酒燗器とは?
酒燗器は日本酒を温めて飲むための調理アイテム。日本酒は飲む温度によって呼び名が変わり、30~40℃の「人肌燗」や「ぬる燗」はまろやかな口当たりが特徴で原料の米の甘みやコクを味わうことができます。45~50℃の「日向燗」や「熱燗」、さらに高めの55℃の「とびきり燗」になるとアルコールの辛さも変わってきます。
酒燗器を使えば飲みたい温度に温めることができるうえに、保温機能がついていれば適温を維持してくれるので便利です。酒燗器で温かくおいしい日本酒を味わいましょう。
酒燗器の選び方 日本酒を熱燗で楽しむ
ここからは酒燗器を選び方について見ていきましょう。国際唎酒師の宇津木聡子さんの取材をもとに、酒燗器を選ぶポイントをまとめました。ポイントは以下の5つです。
【1】タイプ
【2】素材
【3】サイズ
【4】温度調整機能
【5】お手入れのしやすさ
上記のポイントを押さえることで、あなたに合った商品を見つけることができます。ぜひ参考にしてみてください。
【1】タイプから選ぶ
酒燗器には、大きく分けると「電気で温めるもの」と「湯せんで温めるもの」の2種類があります。ご自身の食卓まわりの環境や、卓上での置き方などを想定して、適したものを選びましょう。
コンセントをつなぐ「電気式」
電気式は、電源コードをつないで、専用の酒器に日本酒を注ぎヒーターにのせて加熱します。食卓まわりにコンセントがあれば、手軽にお燗がつくれます。
熱湯でじっくりと温める「湯せん式」
湯せん式は、熱湯を入れた容器に日本酒を注いだ酒器を入れてお酒を温めます。熱湯を事前に用意する必要がありますが、コードにつなぐ必要がないため置き場所は自由で、収納も比較的コンパクト。
【2】素材にも注目!
酒燗器には陶器製のものや銅製の素材のものがありフォルムもさまざまです。それぞれの特徴を見ていきましょう。
保温性のある「陶器製」
陶器製の酒燗器は保温性があり冷めにくいので熱燗を飲むのにぴったりです。また陶器の酒燗器は口当たりがまろやかなお酒に仕上がります。
電気式から湯せん式、キャンドルを使って温めるものまでさまざまなデザインがあります。
熱伝導率の高い「錫製」
錫(すず)は熱伝導性が高く日本酒を効率的に温めてくれます。一方、冷酒を入れても温度を一気に下げて保冷も可能です。錫には抗菌作用があり、水分のなかの雑菌や繁殖を防ぎます。
また、イオン作用をもち、日本酒に含まれるフーゼル油を溶かしてくれます。フーゼル油の割合が少なくなると臭みや濁りが減少します。錫のちろりは「2級の酒を1級酒にする」ともいわれるアイテムです。
「銅製」は熱燗が好きな人に適している
銅も熱伝導性が高く、錫の6倍の熱伝導率があるとされています。持ったときにずっしりとした重厚さを感じ、長年使い続けるほど見た目に味が出る素材です。
銅製は、ステンレス製やアルミ製よりも熱伝導性が高いので、熱燗を好む人に試してほしいアイテムです。
コスパの高い「アルミ製」
ほかの金属製よりも価格が抑えられていることが特徴です。熱伝導性が悪いわけではなく、しっかりと日本酒をお燗できます。
はじめて酒燗器を購入する人やいつも電子レンジでお燗している人などにも試してほしいアイテムです。
電子レンジも可能な「耐熱ガラス」
電気式でもなく湯せん式でもない耐熱ガラス素材。熱燗が飲みたいときには電子レンジで簡単に温められます。真空構造になっているタイプもあり、冷酒と熱燗どちらもおいしい状態で味わうことができます。
【3】サイズを選ぶ
酒燗器はコンパクトでいろいろな場面で使えるので、自分が使うシーンを考えて購入するものを選んでみましょう。毎晩、日本酒を飲む人であれば、お銚子1本を温められる製品などを見てみましょう。
大勢の人と飲む場合には、一度にたくさんの量を温められる製品を選ぶとよいでしょう。使い勝手なども含め、いろいろと考えてみるとお気に入りのものにたどり着きやすいです。
【4】温度調整機能があるかチェック
せっかくお燗をつけるなら、ほどよい温度に仕上げたいものです。酒燗器の温度調整については、種類として無段階と段階的に温度調整できる製品が用意されています。扱いになれていれば無段階のものでもよいですが、はじめて使う人は1合・2合などお酒の量でつまみが設定されているものを使いましょう。つまみで段階的に調整できると、お酒の種類に合わせて、ぬる燗や熱燗など、自分の思いどおりの温かさにすることができます。
【5】お手入れのしやすさも確認する
酒燗器を長く愛用できるよう、そして、いつも清潔な状態でお燗を楽しむために、付属品も含めて、洗いやすさ、お手入れのしやすさ、取り扱いの注意事項も、購入のまえにチェックしたいポイントになります。
また、陶器製のものは破損などの心配がないように、手もとに届いたらしっかりと商品を確認することや、返品・交換の対応がしっかりしているショップを選ぶことも大切です。満足のいくものを選んで、お酒を味わう時間をより豊かに楽しみましょう。
酒燗器おすすめ7選【電気式】
これまでご紹介した酒燗器の選び方をふまえて、電気式のおすすめ商品を紹介します。
温度調節機能付き! 着脱式で注ぎやすい
ぬくもりのある美濃焼の徳利がついた電子式の酒燗器。徳利はたっぷり2.5合(450ml)入る着脱式で持ち手が大きく、しっかりと握って注ぐことができます。
ぬる燗や熱燗など好みの温度に調整できる温度調節機能がついているのもポイント。つまみをスライドするだけでかんたんに温度を調節できます。ひとりの家呑みはもちろん、パートナーや友人と一緒に燗酒を楽しみたいときにぴったりです。

