「オーバーフロー水槽」のおすすめ商品の比較一覧表
オーバーフロー水槽とは? メリット・デメリット ポンプでくみ上げ再び水槽に戻す
オーバーフロー水槽とは、水を浄化するろ過装置を下に設置して飼育水を浄化し、ポンプで組み上げて再び水槽に戻すという循環システムをもった水槽のことです。
オーバーフロー水槽の最大のメリットは、水槽の下方にサンプ(水溜め)を置くことができ、豊富な水量、大量のろ過を行入れることができるため、ろ過能力が高いということです。メンテナンスが簡単なうえ、拡張性も高く、水量を増やすことができるので、水質も安定します。また、水槽内にクーラーやヒーターを入れずに済むため、見た目がスッキリします。
デメリットは、水が落下する音です。気になる場合は、フロー管に紐を垂らすなどして落下音を緩和させるといった工夫が必要になります。
オーバーフロー水槽の選び方
ここからは、オーバーフロー水槽の選び方についてご紹介していきます。
置く場所と目的で選ぶ サイズやデザインも考慮
水槽の大きさは、小さすぎると水質が安定しづらいのに対し、大きすぎると水温などの管理が大変です。また、クーラーやヒーターはキャビネット内に収まらないタイプもありますので事前に確認しましょう。
大型魚・大量の数を飼育するなら「大型タイプ」
人目につく場所などに置きたい場合は、あえて大型を選択してみるのもよいでしょう。小魚が無数に群れをなし、そのなかを大きな魚が悠然と泳ぐ様は壮観ですよ。また、水量が多ければ多いほど水質変化がないため、水交換の手間も省けます。
スペースが限られているなら「小型・中型タイプ」
一般的なサイズはこのタイプでしょう。リビングやお部屋、玄関に置くのにちょうどいいサイズです。やはり、お部屋で眺めるにはこのサイズがおすすめです。ただし、水量が少なすぎるとその分水質も変化しやすいので注意が必要です。そうした、水質変化の激しい場合には、ろ過機能の高いオーバーフロー水槽がおすすめです。
寝室などで静かに鑑賞したいなら「静音タイプ」
アクアリウムに癒しを求める人は多いかと思います。そんなときは静音設計のタイプを選ぶとよいでしょう。オーバーフロー水槽は、構想上どうしても水の流れる音が出てしまいます。水が落ちる音が気になる方は、落下する部分にスポンジを設置しているような工夫がされた静音設計のタイプを選んでください。
セット内容で選ぶ
水槽を選ぶときは、後から買い足して高くつくよりも、配管パイプや水槽のフタ、ろ過材といったものがセットになった製品を選びましょう。配管パイプ・水槽の蓋・ろ過材がセットになっているかどうかも事前にチェックしておきましょう。
サンプ構造で選ぶ ウェット式・ベルリン式
とくに重要なチェックポイントは水槽本体ではなくサンプ。オーバーフローをオーダーメイドで作る方も多いのですが、これはサンプの構造に関係しています。いずれにしても、おすすめは2wayのサンプで、ウェット式とベルリン式のどちらのタイプにも対応できます。ただし、一部商品のサンプにはプロテインスキマーが設置できないものもありますので注意してください。
ウェット式
ウェット式はろ材をたくさん入れて生物ろ過をメインに考える場合に選びましょう。ウェット式は淡水大型魚、海水魚、LPSサンゴを飼育するさいに主に使用します。
ベルリン式
ベルリン式はミドリイシやSPSサンゴの飼育で使うことがほとんどです。ベルリン式はプロテインスキマーをセットして物理ろ過をメインに考える場合に選びます。
「アクアポニックス」とは? 養殖と水耕栽培を組み合わせたシステム
アクアポニックスとは、養殖と水耕栽培を組み合わせた画期的なシステムのことで、熱帯魚の飼育と植物の育成を両立した一石二鳥の水槽です。この装置は魚の排泄物などの汚水を植物を利用したろ過層で浄化するため、水換えの頻度を大幅に減らすことができます。
オーバーフロー水槽おすすめ8選 人気の60cm・90cmサイズも!
上記の選び方のポイントをふまえて、水辺の動植物専門ショップ「sensuous」代表の早坂 誠さんと編集部が厳選したオーバーフロー水槽のおすすめ商品をご紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。

