一般的に、イヤホンは音を鳴らすドライバーユニット(実際に耳に入れる部分)と、音楽再生端末とドライバーを繋ぐためのケーブルが繋がっています。
リケーブルイヤホンとは、イヤホンのドライバー部分とケーブル部分を付け替えることで自分好みの装着感やカラーリングにカスタマイズできるイヤホンのこと。断線した場合でも、ケーブルを付け替えればいいだけなので、お気に入りのイヤホンを長く使用することもできます。音質面では「ノイズの減った」「音質が良くなった」という口コミもあり、現在ではリケーブルを採用する製品も数多くなってきています。
本記事では、オーディオ・ビジュアル評論家の野村ケンジさんへの取材のもと、リケーブルイヤホンを選ぶときのポイントを3つご紹介します。初心者の方から上級者の方まで、ポイントを踏まえつつ、チェックしていきましょう。
それでは、リケーブルイヤホンの基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記の3つ。
・4種類の接続コネクタの規格
・自分が使いやすいケーブル
・搭載ドライバー
上記の3つのポイントを抑えることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
リケーブルイヤホンの接続端子(イヤホン本体とケーブルを繋ぐ端子)には、採用数の多いMMCX、オーディオテクニカが開発したA2DC、イヤーモニターでよく使われる2pin、ケーブルメーカーのestronが開発したT2など、製品によってさまざまな端子が採用されています。
MMCXは多数派ながら耐久性が疑問視されていたり、2pinはていねいに着脱しないと折れやすかったり、A2DCやT2は市販製品が少なかったりします。それぞれメリットやデメリットがあり、どのタイプがベストとはいえませんが、先々、市販ケーブルに交換して音の変化を楽しみたいのでしたら、まずはMMCX端子を採用している製品がおすすめです。
リケーブルを採用しているミドル~上級グレードのイヤホンになると、「耳掛け型」ケーブルを採用するモデルが多くなってきます。
耳掛け型ケーブルには、装着時に外れにくいこと、タッチノイズ(ケーブルを触ったときに発生する騒音)が発生しにくいなどのメリットがありますが、メガネをかけている人や髪の長い女性などは装着しづらかったりします。購入前にしっかりとチェックしましょう。
リケーブルイヤホンは、比較的上級に位置するモデルが多いため、搭載されているドライバーの種類や数にはさまざまなバリエーションが用意されています。
一体感のあるメリハリのよい音の表現が得意の「ダイナミック型」、ヴォーカルの生き生きとした表現が魅力の「BA(バランスドアーマチュア)型」、両者の長所を巧みに融合させた「ハイブリッド型」など、さまざまな音色傾向を持つ製品がありますので、まずは自分にとってどのタイプが好みかをチェックしましょう。
「リケーブルイヤホン」のおすすめ商品の比較一覧表
画像 |
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商品名 |
SHURE(シュア)『SE215』
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SENNHEISER(ゼンハイザー)『IE 40 PRO』
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JVC(ジェーブイシー)『CLASS-S SOLIDEGE 01 inner(HA-FD01)』
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S’NEXT(エスネクスト)『final E5000(FI-E5DSSD)』
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Pioneer(パイオニア)『SE-CH9T』
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ORB(オーブ)『インイヤーモニター(CF-IEM)』
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SONY(ソニー)『IER-Z1R』
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Meze Audio(メゼ オーディオ)『RAI PENTA』
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Westone(ウェストン)『Bluetoothケーブル Version2(WST-BLUETOOTHV2)』
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商品情報 |
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特徴 |
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スピーカータイプ |
密閉型ダイナミック
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密閉型ダイナミック
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密閉型ダイナミック
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密閉型ダイナミック
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密閉型ダイナミック
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BA(バランスドアーマチュア)型
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密閉ハイブリッド
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密閉型ハイブリッド
