特殊な機能のシューズではなく、走ることが目的のシューズを用意することが重要です。
ランニングシューズの人気メーカー4社を紹介
ジョギングシューズはメーカーごとに特徴があり、展開しているブランドによっても足型やデザインなどそれぞれフィット感が異なります。人気メーカーの特徴をご紹介します。
アシックス・ミズノ|甲高幅広の足にぴったり
アシックスとミズノはどちらも国内メーカーで、日本人の足型を研究して作られたシューズを多数展開しています。そのため、ジョギング初心者はもちろん、中上級者ランナーからも高い支持を受けているメーカーです。
アシックスはGEL(ゲル)、ミズノは波状のプレートを備えたミッドソールでクッション性を高めたシューズを展開しています。両社とも陸上部で活躍する中高生の練習用・競技用シューズとしてもなじみがあり、足囲もワイドやスーパーワイドなど選べるのも特徴です。
アディダス|中上級者向けが豊富
アディダスはドイツのスポーツ用品のメーカーです。ジョギングシューズは、デザイン性にすぐれており、初心者向けのシューズならタウンユースとしても活躍します。初心者・中級者・上級者とレベル別に展開しており、スピードを重視するランナーやアスリート向けのカーボンプレートを内蔵したシューズも展開しています。
片足200gもない軽量なシューズやラバー素材のソールを備えたグリップ力の高いシューズなど、機能性を重視している方にもぴったりです。
ナイキ|反発性にすぐれた素材を使用
ナイキはアメリカのスポーツ用品メーカーで、アスリート向けからタウンユースが可能なおしゃれなシューズを展開。近年、注目を集めている厚底の「ナイキヴェイパーフライ4%」は多くのランナーからスピードを出せると支持を集めています。
メーカー公式サイトではレベル別に適したシューズを選べるようにチャート化されているため、初心者でも選びやすいのが特徴です。欧米メーカーのため、フィット感が気になる方はワイドサイズを選びましょう。
ニューバランス|フラットソールが豊富
ニューバランスはアメリカのスポーツシューズメーカーです。機能性を優先してつくられていますが、その高いデザイン性も人気で人間工学にもとづいた履き心地のよいシューズを多数展開しています。
特徴的な「フラットソール」はすべてのモデルに採用。着地から蹴りだしまでスムーズな足運びが可能なため、疲れにくく、足の負担を抑えることが可能です。なかでも「HANZOシリーズ」は、日本人の足に合うように作られており、アスリートのオーダーシューズでも使われている高性能なソール素材が採用されています。
ジョギングシューズおすすめ20選
上で紹介したジョギングシューズの選び方をふまえて、ランニングインストラクターの田子政昌さんと編集部が選んだおすすめ商品をご紹介します! いろいろなブランドのジョギングシューズを取り上げているので、ぜひ参考にしてみてください。

高いクッション性を誇る初心者向けシューズ
ジョギングシューズを選ぶさいに、多くの方が検討するアシックスのシューズ。そのなかでも今回は、もっともクッション性が高いクラスで、ゆっくりとした走行にもおすすめのGEL-NIMBUS(ゲルニンバス)を紹介します。
アシックスのシューズのクッション材は、やわらかく衝撃を吸収するゲル素材です。このシューズは着地するさいのかかとと、けり出すさいの中足部から前足部にかけてゲル素材を使っています。そのため、着地からけり出しまでソフトにサポートされる感覚があり、足の負担を軽減する効果が期待できます。さまざまなカラーがあり、メンズ・ウィメンズと別展開なのでバリエーションが豊富なのも魅力です。

最新の高クッションシューズ
ニューバランスのランニング・ジョギング向けシューズは、非常に高いクッション性とゆったりとした履き心地を感じられる方が多いためおすすめです。
今回は1080シリーズの最新モデルを紹介します。クッション性の高いシリーズとして知られる1080に、最新のFRESH FOAM(フラッシュフォーム)と呼ばれる構造を中間部(ミッドソール)に搭載しています。かかとからつま先の各部分を異なる硬度にすることで、クッション性だけでなくサポート力も兼ね備える構造となっています。
また、アウトソール(靴底)は比較的フラットな作りなので、広い面積で接地するぶん安定感が高いタイプ。履き心地やクッション性にすぐれたシューズを求めている方におすすめです。


ボリュームクッションが特徴のシューズ
長距離走や不整地のランニングシューズのラインアップも充実している、HOKA ONE ONE(ホカオネオネ)のシューズ。全体的にクッション性が高いシリーズが多い印象ですが、今回はそのなかでもっとも高いクッション性を誇る、BONDI(ボンダイ)シリーズの最新モデルを紹介します。
多くのクッション系シューズのミッドソールに使われているEVA素材を全面に搭載しているので、長時間のスロージョギングでも足の負担を軽減させられます。筋力に不安があったり、体重を減らすためにダイエット目的でジョギングをはじめる方にぜひおすすめしたいシューズです。

おすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする の売れ筋をチェック
楽天市場でのの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
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最後に|エキスパートのアドバイス
ランニングインストラクター・パーソナルトレーナー
快適に運動を継続するにはクッション&サポート性!
短時間・低強度(低速度)のレクリエーション感覚のジョギングでも、やはりシューズの準備は必要です。片足を交互にはずむようにおこなうジョギングでは、着地時に片足にかかる負荷は体重の数倍になるため、ある程度繰り返すと足の骨や関節の負担が強まります。
また運動経験の浅い方や体重を減らすためにダイエット目的でジョギングする方、男性と比べて筋力が少ない女性の方には、強度の低いジョギングであっても、やはりシューズだけでもクッション性・サポート性が高いモデルを選んで履いていただきたいです。
リーズナブルなモデルでも使用するぶんには問題ないですが、より快適に運動を継続するために、シューズにもこだわることをおすすめします。
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