冷やで美味しい日本酒おすすめ10選
ここまで紹介した選び方のポイントをふまえ、酒屋の三代目の小林健太さんならではの視点で、おすすめの商品を選んでいただきました。

日本酒ビギナーにもおすすめ
吉田酒造は、味の濃い酒が多い山陰地方の蔵元のなかではめずらしい、スッキリとしたキレイな旨みのある酒をつくる島根県安来市の蔵元です。
定番の特別純米酒である『出雲』は、穏やかでどこかホッとするお米の香りがあります。口に含むとふんわりとやさしい甘味と透明感のあるキレイな旨みの、軽快なバランスのよさが楽しめます。
日本酒ビギナーにおすすめの1本です。

いつも近くに置いておきたい1本
新潟県塩沢にある青木酒造の定番酒、鶴齢 本醸造。蔵の地下から汲み上げる水は巻機山(まきはたやま)の伏流水で、軟水ながら新潟のなかではややかための水でつくられています。
この水の特徴が『鶴齢』の独特の旨みと味わいにつながっており、口に含むと軽やかななかにも、鶴齢らしい旨みと少しの甘味を感じることができるでしょう。喉ごしがさわやかで、心地よい余韻とともに次の一口がほしくなります。
毎日の晩酌に冷や酒を楽しみたい方におすすめです。

田を耕すことから農が、農から酒づくりがはじまる
山形県の出羽桜といえば、代名詞は吟醸酒。そんな酒蔵が農に感謝を込めてつくる純米酒が、こちらの『一耕』です。
口に含むとまずはやさしい甘味が感じられ、次にまろやかなお米の旨みが感じられるでしょう。味わいの後半には舌の奥にくッとかかる存在感のある旨みがあり、存在感の余韻を残しつつ、さわやかに喉の奥に流れていきます。
冷やだからこそ感じられる、酒の旨みの変化を楽しみたい方におすすめです。

「こんなにおいしかったんだ」と感じる定番酒
日本でも知名度の高い銘柄のひとつに数えられる、長野県 宮坂醸造がつくる『真澄』。その真澄の定番の純米酒が『奥伝寒造り』です。
日本酒のなかでは、あまりに有名なこのお酒。改めて飲むと、このお酒のおいしさはすぐに伝わること間違いなし。キレイで品のいいお米の甘味に、素直で明快な旨み、そしてさわやかな喉ごし。ぜひ冷やで味わってほしい1本です。
バランスのいい日本酒らしさが飲みやすい
山口県産の山田錦を40%まで磨きあげて作られた純米大吟醸酒です。東洋美人の最高峰に位置づけされる1本で、淡麗・辛口という日本酒らしさがギュっと詰まっています。
サッパリとした味わいで、初めて日本酒を飲む方にもおすすめ。優しいお米の旨みが口の中に広がり、上品な酸味も後味が良く、冷やで飲むなら間違いない1本です。
食事のお供なら、この日本酒できまり!
2010年のIWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)純米酒部門において最高賞に輝いた1本。口当たりや香り、味の強弱においてもクセがなく、スムーズなのど越しを楽しめます。
「米の香り・味」を強く求める方には物足りないかもしれませんが、食事のお供として飲むときには最適! 初めての日本酒を飲む方や、飲みやすい日本酒を探している方に冷やでいただいてほしい日本酒です。

