イヤーピースの種類 音質に合わせて素材・タイプをチェック!
イヤーピースの種類は、「シリコン系」と「ウレタンフォーム系」の2種類があり、素材によって付け心地や音質が変わります。それぞれの特徴を理解し、自分に合うタイプをチェックしましょう。
▼シリコン系:スタンダードで着け心地がいい
シリコン系は、イヤーピースの素材として一般的に使われており、イヤホンを購入した際についてくるイヤーピースの多くはシリコンです。やわらかい素材なので耳へのフィット感がよく、なじみやすい製品です。
野外などで使っても、温度や湿度などの影響を受けにくいのもメリットです。耐久性のよさはほかの素材よりもいいでしょう。
▼ウレタンフォーム系:遮音性に優れ、重低音が魅力
スポンジのような形状でやわらかい素材がウレタンフォームです。耳の穴の形状によらず、スポンジ形状がフィットするので使い勝手がいいでしょう。遮音性が高いので音として損なわれやすい重低音も聴き取りやすくなります。
スポンジ状の素材なので、汚れが奥まで入り込むことがあります。こまめにお手入れをすると長く使用できます。
イヤーピースの選び方 素材・形状・サイズ
ここからは、イヤホンイヤーピースを選ぶときのポイントをご紹介します。
【1】イヤホンとの互換性
【2】サイズ
【3】形状
それぞれ解説しているので、参考にしてみてくださいね。
【1】使っているイヤホンとの互換性をチェック
イヤーピース選びでまず気をつけたいのが、イヤホンにイヤーピースを固定するためのノズルのサイズです。イヤホンのノズルサイズはイヤホンごとに異なっていることもあり、サイズが合わないとうまく固定できなかったり、イヤーピースが外れやすくなったりする場合もあります。
また完全ワイヤレスイヤホンでは、イヤーピースを交換するとケースに収まらないという問題も。
ComplyやSpinFitといったイヤーピース専門メーカーでは複数のサイズが用意されており、サイズごとに対応するイヤホン互換性リストを公開しているので、購入前にメーカー公式サイトで確認してみましょう。
【2】自分の耳にフィットするサイズを選ぶ
イヤーピース選びの基本として、自分の耳に合うサイズ選びも重要です。人の耳の穴のサイズは人それぞれ異なり、イヤホンに付属するイヤーピースも一般的にはS、M、Lのように複数のサイズがあります。
付属品のイヤーピースは全てのサイズを試して自分に合うものを選べますが、交換用のイヤーピースは1サイズのみのパッケージ商品が多いので要注意。
購入の際には、まずはもともと装着していたイヤホン付属品のイヤーピースと同じサイズのものを選びましょう。S、M、Lと複数サイズのパッケージを用意しているメーカーもあります。
【3】ダブルフランジなど形状をチェック
シリコン材系は、厳密には装着感を高めるためにさまざまな工夫が施されています。シリコン素材自体の硬度はもちろんのこと、タイプもさまざま。音の出口である開口部の大きいタイプや、イヤーピースのカーブを工夫したタイプなどがあります。
イヤーピースがドリルのように2段、3段の形状になっていて耳奥まで挿入できる、ダブルフランジやトリプルフランジというタイプ、フランジによって素材を変えたタイプなどがあります。どれが耳に合うのかは個人差もあるので、フィット感については商品説明をしっかりチェックしましょう。
イヤーピースの主要メーカー
イヤホンイヤーピースには、さまざまなメーカーがあります。ここではイヤーピースのなかでも人気のある3つのメーカーをご紹介していきましょう。
▼Comply(コンプライ)
創設者は15の特許を取得している耳のエキスパートであり、その分野の知見や研究成果をもとに生み出したイヤーチップに多くのファンがいます。独自の低反発ポリウレタンフォームは、粘弾性のある素材で、どんな耳の穴の形にもぴったりフィット。
音漏れせず、外音をシャットアウトして音楽をダイレクトに感じたい人にはぴったりのメーカーです。
▼SpinFit(スピンフィット)
シリコン素材のイヤーピースで定番ブランドのスピンフィット。もっともスタンダードな形の『CP100』が人気です。
医療グレードのシリコンを採用し、独自の特許技術で耳の形状にフィットし、耳奥まで挿入。高音、重低音を強化し、リアル感のあるサウンドを実現してくれます。
▼SONY(ソニー)
やはり音楽といえばソニーは外せません。音楽分野に力を入れているソニーのイヤホンは常にハイクオリティと定評があります。イヤーピースも複数展開し、シンプルなシングルフランジのモデルが多く、いろんな種類のイヤホンに装着可能。
リーズナブルな価格設定も魅力ですね。
イヤーピースおすすめ11選|シリコン系
うえで紹介したイヤホンイヤーピースの選び方のポイントを踏まえて、おすすめ商品を紹介します。まずはイヤーピースの一般的な素材であるシリコン系から見ていきましょう。やわらかい素材でフィット感が高いです。耐久性が高いので屋外メインで使用する方におすすめ!
