テレキャスターの選び方 自分にぴったりなテレキャスターを見つけよう
元プロミュージシャンの田澤 仁さんのアドバイスをもとに、テレキャスターの選び方を紹介します。ポイントは下記。
【1】テレキャスターの種類
【2】ピックアップ
【3】ボディの素材
上記のポイントをおさえることで、より具体的に自分に合うテレキャスターを選ぶことができます。テレキャスターの主要メーカーもご紹介するので、あわせて参考にしてください。
【1】テレキャスターの種類をチェック
スタンダード|とがった音を鳴らしたい方向き
シングルコイルのとがったジャキジャキサウンド、そして武骨で粗っぽいルックスがテレキャスターの魅力です。スタンダードは、フロントにメタルカバーで覆われたシングルピックアップコイル、リアにオーソドックスなシングルピックアップコイルが配置されています。
少しテイストの違うテレキャスターを味わいたいのならカスタムやデラックスを選んでもよいでしょう。
シンライン|ぬくもりが感じられる甘い響きが特徴
軽量化のためにボディをくりぬいて作ったシンラインは、ボディが中空構造、いわゆるホロウボディと呼ばれるテレキャスターです。
通常のテレキャスターに比べてあたたかく甘い響きになり、ファンクやソウル系でよく使われています。ただしサスティン(弾いた時の音の伸びや残響)は少し伸びなくなる傾向にあります。シンラインにもピックアップ構成の異なるモデルがいくつかあるので、軽いテレキャスターがほしい人や、テレキャスターの音がとがりすぎていると思う人は、探してみるとよいでしょう。
カスタム|ハードなジャンルに
フロントのピックアップをノイズに強いハムバッカーに変えた、テレキャスター・カスタムは、より太くパワフルな音を出すことができ、パンクやハードロックなどハードなジャンルにも対応しやすいことで人気があります。
イギリスのバンド、ローリング・ストーンズのキース・リチャーズやポリスのアンディ・サマーズはテレキャスター・カスタムの愛用者です。
デラックス|より太くパワフルな音を出したい方に
2つのハムバッカーを搭載するテレキャスター・デラックスもカスタム同様、より太くパワフルな音を出すことができ、パンクやハードロックなどハードなジャンルにも対応しやすいことで人気があります。
アメリカのロックバンド、フーファイターズのクリス・シフレットはテレキャスター・デラックスを使用しています。
ナッシュビル・テレ|ストラトのようなハーフトーンが出せる
センターにシングルコイルピックアップを追加したテレキャスターが、ナッシュビル・テレキャスターです。ナッシュビルはテネシー州にある街で、カントリーミュージックをはじめ、さまざまなジャンルの音楽が盛んなことで知られています。
ストラトキャスターと同じ5WAYスイッチを搭載しており、3つのピックアップをそれぞれ鳴らすことができるのはもちろん、ミドルピックアップが増えていることによって、ストラトのようなハーフトーンが出せるようになっています。ストラトキャスターと合体したかのようなテレキャスターです。
【2】ピックアップをチェック
ピックアップにはいくつか種類があります。
●シングルピックアップは、硬く高音域が際立ちます。
●ハムバッカーピックアップ、あたたかみのある音と厚みのある中音域が特徴。
●P90シングルピックアップは、シングルピックアップよりコイル数が多い。
テレキャスターのモデルにより、ピックアップの数は異なるので、演奏するサウンドによって選ぶようにしましょう。
【3】ボディの素材で選ぶ
テレキャスターのボディの素材は、アッシュ、アルダー、バスウッドが主に使われています。ボディの素材によって、奏でられる音も変わってきます。
アッシュは、もっとも硬くて重い木材で高級なテレキャスターに使われています。音は硬めなしっかりサウンドです。アルダーは、ほどよい硬さと重さがありバランスのよい木材です。バスウッドは、やわらかい素材でコスパも抜群。奏でられる音は柔らかい音になります。
テレキャスターの主要メーカー
テレキャスターはフェンダー社の商標ですが、ほかのメーカーからもテレキャスタータイプのエレキギターが発売されています。テレキャスターを選ぶときは、メーカーごとの特徴にも注目してみましょう。
フェンダー社|幅広いラインナップ
フェンダーにはいくつか人気のモデルが販売されています。
●価格で選ぶなら、Playerシリーズなど低価格なモデルがあるメキシコ産がおすすめです。
●伝統的なスタイルや仕様にこだわるなら、ビンテージモデルを再現して現代的な要素も取り入れたMADE IN JAPANシリーズがよいでしょう。日本製は作りのよさについても高い評価を受けています。
●オリジナルの仕様を忠実に再現したモデルがほしいなら、アメリカ製のAmerican OriginalやVINTERAを選ぶとよいでしょう。
●VINTERAや現代的な仕様を取り入れたAMERICAN PERFORMERは、米国産の中では比較的低価格なので、本物のUSA フェンダーの雰囲気を味わいたい人におすすめです。
スクワイヤー|フェンダー直系で価格が抑えめ
2万円台のモデルもあるなど、とても低価格ですが、正式にテレキャスターの名前が付けられたフェンダー直系のギターなので中身は間違いなしです。
初心者にはとくに低価格なAFFINITYシリーズがおすすめです。年代ごとの名機を再現したClassic Vibeや現代的な仕様のContemporaryなど、幅広いラインナップがあるので、きっとお気に入りの1本をみつけられるでしょう。
テレキャスターおすすめランキング13選
ここまでに紹介した選び方のポイントをふまえて、音楽ライターの田澤仁さんに、テレキャスターのおすすめ商品を選んでいただきました。