米のやわらかな旨みを感じる純米吟醸酒
久保田で有名な朝日酒造の「越州」ブランドは、千秋楽というお米を使っています。一般的な日本酒のなかでは少し低めのアルコール度数(14度)で、軽やかな旨みを表現するシリーズです。
『参乃越州』はその越州ブランドの純米吟醸酒で、ふくよかな米の旨みに適度なコクと酸味が加わった、完成度の高いお酒。
とくに出汁の効いた食事と合わせると、お米のやわらかな旨みとの相乗効果が得られます。
米の旨みを感じられる冷や酒をお探しの方におすすめです。
冷やなら、ぐっと旨味が引き立つ!
青森県十和田を源とする奥入瀬川水系の伏流水を使用した日本酒です。きめ細かいなめらかな味わいは、寒冷な北国だからこそ。香味のバランスの良さや、まろやかな口当りに仕上がっているので燗酒でも楽しめますが、やっぱりおすすめは冷や!
また、1800mlと、お値段にしてはたっぷり。日頃の晩酌用日本酒にしてもOKなコストパフォーマンスです。「日本酒を楽しむ」という点では幅広く活躍する1本になるでしょう。
食事のお供にも! 毎日楽しめる純米大吟醸
山田錦等のお米にあえてこだわらずに作られた、「毎日家で飲める純米大吟醸」。リーズナブルな価格なので、気軽な宅飲みにもぴったりです。
味の個性よりも、飲みやすさや食事との相性を考えて作られているので、お刺身や生ハム、スモークなどのおつまみと一緒に飲めば、大満足の晩酌タイムになるはず。会津ほまれの技術力である「極」。その飽きない香りと味を楽しんでみてください。
フルーティな香り引き立つ日本酒の定番
日本酒と聞けば「久保田」をイメージする方も多いほど、ポピュラーなブランドで、品質の高さにも定評があります。久保田 萬寿は、シリーズの中でも特に高品質な日本酒で、深みある、華やかな香りが特徴的。
冷酒で飲むと、より一層フルーティな香りが引き立ちます。天ぷらや生ハム、鯛めしなどと料理やおつまみとの相性も抜群。特別なひとときに、ちょっと特別な日本酒を飲みたい方におすすめです。
「冷やで美味しい日本酒」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 冷やで美味しい日本酒の売れ筋をチェック
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの冷やで美味しい日本酒の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
冷やで美味しい日本酒の選び方
酒屋の三代目の小林健太さんに、冷やでおいしい日本酒を選ぶポイントを3つ教えていただきました。ポイントは下記。
【1】日本酒のツウが好む、冷やの日本酒
【2】常温で飲まれることを想定してつくられた酒を選ぶ
【3】スッキリとキレイな甘味、旨みのあるタイプを選ぶ
上記のポイントを押さえることで、より欲しい商品をみつけることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】日本酒のツウが好む、冷やの日本酒
「冷やの日本酒」と聞いて、冷たいお酒をイメージする人もいれば、常温のお酒をイメージする人もいるでしょう。
その昔、冷蔵設備がない時代は「燗酒(かんざけ)」と「冷や酒(ひやざけ)=燗をしない常温の酒」の2種類だけでした。その後「冷えた日本酒」が飲めるようになったことで、「冷や酒」があいまいな表現になったのです。
今では「冷たい酒⇒冷酒(れいしゅ)」「常温の酒⇒冷や酒」「温かい酒⇒燗酒」と呼ばれることが多いようです。飲み物の大半が「つめたい」か「あたたかい」で飲まれるのと同じように、日本酒も冷酒や燗酒が主流です。
冷や酒は味がごまかせず、その酒の味わいが一番わかることもあって、ツウ好みの酒といわれるようになりました。日本酒を選ぶときは、お酒の本来の味を感じられるものを選びましょう。
【2】常温で飲まれることを想定してつくられた酒を選ぶ
冷や酒の温度は、たいていの場合20~26℃程度の室温を指します。「ひんやりしている」とも感じますが「ぬるい」とも感じる温度です。
日本酒は温度で香りや味わいが変化するお酒。冷やすことで甘味や旨みは抑えられ、温めると濃く強くなる傾向があり、香りの強弱も変わります。
生酒や生原酒などは、冷やして飲むことを想定しつくられており、コーラやサイダーを常温で飲むのと同じように、常温ではバランスが崩れてしまう場合もあります。
人により味の好みは異なりますが、冷や酒を楽しむ際は、常温を想定してつくられたお酒を選び、生タイプのお酒は避けるほうがよいでしょう。
【3】スッキリとキレイな甘味、旨みのあるタイプを選ぶ
常温のお酒の醍醐味(だいごみ)は、この温度帯で感じやすいお米のほのかな甘味と旨みです。もちろん、好みにもよりますが、この温度帯ならではのキレイな甘味と、ふんわりと優しい旨みを楽しめるお酒を選ぶといいでしょう。
常温では日本酒の雑味がわかりやすくなるともいわれています。そのため、ややスッキリとした味わいのお酒のほうが、冷や酒に向いているでしょう。
冷やの美味しい飲み方
本項では、冷やの美味しい飲み方についてご紹介いたします。ぜひ参考にしてください。
冷やと冷酒の違い
一般的に冷やと冷酒には下記のような大きな違いがあります。
●冷や・・・常温の日本酒
●冷酒・・・冷やした日本酒
呼び名によって勘違いされがちですが、冷やは常温で楽しめる日本酒のことで、熱燗と冷酒の間の味わいを楽しむことができます。逆に、冷酒はしっかりと冷やされており、雪冷え(約5℃)、花冷え(約10℃)、涼冷え(約15℃)といったように冷やし方にも違いがあります。
冷やの楽しみ方
前述した通り、冷やは常温の日本酒のことで、温度は約20℃〜25℃ほどにすると美味しく感じられます。
口触りで若干冷たさを感じられ、飲みやすい温度です。料理の風味、日本酒の風味を両方楽しむことができます。特に、純米酒や熟成させた日本酒などは、より風味や味わいが感じられます。
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冷やの日本酒はお酒の善し悪しがわかる
冷やの日本酒は、そのお酒の一番素の状態がわかるといわれています。
お酒を人の日常にたとえると、「冷酒は、朝の出勤時のようにキレイに身支度をしてある状態」「燗酒は、休みの日にスポーツなどで体を動かして活動的になっている状態」「冷や酒は、一日の最後にゆったりとくつろいだ状態」のようなもの。
だからこそ、冷や酒は気取らずに素の自分にじんわりと染みるうまさを感じさせてくれます。冷酒や燗酒もいいですが、のんびりと楽しめる冷や酒もぜひお楽しみください。
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東京都板橋区の地酒専門店 若松屋酒店の三代目。 1982年、板橋区高島平生まれ。 2016年に約12年務めた会社を退職し、酒屋修行のため1年間全国の酒蔵を訪問。 2017年、実家である板橋区高島平の若松屋酒店に入社。 店頭での業務に加え、日本酒、焼酎の魅力を1人でも多くの方に知って欲しいとの想いで、ライター活動も行う。 唎酒師、焼酎唎酒師、酒匠、日本酒学講師、SAKE DIPLOMA。