ダブルフランジ型が特徴
シリコン素材のイヤーピースで、ダブルフランジ型と呼ばれる2段構成。1段目のフランジはやわらかい仕様で耳奥まで不快感なく挿入でき、2段目のフランジは硬い仕様で装着感と密着感を高めています。
サイズはS、M、L展開で、幅広いノズル幅に対応します。
シリコン系イヤーピースの定番
シリコン素材のイヤーピースで定番ブランドのもっともスタンダードな『CP100』です。医療グレードのシリコンで柔軟性に優れ、耳の形状にフィットして耳奥まで挿入することができます。
高域をクリアに届けてくれるタイプなので、ボーカルや弦楽器の音を楽しみたい人におすすめのモデル。サイズはSS、S、M、Lの4サイズを展開しています。なお、イヤホンノズルのサイズ展開も豊富で、CP800、100、145、155、500から選べます。
完全ワイヤレス対応のシリコン系イヤーピース
完全ワイヤレスイヤホン向けのアイテムです。ベースモデルの『CP100』からダクトの長さを短くすることで、完全ワイヤレスイヤホンの「交換するとケースに収まらなくなる」問題を回避。医療グレードのシリコンを使ったイヤーピースの特性は共通です。
耳にダイレクトに届くサウンドで、中高域をクリアに届けます。低音はやや控えめなタイプ。サイズはSS、S、M、Lの4サイズを展開。
メーカーこだわり素材とフィット感のよさ
700人以上の耳の形状を検証し、完成したこだわりの製品になります。TPE(サーマルプラスティックエラストマー)を素材に採用して、体温によって形状が変形するので、耳の形によくフィットします。素材の耐久性がいいのも特徴です。
メーカーとしてフィット感を重視していて、SS、S、M、Lというサイズに加え、MS、MLというサイズも追加しています。より細かく自分にあったサイズを選べます。
より反発性に優れたウレタンフォーム
スポンジのようなコンプライのイヤホンとは少し違った、モチモチした反発感のある素材のイヤーピースです。遮音性にすぐれ、重低音のパワー重視のタイプ。中高域もクリアに立ち上がり、鮮明なサウンドを楽しめます。
商品にはノズル部分が2サイズ、イヤーピースサイズがS、M、Lと3サイズのバリエーションがあります。遮音性を引き上げつつ、中高域のクリアさも確保したい人におすすめです。
遮音性の高さにより低音がよく聴こえる
ISO22196:2011基準の抗菌仕様になっており、衛生的に使える製品。ディープマウントと呼ばれるメーカーが生み出した形状によって、耳にぴったりとフィットします。
サイズはS、M、Lに加えてXSが用意されており、自分の使いやすい大きさを選びやすいのもメリットでしょう。
アップルのEarpods専用のイヤーピース
シリコン素材でやわらかく、耳に優しくフィットする製品です。アップルのiPhoneなどに標準でついてくるイヤホン「Earpods」専用のイヤーピースになります。
耳の構造をよく考えて作られており、スポーツをする際に着けてもイヤホンが落下しないような工夫も!
