針なしホッチキスの選び方
文房具ライターの「きだて たく」さんに、針なしホッチキスの選び方を3つ教えてもらいました。
針なしホッチキスのメリット・デメリット
文房具ライター
「針なしホッチキス」は、その名の通り金属の針を使わずに紙を束ねられるホッチキスのことです。「綴じたままの束を気兼ねなくシュレッダーにかけられる」「飲食物を扱う現場では金属針混入の危険がない」といったメリットがあるため、ここ数年かなり普及してきました。金属針を消費しないため、企業など日常的に大量の綴じ作業を行うのであればランニングコストが安くなる可能性もあります。
ただし、構造上どうしても紙に大きな穴があいてしまうことと、綴じ枚数が最大でも12枚前後であることが大きな欠点です。購入する際は、目的と用途を明確にしてから検討しましょう。
対応枚数と切れ込みの大きさで選ぶ
文房具ライター
ほとんどの針なしホッチキスは、紙に切れ込みを入れ、その部分で紙束を巻いて綴じる方式を取っています。綴じ枚数は4枚程度から最大12枚まで選べますが、基本的に綴じ枚数が多いと「切れ込みも大きい=穴が大きくなる」傾向にあります。
日常的に綴じたい枚数にもよりますが、書類の束をきれいに仕上げたいのなら無理して綴じ枚数の多いものを使わず、少ない枚数のものを選ぶとよいでしょう。
穴をあけたくないならプレス綴じ
文房具ライター
ジャンル内では特殊な製品ですが、紙束に切れ込みを入れるのではなく、高圧で小さな凹凸をプレスして綴じる「プレス式」もあります。穴があかないため書類がきれいに仕上がり、さらに一度綴じた束を再度バラすことも可能です。穴をあける方式では綴じた束を分離するのは難しいので、これは大きなメリットと言えるでしょう。
デメリットは「綴じ枚数が5枚前後と少ない」「プレスするのに力が必要」という点です。とはいえ、女性の力でも綴じられるレベルなので、少しだけ書類を綴じたいという用途ならじゅうぶんに活用できるでしょう。
針なしホッチキスおすすめ7選 穴開かないタイプも!
ここまで紹介した、針なしホッチキスの選び方のポイントをふまえて、文房具ライターの「きだて たく」さんと編集部で選んだおすすめ商品をご紹介します。

プラス『ペーパークリンチ(SL-106NB)』
















出典:Amazon
最大とめ枚数 | 6枚 |
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本体サイズ | W33×D83×H74mm |

コクヨ『針なしステープラー<ハリナックス>(ハンディ10枚タイプ)(SLN-MSH110)』
















出典:Amazon
最大とめ枚数 | 10枚 |
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本体サイズ | W32×D121×H100mm |

コクヨ『針なしステープラー<ハリナックス>(卓上12枚)(SLN-MS112D)』














出典:Amazon
最大とめ枚数 | 12枚(卓上) |
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本体サイズ | W84×D155×H155mm(ロック時:95mm) |

コクヨ『針なしステープラー<ハリナックスプレス>(SLN-MPH105)』














出典:Amazon
最大とめ枚数 | 5枚 |
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本体サイズ | W34×D95×H85mm |
プラス『ペーパークリンチミニ(SL-104NB)』
















出典:Amazon
最大とめ枚数 | 4枚 |
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本体サイズ | W32×D74×H66mm |
コクヨ『針なしステープラー<ハリナックス>(2穴タイプ)(SLN-MSP110D)』














出典:Amazon
最大とめ枚数 | 10枚 |
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本体サイズ | W139×D181×H210mm |
リヒトラブ『クリップレス』








出典:Amazon
最大とめ枚数 | コピー用紙を3~4枚程度 |
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本体サイズ | W40×D140×H133mm |
「針なしホッチキス」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 針なしホッチキスの売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場での針なしホッチキスの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
ホッチキスの豆知識

Photo by Unsplash
「ホッチキス」それとも「ステープラー」?
日本でホッチキスが初めて登場したのは明治36年。伊藤喜商店(現イトーキ)が販売したアメリカ製のものでした。その製品ボディには「E・H・HOTCHKISS社」のブランドと形式を表示した「HOTCHKISS」という言葉が刻印されています。
当時の日本人は、ほとんどホッチキスを見たことがありません。もちろん呼び名もなかったわけです。刻印がそのまま呼び名となって広まったのも頷ける話でしょう。ホッチキスが国内の紙面で確認されるのは大正時代。特許公報に「紙綴じ機」や「ホッチキス」といった表記が見られます。「ホッチキス」は一般名称化していますが、新聞用字用語集では「ホチキス」、JIS規格では「ステープラー」と異なった名称で登録されており、表記には正式な決まりはありません。
さらに、実は「ホッチキス」の由来は、この道具の発明者と考えられている「ベンジャミン・B・ホッチキス」の名前ではないかという説もあります。彼はマシンガン(機関銃)の発明家でした。「ホッチキス」とマシンガンでは何の共通点も見当たりませんが、実際は弾送りと針送りの機構はバネの特性を元に作られているのです。そこから、ベンジャミンはマシンガンの弾送りをヒントに、ホッチキスの構造を思いついたのではないかといわれています。
針なしホッチキスは、減らないゼムクリップの感覚で 文房具ライターからのメッセージ
文房具ライター
「針なしホッチキス」には、綴じ枚数の少なさや紙に穴があくといった問題点があるため、従来の「金属針ホッチキス」と比べて性能に見劣りを感じるかもしれません。
しかし、消耗品も使わずに紙を綴じられる手軽さは「針なし」ならでは。むしろ、ゼムクリップなどと同じように「ちょっと紙を留めたい」くらいの気軽さで使うとよいでしょう。
進化を続ける針なしホッチキスを上手に活用しよう!
文房具ライターの「きだて たく」さんへの取材をもとに、針なしホッチキスの選び方とおすすめ商品をご紹介しましたがいかがでしたか。
「針なしホッチキス」は「書類がかさばらない」「そのままシュレッダーにかけられる」「針の交換がなく手間がかからない」「経済的」とメリットの多い文房具です。
危険性が少ないので、子どもの勉強や工作のほか、キッチンでも安心して使うことができ、工夫次第で活躍の場が広がる人気アイテムです。ぜひ、さまざまなシーンで活用してみてください。
針ありの「ホッチキス」をお探しの方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
文房具ライターのきだて たくさんの協力のもとに、ホッチキス選びのポイントとトレンドを踏まえたおすすめ商品をご紹介していきます。
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
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※2021/01/18 一部商品価格修正のため、記事を更新しました。(マイナビおすすめナビ編集部 矢部栞)
最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。 極端な悪筆と工作下手がコンプレックスゆえに自分を助けてくれる便利な文房具を探し求め続けており、その活動の結果得られた情報を雑誌・WEBなどの媒体で公開している。 文房具に関する著書多数。近著には『この10年でいちばん重要な文房具はこれだ決定会議』(共著 スモール出版)がある。