フルールドセルとは?
シニアソルトコーディネーター/塩料理研究家
「フルール・ド・セル」とは、海水から塩が生まれるときに一番最初にできる塩の結晶のみを集めたもののこと。海水の表面に塩の結晶が広がる姿がまるで花が咲き誇っているようであることから、世界各地で「塩の花」と呼ばれています。
少量しか採取できないので、希少性が高く、ワンランク上の塩として扱われています。
フルールドセルの選び方 塩料理研究家が解説
塩料理研究家の青山志穂さんに、フルールドセルを選ぶときのポイントを3つ教えてもらいました。

Photo by David Monje on Unsplash
世界各地の塩田で古くからおこなわれている塩づくり。そのなかでも、表面にできた塩の結晶だけを集めたのが塩の花「フルールドセル」です。
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シニアソルトコーディネーター/塩料理研究家
「フルールドセル(塩の花)」は、一般的にナトリウムの構成比が高く、しょっぱさが強い傾向があります。しかし、そのなかにもうまみや苦味を感じることができるものなどもあり、味わいはさまざまです。
ナトリウム(または食塩相当量)が多ければしょっぱさが強く、少なければしょっぱさが弱いので、パッケージ裏面の栄養成分表示を見て自分好みのものを選びましょう。(商品によっては記載のないものもあります。)
伯方塩業『フルール・ド・セル(塩の花)』
食塩相当量が96.3gの商品。しょっぱさはほどよく、カリッとした食感が特徴です。
>> Amazonで詳細を見る粒の大きさで選ぶ
シニアソルトコーディネーター/塩料理研究家
「フルールドセル(塩の花)」は、まだ熱があまり通っていないときにできる結晶で、その大きさが通常の塩に比べて少し大きいことが多い傾向があります。
粒が大きければ溶けるのに少し時間がかかるので、トッピングに使う、溶かして使うなど、用途に合わせて粒の大きさを選びましょう。ふり塩にするときは、あまり大きすぎると食材に付着しづらいので考慮しましょう。
結晶の形もチェック
シニアソルトコーディネーター/塩料理研究家
「フルールドセル(塩の花)」は、時に美しいピラミッド型やフレーク(板)状を成すことがあります。その場合は、サクサク、カリカリといった食感も生まれるので、トッピング用途に向いています。
塩の食感が必要なのか必要でないのかによって、結晶の形を選ぶとよいでしょう。
日本海企画『塩の花』
風光明媚な笹川流れの海水を薪で15時間炊き上げ、最初にできた結晶を集めた塩。直径数ミリの小さなサイズの塩です。
>> Amazonで詳細を見るフルールドセルおすすめ10選 塩料理研究家が選んだ
ここまで紹介したフルールドセルの選び方のポイントをふまえて、塩料理研究家の青山志穂さんに選んでもらったおすすめ商品を紹介します。

サラン『カマルグ フルール・ド・セル』








出典:Amazon
内容量 | 125g、250g |
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産地 | フランス(カマルグ) |
成分(100g当たり) | 塩化ナトリウム97%以下、硫酸カルシウム0.5%、塩化マグネシウム0.3%、硫酸マグネシウム0.2%、塩化カリウム0.1%、ほか |
甘酸っぱく、EXバージンオリーブオイルと好相性
おいしい塩をお探しなら、まずはこのフルールドセルを。フランスといえばゲランドが有名ですが、カマルグもゲランドに劣らぬ名産地。
このフルールドセルの製法はゲランドと同じ干満の差を利用した入浜式塩田(いりはましきえんでん)ですが、塩田の土壌質(どじょうしつ)が異なるため、ゲランドの灰色に比べて純白の美しい結晶が生まれます。結晶はやや大きめな立方体と凝集晶(※)のミックス。
商品のフタには職人の名前が書かれたラベルが貼付してあり、どの職人が作り上げた塩の花かがわかるようになっています。お気に入りの職人を見つけるのもマニアックな楽しみかも。
甘味が強く、適度にさわやかな酸味があり、そして旨みの余韻(よいん)が舌に残ります。緑の香りが強いEXバージンオリーブオイルと合わせて白身魚にぱらりと振りかけるのがおすすめ。

日本海企画『塩の花』














出典:Amazon
内容量 | 170g |
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産地 | 日本(新潟) |
成分(100g当たり) | - |
日本海産の力強い塩味は、あじや牡蠣のフライに最適
やっぱり国産のものがいいという方には、日本海の力強さを感じるこのフルールドセルはいかがでしょうか。手つかずの豊かな山に恵まれ、そこから川を通じて流れ出るミネラルをも有した美しくも雄大な「笹川流れ(ささがわながれ)」は、景勝地(けいしょうち)としても非常に有名なエリア。笹川流れ沿いに立つ製塩所で、その海水を原料に薪で温めじっくり炊き上げた塩です。
直径数ミリの小さなサイズのフレーク(板)状の塩は、シャクシャクとした食感で、溶けるほどに力強いしょっぱさをガツンと感じ、日本海の海の香りが鼻を通り抜けます。
あじや牡蠣など海の香りがする食材のフライをはじめ、トンカツにもおすすめ。衣のサクサク感を強調しつつ、油っこさを緩和し、中身のおいしさを引き立ててくれます。

ピランスケ・ソリネ『ソルトフラワー』
内容量 | 70g |
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産地 | スロヴェニア(ピラン) |
成分(100g当たり) | - |
まるでマジック、激しく変化する味わいが魅力
濃厚な味わいを楽しみたい方へ。国土の約60%が森林という緑豊かなスロヴェニアの、1,200年以上続く塩田で生産されている海水塩です。塩田の付近に位置する川の河口付近には汽水の湿地が広がり、ラムサール条約で保護されるほど豊かな自然が残っている地域。その地に由来するミネラル成分の豊富なバクテリアの堆積層(たいせきそう)「ペトラ」からできた塩田に海水を引き込み、太陽と風の力だけで濃縮・結晶させていきます。
しょっぱさ、酸味、甘味、うまみ、苦味、雑味とすべての味を含み、次々と口の中で変化する味わいはまるでマジックのようです。

