スキーブーツのフレックスって何?

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スキーブーツのフレックスとは主にブーツを曲げた時の硬さを表しており、ブーツのシェル(外側のプラスチック樹脂)の硬度のことになります。数字が大きくなればフレックスは硬くなり、小さくなれば柔らかくなります。
各メーカーともに、ある程度は同じ基準で揃えられていますが、同じ数値で記載されていいてもメーカーが違えば履いた時の硬さの感じ方に違いが出てきます。それらを理解して自分に合ったフレックスを選ぶ必要があります。
スキーブーツの選び方
それでは、スキーブーツの基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記の4つ。
【1】滑り方に合わせてフレックスと足幅をチェック
【2】バックル形状で選ぶ
【3】スキーブーツとビンディングの相性は要チェック!
【4】日常で履く靴のサイズを参考にする
上記の5つのポイントを抑えることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】滑り方に合わせてフレックスと足幅をチェック
どのような滑り方をするかによって、スノーブーツのほどよいフレックスや足幅は変わります。ポイントをチェックしていきましょう。
▼レーシング向けには「硬くて細い」ものを
レーシングスキーに適しているのは、硬くて細いタイプのブーツです。フレックスは100前半、足幅90mm台なかばくらいが目安です。
レースではすばやくターンを切りかえすことを要求されるので、足をしっかり固定し、動きや荷重をスキー板にダイレクトに伝える必要があります。そのため、サイズはよりフィットする細め、フレックスは力をダイレクトに伝える硬めが適しています。
▼基礎スキーには「やや硬くて細め」がベター
基礎スキーで上級者を目指すなら、平均よりも少しだけ硬くて細めのスキーブーツがいいでしょう。
レーシング向けよりはやや装着感のいいブーツが適しています。フレックスは100~130、足幅は100mmくらいが目安です。
▼フリースキーを楽しむなら「適度にやわらかく幅広」がおすすめ
モーグルやエアリアルなどのフリースタイルスキーをする人には、衝撃を和らいでくれる適度なやわらかさがあり、さまざまな動きに対応できる幅広タイプのブーツがいいでしょう。
フレックスは80~100、足幅99mm~102mmくらいが目安です。ほどよいゆとりで足の曲げ伸ばしがしやすくなり、多様な動きに対応してくれます。
▼レジャースキーを楽しむなら「やわらかくて幅広」がおすすめ
レジャー目的でスキーを楽しみたい方は、快適性の高いブーツがおすすめです。足が痛くなってしまうとせっかくのスキーも楽しめないので、やわらかめで幅広のブーツを選びましょう。
目安として、フレックスは70~100、足幅は102~106mmほどがよいでしょう。
【2】バックル形状で選ぶ
スキーブーツのバックルには、「フロントバックル」と「リアエントリー」の2タイプがあります。それぞれの特徴を見ていきましょう。
▼フィット感を重視するなら「フロントバックル」
フロントバックルは、複数のバックルをフロント部分で留めるタイプのスキーブーツ。
バックル数が多いため、脱着には時間がかかりますが、締め加減を調整することで、足のフィット感を高めることが可能。
ブーツのなかで足が安定することで操作性が高まるため、初級者以上はフロントバックルタイプを使用している人が多いです。
▼履きやすさで選ぶなら「リアエントリー」
リアエントリーは、バックル1本を側面から留めるタイプのスキーブーツなので、スピーディに装着ができます。
フィット感はフロントバックルに劣りますが、スキー初心者や子どもには、履きやすいリアエントリーが向いているでしょう。
【3】スキーブーツとビンディングの相性は要チェック!
