5弦ベースの選び方 ピックアップや材質を解説!
まずは5弦ベースの選び方をチェックしていきましょう。レコーディングエンジニアの小野寺孝樹さんのアドバイスもご紹介しています。自分の使い方にぴったりの5弦ベースを選ぶために参考にしてみてくださいね。
ネックが握りやすいかを確認
5弦ベースは一般的な4弦ベースの、もっとも太い弦のうえにさらに太い弦を追加した仕様です。弦が増えた分、4弦ベースよりも5弦ベースはネックの幅が広くなっています。
4弦から5弦に乗り換えるときや、手が小さめの人はネックの幅があり弾きづらさを感じることがあります。スリムになっているもの、形状に工夫があるなど握りやすいネックのものを選びましょう。
演奏に影響するフレットの数を確認
4弦ベースでは21~22フレットのものが多い一方、5弦ベースは24フレットのものも多くあります。フレット数が多いほどカバーできる音域が広くなります。ただし、フレットが多い分ネックが長くなるので、運指がしにくくなることもあります。
自分の演奏スタイルに合ったフレット数の5弦ベースを選ぶのが重要です。たとえば、24フレットのものはかためのサウンドになるので、タッピングを多用する人やソロの人に向いています。
ピックアップの種類で選ぶ
ピックアップとは、ベースの弦の振動を拾って電気信号に変えるためのパーツです。電気信号にしたあと、アンプを通じて出力されます。
ピックアップの種類によって音質が異なります。演奏するスタイルや出したいサウンドに合わせたピックアップを選びましょう。
シングルコイルかハムバッキングかで選ぶ
レコーディングエンジニア
ピックアップによる音の違いにも注目
ピックアップの違いも選択の重要なポイント。シングルコイルのジャズベタイプ、ハムバッキングのプレベタイプの大きく2つに分けられます。シングルコイルは繊細(せんさい)でクリアな音、ハムバッキングは音が太くノイズに強いなど、それぞれに特徴があるので、音色の好みや演奏スタイルにあわせて選びましょう。
また、その両方をそなえたPJタイプもあります。サウンドに多彩さを求める方は、こちらもチェックしてみてください。
出力がパッシブかアクティブかで選ぶ
レコーディングエンジニア
出力回路の違いによる弾き心地もチェック
出力回路にはパッシブとアクティブの2種類があり、どちらを選ぶかによって使い心地がかわってきます。パッシブはナチュラルで演奏のタッチに素直に反応してくれますが、ノイズに弱く、接続する機器の影響を受けやすいという弱点がありますね。
いっぽう、アクティブは立ち上がりが早く、力強いサウンドが得られ、ノイズにも強いのが利点。その反面、回路をドライブするための電源を必要とし、かための音色になる傾向があります。
それぞれメリット・デメリットがありますが、自分がなにを求めているかを明確にして選びましょう。機種によっては両方の機能をスイッチで切り替えられるものもあるので、音色にバリエーションを求める方には、切り替え可能なタイプをおすすめします。
5弦ベースのボディを材質別に解説
5弦ベースのボディ部分には、いろいろな材質が使われています。材質ごとの特徴を知ると、納得の5弦ベース選びにつながります。
多くのベースで使われているアッシュ材
アッシュは北米全域に生育する広葉樹です。ベースのボディに多く利用されてきた木材です。かたくて密度が高いため耐久性が高く、加工性に富むためベースのボディ材以外にも、フローリングの床材や家具、野球のバッドの素材としても使われています。
太い木目のある外見が特徴で、輪郭のある歯切れのよいサウンドが出せます。
中域寄りのサウンドならアルダー材
アルダーは、太平洋の北西海岸やヨーロッパに生育する広葉樹です。ベースなどのボディに使用されるのは、レッドアルダーとよばれる赤みを帯びた薄い木目が特徴の木材です。
レッドアルダーは生育分布が広いため手に入りやすく、アルダー材でできた5弦ベースはアッシュ材のものよりも手ごろなものがそろっています。気孔の狭い軽量な木材のためアッパー・ミッドレンジがやや強調され、アッシュよりも中域寄りのサウンドが特徴です。
レンジの広いサウンドが楽しめるマボカニー材
マボカニーとは、中米、南米に生育する広葉樹です。赤みを帯びた薄い木目のある外見をしています。
マボカニーはとても軽くやわらかい材質のため、レンジが広くて倍音が豊かなサウンドが出せるのが魅力です。あたたかみがあり、鳴りのよいトーンを出したい人にも向いています。また、ボディ材だけでなく、ネック材としても活用されています。
初心者向けモデルに多いバスウッド材
バスウッドはアメリカ東部、北米に生育する広葉樹です。乳白色の木肌で、軽いため持ったときに体に負担がかかりにくくなっています。
低音域はやや弱めですが、全体的に鳴りがよく癖のないトーンが特徴です。手にしやすい価格の初心者向けのベースにも多く使われる一方、高額なアーティストモデルにも使われることもあります。
5弦ベースを弾きたい理由
レコーディングエンジニア
演奏性や自由度など自分のこだわりを見つける
そもそも、5弦ベースを購入するのはなぜでしょうか。「好きなミュージシャンが使っている」「サウンドに広がりを持たせるため」など理由はさまざまでしょう。選択するポイントがはっきりすれば、自然と選ぶ楽器も決まってきます。
たとえば、演奏性を優先するならばネックが細く弦間の広いもの、サウンドの自由度を重視するなら多機能でフレキシブルなものなど、あれもこれもと欲張るのではなく、選択ポイントをある程度しぼりこむとよいでしょう。
5弦ベースおすすめ10選! 初心者向けからハイエンドベースまで
5弦ベースの選び方のポイントをふまえて、レコーディングエンジニアの小野寺孝樹さんと編集部が選んだおすすめの5弦ベース10選をご紹介します。

