酒燗器の選び方|国際唎酒師に聞きました
国際唎酒師の宇津木聡子さんに、酒燗器を選ぶときのポイントを4つ教えてもらいました。
電気式か湯せん式か? 食卓の環境、使い勝手で選ぶ
酒燗器には、大きく分けると「電気で温めるもの」と「湯せんで温めるもの」の2種類があります。
電気式は、電源コードをつないで、専用の酒器に日本酒を注ぎヒーターにのせて加熱します。食卓まわりにコンセントがあれば、手軽にすぐにお燗がつけられます。
湯せん式は、熱湯を入れた容器に日本酒を注いだ酒器を入れてお酒を温めます。熱湯を事前に用意する必要がありますが、コードにつなぐ必要がないため置き場所は自由で、収納も比較的コンパクト。
ご自身の食卓まわりの環境や、卓上での置き方などを想定して、適したものを選びましょう。
ツインバード工業『酒燗器(TW-4418B)』
電気で温めるタイプの酒燗器です。保温機能つきで、お好みの温度を保ったままお酒を楽しむことも可能です。
>> Amazonで詳細を見る温度の調整方法をチェック
せっかくお燗をつけるなら、ほどよい温度に仕上げたいものです。
電気式の酒燗器では、温度の調整方法をチェックしましょう。大体のものが、本体についたつまみで調節する形態になっていますが、目盛りの表記は設定するのにわかりやすいか、温度設定のこまかさの程度がご自身にとってちょうど良いと感じられるか、などがポイントになります。
湯せん式では、用意するお湯の量や温度、酒器を浸けておく時間で温度調整することになりますが、むずかしいと感じるときは、料理用の温度計や酒燗計があると便利です。
丸山技研『酒燗器 2.5合(MSK-252)』
ぬる燗から熱燗まで、12段階の細かな調整ができる酒燗器です。容量はたっぷり2.5合(450ml)。こまかな温度設定を好む方、扱いやすく容量が多めのタイプがほしい方に向いています。
>> Amazonで詳細を見る適した容量のものを選ぶ
一度に温められるお酒の量は、酒燗器によって違います。比較的小容量のものなら、1~2名で楽しむのに適しています。
ご家族そろって、あるいはお客さまをまねいて飲むことが多い方は、容量が多めのものを選ぶと、お酒を注ぎたすために席を立つことも少なく、ゆっくり楽しめるでしょう。
一番多くありそうなシチュエーションを想定して、適した容量のものを選びましょう。
さまざまな素材・デザインから好みのものをチョイス
酒燗器は、食を楽しむ卓上で使うものなので、見た目やおもむきにもこだわって、好みのものを選びたいですね。酒器には、陶器製のものや金属系の素材のものがあり、フォルムもさまざまです。
また、湯せん式に多い陶器製のものには、伝統的な焼き物が使われていたり、同じ形でも模様や色味のラインナップがあったりします。
好み、食卓のスタイルなどに合わせて、長く気に入って楽しめるものを吟味してください。
エールネット『酒燗器 たこ唐草 保温器付き酒器(大)』
岐阜の美濃焼でできた、湯せん式の酒燗器。おひとりで、あるいはご夫婦や恋人、気の合う友達と2人ぐらいで楽しむのにぴったりのサイズです。盃2個がセットになっているので、ギフトにも。
>> Amazonで詳細を見るおすすめ酒燗器8選|国際唎酒師が厳選
ここまで紹介した、酒燗器の選び方のポイントをふまえて、国際唎酒師の宇津木聡子さんに選んでもらったおすすめ商品をご紹介します。

ツインバード工業『酒燗器(TW-D418B)』
出典:Amazon
温め方法 |
電気式 |
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材質 |
酒器:アルミ(フッ素加工)、取っ手・ふた・下本体:ポリプロピレン ほか |
容量 |
約300ml(1合半) |
サイズ |
幅175×奥行140×高さ220mm(本体酒器セット時) |
温度調節機能 |
4段階/37℃(人肌燗)〜60℃(飛切燗) |

テスコム『酒燗器(SK31)』

出典:Amazon
温め方法 |
電気式 |
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材質 |
徳利:陶磁器 |
容量 |
450ml(2.5合) |
サイズ |
幅183×奥行155×高さ168mm |
温度調節機能 |
無段階/約40℃(ぬる燗)~50℃(熱燗) |

