スノボブーツの必要性
スノーボードを心ゆくまで楽しむなら、スノーボードブーツにもこだわってください。ボードやブーツを固定するビンディングも大切ですが、ボードにじかに接するブーツは疲れなどコンディションに影響します。
自分のスタイルに合わせることがポイントで、自分の足にしっかりフィットするブーツを選びます。適切なブーツなら思いどおりのライディングが可能です。
スノーボードブーツの選び方
それでは、スノーボードブーツの基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記の5つ。
【1】紐の締め方
【2】インナーのタイプ
【3】ブーツのかたさ
【4】色やデザイン
【5】履き心地
上記の5つのポイントを抑えることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】紐の締め方をチェック
スノーボードブーツは紐の締め方で3つのタイプがあります。それぞれの特徴をお伝えしますので、自分に合ったタイプを選んでください。
スノーボードブーツには、一般的にヒモで締めつけるタイプ、BOAと呼ばれるワイヤーで締めつけるタイプ、スピードレースと呼ばれるヒモをかんたんに引っ張って締めつけるタイプ、バインディングとの脱着をワンタッチで可能にするステップインタイプがあります。
スノーボードをする際に毎回必要なことですので、かんたんに済ませられるものを選ぶのもよいでしょう。また、デザインや締めつけ具合にこだわりを持った形状のものを選ぶのも、スノーボーディングを楽しむための重要なポイントです。
▼着脱しやすい「ボアシステム」にも注目
ボアシステムのブーツはダイヤルを回すだけでかんたんに紐を緩めたり締めたりできます。紐を締めるときに力がいらないので、初心者や女性・子どもに使いやすいタイプです。
ブーツの着脱がしやすくて利便性のよいのが特徴。ただしダイヤルを回すので、ピンポイントでの調整ができません。フィット感や特定部位を締めつけたい方には向いていません。
▼初心者向けは「クイックレース」
クイックレースは左右の紐を引っ張るだけでかんたんに締められるタイプ。力を入れずにできるので初心者や女性・子どもに適しています。
紐の引き具合で締めつけを調整できるので、フィット感を求める方にも向いています。着脱がらくでフィット感もある程度得られるので中級者にも人気です。
ボアシステムで見つからない場合、クイックレースで選んでみてください。
▼フィット感を重視なら「紐タイプ」を
昔からあるタイプで、一般的な靴紐と同じ感覚でブーツを締めます。スノーボードに慣れている方やオールドユーザーに人気なのが紐タイプです。
自分の好みに合わせて締め具合を微調整できるので、快適な滑りが得られます。ただし紐を締めるときに力が必要なので、女性や子どもには向いていない場合も。着脱に時間がかかるので、こだわりのある中上級者向けでしょう。
【2】インナーのタイプをチェック
インナーにはおもに3つのタイプがあります。
「成形済みインナー」の特徴は紐や縫い目がないので脱着がしやすいです。
「レースタイプインナー」はレースを引っ張って締めるタイプで、自分の好みに合わせて調整できます。
「サーモインナー」は値段は高くなりますが、高いフィットが得られます。専門店で自分の足型をつくるので時間と手間も必要です。
【3】ブーツの硬さをチェック
スノーボードブーツには各メーカー・ブランドによって、足首を曲げたときのかたさを示すフレックス値というものがあります。
数値の少ないやわらかめのブーツは、初心者やグラトリ(グラウンドトリック:緩やかな斜面で行うトリック全般)を楽しむなど、あまりスピードを出さずに楽しむフリースタイル系のスノーボーディング向き。一方、フレックス値の大きいかためのブーツはパワーをダイレクトに伝えられるため、中上級者などのスピードを必要とするスノーボーディングに向いています。
スノーボードブーツのかたさは、それぞれの目的やレベルに合わせてチョイスしましょう。
【4】色やデザインをチェック
すべっている最中はウェアやバインディングでほとんど隠れるスノーボードブーツですが、オシャレは足元からと言います。ゲレンデまでの屋内外での歩行時やゴンドラ待機中など、ふと足元を気にすることも多いでしょう。
ブランドやカラーも豊富なスノーボードブーツのなかには、鮮やかな色合いやプリントがあるものや、シックでシンプルなデザインのものなどもあります。気に入ったブーツを履いているだけで、気分も高まることでしょう。スノーボードブーツを選ぶ際は、自分の個性を主張できる色やデザインのブーツを探すのがおすすめです。
【5】履き心地をチェック
足に合わないスノーボードブーツを履き続けるのは苦痛でしかなく、スノーボードを思い切り楽しめません。そのため、スノーボードブーツの履き心地は実際に試着して確かめたいところです。
選ぶ際には、自分の足の形をよく知ることが大切。履いた瞬間に自分にとって大きい場合はすぐにわかると思いますが、小さい場合はどのように小さいかを把握することが重要です。「足の幅が狭いのか?」「足の指が曲がるほど小さいのか?」「足の甲が締めつけられるように狭いのか?」など、そのスノーボードブーツが自分の足の形とどう違うのかを把握するようにしましょう。
足入れをした状態で、かかと部分が靴底につかず浮いていないか? といった部分や、足の指が伸びた状態でつま先に触れるか触れない程度のサイズ感を前提に、新品についてはいずれ緩んでくることを考慮して選びましょう。また、幅と甲は痛くない程度にやや圧迫感のあるものを選ぶとよいでしょう。
ブーツ選びは少しキツイくらいがベスト エキスパートからのアドバイス
人の足型はさまざまです。メーカーやブランド各社で、それぞれの足型に合わせられるよう、さまざまな機能やフィッティング(締めつけ方法)を採用したスノーボードブーツを開発・販売しています。長時間履き続けることを考慮してスニーカー感覚で選ぶのも、スノーボーディングのパフォーマンスを考慮しタイトなものを選ぶのもよいでしょう。
ただし、足に合っていないスノーボードブーツを履き続けるのは苦痛でしかありません。実際に履いた印象を参考にして選ぶとよいでしょう。ネットショッピングで購入する場合にも、お店へ出向いて履いてみて選ぶか、合わない時は思い切って返品する勇気も必要だと思います。
スノーボードブーツおすすめ10選 人気ブランドも!
スノーボードブーツの選び方のポイントをふまえて、おすすめ商品をご紹介します。