エピフォン『トビーデラックス5』


出典:Amazon
ピックアップ | フロント:Tobias SCR、リア:Tobias SCT |
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出力回路 | アクティブ |

フジゲン J-Standard『JMJ-ASH-M/SBB』






出典:楽天市場
ピックアップ | フロント:Seymour Duncan Quarter-Pound SJ5-3n、リア:Seymour Duncan SMB-5 |
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出力回路 | パッシブ |
驚異のコストパフォーマンスを誇る5弦ベース
技術の高さで世界中のミュージシャンに評価されているフジゲン。多くのブランドのOEM生産をしていることでも有名です。こちらは、もともと海外輸出向けのモデルとして展開されていた、J-Standardの5弦ベース。
実際に演奏してみるとわかるのですが、ボディはエルゴノミックデザインによって体にフィットし、バランスもよく安定感があるのでとても弾きやすくなっています。
また、独自のC.F.S(サークル・フレッティング・システム)で、ピッチや音色の安定度が非常によくなっています。ビギナーが購入するにはすこしハードルが高いですが、価格からは考えられないほどの充実ぶり。ワンランク上を目指す方におすすめします。

アイバニーズ ジオ『GSR205』








出典:Amazon
ピックアップ | フロント・リア:Std. neck pickup |
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出力回路 | パッシブ |

ヤマハ『TRBX505』

出典:Amazon
ピックアップ | フロント・リア:アルニコV |
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出力回路 | アクティブ、パッシブ(切り替え可能) |
アクティブとパッシブの切り替えが可能
ヤマハのベースラインアップのなかでも多機能な、TRBX500シリーズの5弦モデルです。このシリーズの特徴は、スリムなネックとコンパクトで軽量なボディ。これらが演奏のしやすさにかなり貢献しているといえるでしょう。
ベース・ミドル・トレブルの3バンドEQと、アクティブ・パッシブの切り替えスイッチで、幅広い音作りができるのが最大のポイント。
アクティブタイプの弱点であるバッテリー切れを未然に防ぐため、ボディ背面にはバッテリーアラートがついています。これが地味ながらも非常に助かる機能! ベースがはじめてのビギナーから中級者にまでおすすめのモデルです。

フェルナンデス『FJB5-DLX PCS』






出典:楽天市場
ピックアップ | フロント: BTJA5-N、リア:BTJA5-B |
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出力回路 | アクティブ、パッシブ(切り替え可能) |
P.C.Sで16とおりのピックアップを選択可能
フェルナンデスのJazzBassスタイルの5弦ベースです。トグルスイッチでかんたんにアクティブとパッシブの切り替えができます。そのため、Midが可変の3バンドEQで音作りをしたアクティブと、ナチュラルトーンのパッシブを瞬時に切り替えることも可能に。
さらにP.C.S.(Programmable Coil-Tapping System)で、ピックアップのコイルのオン・オフも変更できるなど、音作りの自由度が非常に高く、幅広いジャンルに対応できます。複数のバンドを掛け持ちしている方など、多様なサウンドを求める方にうってつけのモデルです。
フリーダムカスタムリサーチ『Dulake Flat-5st.』
















出典:Amazon
ピックアップ | - |
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出力回路 | - |
アイバニーズ『5弦エレキベース(GSR205)』












出典:Amazon
ピックアップ | ハムバッカー×2(パッシブ) |
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出力回路 | - |
フェンダー『Jazz Bass V』












出典:Amazon
ピックアップ | 第4世代ノイズレスピックアップ×2(アクティブ・パッシブ切り替え) |
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出力回路 | - |
Warwick『Germany Pro Series Corvette Ash 5 Creme White High Polish』

出典:楽天市場
ピックアップ | JJ |
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出力回路 | - |
ミュージックマン『StingRay5(SR5SP1HJBLK/E)』
















出典:Amazon
ピックアップ | ハムバッカー×1 |
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出力回路 | ー |
「5弦ベース」のおすすめ商品の比較一覧表
5弦ベースの選択ポイントを知ろう! レコーディングエンジニアからのアドバイス
レコーディングエンジニア
続々と新モデルが登場する5弦ベースは今が買い!
最近は5弦ベースが一般的になってきたということもあり、各メーカーが新しいモデルを出してきています。とくに最近のアクティブモデルは機能が満載で、音作りの幅が広くなっていますので、今よりもサウンドの幅を広げようと思っている方にはぴったりではないでしょうか。
パッシブモデルでも改良が進み、弱点といわれていたLOW B弦のテンション不足なども改善。それにより、従来のモデルより抜けがよい機種が出てきています。5弦ベースが気になっている方は、そろそろ導入を考えてみてはいかがでしょうか。購入の際には、ピックアップの種類や出力回路などを考慮して選択してください。
※「選び方」で紹介している情報は、必ずしも個々の商品の安全性・有効性を示しているわけではありません。商品を選ぶときの参考情報としてご利用ください。
※商品スペックについて、メーカーや発売元のホームページなどで商品情報を確認できない場合は、Amazonや楽天市場などの販売店の情報を参考にしています。
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※2019/11/19 一部コンテンツと価格を更新しました。(マイナビおすすめナビ編集部 秋元清香)
※2020/12/04 一部コンテンツ修正のため、記事を更新しました。(マイナビおすすめナビ編集部 水貝英斗)
1989年株式会社ゼロスタジオに入社。 アシスタントを経て、1992年チーフエンジニアに昇格。 その後、数々のレコーディングに携わる。 2001年ゼロスタジオを退社、フリーランスとなる。 以降、レコーディング・ミックスからプログラミングまで、またアイドルソングからプログレまでなんでもこなす便利な人として、活躍中。"