シリコン系で低音重視のイヤーピース
もとはfinalの純正イヤホン付属のイヤーピースですが、幅広いイヤホン用として支持を受けているモデルです。シリコン素材ながら丸みを帯びており、耳への密着感を重視した形状。
サウンドとしてはシリコン系としては珍しい重低音志向のサウンドで、エネルギッシュな低音を聴きたい人にはイチ押しです。中広域のクリアさも確保しているので全体のバランスも問題ありません。サイズはSS、S、M、L、LLで、ほかに全サイズセットも販売しています。
フルワイヤレスイヤホン専用で長時間でも疲れない
フルワイヤレスイヤホン専用に設計されたイヤーチップ。材料は医療用で使われるLSRシリコンで汗などの影響を受けにくく、耐久性があります。やわらかい素材感で、優しく耳にフィットするので長時間着用していても疲れにくいでしょう。
「スパイラルドット」で高音質
シリコン素材のイヤーピースの内部に、スパイラル状に配置したディンプル(ドットのような溝)を付けることで音のにごりを抑えたJVC独自構造のイヤーピース。もともとはJVC純正イヤホンの付属品だったのですが、あまりに音質がいいので市販モデルになりました。イヤホンユーザーからも評判がよく愛用されています。
とにかく濁りのないクリアで見通しのいいサウンドが特徴で、素直に音の情報量を増すような効果が得られます。遮音性が高いタイプではありませんが、低音を存分に感じることができますよ。S、MS、M、ML、Lと5サイズを展開。
超優良のソニー純正イヤーピース
ソニー製イヤホンに標準で付属しているイヤーピースです。見た目や触れた感触はシリコン系に近い感じですが、厳密にはシリコンではありません。ソニーオリジナルの素材で、イヤホンのノズル部分と外の部分で素材を変えたハイブリッドです。
とにかくフィット感のよさが評判で、密閉性もある程度確保しています。サウンドは素直でクリア、特に中高域の情報をストレートに引き出してくれます。価格も400円前後とリーズナブル。高価格帯のイヤーピースを試す前に、まずはソニーの純正品を試してみるといいでしょう。SS、S、M、L、LLと5サイズを展開。
イヤーピースおすすめ4選|ウレタンフォーム系
次にウレタンフォーム系のイヤーピースをご紹介します。スポンジのような素材で、耳の穴の形に合わせてフィットしてくれます。遮音性が高く、重低音の響きをしっかりと感じられます。
AirPodsPro専用でやさしくフィットする
低反発素材を使用したやわらかな感触が特徴の製品です。AirPodsProに対応している製品で、充電ケースに入れても干渉しないような設計。そのためケースからもスムーズに取り出せます。
素材のやわらかさにより、耳にしっかりとフィットします。S、M、Lの3サイズがセットになっており、好みの大きさを選べますよ。
コンプライのアジアンフィットシリーズ
コンプライのアジアンフィット型は、アジア人特有のカーブした外耳道でもフィットしやすいように、丸みを帯びた形状にデザインされたイヤーピースです。装着方法は通常タイプの『T-type』と同じく、つぶして装着します。
サウンドは『T-type』よりも重低音が少しだけ控えめですが、高域にキレを出しています。遮音性の高さは、ほぼ同じです。なお、商品にはノズル8サイズ、イヤーピースサイズはS、M、Lの3サイズ、耳あかガードあり・なしのバリエーションがあり、ほかの製品より選択肢が多くなっています。
ウレタンフォームタイプのド定番
ウレタンフォーム素材のイヤーピースでもっともスタンダードな商品がこちら。人の体温によってやわらかくなるので、長時間着けていても痛くならず、フィット感も抜群。遮音性にも優れています。
重低音をしっかり感じられるのも魅力ですね。
完全ワイヤレスイヤホンに対応
完全ワイヤレス対応として設計された、イヤーピースとしては珍しいタイプのウレタンフォームのイヤーピースです。通常タイプの商品より高さが低いデザインとなっていることで、ノズルの長い完全ワイヤレスでも装着でき、装着したままケースに収納可能。
またノズル部分は、幅広いイヤホンに固定できるように開発されています。装着感や遮音性は通常よりも弱めです。
サウンドは付属イヤーピースよりも重低音がパワフルになり、中高域も抑え気味と傾向は同じです。ただ、サイズが小さいので効果は控えめ。
「イヤホンイヤーピース」のおすすめ商品の比較一覧表
【注意点】イヤーピースの取り扱い時の注意点 こんなときどうする??
購入したイヤホンのイヤホンピースを取り扱うときの注意点についてご紹介します。
作業として難しいことはありませんが、初めて交換する人はわからないこともあるでしょう。外れにくいときの対処などもお教えします。
▼スムーズな取り付け方
イヤホンピースを装着する際には、最初にイヤーピースの根本を持って、軽くはさむような感じで穴の部分を楕円状にします。その後、イヤホンの突起部(ステム)に対して、斜めうえから引っ掛けるようにして挿し込むと装着しやすいでしょう。
管を楕円状にすると、縦方向の歪みに対して強くなり、着けるときに変化しにくくなるので試してみてください。
▼交換時に外れないときの対処法
イヤーピースはイヤホンから外れてしまうことを防ぐために、固めに装着するように設定されています。イヤホンからイヤーピースが取りにくいときは少しひねりながら引っ張りましょう。
シリコン素材はすべることがあるので、乾いた布にくるんで引っ張ると作業しやすいです。ウレタンフォームの場合は、ちぎれてしまう可能性もあるので丁寧に作業しましょう。
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【まとめ】1,000円程度の予算で音質を向上できる!
イヤホンにひと手間加えて、装着感や音質を改善するイヤーピース。ぜひ試していただきたいアイテムです。1,000円程度の予算で音質を向上できる体験は、ほかのアイテムではなかなか得られません。
注意する点は、人の耳の形はさまざまで理想とする音も人ごとに違う、ということです。イヤーピースはどれもお手ごろ価格なので、自分に合うイヤーピースを求めて、色々なタイプ、商品を試してみることをおすすめします。
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