60年代モデルを再現した王道的テレキャス
サウンドもルックスも、いかにもテレキャスターという王道的なモデルがほしいならコレ。60年代のビンテージテレキャスを再現したモデルで、ラッカーフィニッシュのアルダーボディに取り付けられたピックアップは、コイルワイヤーからマグネットに至るまで60年代のモデルを忠実に再現。
ジャキジャキっとしたテレキャスならではの粗っぽいサウンドを楽しめます。スチール製の3サドル式ブリッジなどのハードウェアから付属のハードケースまで、すべてにおいてビンテージの雰囲気がいっぱいで、まさに本物のテレキャスターといった存在感も格別です。テレキャスターの音も見た目も大好きというギタリストにおすすめの1本です。

多彩なサウンドを生み出すUSA製
本場USAフェンダーのテレキャスターなら、比較的低価格で入手できるAMERICAN PERFORMERシリーズがおすすめです。
ピックアップはこのシリーズ用に開発されたパワフルなYosemiteシングルをリアに、シングルコイルとしても使えるダブルタップハムバッカーをフロントに装備しています。
シングルコイルのテレキャスターらしい鋭いサウンドはもちろん、ハムバッカーの太く甘いサウンド、ハムバッカーとシングルの組み合わせのドンシャリ気味のサウンドまで、多彩な音作りが可能になっています。テレキャスターであっても色々な音を出したい人にぴったりです。
ハムバッカーをシングルに切り替えてもボリューム感が変わらず、トーンを絞ると低域が抑えられて音が濁らなくなるなど、音作りがしやすい設計になっているのも特徴です。

テレキャスの王道的スペックの低価格モデル
コストパフォーマンスのよいスクワイヤー(Squier)の製品の中でも、低価格で初心者にもおすすめなのが、AFFINITYシリーズのテレキャスターです。
2つのシングルコイルピックアップ、3ウェイのポジションスイッチ、にぎりやすい楕円形(だえんけい)のCシェイプネックにミディアムジャンボの21フレットと、まさに伝統的なテレキャスターの王道的な仕様。気軽にテレキャスターらしさを味わえる製品です。
ブリッジは弦のテンションが緩めになるトップロード式で、弦ごとに独立したサドルにより安定したチューニングができるのもうれしいところです。

ヴィンテージサウンド&ルックスが楽しめる
VINTERAは、50年代、60年代、70年代それぞれを代表するビンテージモデルのルックスやデザインなどを再現したメキシコ製の新しいシリーズです。
50年代の音を再現するために開発された鋭いトーンを持つピックアップだけでなく、ビンテージスタイルのブリッジ、太めの“Early 50s U”型ネック、7.25インチRの指板にビンテージスタイルのフレットと、ルックスから弾き心地までどこをとってもビンテージそのもの。
もっともテレキャスターらしかったあの頃の、あの音とあの雰囲気を求めるなら、これで決まりです。

ハードに弾けるパワフルな2ハムバッカータイプ
高出力のセラミックハムバッカーを2基搭載するHHタイプ。テレキャスターらしい鋭さとハムバッカーならではの分厚さを兼ね備えたサウンドは、ハードに弾きたいロックギタリスト向きです。
スリムなCシェイプのメイプルネック、チョーキングしやすい305Rの指板と大きめのフレットなど、弾きやすさも特徴。ヘッドはボディと同じ精悍なブラックカラーで塗装されているなど、ルックスには高級感もあって、全体的にコストパフォーマンスにすぐれたテレキャスターです。

コスパ最高のエントリー向けテレキャス
日本の楽器メーカーAriaが手がける低価格製品のブランドがLegend。この『LTE-69TL』も2万円弱という激安価格ですが、さすがのAria製。作りはしっかりしていて安っぽさはありません。ボディはマホガニーに似た特性を持つオクメ材で、中空のセミホロウ構造なのであたたかい響きになります。
ボディトップにはF字孔があけられ、独特なシェイプのピックガードもあって、ビンテージ感あふれる雰囲気になっているのも魅力です。とにかくコスパのよいギターなので、初心者の最初の1本にも最適ですし、サブ用としてもおすすめです。