ブーツのソール形状とビンディングの相性はとても重要です。適したものを使わないと、ビンディングが充分に機能せず安全性が確保されません。
一般的なアルペン規格ソールでは問題ありませんが、それ以外のタイプは、必ずビンディングとの相性を調べてください。
レジャースキーを楽しみたい方は、多くのビンディングと相性のいい「アルペン規格ソール」のブーツを選ぶといいでしょう。
【4】日常で履く靴のサイズを参考にする
日常で履く靴同様、スキーブーツもサイズ選びは重要です。なお、スキーは思った以上に足に負担がかかるウインタースポーツなので、自分の足にフィットしたサイズを履くようにしましょう。
(★)子ども用は普段履きより、0.5~1cm大きめを
子ども用のスキーブーツは、成長することを見越して大きめサイズを買う人も多いですが、極端に大きいものは操作性が悪くなり、ケガにつながる可能性があります。
安全性を優先し、いつも履いている靴より0.5~1cmほど大きめにしておきましょう。
プロのスノボコーチがアドバイス
快適性を重視するのか? 操作性を重視するのか? どのようなスキーがしたいか? 目的に応じて、自分の足に合ったスキーブーツを選ぶことが大切です。
足のサイズだけでなく、足幅のチョイスは重要な選択要素の一つです。
スキーブーツおすすめ9選【大人用】
ここからは、機能性や使いやすさに注目した、大人用スキーブーツのおすすめモデル9選を紹介します。
履いた時の快適性は抜群!ホールド感が魅力
スムーズに着脱ができるため扱いやすいブーツをお探しの方には特におすすめです。ブーツにコンフォートインナーを採用しているため、履き心地も抜群。一日中着用していても疲れにくい構造になっています。
足をしっかりと包み込むようなホールド感があるため、コントロールしやすいためこれからスキーを始める初心者にもぜひ試していただきたい製品です。
足入れかんたんシェルの超軽量ブーツ
足幅105mmの足入れかんたんシェルを採用した、履きやすくて超軽量タイプのスキーブーツです。足入れがラクなので現地でも手間取らず、すぐに滑りはじめることができるのはうれしいポイント。
ブーツフレックスは55とやわらかく、足も痛くなりにくいでしょう。エントリークラスのモデルとして、初級者の方におすすめです。
ゆったりした履き心地でもパワー伝導性抜群のブーツ
足幅104mmと履き心地はゆったりとしていながら、パワーの伝導性が高く、操作性がとてもいいのが特徴です。コンフォートブーツフィッターがフィット感と保温性を高め、より快適に一日中ブーツを履くことができます。
ブランド独自のセンサーマトリックスシェル技術を使用しており、脱着が容易なのもうれしいポイント。
トップレベルの快適性と履きやすさ
インナーについているループを引っ張るとブーツの口が大きく開き、かんたんに履けるのが特徴。シームレスライナーが効率的に足を包み込み、快適な履き心地を実現しています。
Coreframe 360が採用されたことでフルカスタマイズが可能となり、よりフィット感が高まりました。ロスなく力を板に伝えるので、美しいターンを描けるでしょう。
スキーブーツおすすめ2選【子ども用】
続いて、子ども用スキーブーツのおすすめモデル3選を紹介します。子どもでも使いやすい着脱がかんたんなものや、フィット感が高いものを厳選しました。

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「スキーブーツ」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする スキーブーツの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのスキーブーツの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
スキーブーツの寿命は何年?
スキーブーツは、購入してからどのくらい履くことができるのか寿命が気になりますよね。
スキーブーツの寿命は、一般的に5年または、120日~150日滑走といわれています。5年以上同じスキーブーツを履き続けていると、滑走中にスキーから外れてしまったり、割れる可能性があるため大変危険です。スキーブーツは決して安くはないのですが、5年程を目安に買い替えるように意識しましょう。
また、買い替える際は以下のポイントをチェックしましょう!
・以前より履きにくくなっていないか?
・色褪せているところはないか?
・本体にひび割れやキズなどの箇所はないか?
・履き心地がゆるくなっていないか?
・プラスチック部分にべたつきはないか?
・粉をふいて白くなっている部分はないか?