老舗スノーギアブランドが提供する女性向けブーツ
長年スキーで培ったノウハウをスノーボードに生かした、シングルBOAでかんたんに締め付けられる女性用スノーボードブーツ。デニム調のシンプルなアウターにプリントされたデザインも人気。インナーに熱や体温で整形できるサーモインナーを採用。
レディースモデルなのに27cmまでのサイズがあるためサイズが大きめの方にもうれしいラインナップです。
VAXPOT(バックスポット)『スノーボードブーツ スピードレースタイプ(VA-3660)』
コスパがよく初心者におすすめ
紐を引っ張るだけのクイックレース仕様で、初心者にもおすすめのスノーボードブーツです。価格が安いのもうれしいポイント。インナーは取り外しが可能で、柔らかく履き心地も快適です。
シューレースを結ばない「メガスピードレーシングシステム」採用で、滑っている途中でも紐をきつくしたり、逆にゆるめたり簡単に調節ができますよ。
フリーライディングを楽しみたい方に!
足型に合わせて熟成する「サーモインナー」で有名な、DEELUXEのモデルです。サーモインナーによってピタリと成型するため、ホールド感がとても高く、ボードコントロールもしっかりとできます。
ソールが柔らかいため、足の感覚が伝わりやすいのが特徴です。フリーライディングを楽しみたい方に、おすすめの商品となっています。
サポート力が高いモデル
快適性、サポート性、操作性のバランスにすぐれたナイデッカーのスノーボードブーツ。締め付け方法はBOAシステムで、しっかりフィットします。
かかと部分にはN-Gelクッションを採用し、大きくジャンプしても衝撃を吸収。しっかりフィットして、サポート力の高いモデルを探している人におすすめです。
フィッティング性の高さが魅力のモデル
中級~上級ライダー向けのこのモデルは、フィッティング性の高さが特徴です。上下で締め分けが可能なダブルBOAシステムと、足幅に合わせて調整ができるベルクロストラップを採用。一人ひとりの足に合わせてしっかりフィットするようになっています。
軽量化と防水性を高めるために縫い目を極力少なくした設計は、耐久性にも優れ、さまざまな場面でオールマイティーにお使いいただけます。
幅広の足にもなじみやすい
欧米のブランドは、幅狭で甲が低めの足型をベースになっていることが多く「ブーツが足になじまない……」と感じることがあります。この商品は、ワイドモデルとして作られているので幅が広い足型の方でもフィットしやすいのが最大の特徴です。
厚手の靴下と合わせても着脱しやすく、雪の侵入を防ぐ構造になっているので、優れた保温性と快適性を感じることができます。

バートン伝統のブーツ
ヒモを引くと簡単に締まる「スピードレース」を採用したスノーボードブーツです。自分の体温でもヒーターでも成形するアジアンフィットのインナーや、熱反射させて保温効果のあるクッション素材を搭載。
BURTONのRulerは、高性能でありながらお手頃な価格を実現しており、数々のスノーボーダーの成長を手伝ってきた伝統のブーツです。そのため、はじめてスノーボードブーツを購入するという人におすすめです。