ヘヴィなサウンドでメタルに最適
メタル系などヘヴィな音をテレキャスターでも出したい、という人におすすめのモデルです。
日本製のハイエンドにあたるMADE IN JAPAN MODERNシリーズには、ヘヴィなサウンドに適したモデルがそろえられていますが、その中でもおすすめは2つのハムバッカーを搭載したHHモデルのテレキャスター。
搭載されるピックアップは高出力で歪ませるのに向いているうえ、強く歪ませてもつぶれずにクリアで輪郭のある音を出せるので、パワフルにコードをかき鳴らすオルタナ系などにぴったりです。
ボディとネックの接合部はヒールカットされ、ハイポジションに行くほどCシェイプからDシェイプへと平坦になるネックを採用しているので、激しいソロもバリバリ弾きこなせます。

美しい仕上げの日本製「シンライン」
アッシュボディのナチュラルな杢目をいかした、グロスフィニッシュのテレキャスターです。仕上げの美しさはさすがの日本製といったところ。6サドル式のブリッジやビンテージスタイルのフレットを装備するUシェイプネックなど、70年代のビンテージモデルを再現したところも多く、ピックアップもビンテージトーンを鳴らせるものが選ばれています。
中空ボディの「シンライン」なのでサウンドは若干甘めですが、ボディがアッシュなので輪郭は明瞭。R&Bからロックまで幅広くこなせる1本です。

23色から選べるコスパ抜群で弾きやすいモデル
コストパフォーマンスのよい良質のギターを作っていることで知られるグレコ(Greco)のテレキャスモデル。
ピックアップやブリッジなどの仕様はテレキャスターの定番的なものですが、サテンフィニッシュのネックは細めで厚みも薄いので握りやすく、ネックジョイント部分にはプレートがなく角が丸く削られているので、ハイポジションも弾きやすいです。またボディも標準より少し薄めで軽いため全体的に取り回ししやすくなっています。
そして、23色ものカラーバリエーションがあることも大きな特徴です。指板はメイプルとローズウッドが選べるので、見た目からいうと全部で46パターン。色にこだわるなら、まずこの製品をチェックしてみてください。

低価格モデルで選ぶならこれ
コストパフォーマンスにすぐれたバッカス(Bacchus)のテレキャスターモデルです。
メイプルのネック、ローズウッドの指板、2つのシングルコイルピックアップと、テレキャスターとしてスタンダードな仕様。とても低価格ですがちゃんと“使える”ギターなので、初心者はもちろん、テレキャスターを1本はサブに持っておきたいという人にもおすすめです。
同じバッカス(Bacchus)にはさらに低価格なBTEシリーズもありますが、このBTCはボディのエッジ部分にバインディングを施すなど、より高級感あるルックスが特徴。それでいて価格差はわずかなので、見た目にこだわりたいならBTCシリーズがおすすめです。渋いサンバーストや深みのある濃いブルーなど、4色のカラーバリエーションが用意されています。

サイケなペイントが印象的なジミー・ペイジモデル
泣く子も黙る世界3大ギタリストの一人、レッド・ツェッペリンのジミー・ペイジといえばレスポールが有名ですが、初期のメインはテレキャスター。このサイケなペイントのジミー・ペイジのシグネチャーモデルは、ツェッペリンの1stアルバムで使われたという“ドラゴン・テレキャスター”を、ジミー・ペイジ本人と共同開発で再現したもの。
ドラゴンのペイントはもちろん、アッシュ材のボディやネックのシェイプ、ピックアップに至るまで、オリジナルを忠実に再現しています。初期ツェッペリンを演奏するならこれで決まりです。なお、このペイントが施される前の“ミラーギター”を再現したホワイトのモデルもラインナップされています。
「テレキャスター」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする テレキャスターの売れ筋をチェック
Yahoo!ショッピングでのテレキャスターの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
ギター初心者におすすめグッズ特集! 【関連記事】
テレキャスターはチューニングが難しいギター エキスパートからのアドバイス
テレキャスターはチューニングが難しいギターだと言われることがあります。ブリッジのサドルが3ウェイ構造で、1弦と2弦、3弦と4弦というように、2本の弦で1つのサドルを共有しているので、1本の弦ごとにオクターブ調整ができない仕組みになっているからです。
そのルーズなところもテレキャスターの味なのですが、どうしても我慢できない場合はサドル、またはブリッジごと交換してしまう方法もあります。ただし音も変わってしまうことがあることに注意してください。初めからサドルが弦ごとに独立したモデルもありますから、正確にチューニングしたいなら、そういったモデルを探してみるとよいでしょう。
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90年代にプロドラマーとして活動、その後、音楽ライターとして書籍、雑誌などの執筆を行なっている。 DTM、PCオーディオ関連の著書、DTMソフト、シンセサイザーの日本語マニュアル制作など多数。 Webでは2007年~2009年までサイトAll Aboutで「ロック」のガイドを務めたほか、音楽情報サイトBARKSでは国内外の数多くの有名アーティストのインタビュー、ライブ取材などを行なっている。 得意分野はAOR、ハードロック、フュージョン、80年代。