お酒の量によって温度調節可能
お酒をじっくり温め、そして冷めにくい本格的な陶磁器製のとっくりでお燗が楽しめる電気式酒燗器。容量はたっぷり450ml(2合半)。
1合から2合半までお酒の量に合わせて、レバーをスライドさせて温度調節ができます。温度には段階がないため(無段階調節)、ご自身の好みに合わせて調節ができますが、やや「慣れ」を要するかもしれません。
電気式でも陶器の雰囲気を味わいたい方、お客さまを招いて数名でお燗酒を楽しみたい方におすすめです。

酒器の品質と扱いやすさが魅力
鋳物づくりなどが盛んな新潟の燕市で製造されている、電気式の酒燗器です。酒器本体は熱伝導率が高いアルミダイカスト(アルミニウムをベースとした鋳物)でできており、丈夫ながら比較的軽量。突起のあるハンドルは、持ちやすさ、注ぎやすさも抜群です。
酒器の内部に水位目盛があるため、お酒の量もひとめでわかります。温度調節は、ぬる燗から熱燗まで12段階の細かな調整ができるようになっており、お好みの温度設定が容易にできます。
容量はたっぷりの2.5合(450ml)。こまかな温度設定を好む方、扱いやすく、容量が多めの酒燗器がほしい方におすすめです。

酒器は美濃焼! 少量から多めのお酒まで対応
伝統工芸品の美濃焼の酒器でお燗を楽しめる、電気式の酒燗器です。容量は2.5合(450ml)。温度調節は、1合はあつ燗と飛切燗の2段階を、2合~2.5合はぬる燗、あつ燗、飛切燗の3段階をレバーで設定するようになっており、お酒の量に合わせて適切な温度を選ぶことができます。
少量から多めまで、さまざまな量に対応する酒燗器をお探しの方、焼きものの酒器の風合いをお好みの方におすすめです。
電子レンジ対応!和風テイストの粋なデザイン
お洒落な和風デザインと、内瓶は耐熱ガラス、外瓶は金属で作られた珍しい徳利です。冷酒も熱燗もどちらも楽しめます。内瓶の耐熱ガラスは電子レンジにも対応しているので、サッと手軽に熱燗をつくれる優れものです。ひとり酒の時に重宝するのはもちろんのこと、お父さん・おじいちゃんへのギフトにも喜ばれるかもしれませんね。

扱いやすく、保温機能でお好みの温度がつづく
酒器もヒーターもブラックで統一感があり、片口のようなフォルムもスタイリッシュです。容量は約300ml(1合半)。好みに応じた4段階の温度設定が可能です。
酒器の口が片口状に大きく開いているため、お酒をボトルから注ぎ入れやすく、ひれ酒などもかんたんに作ることができるほか、洗いやすいという利点があります。
保温機能付きで、お好みの温度を保ったままお酒を楽しむことも可能。さっと手軽に、おひとり~少人数でお燗を楽しみたい方におすすめです。
一升瓶を瞬間加熱してくれる電気式熱燗器
利便性を追求した電気式熱燗器です。一升瓶を丸ごとセットするだけで、瞬間的に過熱してくれます。温度も、45℃~65℃の間で自由に設定可能です。一升瓶を豪快に使うとはいえ、本体自体はおしゃれでコンパクトなデザインなので、インテリアの邪魔をすることもありません。会食等の複数人でお酒を楽しむシーンで重宝されそうです。
酒燗器おすすめ4選【湯せん式】
湯せん式の酒燗器のおすすめ商品を紹介します。
寒いの日の家呑みのお供に
愛らしいデザインが特徴的な美濃焼きの酒燗器です。湯煎式で持ち手が付いているので、安心してお使いいただけます。ちょっぴりほろ酔い程度にお酒を嗜みたい時に最適です。また保温性にも優れているので、ぬる燗のお酒をゆっくり楽しむことができます。家族でゆっくり家呑みを楽しむのに持ってこいです。徳利を片手に、家族水入らずの時間を楽しんでください。