アンテ『奥能登揚げ浜塩田しお きらら』

出典:楽天市場
内容量 | 40g |
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産地 | 日本(能登半島) |
成分(100g当たり) | 食塩相当量8.76g、マグネシウム0.78g、カルシウム0.44g、カリウム0.19g、ほか |

ゲランドの塩生産組合『フルール ド セル』












出典:Amazon
内容量 | 125g、500g |
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産地 | フランス(ゲランド) |
成分(100g当たり) | - |

伯方塩業『フルール・ド・セル(塩の花)』






出典:Amazon
内容量 | 150g、1,000g |
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産地 | メキシコまたはオーストラリア、日本 |
成分(100g当たり) | 食塩相当量96.3g、マグネシウム100~200mg、カルシウム50~200mg、カリウム10~150mg |

エスプリ・デュ・セル『フルール・ド・セル(レ島の塩の花)』

出典:Amazon
内容量 | 70、100、130、160、200、500g |
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産地 | フランス(レ島) |
成分(100g当たり) | - |
甘酸っぱさを感じさせる果実のような塩
刺身を塩で食べたい人にぜひ味わっていただきたい、果実味のある塩。フランスの大西洋側に浮かぶ、リゾート地としても名高い小さな島「レ島」の、エスプリ・デュ・セル社によって伝統的な製塩方法で生産されています。
ゲランドなどに比べると生産量が少なく、フランス国内でも「幻の高級塩」と呼ばれています。12世紀から続く昔ながらの製法をかたくなに守りながら生産されたこの塩は、透明度が高く、キラキラと輝いています。
さわやかな甘味と酸味を持ち、余韻にうまみが残ります。白身魚のカルパッチョなどに、フレッシュなオリーブオイルと一緒に使うのがおすすめ。

サル・デ・イビザ『Fleur de Sel』










出典:Amazon
内容量 | 150g |
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産地 | スペイン(イビザ) |
成分(100g当たり) | - |
口の中でするりととけ、カクテルやデザートにも
ヨーロッパ有数のリゾート地である、スペインの東部沖に点在するバレアレス諸島のひとつ、イビザ島の自然保護地域で生産されている完全天日塩です。かつてフェニキア人の交易の拠点であったこの島には、いまも彼らが拓(ひら)いた塩田が残り、伝統的な製法での塩づくりが続けられています。
適度ににがりを残しているためほどよくしっとりしていて、口に入れるとするりと結晶がとけていきます。やわらかなしょっぱさと濃厚なうまみがクセになります。カクテルグラスのリムにつけてスノースタイルで楽しむもよし、グレープフルーツなどの苦味のあるフルーツに少量かけるのもおすすめ。

ネクトン『プレミアム・シーソルト(フロール・デ・サル)』






出典:楽天市場
内容量 | 150g |
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産地 | ポルトガル(アルガルヴェ) |
成分(100g当たり) | マグネシウム650mg、カルシウム130mg、カリウム170mg、ほか |
うまみと酸味の絶妙なバランスが楽しめる
太陽が照り付けるポルトガルの南、アルガルヴェ地方にある伝統的な塩田で生産される完全天日塩です。塩田のある場所は自然公園として保護されており、非常に厳格な環境基準を設けているため、いまでも太古から生存する貴重な生物が住み、美しく豊かな自然に恵まれています。スローフード協会賞、ポルトガル農業賞受賞、ナチュール・エ・プログレ認定商品です。
力強いしょっぱさと、濃厚なうまみ、そしてしっかりした酸味が絶妙なバランスで含まれていて、そのままずっと舐めていられるようなおいしさです。肉料理や、揚げ物にトッピングして食べるのもおすすめ。

与那国海塩『黒潮源流塩 花塩』

出典:楽天市場
内容量 | 3g、55g、135g |
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産地 | 日本(与那国島) |
成分(100g当たり) | - |
「フルールドセル」のおすすめ商品の比較一覧表
塩料理研究家からアドバイス
シニアソルトコーディネーター/塩料理研究家
価格は全般的に高め、ここぞというときにぜひ
「フルールドセル(塩の花)」は、一番最初に結晶したものだけを集めた塩なので、どれも生産量が少なく、価格は一般的な塩よりも高い傾向があります。
また、比較的力強い味わいのものが多いので、料理の最後に決め塩として少量使ったり、おもてなしのときに利用するのがおすすめです。
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※マイナビおすすめナビでは常に情報の更新に努めておりますが、記事は掲載・更新時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。修正の必要に気付かれた場合は、ぜひ、記事の下「お問い合わせはこちら」からお知らせください。(掲載:マイナビおすすめナビ編集部)
2020/03/19 コンテンツを一部追加・修正しました(マイナビおすすめナビ編集部 水貝英斗)
慶応義塾大学卒。食品会社でのマーケティング・商品開発を経て、塩の専門店に入社。日本初のソルトソムリエ制度を創設。 その後、より多くの人に塩の魅力を伝えるため(社)日本ソルトコーディネーター協会を設立。 養成講座の開催のほか、講演会やイベント、メディア出演を行う。著書に『日本と世界の塩の図鑑』(あさ出版)、『塩図鑑』(東京書籍)など。 訪れた製塩所は200か所以上、塩のコレクションは1200種類以上に及ぶ。