タウンユースもできるスノーボードブーツ
HEADから販売されているOPERATOR BOAは、雪上でのさまざまなスポーツに対応しつつ快適な履き心地を実現しており、タウンユースも可能なホールド性を兼ね備えています。スノーリゾートへ出かける際も、自宅からゲレンデまでこの1足で対応できそう。
グラトリや新雪滑走など、やわらかめのフレックスを好むスノーボーダーにも向いています。女性用もあるので、要チェックのスノーボードブーツです。

フィッティング性の高い女性向けフリーライドブーツ
タイトなフィッティングのRIDEスノーボードブーツは、比較的細身の足の女性向け。フィッティングを高めるために各社さまざまな機能を備えていますが、RIDEではブーツタンからインナーを締めつける独自の機能を備えており、足の甲から足首を快適にホールドしてくれます。また、ブーツのスネ部にあるパワーベルトを調節することで、すべりに応じた締めつけを調整する機能も。
さらに、車用タイヤで有名なミシュランタイヤ製のソールを採用し、歩行時や滑走時のソールのグリップ力を向上しています。KARMYNは女性向けのオールマウンテンフリースタイルブーツです。

高バランスで軽さと強度を実現したロングセラー
履いているだけでそれぞれの足型に合ってくるインナーを採用していますが、専用ヒーターを使用することでより快適な履き心地を提供してくれます。そのインナーをBOAによる締めつけで、アウターへしっかりと密着させるK2独自の機能や、靴底には登山靴やワークブーツの靴底で有名なVibram社製のソールを採用。軽さと強度、反応のよさに定評のあるK2のスノーボードブーツです。
カラーはグレー、ブラック、ブラウンの3色あるのもうれしいところ。バランスのよいスノーボードブーツを探している人におすすめです。
おすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする スノーボードブーツの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでのスノーボードブーツの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
スノーボードブーツのお手入れ方法は? メンテナンスも大切!

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雪山で使うスノーボードブーツは、きちんとお手入れしないとイヤな臭いやカビの原因に。使い終わったら、まず表面の雪などをはらい、「インソール」「インナー」「アウター」に分解してしっかり乾かします。インナーブーツとアウターは、型崩れしないようにワイヤーなどで固定するといいです。
シーズン後のお手入れや保管方法
シーズン後は、収納する前にもお手入れをしましょう。「インソール」「インナー」「アウター」に分解し、それぞれ中性洗剤を薄めた水でもみ洗いします。メーカーによっては、水洗い不可のモデルもあるので事前に確認しましょう。しっかりと乾かしたら、ブーツを組み立てて保管します。
ブーツのなかに乾燥材や新聞紙などを入れて、型崩れしないように紐をしめて保管しましょう。もともと入っていた箱があれば、箱に収納するのもありです。
あわせて使いたいスノーボードのインソール
スノーボードブーツのインソールの役割は、疲労軽減、そしてバランス力向上、姿勢のゆがみ補正、力の伝達力を高めるなどがあげられます。あわせてインソールもチェックしましょう。
また、かかとが浮くときの対策として、専用のインソールやパワーライドを使用したり、紐の締め分けができるモデルを選ぶ、またはブーツを買い換えるなどで改善できるでしょう。
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履きやすく動きやすいスノーボードブーツを
本記事では、スノーボードブーツの選び方やおすすめ商品をご紹介しましたが、いかがでしたか?商品を選ぶ際は、下記の5つのポイントを抑えておきましょう。
【1】紐の締め方
【2】インナーのタイプ
【3】ブーツのかたさ
【4】色やデザイン
【5】履き心地
スノーボードでは、ボードと足を密着させるため、ブーツのサイズや履き心地がとても重要になってきます。少しキツイなと思えるサイズ感がベストなため、特に紐の結び方や結ぶ際の手間なども考えながら選ぶと、より自分に合った商品を見つけられるはずです。ぜひ本記事を参考に、満足のいくスノーボードブーツを選んでくださいね。
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京都府舞鶴市生まれ。日本体育大学卒。SIA(日本プロスキー教師協会)教育部技術委員スノーボードデモコーチ。力学に基づいたスノーボード理論を2006年に構築。 著書に「もっとカッコ良く滑るスノーボード」(メイツ出版)、「はじめてでも絶対うまくなるスノーボード」(主婦の友社)、自費出版によるe-book「もっと優雅にカッコ良く滑るスノーボード」(Kindle)などがある。 人の骨格やバランスに応じたレッスン・バインディングのセッティング診断に定評あり。スノーシーズンは主に、神立スノーリゾート(新潟県)で自身のレッスンプログラム「超塾」を開催。夏場は地元舞鶴市にてスクーバダイビングとSUPのガイドをしている。