この他にも、使用していて違和感を感じたら買い替えを検討しましょう。
スキーブーツは、ウレタンでできているものが多いため、滑走中の雪による水分で劣化していきます。シーズン期間が終わってしまっておくと、水分による加水分解などの影響で次のシーズンに使うときに劣化してしまっていることがあります。シーズンの始まりと終わりにはスキーブーツに異変がないかをよく確認しましょう。
スキーブーツの保管方法
次のシーズンでも、快適にスキーを楽しめるように、スキーブーツの性能を長く保つための保管方法を紹介します。
【1】スキーブーツの水分をよくふき取る
【2】インナーを抜き取り、ブーツの内部とインナーもしっかり乾燥させる
【3】インナーの乾燥が終わったら、シェルに戻しバックルを軽く締める
【4】両足に乾燥剤(シリカゲルなど)を入れる
【5】できるだけ湿度が低く、温度変化の少ない場所に保管する
【4】で、バックルを開けっ放しにするとシェルが開いてしまい締めづらくなってしまいます。また、強く締め過ぎると変形してしまい、当たりの原因になってしまうので注意しましょう。
上記のポイントを徹底してスキーブーツを保管してみましょう!
スキーブーツの捨て方
スキーブーツは金具やプラスチックなど、さまざまな素材が一緒になっているので捨て方に困っている方も少なくないはずです。一般的なスキーブーツの処分方法としては「不燃ごみ」となります。
理由としては、ネジなど少しでも金属が使われていれば基本的に金属ごみ、つまり不燃ごみとなります。ごみの分別は各自治体により違う場合があるので、処分の方法に困った際は自治体に事前に問い合わせてみることをおすすめします。
不燃ゴミとして捨てる以外にもリサイクルショップなどで買い取りをしてもらったり、フリマアプリなどで販売したりする方法もありますので、利用してみるのもおすすめですよ。
スキーブーツにインソールの重要性を解説!

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普段履いている靴にインソールを敷いている方もいらっしゃいますよね。意外と知られていませんが、スキーを行う上でインソールはとても重要なアイテムなんです。
インソールで足のアーチを崩れにくくすることで、スネなどの位置も整い、姿勢の改善にも役立ちます。姿勢が良くなることで足元のパワー伝達が良くなるなど、スキーの滑り方が安定します。
その他にも、スキー用インソールを用いることでスキーブーツに足が収まりやすくなる・スキーブーツのフィット感が良くなる・スキーをしていて疲れにくくなることも。
インソールは中敷きに合わせてサイズ調整することが大事なので、通販サイトで購入したインソールは手持ちのスキーブーツに合うようサイズ調整して利用してくださいね。
自分にピッタリのブーツを選ぼう
この記事では、スキーブーツの選び方とおすすめ商品を紹介しました。
スキーブーツを選ぶ際は、ビンディングとの相性は必ず確認しましょう。また、フレックスや足幅は、自分のプレイスタイルを考えて選ぶと、使いやすいブーツを探しやすくなります。
この記事を参考に、ぜひ自分に合ったスキーブーツを選んでみてくださいね。
【関連記事】スキーやスノボで役立つ商品情報はこちら!
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京都府舞鶴市生まれ。日本体育大学卒。SIA(日本プロスキー教師協会)教育部技術委員スノーボードデモコーチ。力学に基づいたスノーボード理論を2006年に構築。 著書に「もっとカッコ良く滑るスノーボード」(メイツ出版)、「はじめてでも絶対うまくなるスノーボード」(主婦の友社)、自費出版によるe-book「もっと優雅にカッコ良く滑るスノーボード」(Kindle)などがある。 人の骨格やバランスに応じたレッスン・バインディングのセッティング診断に定評あり。スノーシーズンは主に、神立スノーリゾート(新潟県)で自身のレッスンプログラム「超塾」を開催。夏場は地元舞鶴市にてスクーバダイビングとSUPのガイドをしている。