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コネクタのタイプ |
MMCX
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独自設計
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MMCX
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MMCX
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MMCX
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埋込式2PIN
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MMCX(互換性要確認)
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MMCX
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MMCX
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ドライバーユニット |
シングルダイナミック
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ダイナミック
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口径11mm D3ドライバーユニット
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6.4mmΦダイナミック型
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9.7mm ドライバー
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1BA+1VSC
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ハイブリッド
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ハイブリッド型5 ドライバー(4×カスタムBAドライバー、1×ダイナミックドライバー)
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再生周波数帯域 |
22Hz〜17kHz
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20Hz〜18kHz
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8Hz~52kHz
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20Hz~45kHz
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5Hz~50kHz
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20Hz - 18.5KHz
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3Hz〜100kHz
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4Hz~45kHz
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商品リンク |
※各社通販サイトの 2022年3月28日時点 での税込価格
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※各社通販サイトの 2022年3月28日時点 での税込価格
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上記で紹介したリケーブルイヤホンの選び方のポイントをふまえて、おすすめ商品を紹介します。
まずは、ダイナミック型のリケーブルイヤホンです。ぜひ参考にしてください。
定番中の定番といえるベストセラー
リケーブルイヤホンの定番中の定番といえば、やはりSHUREの『SE215』でしょう。
2011年に発売されたロングセラー機ですが、その人気はいまだに衰え知らず。スペシャルチューニングが施された『SE215 Special Edition』やBluetoothケーブル付属タイプなど、バリエーションモデルもラインナップされています。
もともとステージモニターとしてつくり出された製品ですので、耳掛け型のケーブルを採用しています。リケーブルイヤホンをはじめたい人には、まずこの製品がおすすめです。
SENNHEISER(ゼンハイザー)『IE 40 PRO』
ゼンハイザーの新世代イヤーモニター
プロフェッショナル用の技術をベースにつくられた、耳掛け型リケーブル採用のカナル型イヤホン。
ダイナミック型ドライバーにこだわるゼンハイザーだけあって、こちらの製品には10mm口径のダイナミック型ドライバーが採用されています。耐久性を求めたためか、特殊なコネクタが採用されているので市販リケーブル製品を活用できないのが残念ですが、その分プロユースにも耐えられる高い耐久性がアピールされています。
市販リケーブルは使えなくてもいいので、ゼンハイザー製イヤホンを長く使い続けたい、という人に。
JVC(ジェーブイシー)『CLASS-S SOLIDEGE 01 inner(HA-FD01)』
カスタムが楽しい人気モデル
ステンレスボディにダイナミック型ドライバーを搭載したカナル型イヤホンです。付属する交換用ノズルによって音色傾向をカスタムでき、ノズル部分が回転することでストレートタイプと耳掛け型、どちらのケーブルレイアウトにも対応。自分にとってのベストな音やスタイルに調整できる、とてもユニークな製品となっています。クリアでメリハリのいいサウンドも好印象。