丸山技研『酒燗器 2.5合(MSK-252)』
出典:Amazon
温め方法 |
電気式 |
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材質 |
本体ケース・レバーツマミ:ポリエチレン、容器・熱板:アルミダイカスト、ケース保護ゴム・本体脚ゴム:シリコーンゴム ほか |
容量 |
約450ml(約2.5合) |
サイズ |
幅200×奥行175×高さ160mm |
温度調節機能 |
12段階/約40℃(ぬる燗)~50℃(熱燗) |
酒器の品質と扱いやすさが魅力
鋳物づくりなどが盛んな新潟の燕市で製造されている、電気式の酒燗器です。酒器本体は熱伝導率が高いアルミダイカスト(アルミニウムをベースとした鋳物)でできており、丈夫ながら比較的軽量。突起のあるハンドルは、持ちやすさ、注ぎやすさも抜群です。
酒器の内部に水位目盛があるため、お酒の量もひとめでわかります。温度調節は、ぬる燗から熱燗まで12段階の細かな調整ができるようになっており、お好みの温度設定が容易にできます。
容量はたっぷりの2.5合(450ml)。こまかな温度設定を好む方、扱いやすく、容量が多めの酒燗器がほしい方におすすめです。

タマハシ『酒燗器 ゆめここち(YDS-25C)』

出典:Amazon
温め方法 |
電気式 |
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材質 |
本体:外観PET樹脂、陶器:美濃焼、陶器底:ステンレス |
容量 |
450ml(2.5合) |
サイズ |
本体:約170×160×70mm、陶器:約180×135×100mm |
温度調節機能 |
1合:2段階、2合~2.5合:3段階 |

サンシン『卓上式ミニかんすけ 匠』
出典:Amazon
温め方法 |
湯せん式 |
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材質 |
チロリ:錫(すず)、つぼ:陶器、木枠:木 |
容量 |
360ml(2合) |
サイズ |
幅160×奥行135×高さ210mm |
温度調節機能 |
- |
日本の名産素材で作られた、本格派の湯せん酒燗器
富山の錫(すず)製のチロリ、岐阜の陶器、神奈川の木を使った持ち運びもできる木枠がセットになった、湯せん式の酒燗器。陶器にお湯を入れ、そこにお酒を注いだチロリをセットするだけで、お燗をつけることができます。
温度は、お湯の量とチロリを浸ける時間で調整可能。持ち手付きの木枠は、持ち運びにも便利で、卓上に置いてもおもむきがあります。また、陶器に氷水を入れれば、冷酒用でも活躍!
チロリの錫には、イオン効果でお酒をまろやかにする性質があり、また蓋(ふた)付きのため香りも逃げません。酒燗器の素材にこだわりたい方、お酒の香味を大切に楽しみたい方におすすめです。


エールネット『燗冷器セット かがり火』

出典:Amazon
温め方法 |
湯せん式 |
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材質 |
美濃焼 |
容量 |
320ml(1.5合) |
サイズ |
徳利:幅88×高さ130mm、燗冷器:幅118×高さ120mm、コンロ:幅118×高さ78mm |
温度調節機能 |
- |
演出としても効果のある、キャンドルで温めるタイプ
とっくり、燗冷器、こんろ、ぐい呑み2個がセットになっている、美濃焼の製品です。容量は320ml。お燗をつけるときは、コンロの中にウォーマー用キャンドルを点火し、指定の位置まで熱湯を入れた燗冷器に、お酒を注いだとっくりをセットします。
ゆっくりお酒を温めるキャンドルの炎は、すてきな卓上の演出になります。少人数で雰囲気を存分に味わいながらお燗酒を楽しみたい方や、ギフトを探している方におすすめです。
燗冷器に冷たい水を入れれば、冷酒を飲みたい時にも使えます。淡い色合いで違うおもむきのある「青磁刷毛(せいじはけ)」のものもあるので、お好みのものをどうぞ。

一覧表で「酒燗器」のおすすめ商品を比較する
通販サイトの酒燗器ランキングを参考にする
楽天市場での酒燗器の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
長く愛せる酒燗器を選ぶために|国際唎酒師のアドバイス
酒燗器を長く愛用できるよう、そして、いつも清潔な状態でお燗を楽しむために、付属品も含めて、洗いやすさ、お手入れのしやすさ、取り扱いの注意事項も、購入の前にチェックしたいポイントになります。
また、陶器製のものは破損などの心配がないように、手元に届いたら必ず商品を確認することや、返品・交換の対応がしっかりしているショップを選ぶことも大切です。満足のいくものを選んで、お酒を味わう時間をより豊かに楽しみましょう。
「徳利」のおすすめをお探しの方はこちらの記事もぜひ
お酒を楽しむために欠かせないのが徳利。生活コラムニストのももせいづみさんへの取材をもとに、徳利の選び方とおすすめの商品をご紹介します。
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
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日本の風土、知恵、歴史が生み出した日本酒の魅力や楽しみ方を、より多くの人に広めるため、訪日外国人へのプライベート日本酒体験、外国人・日本人向け日本酒にまつわるセミナーやイベントの企画を行っている。 外国人のプライベート日本酒体験では、これまでに30か国以上から300人余りをお迎えしている。 日々の生活でも、カンパイは日本酒、スキンケアは日本酒と酒粕で、そして朝晩の甘酒を欠かさない。