日本の名産素材で作られた、本格派の湯せん酒燗器
富山の錫(すず)製のチロリ、岐阜の陶器、神奈川の木を使った持ち運びもできる木枠がセットになった、湯せん式の酒燗器。陶器にお湯を入れ、そこにお酒を注いだチロリをセットするだけで、お燗をつけることができます。
温度は、お湯の量とチロリを浸ける時間で調整可能。持ち手付きの木枠は、持ち運びにも便利で、卓上に置いてもおもむきがあります。また、陶器に氷水を入れれば、冷酒用でも活躍!
チロリの錫には、イオン効果でお酒をまろやかにする性質があり、また蓋(ふた)付きのため香りも逃げません。酒燗器の素材にこだわりたい方、お酒の香味を大切に楽しみたい方におすすめです。

お好みの美濃焼の風合いが選べる
全国有数の陶器生産地である岐阜の美濃焼でできた、湯せん式の酒燗器です。保温器である容器にお湯を準備し、お酒を注いだとっくりをセットして、食卓で少し待てば美味しいお燗が楽しめます。
盃2個がセットになっているのもうれしいポイント。容量は300mlで、おひとりで、あるいはご夫婦や恋人、気の合う友達と2人ぐらいで楽しむのにぴったりです。陶器の風合いを味わいながら、雰囲気よくお燗酒を楽しみたい方におすすめ。
ほかにも、違う柄や色味、備前焼き風に仕上げたものなどもあるので、お好みでチェックしてみましょう。
美濃焼の歴史を感じながら味わう一杯
湯煎式の酒燗器で、便利さよりもぬる燗をゆっくりと嗜みたい方におすすめです。また、美濃焼製の徳利には、300ccもの容量のお酒が入ります。素朴なデザインが、一杯一杯の味わいをさらに深めてくれるでしょう。長い歴史と伝統を持つ美濃焼は世代を問わず誰からも愛される逸品なので、贈り物としても喜ばれることでしょう。
「酒燗器」のおすすめ商品の比較一覧表
通販サイトの最新人気ランキングを参考にする 酒燗器の売れ筋をチェック
楽天市場での酒燗器の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
ちろりの使い方
ちろりは燗酒つくりには欠かせないアイテム。湯せん式の酒燗器や鍋ややかんに入れて使用します。鍋に水を入れて沸騰する直前で火からおろしたら、日本酒を注いだちろりを鍋に入れるだけ。ちろりでお燗する際は、以下の目安時間を参考にするといいでしょう。
約2分:日向燗・人肌燗(30~40℃)
約3分:ぬる燗(40~45℃)
約4分:上燗・熱燗(45~50℃)
日本酒は微妙な温度差で風味が変わってくるため、しっかりと温度を確かめたい方は温度計を使って好みの温度で楽しんでください。
ちろりやとっくりをご紹介
酒燗器で家呑みをゆったりと楽しもう!
酒燗器は温かい日本酒を飲むときに便利なアイテムです。電気式は電源が必要ですが、温度調節や保温機能など便利な機能を備えたものもあります。湯せん式は陶器やガラスなど徳利の見た目も風情あるものが選べるため、おもてなしにもぴったりです。
つねに温かいお酒が飲めるので家呑みもゆったりと楽しめます。家呑みをもっと楽しみたい方はお猪口や徳利にもこだわってみてもいいでしょう。この記事で紹介した酒燗器の選び方やおすすめ商品を参考にして、自分が使いやすい酒燗器を探してみてください。
◆記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。◆特定商品の広告を行う場合には、商品情報に「PR」表記を記載します。◆「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。◆商品スペックは、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。◆記事で紹介する商品の価格やリンク情報は、ECサイトから提供を受けたAPIにより取得しています。データ取得時点の情報のため最新の情報ではない場合があります。◆レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
日本の風土、知恵、歴史が生み出した日本酒の魅力や楽しみ方を、より多くの人に広めるため、訪日外国人へのプライベート日本酒体験、外国人・日本人向け日本酒にまつわるセミナーやイベントの企画を行っている。 外国人のプライベート日本酒体験では、これまでに30か国以上から400人余りをお迎えしている。 日々の生活でも、カンパイは日本酒、スキンケアは日本酒と酒粕で、そして朝晩の甘酒を欠かさない。