自分好みのサウンドを積極的につくり上げてみたい、という人におすすめです。
S’NEXT(エスネクスト)『final E5000(FI-E5DSSD)』
Jポップからクラシックまで幅広く楽しみたい人に
最新の音響工学、心理学の研究成果を踏まえた音質設計が特徴のfinal製イヤホンのなかでも、コンパクトな筐体(きょうたい)と生き生きとしたサウンドの両立が人気となっている「Eシリーズ」の上級モデル。
MMCXコネクタを採用したリケーブルには、この価格帯の製品としては贅沢な高純度OFCシルバーコートケーブルが採用されています。
生き生きとしたJポップと自然な音色のクラシック、どちらも存分に楽しみたいという人や、イヤホン本体が小柄でケーブル配置はストレートタイプが好み、という人におすすめです。
コスパの高い良質なサウンドが魅力
9.7mm口径ドライバーを搭載し、独自技術「Airflow Control Port」やノズル部を異種金属の2層構造にすることなどによって、このクラスとしては望外といえるフォーカス感の高いクリアで良質なサウンドを楽しませてくれます。
純正アクセサリーとして2.5mmバランス接続ケーブルなども用意されていますので、DAP(デジタルオーディオプレーヤー)と組み合わせて更なる良音質を楽しむこともできます。
コスパの高い、それでいて音も良好なリケーブルイヤホンが欲しいという人に。
続いては、バランスドアーマチュア型のリケーブルイヤホンです。こちらもぜひ参考にしてください。
ORB(オーブ)『インイヤーモニター(CF-IEM)』
新開発の音響空間による新しい音楽体験
関西にある工場にて自社生産している安心の国産リケーブルイヤホン。精細な技術力を持つイヤフォン工房との共同開発で誕生した商品で、新開発の音響空間により音像にほどよい響きと厚みをもたらせてくれます。
ケーブル接続は2PINタイプを採用。接続部を埋め込み式にすることでガタツキを無くし、ピンにかかる負担を軽減することで2PINタイプの弱点をカバーしています。
最後は、ハイブリッド型のリケーブルイヤホンです。こちらもぜひ参考にしてください。
贅(ぜい)をこらしたソニーの最高級モデル
口径の異なる2基のダイナミック型ドライバーと1基のBAドライバーを採用。ハウジング素材にジルコニウム合金を、その内部にマグネシウム合金製のインナーハウジングを採用するなど、音質について徹底したこだわりを投入した、ソニーのフラッグシップモデルです。
ケーブルは、3.5mmステレオミニ端子に加え4.4mmバランス端子も同梱されていて、ウォークマンなどで更なる高音質を楽しむことができます。
ソニーらしい上質なサウンドを長く楽しみ続けたいという人にぜひ試して欲しい製品です。
Meze Audio(メゼ オーディオ)『RAI PENTA』
デザインと音、どちらの美しさも魅力あるモデル
美しいデザインにまとめ上げられ、かつ聴き心地のいい良質なサウンドも持ち合わせているMeze Audioの高級イヤホン。
4つのBAと、1つのダイナミックというハイブリッド構成のドライバーを採用し、独自技術PES(気圧平準化システム)を組み合わせることで、解像感が高く帯域バランスのいいサウンドを実現しています。また、人間工学に基づいて最適化されたハウジングは、良好な装着感を持ち合わせています。
音質だけでなくデザインもこだわりたい人に。
ドライバーユニットに設置することでリケーブルイヤホンが無線で使えるようになる、Bluetoothケーブルの商品をご紹介します。「便利な無線ケーブルで聴きたい。でも音質やカラーバリエーションにもこだわりたい。」という方はぜひチェックしてみてくださいね。
Westone(ウェストン)『Bluetoothケーブル Version2(WST-BLUETOOTHV2)』
充電しながら使える! aptX HD対応ケーブル
チャージングドックが付属しているので、充電しながら音楽を楽しめるBluetoothケーブル。稼働時間は最大12時間と必要充分。外出先でもバッテリーを気にせず音楽を楽しめます。
さらに、高音質伝送を特徴とした音声コーデック、aptX HDに対応しているので、ワイヤレスにもかかわらず、精細な音質を存分に堪能することができます。
Amazon、楽天市場でのリケーブルイヤホンの売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
※上記リンク先のランキングは、各通販サイトにより集計期間や集計方法が若干異なることがあります。
本記事では、リケーブルイヤホンの選び方やおすすめ商品を紹介しましたが、いかがでしたか?
商品を選ぶ際は、4種類の接続コネクタの規格を確認し、確実に設置できるものを選びつつ、使いやすいケーブルや、音質に関わる搭載ドライバーを確認することで、より自分にピッタリの商品を見つけることができるはずです。
お気に入りの音楽を最大限に楽しむためには、好みのジャンルや生活スタイルにあわせてリケーブルイヤホンを選ぶのが大事。本記事を参考に、すてきな音楽体験をしましょう!
※記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビおすすめナビに還元されることがあります。
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページ、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
※レビューで試した商品は記事作成時のもので、その後、商品のリニューアルによって仕様が変更されていたり、製造・販売が中止されている場合があります。
※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。
ポータブルオーディオやホームオーディオなどのAV機器をメインに、専門誌やモノ誌、Web媒体などで幅広く活躍。 特にヘッドホン&イヤホンに関しては、年間300以上の製品を10年以上にわたって試聴し続けるなど、深い造詣を持つ。 また、TBSテレビ「開運音楽堂」やレインボータウンFM「かをる★のミュージックどん丼885」にレギュラー出演するなど、幅広いメディアでの活動を行っている。