はじめてでも扱いやすい2wayタイプ
本格的なオーバーフロー水槽のなかでも比較的リーズナブルな商品。販売の歴史も長く、実際にこのオーバーフロー水槽を使っている方は多いです。
「オルカ」シリーズのフロー管は三重管構造。水槽の淵(ふち)にはフランジがついていて魚のとび出しや水はねを防げます。フルセットについてくるサンプは塩ビ製で軽く、ウェット式とベルリン式のどちらにも対応できる2wayなのがうれしいところです。
キャビネットにも工夫が施され、天板が3cm下に落ち込んでおり底砂とガラスのすき間に見える汚れが目隠しされるようになっています。この仕様はほかのキャビネットでは見かけません。『オルカ T60』は総水量が多めで安定しやすく、はじめての方におすすめです。

世界的に人気のある高性能オーバーフロー水槽
「REEFER」はオーバーフロー水槽のなかでもとくに高い性能を備えたフルセット水槽です。世界でも有名な海水用品メーカーの「RedSea」が飼育者とサンゴのことを本気で考えて製造しています。
水が下に落ちるときの音を抑えたサイレントフロー、蒸発による塩分濃度の変化を防ぐための貯水タンク、大きなスキマーもすんなり入る広いサンプ。入水口はフレキシブルで水流の向きを変えられます。さまざまなリーフレイアウトを本格的な管理で楽しみたい方におすすめ。
こちらはメーカーのホームページで商品についての詳しい解説動画が用意されているので、まずはそちらを見てからのほうがいいでしょう。解説も外国向けに作られていますが、それこそ全世界で使われているという実感が得られるのではないでしょうか。
通販サイトのオーバーフロー水槽ランキングを参考にする
楽天市場、Yahoo!ショッピングでのオーバーフロー水槽の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
オーバーフロー水槽に関するQ&A よくある質問
水槽の処分方法について教えてください。

まずはメルカリやネットオークションに出品できないか調べてみましょう。または、取り付けを依頼した業者に依頼するというのも手です。
オーバーフロー水槽の水換えの頻度を教えてください。

1週間~2週間に1回、水槽の3分の1程度を目安に水換えしてみてください。ただし、ろ過フィルターや魚の数、餌の量によっても頻度は変わってきます。例として、ネオンテトラ20匹・1日1回の給餌で週1回。飼育数5匹・2日に1回の給餌で2週間に1回が目安となります。
オーバーフロー水槽に関するそのほかの商品情報 【関連記事】
飼育イメージを描いてから購入しよう アクアリウム専門店・代表からのアドバイス
水辺の動植物専門ショップ「sensuous」代表
オーバーフロー水槽の理屈を理解することは重要!
オーバーフロー水槽は、よく理屈を理解してから買うべきものだと思います。とくに初心者の方にとっては手軽なセット商品でも、構成や構造は複雑になっていることが多いので注意が必要です。
また、フルセットといっても、付属してくるものにろ材やタンパク質除去のプロテインスキマー、水を汲み上げるポンプ、水を冷やすクーラー、カルシウムを足すカルシウムリアクターなどはついてきません(一部を除く)。
これらがサンプに入るのか、どのくらいの量を用意したらいいのかなどは総合的な判断となりますので、あせらず、全体的な飼育イメージを描ききってから購入することをおすすめします。
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※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。
東京渋谷の水草・観賞魚販売を中心とした店舗「sensuous」代表。 水草職人として、観賞魚業界を牽引するパイオニア的存在の一人。 独立後の2001年より水草を用いた作品を専門誌やインテリア誌に数多く発表しており、朝の連続テレビ小説「あまちゃん」に登場した海女カフェ水槽を始め多くのテレビ番組セットや企画展、各イベントなどでアクアリウム作品を手掛けている。 2016年6~7月にはEテレ「アクアリウムとテラリウム」の講師での出演、 2017年・18年では水草と観賞魚の企画展「グリーンアクアリウム展」でのディレクションを担当する。 都内専門学校(アクアリスト専攻)講師。観賞魚飼育管理士アドバンス・愛玩動物飼養管理士2級・ビオトープ計画管理士2級・ビオトープ施工管理士2級。著書「水草水槽のススメ」